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和歌山電鐵「うめ☆電車」~大改装車両の第4弾

2016-09-06 | 鉄道[近畿・その他私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、今夏にJR阪和線・紀勢本線で運行開始したばかりの最新型車両・2255100番台に関して取り上げましたが、それ以外にも和歌山方面で最近走り始めたばかりの車両に乗車する機会がありました。

その一つが和歌山電鐵で6月から稼働開始した「うめ」電車で、南海貴志川線を両備グループに移管して発足した和歌山電鐵では、現段階で車両代替は行わず南海時代の車両を使い続けています。

しかしながら南海から経営移管と共に移籍した6編成全てが健在ながらも、和歌山電鐵発足後に既存車両を次々と改装、「いちご」「おもちゃ」「たま」と、他に類を見ない非常に個性的な車両を次々と登場させています。

改装車両が3編成揃った段階で、在籍車両の丁度半数が和歌山電鐵発足後に改装された車両となりましたが、これに次いで6月に登場した第4弾が「うめ電車」です。

同編成の登場で改装車両の比率が過半数、元々和歌山電鐵では車両運用をHPでも公開、運用のやり繰りなどで改装車両のいずれかを運用する様に努めている状況ですが、4編成目の改装車両登場によって、3編成が運用される昼間時間帯でも最低1編成の改装車両が確実に捕獲出来る様になっています。

和歌山電鐵では既に活躍中の改装車両3編成、それも特に第2弾以降の車両は観光列車と見間違える、というよりも観光列車を兼ねた車両と言っても過言ではない位です。

そのためこれ以上強烈な改装車両を今後登場させる事はできるのだろうか…と感じる状況で、無機質で没個性的な低コスト型標準使用車でなければ、規格的に走行可能な電車ならどんな車両が出てきても驚かない程です。

それでも第4弾となる「うめ電車」では、既存の改装車両と同様に両備グループやJR九州の車両改装などで有名な某デザイナーが関与し、このデザイナーが絡んだ車両ならではの特徴も多々見受けられるものの、和歌山電鐵では初めて、全国的に見ても異例と言える部分が幾つも見受けられたものでした。


外観は赤を基調としたデザイン、多数のロゴや英文字が散りばめられた某デザイナーならではと感じますが、個人的には既存改装車両の延長線と言っても過言ではない印象。

既に強烈な改装車両の数々に触れた身としては、さほど驚かないものと感じましたが、和歌山電鐵に初めて乗車する人物が予備知識なしで遭遇したら、かなり驚くのでは…と感じる装いです。


車内に足を踏み入れると、最近の某デザイナーならではともいえ、至る所で木をふんだんに用いた内装が特徴的で、幾種もの柄を用いた座席モケットや車両間の貫通路に設けられた暖簾など、某デザイナーが絡む改装車両の定番とも言えるアイテムも目白押しとなっています。

 
ブラインドですだれを用いるのは、某デザイナーの改装車両に限れば定番化していますが、「うめ電車」では貴志方車両(写真左側)はすだれを用いているものの、和歌山方車両(写真右側)では木枠と和紙を用いた非常に独特なモノとなっており、2両それぞれでブラインドの形状や材質を変えているのは非常に特徴的です。

また某デザイナーが関与した改装車両では、特徴的な座席や装飾、調度品などを引き立たせるためなのか、側面や天井の化粧板はシンプルに仕上げられている事も多くなっていますが、最近では天井も派手に装飾する車両が次々と登場しており、うめ電車もこの一例です。

天井が装飾されただけでなく、照明も既存の蛍光灯を撤去、LED電球を配しており、今まで某デザイナーが余り手を入れない事が多かった部分も随分手を加えたな…と感じたものでした。

その一方で客ドアは今まで赤などの塗装を施して際立たせることが多かったものの、側面化粧板の他部分と同様の仕上げとなっており、こちらはややトーンダウンした印象…

と思いきや、運転席背後の片開扉は戸袋窓が閉塞され、車内側はミラー仕上げという、これまた他に類を見ない非常に凝ったモノとなっています。


 
世間を驚かせる改装車両を次々と登場させ、これ以上の改装車両は出せないのでは…とも感じる状況で、「うめ電車」でまたも新たな仕掛けを色々施した改装車両を登場させた和歌山電鐵、廃線の危機にあった路線をここまで注目される存在に押し上げた功績は相当と感じます。

改装されずに残存する2編成は現状のまま推移するのか、それとも更に新たな仕掛けを施した改装車両として今後世間を賑わす事になるのかも気になる所ですが、既に改装された車両も含めて種車が結構な古参車だけに、現在の2270系各編成自体があとどれだけ活躍できるのかも気になる所です。



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