還暦直前に心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症弁形成術体験記)

還暦を目前にして滋賀医大の浅井徹先生の執刀で僧帽弁形成術を受けました。
私の体験が同病の方の参考になれば幸いです。

GWは旅行しました

2011年05月29日 | 旅行
3月の伊勢に続いてGWも旅行しました。子供も大きくなると、遠くに出かけられるようになります。小学生の時は親にまだ余裕がなくてあまり出かけられませんでした。
中高生の時は部活があるので、これまた難しい。
でも、大学生以上になると気持ちに余裕が出来てきます。
それで今年のGWはまだ未踏の北九州に行くことにしました。
全くの未踏でもないのですが、大人になってからは未踏です(笑)

N700系のぞみで博多に降り立ち、駅ビルで博多ラーメン♪
ラーメンが終わると駅前で予約していたレンタカーを借りました。当初予約していた時刻からは1時間遅れたので、支払いは(前払い)1時間分差し引いた金額でOKになりました。
早速ナビをセットして学問の神様太宰府天満宮を参拝。三天神というと太宰府と京都の北野天満宮は必ず入ります。
中学二年生の時の修学旅行(1965年)でここは訪れたのですが、記憶のかけらもありませんでした。鳥居の下で写した写真が残っていてそれらしい鳥居はわかりましたが、それでも思い出せませんでした。
本殿です。

参道に建ち並ぶ店をあちこち覗いた後、別府温泉に向かいました。地獄巡り近くのホテルに泊まり、翌日は地獄巡り。
写真は少し離れたところにある竜巻地獄、間欠泉です。


地獄巡りの後、昼はだんご汁をいただき、娘の運転で臼杵石仏を訪ねました。
石仏(国宝です)見学の後は、北九州をほぼ横断し、伊万里に行き一泊しました。
この日は全日娘の運転、私は助手席でのんびりしました。

3日目は有田焼(家族皆、焼き物が好きなもので)卸団地に行きました。この団地だけでも店は20以上もあり、とても全部は見られません。でも良い買い物が出来ました。続いて唐津焼…焼き物が続きます。
これで一応予定は終了しました。博多に戻り、ガソリン入れてレンタカーを返し、駅弁を買い、九州を後にしました。

8回目の外来受診

2011年05月28日 | 手術後の外来診察
前回の診察日2月5日から5週間経ち、3月12日になりました。
退院後7回目のヴォーリズ記念病院受診の日です。
今年はまだまだ寒いです。
滋賀医大と合わせると8回目です。前回は心電図とレントゲン撮影がありましたが、今回は採血と診察だけです。このところ毎回、淡々と進みます。
まあ、その方が有り難いのですが。
先生の頭の中で疑問符が浮かぶ事態になれば、ヤバいです。
採血は前回から、羽根付きの針が使われるようになりました。

血圧は126-76で良好 ←最近では比較的高い数値
もちろん聴診もOK
薬は従来通りで減りませんでした。
もっとも増えもしませんでしたが…

次回は6週間後(4月22日)を予約しました。

診察の1週間前の6~7日にかけて、家族4人で伊勢を旅行しました。
1日目は伊勢神宮(内宮)をお参り、おはらい町で赤福など買い物♪
その後、車を飛ばして鳥羽で一泊しました。
2日目は南の方、相差は神明神社にお参りしました。
この神明神社の中に、石神さんという名前で親しまれている女神があります。
ご祭神は神武天皇の母 玉依姫命(たまよりひめのみこと)ですが、海女たちが古くから「女性の願いならひとつは必ず叶えてくれる」と密かにお参りを続けていたそうで、現在でも全国から参拝客が絶えないそうです。事実、私達がお参りしたこの日も大変多かった。この写真では参拝客は少なそうですが…



次に行ったのは松阪のあるアンティークショップでしたが、私は駐車場に車を停めたまま降りずに待っていました。
妻と娘が車に戻ると昼になったので、少し足を伸ばし時計店を改装したお店でエスニック風カレーをいただきました。
ナビ頼りなのでどこ走っているのかよくわからないまま、次に目指したのは伊勢焼のギャラリーでした。ここは長女所望の店でした。
まあ、はっきり言って2日目は専属の運転手でした(笑)

家には無事に辿り着いたのでやれやれ、事故にも遭わず腹痛も起こさず、家にも異常がなければ、本当にほっとします。

禁煙して1年と3カ月になりました

2011年05月24日 | 雑記帳(心臓と関係有り)
私は二十歳で社会人になり、いよいよ本格的にタバコを吸い始めました。
1972年のことで、吸わない方が圧倒的に少なかった、そんな時代でした。
それから35歳くらいまでは毎日、20本前後のタバコを消費してきました。
もっともその間、最長で六ヶ月間禁煙したことはありましたが…

職場で禁煙タイムが導入されたころから、本数は自然と減るようになりました。それでも完全禁煙には到らないまま…家で止め、職場でも止め、吸うのは飲み会とか出張の時とかに限られるようにはなりましたが(何年もかかって)、なかなかタバコは美味いもんで、ホント、なかなか止められないものです。

そして去年の2月の10日、何十年かぶりに同期会を開催し、すっかりオヤジ(おじいさんもいた)になった面々が顔を揃えました。いろいろ事情により数は減りましたが、それでも10人余りが集まりました。
その中でタバコをぷかぷかやってたのが私ともう1人だけ(^^;)
みんな、止めたんだぁ~~
肩身狭くなったなあと思っていたところに、4月の健康診断で心雑音を言われたのです。
5月に入り職場に新入社員が入ってきて、歓迎会が開催されました。今までの私ならなんの躊躇もなくタバコを吸っていたのですが、精密検査を受ける前で心雑音の原因がまだわかっていなかったので、それがはっきりするまでは、禁酒、禁煙と宣言しました。
そして6月末に弁膜症の診断が下され、もうタバコどころではなくなりました。

それで結果的に2月10日のタバコが最後のタバコになりました。
あれから1年と3カ月が経ちました。吸いたいとか懐かしいなど、全く思わないので、ようやく禁煙に成功しました。

心筋も冠状動脈も正常で不整脈もほとんど無い、この状態をわざわざ悪くしたいとは思いません。

7回目の外来受診

2011年05月22日 | 手術後の外来診察
2月5日になりました。
退院後6回目のヴォーリズ受診日、そして滋賀医大も含めると通算7回目の外来受診日です。
今日は、採血、心電図、レントゲン撮影があります。採血は毎回必ずありますが、心電図とレントゲンは2~3回に1回撮るようです。
ヴォーリズ記念病院では心電図検査時、胸部に電極をつけた後タオルで手術創を隠してくれます。この配慮うれしいですね。手術前はそういうことはありませんでした。その必要がなかったので当たり前ですが。
採血は翼付針が使用されました。こんな形ですが、これはメーカーサイトからの転載です。


血圧は116-68、聴診も異常なしで順調に回復しているとのことです。
心胸比は37%でした。
心胸比は前回と同じ…この数値でほぼ落ち着いたように思います。もっともこれ以上小心者にはなりたくないので、ここらで落ち着いて欲しい(笑)

この心胸比について少し気になることがあります。
レントゲン撮影におけるシャッタースピードに相当する時間(言い換えると被曝時間)は、胸部の場合で20ミリ秒程度らしいので、心臓のある瞬間の形を撮っているわけです。心臓は拍動していますので常に形、大きさは変わっているはずですが、ある一瞬の形状で出した心胸比に果たして意味があるのか?
しかし、術後2回撮ったレントゲン写真から割り出した心胸比は全く同じでしたので、信頼に値すると見て良いのでしょう…?
薬の処方は従来通り、次回は5週間後の3月12日となりました。

前回(1月8日)診察時、運動とアルコールについて質問したところどちらも禁止でしたが、今回も質問しました。
運動は2~3キロまでのジョギング等はOK
アルコールについては日本酒で一合ぐらいまではOK
という回答をいただきました。もっとも私は下戸遺伝子を持っているのでほんの少しのお酒で真っ赤になります。余り気分良くもならないし…
ですから飲んでも良いとはなったものの、これからも飲むことは控えたいと思います。

じゃあ、なんでアルコールのことを聞いたのかと言われそうですが、一応確認だけはしたかったのです。

復帰後4~6ヶ月(2~4月)

2011年05月19日 | 日記
復帰して3カ月も経過すると以前に近い体調まで回復が見られ、とりたてて書くことも無くなってきました。時系列で書くのはこの記事がもしかしたら最後です。

自動車の運転でバックするとき体を捻りますが、3カ月後では痛みがまだ残っていました。
これも4ヶ月が終わる頃には気がついたら痛みを感じなくなっていました。
ここまで来たらもう咳やくしゃみも平気です。花粉症の季節に間に合いました。
寝起きも以前のように普通に出来るようになりました。寝返りも平気になったし。
2月7日は1つの記念すべき日となりました。それは…ようやく復帰後初めて駅から家まで歩いて帰ったのです。
時間はちょうど20分。20分とはなかなか良いペースです♪
この20分の道のりの半分は道の両側が田畑で、言わば吹きさらしです。
季節風が強い日などは体を傾けないと歩けないほど。
街灯もぽつりぽつり、夜も遅くなると女性1人ではちょっと怖い道です。
実際恐喝事件も起こっています。私の娘が高校生の時、自分の自転車に乗っていたのに警官に職務質問されて、自分の自転車か?…泥棒と疑われたと怒ってました。

閑話休題:
2月7日は月曜日でしたが、その2日前の土曜日の診察でようやく軽い運動の許可が出たのでこれからはがんばって歩こう。。。もっとも駅から会社まで片道10分余りは毎日歩いていて、ペースも次第に戻りつつありました。
しかしこれからが冬本番、雪が降ったり季節風が吹いたり、それが問題でした。

それで今年の冬はかなり寒かったのですが、寒いとやはりいろいろ出てきますね。
日記にはこんなことが書いてありました。
2月中旬
仕事中気を失いかけました。おそらく数秒間程度で治まったのですが、座ったままでこんなことになるとは。
立ったときにふらついたり目まいがしたりは今でも時々ありますが、じっとしててふわぁ~となったのは初めてでした。幸いなことにこれ1回きりでした。
同じく2月中旬の日記
今週に入り寒い日は心臓の辺りに違和感を感じる。
痛いという感覚よりはだいぶ弱いが不思議な感覚。
動悸や不整脈はなさそう。
幸いこの違和感もこの頃だけで、3月以降は出なくなりました。

4月上旬には会社で健康診断がありました。去年この健康診断で心雑音が指摘され、精密検査を勧められたのがすべての始まりだったのですが、あれからもう1年、感慨深いものがあります。
健康診断結果が手元にまだ送られてきていないので、結果が判明したらあらためて記事にします。

心エコーのbefore-after

2011年05月14日 | 各ステージでのまとめ
心臓弁膜症の検査手法に心臓超音波検査(心エコー)があります。重傷度の診断や手術の要否については、この検査結果がもっとも重視されると言っても過言ではありません。
そのため、手術直前と直後には必ず心エコーが実施され、患者自らそのデータを知ることが出来ます。
そしてもっとも信頼の置けるこの検査が体への侵襲が無く、ほとんど負担にならないというのは本当に素晴らしいことです。
経食道心エコーの場合はプローブを飲み込みますので、少し負担になりますが…

さて、この心エコーの結果が手術前と後でどのように変化したのでしょうか。
まずは手術の4日前のデータからご紹介しますね。
僧帽弁閉鎖不全(MR)  severe -- レベル4で重度の逆流
三尖弁閉鎖不全(TR)   trivial -- ごくわずかという意味
肺動脈弁閉鎖不全(PR) trivial
全く問題がないのは大動脈弁だけという有様(^^;)
ちなみに逆流度合いは軽い方から
trivial(レベル1)   ほんの少し
mild(レベル2)    少し
moderate(レベル3) やや多い
severe(レベル4)   だだ漏れ
で表します。

弁はこんな感じでしたが、逆流により左心房径が拡大しています。
正常値(19-40ミリ)に対して、44.2ミリ。
6月の検査では38ミリでしたので悪化が見られます。
また肺から左心房に入る血流がスムーズに流入しなくなります。逆流により左心房に血液が滞留するためです。その結果肺にも血液が滞留しうっ血状態になってきます。肺の血圧が高い状態となり(肺高血圧)、それは右心室収縮期血圧として測定されます。
数値は47mmHgでした。
心エコーで測定できるってすごいです。あるいは測定というよりは計算なんでしょうか?
右心室収縮期血圧の正常値は35mmHg以下(通常は20mmHgぐらい)だそうで、それだけ肺の血管にも負荷がかかっています。
だいぶいろいろ悪くなっていました。

さて、続いて手術3日後のデータです。
病名がいろいろ追加されて
無症候性脳梗塞、うっ血性心不全、僧帽弁閉鎖不全症
となりました。
心エコーの後にMRI検査で微少脳梗塞が発見されたためのようです。
僧帽弁閉鎖不全(MR)  trivial
三尖弁閉鎖不全(TR)   trivial
肺動脈弁閉鎖不全(PR) trivial
大動脈弁は問題なし

左心房径は35.2ミリで正常範囲
肺高血圧もほぼ解消し、右心室収縮期血圧は一応正常範囲の32mmHgに下がりました。

ところで心臓の動きを診断する駆出率(EF)については、術前は74%でしたが術後は69%に下がっています。正常値は50-80%です。
悪くなったの?
術前は左心室の収縮により血液が大動脈に出ていくのと、僧帽弁から逆流して左心房に出ていく、つまり行き先が2つあったのですが、手術により行き先が大動脈だけの1つになったため、駆出率の数値としては悪くなりました。しかし実際にはほとんど100%の血液が大動脈に行くため、体循環する血液量は激増しています。
逆流がレベル4程度まで悪化すると、左心室がぎゅっと収縮して血液を押し出しても、半分ぐらいは逆流して左心房に戻ってしまいます。つまり体に回る血液は半分なんですね。半分ということは実効駆出率は74%÷2ですから37%、このままではかなりの心不全状態です。そこで体循環血液量を確保するため心臓は拡大し、全体のマスが大きくなります。

それでも次第に追いつかなくなり、自覚症状が出てくるようになります。
私は自覚症状が出始めたところで入院、手術になりました。

血液検査結果の推移

2011年05月07日 | 各ステージでのまとめ
5月7日現在、退院して7ヶ月が経ちました。
退院後は4~6週間毎に近所の循環器科に通っています。受診時は必ず血液検査があり、そして前回受診時の検査結果報告書をもらっています。
その結果を見ると検査項目の測定結果が少しずつ良くなってきているのがわかります。

血液検査項目は40以上もあるのですが、退院した直後は
ALP、GTP、中性脂肪、BNPが基準値の上限を超過していました。なかでもBNPはNQスペクトルで161というはみ出し方でした。
半面、ヘモグロビン量、MCH、MCHCが下限値を切っています。
NQスペクトルとは基準値の中間値を100、上下限を110~90とし、一目で判読できるようパターン化したものです。

具体的な数値(退院直後の10月上旬)は
ALP       434(100-350)
GTP       108(80以下)
中性脂肪    165(35-149)
BNP       65.1(18.4以下)
ヘモグロビン量 11.7(13.2-17.6)
MCH       27.3(28-34.5)
MCHC      31.4(31.5-35.5)

これが最新データ(3月上旬)では
ALP       203(100-350)
GTP       32(80以下)
中性脂肪    100(35-149)
BNP       15.2(18.4以下)
ヘモグロビン量 13.0(13.2-17.6)
MCH       26.6(28-34.5)
MCHC      31.9(31.5-35.5)

となり、正常値に向かって収束して来つつありますが、赤血球関連(ヘモグロビン量、MCH、MCHC)の数値がまだです。
まあ、でも昔からヘモグロビン量や赤血球数は少ない方なのでこんなものかもしれません。
ところで3月のデータで食後120分の血糖値が64と、正常値(70-109)を切ってしまいました。
血糖値が範囲を外れたのは初めてです。入院中は毎日測定されていまして、値は90前後と快調でしたのに?

去年と今年のGW(1つのbefore-after)

2011年05月05日 | 日記
去年のGWですが、沖縄を3泊4日の日程で旅行しました。
その少し前4月の健康診断で心雑音の指摘と要精密検査の指導があったにも関わらず、なんの危機感もなく予定通り旅行したのです。雑音よりも3~4月にかけて妻共々悩まされた目眩が飛行機に乗ったときに再発しないか、それがよほど気にかかっていました。
幸い何もなく無事旅程を消化したわけですが2日目には久高島に渡り、レンタサイクルを借りてガンガン走って島を一周し、まだまだ若いと悦に入ってました。

今年のGWは前半に北九州を2泊3日の日程で旅行しました。博多駅でレンタカーを借り、太宰府や臼杵市に行きましたが、行程の半分以上は娘が運転してくれてずいぶん助かりました。体のことを考えてあまり予定を詰め込みませんでしたが、疲れは去年よりも感じました。
沖縄の時は妻と2人きりの旅行でしたので、私1人で運転しました。

術後は元気になると聞いていました…確かに手術直前の1~2ヶ月に比べれば今の方がはるかに元気です。しかし去年の5月の元気さと比べるとどうかなあ?
日中は同じくらいですが、夜も10時を過ぎると疲れでふとんに入りたくなります。
疲れがたまりやすくなったのか?
あるいは体を休ませろと体がブレーキをかけているのか?

睡眠時間は以前より+30分は必要になりましたが、寝たら朝はすっきり起きられるので気にする必要はさほど無いのかもしれません。睡眠時間は今で平均すると6時間半ぐらいです。
7時間ぐらいが健康には良いらしいので、以前が短すぎたのでしょう。
今のところはこんな感じで、数日間旅行できるほどに回復したのは事実なので、あまり欲張らず、これからさらなる回復を楽しむことにしたいと思います。

心臓というポンプを物理的に治したわけなので、同年代の健康な人と同程度に運動など出来ても良さそうにも思うのですが、そうもいかないところが機械ではない生体の不思議なところですね。
ところでこの4月からは長距離出張も可能となりました。ただ、定年まであと7ヶ月なのでそのような出張のチャンスがあるかどうか?

4月27日放送のNHKの「ためしてガッテン」で心臓弁膜症を取り上げていましたが、そこで説明された原因に特に思い当たる節はありませんでした。
番組では患者数200万人とコメントされていました。つまり潜在患者が相当数いらっしゃるということです。
去年の8月16日には教育テレビ「今日の健康」で心臓弁膜症を取り上げていましたので、かなりポピュラーな病気のようです。
心臓弁膜症は自覚症状に乏しく、レベル4程度の重症にならないと心不全症状が出てこないことも多いです。
日ごろの健康診断が重要ですね~。