(この記事は乗車日にあわせた過去ログ投稿です)
8月27日、MAKIKYUはこの日「中国3大かまど」の一つとして知られ、暑さまっ盛りの重慶に居り軽軌(モノレール)などに乗車していましたが、夕方に少々列車の旅を…という事で15時前に重慶站へ。
本当は小南海へ向かう列車を…と思っていたのですが、乗車券売り場で変な係員(とMAKIKYUが思っているだけかもしれません)に当たってしまい、MAKIKYUは中国語が全く駄目なので切符を買う際にメモを渡す方法で購入していますが、メモを渡しても相手にされず(こんな事は初めて:漢字の読めない係員なのかもしれません)、他の列へ並びなおしている間に時間切れに。
並び直した列で係員が端末を操作した際には、発車11分前という事で機械的に発券がストップされ、重慶站まで来てそのまま引き下がるのも…という事で時刻表と相談、その後乗車券を購入して乗車する事になったのが8676次です。
この列車は1650に重慶を出発し、重慶南までは所要約15分という中国鉄路にしては異例なまでの超短距離列車、乗車券購入の際に係員も首を傾げながら列車番号を端末に入力する有様で、この列車の乗車券を求める人間はあまり居ないのかもしれません。
さすがにこの短距離を運行する列車だけあって発券拒否はなく、無事に無座(座席指定ナシ)の乗車券を購入できましたが運賃は短距離だけあって1.5元、MAKIKYUがこれだけ安い中国鉄路の乗車券を購入したのは初めてです。
発車までは少々時間があるので、站前で軽い食事やバスの撮影などをしていましたが、いざ乗車の段階になって候車室(待合室:列車毎に改札場所が決まっています)に向かうと、表示が何処にも見当たらず…重慶站では1階と2回の2箇所に候車室が分かれており、何処から乗車するのか分からないので2階に居る係員に筆談で尋ねると、1階に降りろとの事。
1階には最近運行を開始した重慶~成都(遂寧経由)の城際列車や、西蔵(ラサ)行きの列車の候車室があり、ここで改札を尋ねると、発車時間も迫っていた事もあってか警察官の方に大急ぎで改札まで誘導して頂きましたが、案内された場所は出口脇の工員(従業員)通路で、もしかしたらこの列車は候車室での改札は行っていないのかもしれません。
何とかここから無事入場できましたが、站構内にも列車の案内は全くナシという有様で、近くに居た係員に乗車券を見せると、一番端のホーム(7站台)へ向かう様に指示を受けて向かうと、行先表示も出ていない緑色の客車が停車しており、ここに乗り込んでいる乗務員に確認すると、これで良いという仕草を見せたので、編成の確認も兼ねて客車の前方へ。
それにしてもこの列車は実質的には鉄路局関係者用の列車なのか、市販の時刻表に時刻が掲載されているにも関わらず殆ど案内がされておらず、関係者以外は中国人でも迷いそうな感じなので、中国語も話せない外国人旅行者が乗車する事は想定外といった気配です。
列車の編成は緑色の空調ナシ客車が8両、そして先頭には電気機関車(SS3)という編成で客車の先頭は2号車、以下3号車…の順で続いています。
客車は最初見た時にはただのYZ22とYZ25B(一般的な非空調硬座車)だけの編成かと思いましたが、前方に連結されている2号車は硬臥(3段寝台)車のYW22B 664202、MAKIKYUは緑皮車(旧型の緑色客車)の寝台は初めて、これも一般に開放されており、また機関車に近い車両に乗車したかった事もありこの車両に乗車。
車内は中段の寝台が折り畳まれ、また専ら昼間の短距離列車で使用するので寝具の用意などはありませんが、短時間乗車とはいえ僅か1.5元で寝台車の旅が楽しめるのは随分乗り得な気がします。
ただこの列車の乗客は大半が乗り慣れた感じの方で、寝台車を気にする事もなく座席車にも乗車しており、各車両に満遍なく乗車している感じでしたが、乗客は各車両に1桁といった感じでしたので、特に混雑するといった事もなく快適に過ごせます。
また隣の3号車はYZ30 346842という変わった客車が連結されており、これはパッと見た感じは番号を見ない限り典型的なYZ25Bにしか見えない車両(実はRW24の改造車の様です:はいらーある様情報ありがとうございます)ですが、車内に入るとビックリ!というのも、中国鉄路では大半の車両がクロスシート(座席を枕木方向に設置)なのですが、この車両の座席は日本の通勤電車の如くロングシート(座席をレール方向に設置)で、背もたれもなく硬い木の座席となっていました。
この車両の座席は隣の2号車とは雲泥の差で、随分居住性は劣るものですが、これもなかなか乗れそうにない車両で、またこの列車は乗車時間も短いですので、こちらへ乗車するのも面白いかもしれません。
ちなみに4号車以降は、一般的なボックス席が並んでいる車両で特に面白い事はありませんので、8676次へ乗車される際は前方の車両がオススメです。
列車は発車すると室内灯もつけずに運行し、そのため途中にあるトンネル内では車内は真っ暗に、この国の路線バスなどではよくある事ですが、列車でこの様な事は初めてです。
またこの8676次は所要僅か15分という超短距離列車にも関わらず、途中で黄沙渓という小さな站(というより停留所)にも停車しますが、この駅はホームも数両分しかないので一部号車を除くと線路脇にそのまま下ろされるような感じで、この站での乗客の乗降はない様でした。
黄沙渓を出て少々走ると程なく終点・重慶南站へ、この列車は長江沿いを走り、車窓は進行方向右側の方が良いですが、寝台車は右側に通路が設けられています。
重慶南站は站前に路線バスの発着はなく、三輪タクシーが何台も待機しているといった感じの小さい站ですが、站周辺には鉄路関係者向けの施設らしきものが幾つも見られ、鉄路関係者の街といった感じでした。
ここでは折り返しの列車に乗車するにも1時間程度の待ち時間があるので、バスで市内へ引き返す事にしましたが、バス停は重慶站と反対側の方向に少々進み、右手の階段道を上がり5分程、鉄路医院近くの「新市場」になります。
ここからは(軽軌)揚家坪站へ向かう233路などの路線バスが多数運行されており、揚家坪からは軽軌(モノレール)や路線バスで市内中心部へ容易にアクセスできますので、重慶南站利用の際に片道はバスや軽軌を利用されるのも面白いかもしれません。(揚家坪からは重慶站へも路線バスあり)
ちなみにMAKIKYUは233路を揚家坪とは逆に進み、長江の反対側に出てから320路に乗り継ぎ、さらに索道(ロープウェイ)というルートを使いましたが、こちらは320路の路線バス(田舎バスで空調ナシです)が1800頃で終車となるので注意が必要です。
ここで取り上げた重慶~重慶南間の列車は、この8676次を含めて3往復運転されていますので、夕方以外に午前中の乗車も可能です。
「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も重慶へ行かれる機会がありましたら、是非この重慶~重慶南間の列車へ乗車されてみては如何でしょうか?
画像は重慶南站に停車中の8676列車と、YZ30 346842の車内・外観です。
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窓と窓の間隔の広さといい、デッキ部分のドアが中央ではなく右に偏ってついていることといい、これは明らかに軟臥車の格下げ車です。
以前ネットで見たYZ30はRW24の格下げ車のようでしたがRW25の格下げ車も存在するのですね。
貴重な画像お見せいただき、ありがとうございました。
はいらーある様、コメントありがとうございます。この得体の知れない客車は何物かと思っていましたが、これは軟臥車の改造車とは!最初はただの25Bかと思ったなんていうのは、中国鉄路素人の証みたいなものです。
また何か気になる事がありましたら、コメント頂けると幸いです。
それとこのYZ30の外観写真を記事に追加しておきましたので、宜しかったらこちらもご覧下さい。
しかしまあ……確かに窓の間隔が軟臥ですね。25系の大増備が始まった90年代中頃の製造だと思われますが、25系の軟臥車は全て新型空調客車だとばかり思っていましたので、まさか緑皮の二段窓バージョンも当初製造していたとは……という驚きがあります。
8676次の3号車に連結されていた、このYZ30は最初25Bが連結されているのかと思い、窓の間隔が何だか異様な…と思い番号を見るとYZ30!
しかも車内を見るとロングシート車だったのでビックリでしたが、これが改造車と聞くと更に驚きで、また反響の大きさにも驚いています。
あと余談になりますが、この列車は超ローカル列車という事でこちらもYZ22がジャラジャラ…という編成を予想していましたが、予想に反して後ろの方にも1~2両程YZ25Bも連結されていました。
超短距離列車にも関わらずなかなか興味深い列車ですので、もし重慶に行かれる機会がありましたら是非乗車されると面白いかと思います。
窓は25系ベースに改修されていますので一見25系のように見えますが、窓の数に注目。もし25系であれば、客室用と思われる大窓が9つなければいけないのですが、この客車には8つしかありません。RW24の車体長が22系と同じ大きさであり、25系よりやや短いためです。
ちなみに軟臥時代の定員はRW24が8室32人、RW25Bは9室36人となります。
他にも雨どいのない優美な屋根のカーブに24系の特徴を残していますね!
こちらは窓の形などから25Bかな?と思っていましたが、24形とは…
こちらは中国鉄路の素人という事で、とても手に負える様な代物ではありません。
貴重な情報ありがとうございます。