少し前の事になりますが、今月MAKIKYUは私用で沼津市内へ足を運ぶ機会があり、その際には現在実証運行中のEVバスに乗車機会がありました。
このEVバスは沼津駅~沼津港間を約1か月間実証運行、充当車両は日頃群馬県桐生市内で用いているEVバスを1台借用して運行しており、沼津駅~沼津港間で路線バスを運行する2社が数日毎に交代で運転を行っています。
(運行ダイヤや運行区間などは沼津市HP(こちらをクリック)内に記載があります)
充当車両は富士重工業(スバル)の元技術者が設立、富士重工のお膝元・群馬県太田市に隣接している桐生市にあるシンクトゥギャザーが主体となって開発した「e-COM8」と呼ばれる車両で、走行輪が片側4個(両側合計で8個)存在するのが大きな特徴となっています。
EVバスと名乗っているものの車両サイズは車体長4405㎜・車体幅1900㎜・車高2450㎜と非常に小柄、乗車定員も運転者1名を含めて10名しかなく、車両には最高速度19㎞/hである事を示すステッカーも掲出されています。
車両側面にはガラスもなく、座席も横向き(ロングシート配置)となった木のベンチにクッションを設置しただけですので、日本国内を走るバスの中では車内設備はかなり簡素な部類に入ります。
一応約8時間の充電で40㎞程度の走行が可能と案内されており、片道2㎞程度で平坦な沼津駅~沼津港間程度なら、実証運行の便数を考慮すると1充電で何とかなりそうな気もしますが、運行本数が増える土休日だとバッテリー容量が不足し、途中でバッテリー交換を余儀なくされる事もある様です。
乗務員の方から伺った話だとバッテリー重量は約40㎏程度あり、交換となると2人でも結構大変で、また「走行性能も最高時速19㎞/hだと大型特殊車両並なのでは?」と尋ねたら「19㎞/hも出ない」「フォークリフト(ナンバープレート付車両で公道上を走行する場合は大型特殊免許が必要)の方がまだ走る」との事。
その上車両価格も1台1500万円程度と結構高く、大都市圏排気ガス規制区域外なら中古バスを何台も購入して整備できる程の価格です。
電動車が大型バスからバイクに至るまでかなり普及している中国などに比べると、このEVバスはまだまだ…と言う感があり、実用性と言う点ではまだまだ課題山積、中国で用いられている電動車(写真)を輸入して走らせても良いのでは…とも感じたものです。
ちなみにこのEVバスは11月4日まで運行、実証運行と言う事もあり乗車時にはアンケート記入を求められます。
また定員が少なく先着順となるため、特に沼津港周辺を訪問する観光客が増える土休日だと積み残しとなる事も少なくない様ですが、実証運行と言う事もあり無料で乗車する事が出来ますので、運行期間中に沼津駅や沼津港の周辺へ足を運ぶ機会がありましたら、一度試乗してみては如何でしょうか?
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