MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

福島~南相馬間を走る急行バス~震災後に設定された新路線

2011-08-30 | バス[東北]

先日福島県浜通り北部(相双地区)の、相馬市内を走る福島交通の路線バスに関して取り上げましたが、東日本大震災による津波被害などで震災後は相双地区の鉄道(JR常磐線)は不通が続き、原ノ町以北では代行バスの運行こそ行われているものの、鉄路の復旧は見通しも立たない状況です。

また高速道路からも離れた地域だけに、公共交通機関の利便性は極めて悪く、余所者にとっては非常に訪問し難い状況になっていますが、この様な状況下で、少しでも相双地区の交通利便性を向上させる事もあってか、震災後に福島駅~相馬~南相馬間の急行バスと名乗る路線バスが新たに設定されています。


このバスは使用車両も大型高速車を用いており、MAKIKYUが乗車した際には、首都圏では殆ど姿を見なくなった三菱製の古参エアロバスに当たりましたが、他に福島交通らしくない印象を受けるいすゞ車(GALA)が活躍する姿を目撃しています。

震災後に緊急で設定された路線だけあって、音声合成による車内放送こそ用意されており、運賃表示器もきちんと表示されるものの、行先を示す字幕は用意されていない様で、前面幕は「福島交通」と社名だけを表示していました。


このため側面に「南相馬⇔福島」と印刷した紙を掲げていたのも特徴的でしたが、以前撮影した同型車(乗車車両とは番号違いですが、所属や形式・年式は同等です)が通常の高速路線に充当された際の画像も以下に参考として載せますので、興味のある方見比べて頂ければと思います。


ちなみにこの路線は、相馬から福島へ向かう際には結構な山道を走り、走行距離は50km以上、所要時間も80分程(南相馬からだと2時間程度を要します)かかりますので、結構乗り応えがあります。

福島交通の路線バスは、震災前の相馬~原町間一般路線でも、経由によっては1000円を越えてしまい、相馬市の南に位置する南相馬市(原町)から、飯館村を経て福島市へ向かう途中に位置する川俣町へ向かう一般路線(現在運休中)は、1500円を超える状況(福島市へ向かうには、更に路線バスを乗り継ぐ必要があり、バス代は累計で2000円を越えます)で、決して安いとは言い難いのが現状です。

しかしながら相馬~福島間の急行バス運賃は1000円となっており、福島~南相馬間を乗り通しても1500円、相馬~南相馬間は500円で乗車可能となっています。

おまけに最近になって当路線限定の回数券も設定され、これだと2枚綴りで1枚当り900円、10枚綴りに到っては1枚当り800円とかなり割安で、運賃は余り安くない印象が強い福島交通にしては、随分健闘していると感じます。

ただ原町~川俣線が運休している今日、この急行バス路線のお陰で相双地区の路線が福島交通の離れ小島的存在にならず、中通りと辛うじて繋がっている状況ですが、途中の一般路線バス空白域をはじめ、相馬方の一般路線が走る玉野や、福島方向の一般路線が走る霊山などは通過するのみとなっています。

これらの地域のバス便も決して良好とは言い難いですので、増便や一般路線車タイプへの車種変更で立席乗車可能にするなど、事情が許すのであれば、今後途中停車地を増やして利便性向上を図った方が…とも感じたものでした。

福島県では3月の東日本大震災による地震や津波被害に加え、原発問題もあり、この影響で浜通り中部は公共交通機関の復旧や一般人の居住はおろか、立入すら当分は厳しい状況なのは皆様もご存知かと思います。

そのため首都圏などから相双地区北部へ足を運ぶ際には、震災前の主な交通手段であったJR常磐線を使う事は当分叶わず、仙台方からのアクセスも常磐線亘理以南の不通が続く状況では、福島駅でこの急行バスと新幹線を乗り継ぐのが、現在の最短ルートで最も至便と言えます。

MAKIKYUが先月相馬から帰路に就く際にも、福島駅までこの急行バスを利用してJRに乗り換えたものでしたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も相馬や原ノ町へ足を運ぶ機会がありましたら、是非この急行バスの利用を検討してみては如何でしょうか?



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。