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JR東日本・第一線から離脱したE653系~各地で臨時列車や訓練運転などに…

2013-07-31 | 鉄道[首都圏・JR]

JR東日本では常磐線特急用に新型のE657系を導入、今年春には車両入替が完了し、常磐線の定期特急列車から既存の651系とE653系の姿が見られなくなっている事は、ご存知の方も多いかと思います。

その中でも特に専ら「フレッシュひたち」号で運用していたE653系に至っては、常磐線特急の車種統一と他線転用のために運用離脱したと言っても過言ではない状況です。

フレッシュひたちと言う第一線から退いたE653系は、7両編成の基本編成が羽越本線の特急「いなほ」号に転用され、古参の485系取替に充てられる事が発表され、MAKIKYUはまだ姿を直接目にする事はできていないのですが、既に塗装変更や片側先頭車のグリーン車化などの改造を済ませた車両も登場しています。

その一方、まだフレッシュひたち時代のままという編成も残存しており、時折臨時列車として運用しながら、順次転用改造される事と思いますが、先日このE653系に乗車する機会がありました。

MAKIKYUが乗車したのは、快速「マリンブルー南房総」号で、高崎~安房鴨川間(高崎線~大宮~武蔵野線~京葉線~外房線経由)で運行されたこの列車は、臨時列車ながらも全車普通車で自由席も設定されている快速列車ですので、現在有効期間となっており、割安な青春18きっぷでも乗車できます。


MAKIKYUは数日前日帰りで房総方面へ足を運ぶ機会があり、その帰りには青春18きっぷを利用し、「マリンブルー南房総」号を利用したのですが、E653系基本編成は順次転用改造に入り、改造を済ませた編成は新潟地区に転属となりますので、房総方面で同系に乗車するという意味では非常に貴重な列車と言え、旅客列車で通過する機会が限られる大宮~武蔵野線連絡線を経由する点も注目です。

E653系基本編成は、フレッシュひたち用だけでも4種類のカラーバリエーションが存在し、カラフルな特急車としても知られていますが、「いなほ」号用転用改造が完了すれば、これらの装いは見納めになってしまいます。


その中でもMAKIKYUが乗車した際に充当された車両は、窓下の装いがブルーの編成で、房総地区のイメージにも合致すると共に、房総地区で定期運用されている各車両と並ぶ姿も結構似合っていると感じたものでしたが、個人的には青色だけでなく黄色の編成も似合うのでは…と感じたものでした。


前面の「Hitachi express」表示もそのまま、LED式となっている側面行先表示は「快速」のみの表示であるなど、フレッシュひたち号からの運用離脱後、特に大きな手入れなどはされずに暫定運用されているといった雰囲気を感じたものでした。


車内も「フレッシュひたち」号時代には一度短距離乗車しただけですので、同系に3時間もの長時間乗車するのは、先日が初めてでしたが、車内LED表示器も号車番号以外は無表示となっているのは、暫定使用の臨時列車ならではと感じたものでした。

行先や列車名はおろか、同一設備で指定席と自由席が混在するにも関わらず、この案内が車内放送程度で、余り徹底されていない事もあってか、途中駅では指定席車に乗り込む指定席券未所持者が多数見受けられたのは閉口させられたもので、せめてステッカーなどの掲出程度は…と感じたものでした。


車内設備面では、E653系はJR有料特急車の中では、シートピッチが狭い車両としても知られていますが、座席自体の座り心地は悪くなく、座席下の足元空間は比較的広く確保されています。


座席の背面形状も狭さを和らげる造形であるなど、着席している限りはさほど狭さを感じさせない辺りは、国鉄時代に導入された同等シートピッチの特急型車両などとは大違いです。


比較的古参のJR特急型車両の中では、もう少しシートピッチが広くても、足元が狭い車両も多数存在しますので、個人的にはこれらと比べても快適さは断然…と感じますし、比較的モダンな印象の内装などは、もう第一線から離脱?と感じてしまう程です。

窓際席の乗客が席を立つ時と、向かい合わせ状態にした時などは、少々難ありの気もしますが、元がビジネス利用主体の列車で運用されていた車両で、座席数確保が必須の状況だった事も踏まえると、設備的には決して悪い車両ではなく、「いなほ」号への導入ともなれば、個人的には大幅な設備改善なのでは…と感じます。
(「いなほ」号は乗車券の他に別途特急料金を要する事を踏まえると、個人的にはE653系レベルで相応、JR在来線特急では車両設備・快適性などはワーストから数えた方が早い現状が酷過ぎるのですが…)

ちなみにMAKIKYUが「マリンブルー南房総」号に乗車した際には、一応事前に指定席券(510円・指定席自動券売機では発券不可でした)を購入して乗車したのですが、それでも現行房総特急の主力・E257系などに比べるとシートピッチがやや狭いものの、比較的新しい特急形車両に快速(=料金面では普通列車扱い)で乗車、それも割安な青春18きっぷ利用ともなれば、かなり乗り得な列車と感じたものでした。

またMAKIKYUは今月「マリンブルー南房総」号でE653系に乗車しただけでなく、「いなほ」号でのE653系運用開始に向けた乗務員訓練などで用いられている同系基本編成の姿も目撃しています。

 
こちらはエメラルドグリーンとイエローの編成で、前者は秋田・後者は酒田の駅構内に停車している車両を撮影したものですが、前者は羽越本線の普通列車に乗車した際にも、秋田県内の途中駅ですれ違っており、ブラインドが全て閉められた状態で運行している様は、如何にも乗務員訓練列車ならでは…と感じたものでした。

E653系基本編成の首都圏出没は、「いなほ」号用転用改造完了→全編成の新潟地区転属後はかなり少なくなり、特に営業列車ともなれば尚更と感じますが、今後も首都圏各地の臨時快速列車などで運用される機会があれば…と感じたものでした。

また4両編成の付属編成に関しては、現段階では他地区特急への転用話は聞きませんが、まだMAKIKYUは乗車した事がないこちらの今後の動向も気になる所で、これも臨時快速列車で運用されれば、結構な乗り得列車になるのでは…と感じたものです。

JR東日本では首都圏でも、未だに在来線特急車のワースト車両と言っても過言ではなく、消費電力量も大きい古参特急車を、一部の特急列車で運用し続けていますが、その一部の代替車両として運用しても悪くないのでは…と感じ、常磐線特急からの運用離脱後、E653系に比べて余り動きが報じられない651系と共に、有効に活用される事に期待したいものです。


(お断り)この記事は東北関連の話題も含まれていますが、先日乗車した「マリンブルー南房総」号の運行地域はMAKIKYUの乗車区間を含む大半が首都圏ですので、「首都圏」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。