還暦直前に心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症弁形成術体験記)

還暦を目前にして滋賀医大の浅井徹先生の執刀で僧帽弁形成術を受けました。
私の体験が同病の方の参考になれば幸いです。

いよいよ入院準備

2010年10月22日 | 入院前
8月23日の入院前最後の外来診察の時、入院のご案内という冊子を渡されました。
その中に、入院時の携帯品が書かれたページがあり、それにそって持ち物の準備を進めました。
とは言っても、大した量ではありません。

しかし、それに書かれていないものが、案外重要であったりします。
携帯電話、携帯オーディオ、本その他趣味のものなど、けっこう必需品かもしれないですね。
でも、自分のテリトリーはベッドとその周辺のごく狭い範囲しかありませんので(個室なら別の話です)、余りたくさんのものは持ち込めません。置くところがない・・・・
私は携帯電話、軽めの小説、1GBのウォークマン(小さい!!)、デジカメを持ち込みました。

11年前に、ヴォーリズ記念病院に2週間ほど入院したことがあるのですが、そのとき人間の本質に迫る重い小説を持ち込みました。
ところが読んでいくうちに手術した傷口が痛くなったので、その時の教訓から軽めのものにしました。
ウォークマンは、だいぶ曲の入替を行いました。
クラシック、ポップス、フォーク等そこそこバランスを取りました。

その他、妻が気づいたのがメモ帳でした。私は忘れていました(^^ゞ)
行き先を書いたり看護師さんや先生に言付けを頼んだり、いろいろと役に立ちます。

前回入院時、ベッドにいない患者さんを看護師さんが探してバタバタ走り回っているのを、よく見ました。
私もその1人だったかもしれないんですが、このままでは看護師さんに負担かけるなあと。
それで妻に電話して、メモ帳を持ってきてもらいました。
それに行き先をいろいろ書いて、ベッドを離れるときに行き先を書いたページを開いておくようにしたんです。

これが予想以上に看護師さんに好評で、笑顔で「いますねえ」などと、わざわざ覗いていく看護師さんもいらっしゃいました。
「豆パパさんのような患者さん初めて・・・・」
それきり私は忘れていたのですが、妻が思い出してくれました。
今回も役に立ちました。

日程がすべて決まったので健康保険限度額適用認定証の発行を申請すると、翌々日には認定証が届きました。これは用済み後返却しなければなりません。
診断書は上司経由で人事に提出しました。

これですべて手続きは完了しました。

余談ですが、最終出勤日は9月3日(金)でした。
前日の2日に上司が職場の社員全員に、私の入院のことをメールで回しました。それと他職場で特に連絡が必要な部署には上司に頼んで、入院メールを回してもらいました。
調整が必要な部署に関しては、2週間以上前から打ち合わせを済ませていました。

おかげで、金曜日は入れ替わり立ち替わり人がやってきて、事情を聞かれたり、励まされたり、アドバイスもらったりで、力をたくさんいただきました。

自覚症状について

2010年10月21日 | 入院前
弁膜症とわかったとき、それらしい自覚症状はありませんでした。
一般的には、息切れ、動悸、息苦しい(呼吸困難)、足のむくみ、咳、胸が痛い、血痰が出る、失神したことがある
などの自覚症状があると、弁膜症は進行しているとされています。
私の場合、診断確定時点ではどれひとつ該当していませんでした。

またNYHA分類という弁膜症診断の指標がありますが、これには1度から4度まであります。
数字が大きくなるほど重症で、3度以上で手術適応とされています。
私は、NYHAに当てはめると1度でしたが、つまりは何も自覚症状がない・・・・
ところが、心エコーではとても悪いと判定されました。
頭の中は、???? だらけ。

つまり主観的には手術の必要は感じないのですが、客観的には動かせない証拠を突きつけられたってわけです。
最近では自覚症状が出る前に手術すると予後がよいので、自覚症状が無くても手術を勧める方向に変わりつつあるようです。

このころはこんな感じで、自覚症状のない私は手術すべき理由探しみたいことをやっていました。
ブログや掲示板で手術を体験された方々の手記を読ませていただいたのもこの頃です。
主観と客観が合わないので医師の診断以外にも、納得できる理由が欲しかったのだと思います。
なんせ体に傷つけるわけですから。

ところが7月の後半になると、とうとう自覚症状らしきものを感じるようになってきました。
それは疲労感です。あるいは倦怠感とでも言った方がよいのかもしれません。
それはある日突然やって来ました(あ~~る日突然♪)。
エネルギーが無くなってやる気も失せ、ソファーとか畳とかに寝転がるようになりました。
以前はそんなことは全くなかったんですが・・・・
仕事も定時で早々に切り上げるようになりました。残業すると次の日が辛い・・・・
週のうち調子の良いのは2日ほどになりました。

これが自覚症状なんだろうか、などとつらつら考えていると、数年前と現在とでいくつか体調が違ってきているのに思い当たりました。
その1:真冬に通勤カバンを持つ指が真っ白になる
血行が悪くなり、指先の感覚もなくなります。電車に乗って暖まると次第に回復しますが、その間はジンジン痺れたり、色が真っ白から紫色に変わりますので、自分で見てても気持ち悪い。
その2:コンサートで寝る
年に数回コンサートや観劇に行くのですが、特にコンサートの時は途中寝てしまうことが増えてきました。演奏の善し悪しには関係なく、ほとんどのコンサートで寝てました。
その3:体がいつもだるい感じがする
普通、夏はしっかり眠れないので寝起きから体がだるいのは当たり前ですが、秋になるとぐっすり眠れるようになり、起きたときには頭すっきりというのが通常のパターンでした。
それが去年(2009年)の秋ごろから朝起きてもすっきりせず、体がだるく感じるようになりました。
ところがしばらくするとだるいのかだるくないのか、自分でもわからなくなってきました。
この3つ、すべて年のせいにしていました。果たして・・・・

入院前最後の外来診察

2010年10月20日 | 入院前
いよいよ、具体的な日程を決める診察日(8月23日)になりました。
実は、この日がくるのを首を長くして待っていたんです。
6月末の診察以来、2ヶ月近く間が空いていました。その間に浅井先生の9月の手術予定が埋まってしまわないか、ある時気がつきまして、埋まってたらどうしよー・・・・
延びたらいやだなあ~~

でも今さら悩んでも仕方がありません。それは忘れたことにしました(笑)
受付の後9時半頃呼ばれ、診察室に入りました。まずは聴診から・・・・
今日は浅井先生から心音を聞いてみますか? と、聴診器を渡されそうになりました。
少し前に聴診器を買ったので心音はよく聞いており、パソコンに録音もしましたので、と言うと先生は笑いながらそれ以上は勧めませんでした。そんなことする患者は少ないでしょうね。
聴診器とマイクでしめて1万4千円ほどかかったのですが、将来娘に子供が宿ったとき、赤ちゃんの心音を聞いたり、録音したりできるのですよ。・・・って、後付けの理屈。

日程ですがいろいろと調整の結果、
入院は9月7日
手術は9月14日
退院は9月25か26日ごろ
と決まりました。
術後10日ほどで退院できるんだぁ・・・・ホンマかいな、この時は半信半疑でした。
実際、10日で退院できましたので二度びっくり。
その月のうちに全部すむと費用的にも助かるんですよね。

入院日が決まったので後は事務手続きと簡単な病理検査です。
検査は採血と心電図、それにレントゲン撮影をしました。
心電計もレントゲン装置も外国製でした。ドイツ製とアメリカ製。
私の仕事は医療機器とは関係ないのですが、どこ製なのかいささか気になります。

検査終了後外来受付に戻りしばらく待つと、診察室に呼ばれました。
病棟医長の鈴木先生から手術の説明を聞きました。
リスクは最低レベルで成功率は限りなく100%に近い、とのことです。
自宅療養は短くて良く、すぐ社会復帰できますよ、とも聞きましたが、本当かなあ?
3カ月程度は薬を飲む必要があるが、その後は年に1回の検査以外薬も不要で健康体に戻れると、聞きました。
この先生も本当に乗せるの上手いです。
手術後に以前のような健康体に戻れるのかと思うと、なんだかワクワクしてきました。
さて、ここで会社に提出する診断書を依頼しなければならなかったのですが、すっかり失念していました。喜びすぎたんでしょうか?

会計窓口に並んで何気なくカバンの中をチェックしてみると、診断書のもらい忘れに気がついて、あーーー、バタバタ心臓血管外科外来に戻りました。
病人は走っちゃいけません(笑)
用件を伝えて鈴木先生に書いていただきました。

診断書の要旨は
(傷病名) 僧帽弁閉鎖不全症
 上記のため9/7入院、9/14手術予定。術後2週間の入院と、退院後約一ヶ月程度の自宅療養が必要である見込み。
と書かれていました。
これを入院までに会社に提出しなければなりません。
一週間以上病気またはケガで欠勤または休暇を取る場合は、医師の診断書が必要となっているんです。

この日はD病棟6階の展望レストランで昼食することにしていました。
奥のテーブルは外を見ながら食べられるように窓に沿ったカウンター席になっています。
琵琶湖を見ながら800円のカツ丼を食べました。なかなか良い眺めです。

ところで、帰りのバスに乗った後で以下のことを聞くのを忘れたことを思い出しました。
その1:手術のビデオ撮影はないのか?
その2:ブログ開設する場合、先生の名前を出して良いか?
この2点ですが、入院してから聞いてみよう。
しかし国立の医大附属病院なので難しいかもと思っていました。

心音を録音

2010年10月19日 | 入院前
皆様、ご自分の心音を聞いたことはありますか?
病院で医者が聴診器を当てていろいろ診ていても、医者から心音を聞いてみるかと言われたことはあまりないと思います。
私も例に漏れず滋賀医大の精密検査の時でも、聞いてみるか?、とは言われませんでした。

医者が1人で、ひどい雑音ですね、などと呟くのみ。
聞かせてくださいとお願いするのも、変なヤツ・・・と白い目で見られそうで(笑)
それで、思い切って聴診器を買いました。
これはカムバックハートさんの影響を受けたわけですが。

7月末に楽天で注文したLittmann製の聴診器が8月3日に届きました。
モデルはClassic II S.E.です。色はNavy Blue。
色はともかく、モデルもカムバックハートさんが購入されたものと同じです。



取扱説明書は特に読む必要はありません。
一般的にドックンドックンと書き表される心音ですが、
ドッは1音と定義され、僧帽弁などの房室弁が閉じるときに聞こえる音です。
クンは2音と定義され、大動脈弁などの動脈弁が閉じるときに聞こえる音です。
そして、ドッとクンの間隔は短く、クンとドッの間隔は長いのが普通です。
したがって、時間間隔も含めて書きますと、
ドッ・・クン・・・・ドッ・・クン・・・・ドッ・・クン・・・・
となります。

その他、3音と4音が存在する場合があり(3音は2音の後、4音は1音の直前)ますが、これは過剰な心音です。しかし、元気の良い若者には3音が聞こえる場合があるなど、病気ではなく生理的な理由で聞こえる場合もあるようです。

さてさて、それで自分の心音はどうなのか?
聴診器を箱から取りだして胸に当てて、心音を聞いてみました。
1音と2音、その間ずっと雑音らしきザーッというかゴオーッという音が絶え間なく聞こえます。
なんだか苦しそうな音です。ちなみに3音と4音は聞こえません。
1音と2音も雑音にかなり隠されています。

どうもこれは全収縮期雑音のようです。
それは典型的な僧帽弁閉鎖不全症に見られる心雑音です。
もっとも三尖弁閉鎖不全にも、心室中隔欠損の場合にも聞こえる雑音ではあります。
妻の心音も聞いてみましたが、音自体が小さく可愛い音(笑)
ドックンドックン・・・・1音と2音以外には何も聞こえなかったので、雑音はなさそうです。
うーん、うらやましいです。いい心臓してるわって(笑)
さてさて、このひどい音が手術後はどう変化するのか楽しみです、はい♪

しばらくは毎日のように心音を聞いて耳に焼き付けようとしたんですが、録音すれば良いんだ・・・・
それならばと家電量販店に行き、聴診器のイヤーピースに入るくらいの超小型マイクを買いました。モノーラルマイクでないとイヤーピースには入りません。またパソコンに録音する場合は、パソコンの録音ジャックがステレオ仕様なのでモノ→ステレオのプラグアダプターも必要になります。

それぞれ接続を行い、パソコンの音声録音ソフト(Windowsパソコンにはサウンドレコーダーが付属)で心音を録音しました。

聴診器のもう一方のイヤーピースは余りますが、録音された心音を聞いてみてSN比が問題になる場合はティッシュなどで塞ぐと良いと思います。
以上の操作により雑音バリバリの心音ファイルを2つ作成しました。

この心音、ブログにアップできないのが残念です。
※音声だけのファイルは出来ないのかな?

ホルター心電計の検査結果

2010年10月17日 | 入院前
6月29日に取り外したホルター心電計の結果を、7月10日にヴォーリズ記念病院に聞きに行きました。
取り外したホルター心電計は24時間の心電図と血圧のデータが記録されていてデータ量は膨大にあるので、解析に時間がかかるようですね。
早送りして解析するんですね。

昔のホルター心電計はカセットテープに記録していたようですが、現在のものはメモリカードに記録されます。したがってテープを駆動するメカニズムがないので静かです。

結果ですが、不整脈は24時間で6発だったそうです。
えっ、ゼロじゃないの?
不整脈を自覚したことがないので、ちょっと意外でした。
この不整脈はランダムに起こる期外収縮と言われるもので、健康な人でも毎日数発はあるそうです。したがって6発くらいなら健康な人並みで、全く問題はないそうです。
そういえば昔読んだ本か何かに、不整脈の全くない人はいない、と書いてあったのを思い出しました。
なるほど、そういうことか・・・・と納得しました。
そして年齢の数ぐらいは期外収縮があっても、何ら不思議はないそうです。
だったら6発の私は優秀・・・・(笑)

他のデータについては・・・・
就寝中の脈拍は45まで落ちていました(ずいぶんと落ちるものなんですね)。
最大値は110ぐらいでしたが時刻がいつだったのかは聞き逃しました。
安静時で60を少し切るぐらいです。

血圧は正常でした。
血圧は毎正時に自動測定されるのですが、腕に巻かれているカフ(帯のようなもの)に毎正時に空気が送り込まれて圧迫されるため、眠りが浅いと目が醒めてしまいます。
それでなくても電極や機械やカフがじゃまで、なかなか眠れないんですよね。
夜中の1時までは血圧測定の度に目が醒めましたし、朝方の4時以降も目が醒めました。したがって2時と3時だけ眠りの中で血圧が測定されたことになります。

私が手術することになったことは、滋賀医大の浅井先生からヴォーリズ記念病院の寺尾先生に、電話連絡されたそうです。
弁以外、全体的に特に異常はないとのことで、心臓が元気な今のうちに弁を治しておけば天寿を全う出来ますよと、お墨付きをいただきました。
この言葉・・・・なんだかうれしくなりましたよ。
(どの先生も乗せるの上手いなあ)

それから次の一言もとても印象に残っています。ニコニコしながら
「手術がすめば病人扱いしてくれませんヨ!」
確かに病人扱いは、ICUから退室して一般病棟で寝転がるまででしたね。
寝転がるとまもなくリハビリ科から先生が来られて、さっそくリハビリが始まりましたから。
「豆パパさん、少しでも歩きませんか?」
えー、そんなあ、こんなにシンドイのに・・・・とめげそうになりましたが、結果的にはそれが良かったと思います。

手術ってどうやるの?

2010年10月16日 | 入院前
心臓弁膜症の大半を占める大動脈弁と僧帽弁の狭窄症&閉鎖不全症ですが、大動脈弁は構造上の理由から形成術が難しくて人工弁置換術が一般的な術式のようです。
一方僧帽弁においては、狭窄症の場合は弁が硬化していて形成が不可能な場合が多く、人工弁置換術が行われるのが一般的なようです。
ところが閉鎖不全症の場合は、弁形成術がほぼ確立していることを知りました。
※皆様:素人の理解ですので、鵜呑みにはなさらないようにお願いいたします。

それでこの弁形成術なんですが・・・・弁形成って何なの? 状態でした。
要は切ったり貼ったり・・・・ん? 貼ったりはないか、でも縫いつけたりはあるようで、まあ形を整えるってことです。
弁膜症とわかってすぐ手術適応を告げられ、ほっといても治らんのだからとすぐ手術を決心した場合、状況の変化が目まぐるしいわけですね。
こんな場合は混乱に陥っても不思議ではありません。

そういえば浅井先生の診察の時、置換とか形成、生体弁とか機械弁とか仰ってたなあ・・・・
生体弁は術後のQOLは良いが弁の寿命に難があり再手術が必要になることがある、機械弁は半永久的に持つが一生抗凝固剤(ワーファリン)の服用が必要なことなども。

なお、私の場合97~98%の確率で形成術でいけるとも・・・・手術適応を告げられたときは手術のことばかりが頭にあって、他のことはほとんど右から左でした。
やっぱり、そんなに冷静ではなかったんですね。

ところで、今までは弁膜症の手術というと人工弁置換しか知りませんでした。
弁形成術のような方法があるなんて初めて聞き、それをネットで読んであらためてしっかり認識した次第です。

診察の時、先生が僧帽弁のポンチ絵をお描きになり、私の場合は心房側から見て前尖の右の方が逸脱していると説明をされました。
実際は交連部にも逸脱があり腱策の断裂もあり、また三尖弁にも肺動脈弁にも少ないながら逆流がありました。完璧にまともな弁は大動脈弁だけ!! という状態でした。
さらには開心中に心房中隔欠損も見つかったそうです。ボロボロになりながら頑張ってた心臓が今さらながら愛おしいです(いい子いい子)。

ところで、手術において心臓まではどうやって到達するのか?
それを調べていて初めて胸骨正中切開という言葉を知りました。
胸骨をカッター(のこぎり?)で真っ二つに切り、開胸器というもので開いて術野を確保し心臓をいじくるってことなんです。
胸骨を切り裂く? わー、痛そうって(痛くないんですけどね)・・・・でも背筋がゾクッとしましたよ。なんだか野蛮な気がして。
もっと優しい方法はないのかって?
この胸骨正中切開が痛みが少ない良い方法なのだそうです。傷跡は大きいですけどね。

開胸器で胸郭を開くと、体が堅い私の場合、肋骨が折れたりしないのかなあ、とか、折れないまでもヒビが入ったり、後でものすごく痛いんじゃないかなど、訳のわからんことが気になってました。
結果的には取り越し苦労でしたけど。

あらためて弁膜症って?

2010年10月15日 | 入院前
母を弁膜症で亡くしているにも関わらず、そして自分も弁膜症にかかっているのに、その病気のことについてほとんど何も知らないことに愕然としました。
私が知っているのは、心臓は4つの部屋で仕切られていて肺循環系は右心房と右心室、体循環系は左心房と左心室とそれぞれ名前がついていることくらいです。
ところが房室弁、動脈弁についてはそれぞれの名前すら知りませんでした。
ましてや各弁の構造など、さっぱりです(^^;)
病気が見つかって数日なんだから知らなくてもしょうがないと言い訳・・・・(苦笑)

結局母親はどの種類の弁膜症で亡くなったのだろう?
父親も亡くなりましたので、結局わからずじまいです。

滋賀医大での診察の翌日、出勤後上司に心臓の手術をすることになったとだけ報告しました。
もっとも数日後にあらためて会議室に呼ばれ、根掘り葉掘り事情聴取されましたが・・・・
私の業務上、関係の深い部署のトップにだけは、秘密メールが送られていたようです。

さて、あらためて弁膜症って何?
出勤後席について始業のチャイムが鳴るまで(コーヒータイムでもあります)、昼食後に午後の就業開始のチャイムが鳴るまで、休日は家でいろんなサイトをクリックしながら1から勉強しました。
わざわざ図書館に行かなくても、素人向けの情報でしたら居ながらにして手に入ります。
ネット時代様々ですね。
おかげで、各弁には狭窄症と閉鎖不全症があり、重要なのは体循環系の方の僧帽弁と大動脈弁ということも理解しました。

僧帽弁と大動脈弁の狭窄症と閉鎖不全症(狭窄兼閉鎖不全というのもある)で、弁膜症の97%を占めるそうです。肺循環系と体循環系では血圧が何倍も異なるため、弁にかかる負荷がまるで違うのですね。

弁の構造について僧帽弁の場合は、腱策という紐のようなもの(実際にはかなり本数が多いです)が弁の端と心室の底にある乳頭筋をつないでいます。
腱策は、血圧に負けて弁が心房側に反り返ってしまわないように引っ張っています。
もし腱策が切れたり、伸びてゆるんだり、弁自体が弛んだりすると収縮時に血圧に負けて弁が心房側に反り返ってしまい(逸脱という)閉鎖不全となり、血液が逆流し全身への血液供給が足りなくなります。
※閉鎖不全の原因は他にもあります。

この血液の逆流が独特の音を生み出し、心雑音として聴診器で聞くことができます。