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壱岐交通の主力・西工58MC車体の日野車

2013-07-28 | バス[九州離島・沖縄]

先月MAKIKYUが長崎県の壱岐島へ足を運んだ際には、島内バスのフリー乗車券(車内発売あり・但し平日の利用は島外在住者のみ)を利用し、壱岐交通の路線バスを利用して島内を廻ったものでした。

壱岐交通は九州本土・佐賀県を中心に路線・高速バスなどを運行する昭和自動車の系列会社ですが、離島と言う土地柄も影響してか、路線バスの使用車両は昭和自動車とは大きく異なっています。


島の規模の割には、路線バスの運行路線数・便数や運行本数などは比較的多い印象を受けたものでしたが、路線・貸切双方の用途に使用可能な「兼用車」を多く導入してきた事もあってか、一般路線では大型車による運行が比較的多いのも大きな特徴です。


壱岐で活躍する兼用車は、扉は前1箇所のみ(トップドア)、車内は2人がけのハイバックシートがズラリと並ぶ着席重視仕様、そして側面窓は引き違い式といった仕様が特徴的ですが、島内は何処へ向かうにも最短ルートで30分もあれば…という小規模な島だけあって、長乗車時間はあまり想定していないのか、兼用車でも各座席にリクライニング機能は存在しません。

近年はバリアフリー法絡みでこの兼用車が導入不可になっている事もあってか、兼用車は年式の古い車両が大半を占め、おまけに貸切車両の中古車を導入する事で兼用車の古参車を淘汰していますので、一応兼用車ながらも路線バスとして走る事が殆どの様です。


この兼用車の中でも、主流を占めているのは土地柄も影響してか西日本車体工業(西工)製の車体を装備した車両で、壱岐で活躍するこのタイプの下回りは全て日野です。

しかしながら西工製車体でも、現在の主流になっており、大都市圏では既に排ガス規制の影響による退役車も続出している96MCは1台もなく、全てそれ以前のモデル(58MC)ですので、大都市圏では車検登録・更新が出来ない古参車ばかりと言っても過言ではない状況です。


この主流となっている西工58MC車体の日野車は、現在活躍中の車両は概ね平成1桁年製で、見た目はどれも似たような雰囲気ですが、よく見ると年式の差異などによって、側面窓割などに違いが存在しています。

古参大型路線車が好みのMAKIKYUとしては、乗客として乗車するのであれば大歓迎という状況ですが、古参車ばかりに偏っている状況では、いつ大々的な車両代替が行われても不思議ではない気がしますし、その際には兼用車の導入ができない事から、どの様な車両で代替するのか気になる所です。

大型車が主力を占めているとは言えども、昼間時間帯などは基幹路線の循環線でもマイクロバス(ポンチョ)が充当されている姿も見かけており、通学ラッシュ時間帯などを除くと輸送力過剰気味の印象を受けたものでした。

近い将来に大幅な車両のダウンサイズ化が行われても不思議ではなく、58MC日野車の兼用車を存分に堪能したいという方は、なるべく早めに壱岐へ訪問された方が…と感じたものでした。