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祝・動力車操縦者免許証取得~使い道は殆どない状況ですが…

2008-12-22 | Weblog

 
私事ながら、今日MAKIKYUは晴れて動力車操縦者免許証を手にする事が出来ましたので、今日はこの動力車操縦者免許証に関して取り上げたいと思います。

「動力車操縦者免許証」とは、鉄道に詳しい方であればご存知の方も居られるかと思いますが、日本国内で鉄道車両を運転する際に必要な免許証の事で、日本の鉄道車両を運転する際の免許は、動力の種別(電気・内燃(ディーゼル)など)や、走行路線(甲種(一般的な鉄道路線)・乙種(路面電車)・新幹線など)によってそれぞれ資格が分かれています。
(海外の事例では、鉄道車両の免許は動力の種別などによらず1種類のみの場合もある様です)

この資格は基本的に鉄道事業者に所属する従業員でないと、取得はおろか教習や試験すら受けられない事で知られており、その教習や試験も専ら鉄道事業者の施設を用いている状況(中小私鉄などでは自社の養成施設を持たず、他の鉄道に委託する事例もあります)ですので、鉄道事業者に所属する人間以外がこの資格を欲しいと思っても…という状況です。

ただ日本の鉄道に関する法令では、一般的な2本のレール上を走行する鉄道車両や、モノレール・新交通システムといった一般に「鉄道」として認知されているもの以外でも、一般的にはバスの一種として認識されることが多い無軌条電車(トロリーバス)やガイドウェイバスの専用路区間なども、鉄道の一種として取り扱われています。

そのため日本国内では、立山黒部アルペンルート内に存在するのみのトロリーバス(MAKIKYUは中国でトロリーバス(無軌電車)に乗車した事はあるものの、国内では残念ながら乗車した事がありません)や、名古屋市内を走るガイドウェイバス・ゆとりーとライン(こちらは2回ほど乗車した事があります)の専用路区間を運転する際には、路線バスを運転する際に必要な「大型第二種運転免許」での運転は不可能で、これらの路線では別個に「無軌条電車運転免許」(ゆとりーとラインはタイヤ脇のガイドを除くと一般的なディーゼルエンジンのバスで、動力は電気でないのですが…)を取得する必要があります。

この資格は無軌条電車の運行事業者に所属していなくても、現段階では大型第二種運転免許を所持していれば試験は免除となり、国土交通省の居住地を管轄する運輸局へ出向けば、申請するだけで取得が可能となっています。

関東地方各都県を管轄する関東運輸局は、現在MAKIKYUが居住する横浜市内(馬車道駅近くの横浜第2合同庁舎にあり、桜木町駅からも徒歩で行ける範囲です)にある事もあって、幸いにも大型第2種運転免許証を所持しているMAKIKYUは、一月ほど前に申請に出向いていたのですが、その免許証が本日ようやく届いた次第です。
(本当は一昨日に届いていたのですが、あいにく不在で今日の受け取りとなりました。また無軌条電車運転免許は個人申請可能とはいえ、「大型第二種免許」がない場合は申請不可です)

ちなみにこの資格は必要性は極めて乏しいもので、MAKIKYUも当面はこの資格を活用する機会はなさそうな状況ですので、取得者はさほどいないと思われ、申請に出向いた窓口も担当者は1名のみ、役所ですので申請可能な日時は当然平日のみで、それも事前にその訪問日を調整する必要があります(担当者の方は他の業務も兼務しており、他の業務で不在となる場合も多いため)が、それにも関わらずMAKIKYUの無軌条電車運転免許は、交付番号が「関東運輸局第486号」となっていました。

既に485名の方が無軌条電車運転免許を取得しているという事は、個人的に出向いて申請している方がそれなりにいる事を感じさせられたものですが、自動車の免許などに比べると取得者が限られる事もあって、免許証自体は手書き部分が多い事も印象的です。

また無軌条電車運転免許を申請に出向いた際には、他に「第二種磁気誘導式電気車運転免許」「第二種磁気誘導式内燃車運転免許」の2種類も申請できるという事なので、同時にこちらも申請してきたのですが、「磁気誘導式」とは他車および地上と通信を行いながら軌道上を自動操舵する車両(愛知万博で登場したIMTS[電波磁気誘導式バス]:MAKIKYUは愛知万博自体に行く機会がありませんでしたので、当然乗車した事はありません)で、それも第2種は自動運転が不能となった際に最寄駅や車庫まで動かすための用途に限定された免許ですので、まず使う機会はなさそうですが、無軌条電車運転免許を取得している方の殆どは、こちらも合わせて申請している様で、こちらの交付番号も「関東二磁電第457号」「関東二磁内第456号」という状況でした。
(何故か第二種磁気誘導式内燃車運転免許の方が1名だけ少ないのかは謎ですが…)

この無軌条電車運転免許をはじめとする3種類の動力車操縦者免許証、使う機会はなかなかなさそうですが、他の動力車操縦者免許証各種とは異なり、大型第2種免許を所持していれば鉄道事業者に所属していなくても個人申請で取得可能(交付手数料は1種類につき1500円)ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でも大型第2種免許をお持ちの方は、是非申請してみては如何でしょうか?

写真は動力車操縦者免許証の表紙と免許証、氏名や顔写真部分は一部加工しています。

(追記)MAKIKYUの動力車操縦者免許証取得後、2009年11月に法令が改正され、以降は大型2種免許所持者でも技能試験が必要となっています。
この技能試験は各免許を必要とする事業者の従業員以外はまず受験できませんので、法令改正以降は残念ながら鉄軌道事業者に在籍していない人物はまず取得できない状況になっています。



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8 コメント

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免許取得おめでとうございます (diamond next)
2008-12-24 14:47:34
てっきり鉄道会社に所属していないと取得出来ないものと思ってましたが、大型二種を持っていれば取得できるものだったのですね。それだけに大型二種には鉄道運転に必要な要素が多いように思えました。大型二種の効力の大きさを改めて実感しました。最近は新たな鉄道路線の開業が多く、その影響でバス路線が縮小・減発されるに伴い、バス運転手の仕事は減ります。しかし大型二種があれば交付可能なルールであれば、鉄道運転手に移行したバス運転手の方も少なくないような気がしてきましたが、実際はどうなのでしょうか。
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バスからの転向例は余りないかと… (MAKIKYU)
2008-12-25 11:30:41
diamond next様こんにちは。

「動力車操縦者免許証」の中でも、大型2種免許所持者が申請のみで個人取得可能な種別は、無軌条電車など3種に限られており、これらは法令上は鉄道扱いになっているものの、実質的に一般のバスと大差ない事が大きいかと思います。

それ以外の2本の鉄のレール上を電気・内燃動力などで運行する車両を運転する各種(甲種電気動力車操縦免許など)に関しては、バスとは全く異なる性質を持つ事もあって、相変わらず鉄道事業者の現場業務に従事していないと取得はおろか、教習や受験すらできない状況は相変わらずで、今後も同様の状況が続くものと思われます。

そのため今回の無軌条電車をはじめとする動力車操縦者免許証の取得に関しても、こちらが現段階でトロリーバスやガイドウェイバスの運転に従事する事を検討している訳ではありませんので、実用性は全くないと言っても良く、身分証明になる免許証と履歴書に書ける資格が増えただけと言っても過言ではありません。

とはいえ動力車操縦者免許証自体は、鉄道運転士が所持しているものと同等(資格欄の記載事項は異なりますが…)ですので、首都圏での実用性は全くないにも関わらず、関東運輸局管内だけでも交付手数料を支払い、既に450名以上の取得事例が生じている事も、なかなか手にできない印象の強いこの免許を手にできるインパクトの大きさを示しているといって良いと思います。

またバス運転者の求人状況も、地方では路線の改廃が次々と進み、事業者によっては人員過剰になっている事例も存在しているかと思いますが、大都市圏では逆に新路線の設定や増便などで人員不足に陥っている事例も多く、鉄道の場合は人員養成に多大な手間と費用がかかる事もあって、中高年の他職業からの転向者も多いバスからの移籍例は余り存在しないと思います。

ただ大型2種免許の取得は甲種電気動力車などの鉄道免許に比べれば遥かに容易かと思いますし、地方出身の国鉄職員が、郷里へ里帰りして仕事先を確保する為に大型2種免許を取得し、国鉄バス(→JRバス)の運転士に転向したという話を聞いた事があります。
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お初ですけどお邪魔します (銅のドアノブ)
2009-02-08 15:27:20
貴重な情報を拝見させて頂きました。勝手乍ら御礼申し上げます。お陰様で明日、運輸局へ申請する運びとなりました。本当に有り難う御座います
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はじめまして (MAKIKYU)
2009-02-14 00:08:10
胴のドアノブ様はじめまして。

こちらもネット上でこの資格に関する情報を見つけ、実際に運輸局へ問い合わせ→申請→取得に至ったのですが、用途の殆どない資格だけに情報も少ないのが現状ですので、こちらの情報でも役立てて頂ければ幸いです。

またそちらも運輸局へ申請との事ですが、晴れて免許証を手にされましたら、その旨コメント頂くか、取得記等を公開して頂ければ幸いです。
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初めまして (Ryoraku)
2017-05-25 21:32:09
こんばんは。動力車操縦者運転免許証初めて見ました。カード式でも賞状式でもなく自動車運転免許の仮運転免許証みたいなのですね。自動車運転免許のように更新って頻繁にあるんでしょうか?
この免許を取得されてるぐらいですからどこかの鉄道会社にお勤めなんですよね。
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所属事業者に関しては… (MAKIKYU)
2017-05-29 06:57:17
Ryoraku様はじめまして。

無軌条電車など3種類の動力車操縦者運転免許証、現在は鉄軌道事業者に所属している人物以外が申請だけで取得する事は出来なくなりましたが、以前は大型第2種免許を所持していれば申請だけで取得可能でした。

こちらが取得したのもこの時期で、この事もあって写真の所属事業者名には「なし」という記載もあり、この「なし」部分は画像加工などを施しておらず、手元にある免許証にも実際に「なし」の押印があります。

また「このページについて」の項にも記載がありますが、こちらは現在に至るまで現業部門以外の部署も含め鉄軌道事業者に従業員として在籍した事はないですが、鉄軌道事業者在籍者(過去に在籍していた人物も含む)以外でこの免許証を所持している人物はかなり少ないと思います。
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動力軍操縦者免許 (あぶらあげ)
2017-06-04 17:49:29
自分は規制前に取得しました。
もちろん、一般の鉄道を運転している人と同じ免許ですが、皆さんは会社で保管されてるため
本免許証は持っていません。
自分は持っていますが、JRや京王または小田急の運転士に見せると、大変驚かれます。
所属のところが【なし】と書かれてることにも
驚かれます。
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こちらはアルペンルートで… (MAKIKYU)
2017-06-13 23:04:37
あぶらあげ様こんばんは。

こちらも規制前の取得ですが、JRや小田急などの鉄道事業者で現業に従事している方々は大半が大型2種免許は不所持、また大型2種免許持ちだと申請のみで無軌条電車などの免許を取得する事が可能な事を知らない人物も多いと思います。

そのため事業者名「なし」表記の動免を見せたら驚くという事も少なくないと思います。

ちなみにこちらはJRや小田急の関係者に自身の動免を見せた事はないですが、立山黒部アルペンルートを利用した際、トロリーバス従業員に自身の動免を見せた事があり、その際には「免許だけあってもなかなか容易には運転できない」という話を伺った事があります。

申請だけでも交付手数料を要し、この収入だけでも結構な額になるのでは…という事を考慮すると、鉄軌道事業者関係者以外の人物が動免を取得する道を閉ざしてしまったのは惜しい話という気もしますが、今後鉄軌道事業者関係者以外でも再び取得できる様になれば…と思います。
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