先日「MAKIKYUのページ」では、沖縄バスで活躍する「730」に関して取り上げましたが、MAKIKYUが4月に沖縄へ足を運んだ際には、沖縄バスの730と共に、東陽バスで活躍する730にも乗車しています。
東陽バスは専ら日野車を導入している事業者だけあり、同社で活躍する730も日野製の「RE101」で、年式的には沖縄バスの730と同部類ですが、登録番号は「沖22か906」、沖縄バスで活躍中の730よりも少し前に登録された車両になります。
トップドアで座席定員が多く、床材もリノリウム張りとなっており、古参車ながらも冷房車である点など、仕様的には沖縄バスで活躍している730と共通する部分も多く、1台だけ残存する動態保存車という点も共通しています。
現在は専ら日曜日の191系統・馬天営業所~城間(Gusukuma)で運行しており、城間付近はラケット状のループ運行、そして運行区間の半分程度は、沖縄バスの730運行路線・39番(那覇バスターミナル~新原ビーチ)とも重複します。
起点となる馬天営業所は、沖縄バス39番も通る「新里(Shinzato)」バス停からも徒歩10分程度ですので、その気になればこの馬天営業所へのアクセスに、730も走る沖縄バス39番を利用し、その後東陽バスの730に乗車(或いはその逆)も可能です。
(勿論那覇バスターミナルから直接馬天営業所へ向かうバス路線(東陽バス)もありますので、アクセスは好みに応じて色々選べます)
MAKIKYUが東陽バスの730に乗車した際には、馬天営業所から乗車し、途中停留所で下車して那覇バス市内線に乗り換えたのですが、191番は那覇市内の中心部へは入らず、那覇市内に入ると市内北東部をかすめ、その後浦添市内へ入る経路となっています。
南風原町内や那覇市郊外、浦添市内などで那覇市内中心部へ向かうバスへの乗り換えも容易で、途中儀保でゆいレールに乗り換える事もできます。
(勿論城間まで乗車し、その後国道58号線を頻発する各社バスに乗り換えて那覇市内中心部へ抜けたり、或いは逆に宜野湾など中部方面へ向かう事も可能です)
またMAKIKYUが東陽バスの730に乗車した際には、他にも首都圏から遠路はるばる730を求めて来た同好者も居り、この730をはじめとするバスの話題などを交わしていた事もあり、乗り心地を堪能するのは半分程度…という状況でしたが、日野のモノコック車というと「ガーガー」と煩い音を立てている印象があるものの、現在活躍中の730は「RC」ではなく「RE」という事もあり、古参車の割には静粛性に優れ、居住性も悪くないと感じたものでした。
(日野はモノコック車体末期~スケルトン車体初期にかけて、エンジン形式の異なる複数車種の大型車を出しており、同年式で似たような見た目の大型路線車でも、車種によって別メーカーの車両に乗車したのでは…と思う程の差異があります)
ただ見るからに古そうな風貌に加え、ブレーキペダルを踏んだ際のエアー音などは、ブルーリボン(東陽バスの現行主力車種)などに比べると…と感じたものでした。
現在活躍する2台の730車は、貸切などの申し込みがない限りは、機能維持を兼ねて日曜日の午前中(東陽バスは昼過ぎも)に動態保存車として運行するだけですので、経年者故の劣化進行もさほどではないかもしれませんが、何時まで走らせ続ける事が出来るのか気になる所です。
バス事情に疎い人物などは、ただの古い車としか受け取らず、ボンネットバスの様な超古参車に比べると、一般向けのインパクトは薄いかもしれませんが、希少性と言う点では既にボンネットバスと大差ないか、場合によってはそれ以上なのでは…と感じる車両です。
加えて沖縄では730交通変更という特殊事情があり、この交通変更に合わせて導入した車両という観点でも、相当な価値のある車両です。
単に公共交通としての輸送効率性を考えるだけであれば、路線車としての経済性はとても…という車両かと思いますが、MAKIKYUの周囲でも、この車両を貸切運行したという話を聞いた事もあり、今後730の価値が更に評価される事になれば、このバス自体が沖縄の希少な観光資源の一つにもなるかと思います。
沖縄の路線バスは決して芳しいとは言い難い状況で、特に東陽バスはここ最近路線用の新車を導入した話を聞かず、見かけたのは旧年式車ばかりでしたので、大都市圏で車検を継続更新できる年式の車両はどれだけ走っているのか…という状況ですので、この様な厳しい状況においても、この730を1台だけながらも残存させるのは相当な事かと思います。
もう少し仕様車両や経営が良さそうな沖縄バスでも、この様なバスをわざわざ残し、走らせ続けている事は大いに評価できる事と感じ、今後も現状の730車動態保存運行が末永く続く事を願いたいものです。