先日「MAKIKYUのページ」では、韓国・ソウル市内と南郊を結ぶ新盆唐線(DX-LINE)の終端・光教(Gwanggyo)駅に関して取り上げましたが、この駅から乗車した江南(Gangnam)行のDX-LINE列車を下車した駅が板橋(Pangyo)で、板橋駅はKORAIL広域電鉄・京江(Gyonggang)線の始発駅にもなっています。
昨年秋の訪韓時、MAKIKYUは板橋駅でDX-LINEからこの京江線に乗り換えたのですが、京江線は昨年9月に開業したばかりの新線ですので、乗車したのは昨年秋が初めてで、韓国へは何度も足を運んでいるという方でも、京江線には乗車した事がないという方も少なくないと思います。
この京江線の新規開業区間は板橋~驪州(Yeoju)間56㎞、当初仮称で城南驪州線と呼ばれていた路線が、他の予定線を含めて京江本線とされて、その内の一部を構成する状況になっています。
現在はソウル南郊の城南市にある板橋を起点に東へ向かい、京畿道の鉄道空白自治体だった広州(Gwangju)市・利川(Icheon)市を経て、驪州(Yeoju)市に至る区間を運行しているものの、今後東西双方で延伸し、将来的には両端でKORAIL既存路線と接続し仁川(Incheon)広域市~原州(Wonju)市を結ぶ予定になっています。
(現在の他鉄道線連絡は始発の板橋駅でDX-LINEと接続する以外は、板橋の隣駅・二梅(Ime)でKORAIL盆唐線と接続するのみです)
板橋から京江線電車に乗車すると、暫くは都市化の進んだエリアが主体という事もあってかトンネルの中を走り、一旦地上に出ても西側(板橋寄)はトンネル区間が大半を占める状況です。
地上区間はソウル近郊に位置する京畿道の中では開発があまり進んでいない地域という事もあり、駅前でも長閑で閑散とした雰囲気の所が多いと感じたものです。
駅間が比較的長く両端駅を含めても11駅しかない事もあり、全列車各駅停車ながらも56㎞を1時間弱で走破しており、結構早いと感じたものですが、昼間時間帯の運行本数は毎時3本程度と、都市圏線区にしては少ないと感じたものでした。
ちなみに現在使用している車両は371000系と呼ばれ、京江線向けに新造された電動車ですが、他のKORAIL広域電鉄で活躍している車両とはデザインなどは酷似した標準仕様車両で、ソウル近郊を走る通勤電車の典型と言った雰囲気の車両ですが、現在の編成両数は4両、韓国の広域電鉄では最短の部類に入ります。
濃いブルー1色のラインカラーが配されている事に加え、先頭車前照灯が3灯になっている事と、KORAIL広域電鉄では最近になってようやく本格採用される様になったシングルアーム式パンタグラフが、外観上では大きな特徴となっています。
車内も造りは広域電鉄他路線の車両と大差ない4扉ロングシート車ながら、暖色系の座席モケットはソウル近郊のKORAIL広域電鉄他路線では見かけない京江線車両ならではの特徴となっており、標準設計的車両ながらも一風変わった雰囲気と感じたものでした。
またMAKIKYUが京江線に乗車した際は、途中駅では下車せずに終点の驪州まで乗車しましたが、驪州駅も市内中心部とは少々離れた街外れに位置しています。
そのため駅前は閑散とした雰囲気でしたが、バス大国の韓国だけあって市内中心部まで移動できる市内バス路線も設定され、写真の901番は昼間約25分間隔で運行しています。
京江線電車の運行本数を考慮すると、接続交通機関としては充分な便数が確保されていると言っても良いと感じたものです。
(MAKIKYUは驪州駅到着後901番バスでバスターミナルへ移動し、その後楊平(Yangpyong)へ移動しましたが、驪州駅から市内バスで楊平方面へ向かう場合は、バスターミナルへ出て乗換となります)
駅自体も開業したばかりの新線で、ホームドア設置率の高い韓国という事もあり、途中各駅共々スクリーン式ホームドアを完備しています。
おまけに将来の増結に備え、ホームは現在の運行両数(4両)以上の長さが予め確保されており、現在列車が停車しない両端は柵が設置されて入場できない状況ですので、保安面では人身事故発生が毎日の様に報じられる日本の首都圏各線とは大違いで評価できる事ですが、駅ホームからの列車撮影は絶望的な状況と言わざるを得ないのは残念な所です。
(列車の写真は驪州駅から板橋方へ徒歩で4~5分程度移動した所から撮影しています)
車両は新型1形式のみ・駅ホームでの列車撮影は絶望的な状況となると、趣味的な関心はイマイチと感じる向きも少なくないと思いますが、京江電鉄線開業で京畿道南東部に位置する各自治体へのアクセスは飛躍的に向上した事は多いに評価できると感じています。
京江線の運行本数や両数などは、現状では大都市近郊線区としては最小限のレベルと言わざるを得ない状況ですが、今後の発展余地は大いにある路線と感じ、今後どの様に変貌して行くのかも注目の路線と感じたものでした。
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