先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた龍仁軽電鉄(龍仁Ever Line)ですが、今日は先日の続編で同線の駅設備などに関して取り上げたいと思います。
龍仁Ever Lineの起点・器興(Giheung)駅は、KORAIL盆唐線の同駅と隣接しており、龍仁Ever Lineで唯一他鉄道路線との乗換駅にもなっています。
盆唐線は器興駅周辺をはじめ、大半が地下区間であるのに対し、龍仁Ever Lineは全線が地上(高架)を走っており、乗り換え専用通路などもありませんので、一旦外へ出て乗換となります。
乗り換えの移動距離は大した事ないものの、短距離ながらも屋根などが設置されていない屋外を移動する事になりますので、荒天の日などは少々厄介で、乗り換え需要も決して少なくないと思いますので、最寄の出入口間だけでも屋根などを設置し、荒天時でも傘なしで両
線間の乗換に支障を来さない様になれば…と感じます。
龍仁Ever Lineの駅舎内に足を踏み入れると、自動改札機やタッチパネル式自動券売機など、最新の都市鉄道らしい設備が並び、エレベーターなどのバリアフリー設備も完備していますが、自動改札機は最近韓国で流行しており、乗車券類の全面IC化実現によって可能になった薄型省スペースタイプではなく、比較的大型の機器を用いています。
コンコースからホームに上がると、2線共に両側にホームが設置され、乗降ホームが分離された形態となっているのは、乗換駅で多客が見込まれる起点駅らしい設計と感じますが、車両撮影などには不適な構造と言えます。
器興駅から軽電鉄の電車に乗り込むと、沿線は韓国では典型的な巨大アパート群や、まだ開発途上で今後大きく様変わりするのでは…と感じる更地が拡がった光景などが随所で見受けられます。
典型的な都市郊外路線と言った趣ですが、典型的な都市郊外路線とは言っても、日本とは異なる異国だけに、日本から旅行で訪れて龍仁Ever Lineに乗車した場合、国内とは一味違った雰囲気を堪能できるのでは…と思います。
途中駅は上下ホームが分かれた対向式となっており、龍仁Ever Lineの列車は単行運転にも関わらず、ホームは2両分が確保されており、上下列車共に後寄りに停車します。
現状では今日流行のスクリーン式ホームドアも設置されていませんので、器興駅以外の駅では駅ホームでの対向列車撮影も比較的容易ですが、終点の前垈・Everland駅は地平駅で上部に駅舎が設けられ、ホームは暗く車両撮影に不適ですので、駅ホームからの車両撮影は途中駅狙いが良いかと思います。
ただホームドアの設置こそないものの、東急線の都市型ワンマン運転実施線区の如く、ホーム柵+乗降口部分にセンサーが設置されており、このセンサーの感度がかなり高い上に、センサーが人間や異物を感知すると、結構な音量で警告が鳴りますので、車両撮影などの際は要注意です。
(対向ホームで列車待ちをしていた乗客がうっかりセンサーに近づいた際には、警告音だけでなく遠隔監視員からの注意警告(?)も行っている状況でした)
また現段階では1両編成での運行+ホーム柵のみでホームドアなしとなっていますが、今後2両編成での運行や、ホームドア設置などが行われるとなれば、駅ホームでの撮影は意外と難しくなるかも…と感じたものです。
龍仁Ever Lineはソウル郊外とは言えども、近年DX Line開業などで利便性が向上してもまだ都心から1時間程度を要し、終点駅近くにあるエバーランドを除くと、観光地も…という状況ですので、沿線に居住しているか、知人でもいない限りは、余り利用機会の多い路線ではない気もします。
とはいえ日本では乗れないタイプの都市鉄道ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様もソウル近郊へ足を運び、エバーランドへ出向く機会がある際や、同線に興味を持たれた方などは、是非一度乗車してみては如何でしょうか?