還暦直前に心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症弁形成術体験記)

還暦を目前にして滋賀医大の浅井徹先生の執刀で僧帽弁形成術を受けました。
私の体験が同病の方の参考になれば幸いです。

入院7日目--9月13日(月)

2010年10月31日 | 入院(手術前)
昨夜はいろいろ考え事をしたため、睡眠時間は4時間でした。
その4時間の中で夢を見ました。
浅井先生が私の心臓を治している夢です。
弁尖に人工腱策を付け、それを乳頭筋に縫いつけている夢でした。

脈拍を測ってみると59で、平常の数値でした。
入院時53.5kgあった体重は53.1kgまで減りました。おやつが必要ですね。
体温は36.0℃でした。
実はこの脈拍と体温なんですが、術後上がったんです。記事を書いている今でも上がったまま。

手術前日の今日、朝の散歩に行くべきか行かざるべきか、迷いました。
(ハムレットじゃあるまいし)
翌日、手術受けようかという人間が散歩などして良いのか、と疑問を投げかけるもう1人の自分がいて、結局止めました。

鈴木先生をヘッドに9時頃回診があり、医学生のOさんが一週間付いてくれることになったと紹介がありました。浅井先生は本日ストックホルムから帰国されるので、まだ教授回診はありません。
してみると、敢えてタイトルを付けると医長回診ですね。
そして、さっそくOさんの聴診の練習です。
私が「悪い見本です」と言うと
鈴木先生が「いや、良い見本です」
あっ、そうか、医学生にとっては良い見本でしょうね。
私にもわかるくらいですし、よほど「ひどい」見本でもあります。

回診後11時頃Oさんが1人で来られて40分ほど、いろいろおしゃべりしました。
やがてバドミントンをやっているという話になりました。
私も40歳前まで会社の部でやっていて、実業団の試合などよく対外試合にも出ていたのですごく盛り上がりました。しかし、そんな話ばかりしていて良かったのだろうか?
このように学生が付く、というのも医大ならではですね。
手術も見学されるそうです。しっかり勉強して下さいね。

午後は説明の時間帯でまず、麻酔科の川本先生が来室されました。
心臓手術は全身麻酔で行われますが、麻酔の程度は深い方だそうです。
全身麻酔は経験無いので、どんなふうに麻酔が効くのかとても興味があります。
手順を紙に記したものをいただき、体に何がつながれるか書きながら説明をいただきました。
入院前にいろいろ勉強してきたのでやっとこさついていけてる・・・かな?
でも、理解できなくても理解できても、いっしょはいっしょなんですけど。
最後に麻酔同意書にサインしました。

質問はと聞かれて、先生は最初から最後まで付いていただけるのか?
と、聞きました。全国的に麻酔医は不足気味で複数の手術を掛け持ちするケースが多いと問題になっていますよね。それで聞いてみたわけですが、
私がずっと最後まで付いています。
と答えてくださいました。

麻酔科の先生の次は、ICUの看護師さんが来られました。
ICUって滅多なことで入れるところじゃないので、興味津々なんです、実は。
イメージとしては医療ドラマに出てくるような、あんな感じですね。
何枚か写真撮ったので(娘が)、その記事の掲載時に載せることにします。

心臓の手術後はいったんICUに入り、一晩様子を見ることになっています。そして経過が順調であれば翌日中には、一般病棟に戻ります。
手術室への入室は歩行と書いてあったので、確認しました。
前回の手術時はストレッチャーで病室から搬送されましたし、ドラマ等でもやはりストレッチャーですよね。
すると、この病院でも数年前まではストレッチャーだったが、今は原則歩行入室と回答されました。
剃毛の件といい、これまた「へぇーーー」です。

最後に「不安はありませんか?」と聞かれましたので
「ありません、楽しみです、ワクワクしています」
あー、また言っちゃった。

入院6日目--9月12日(日)の夜

2010年10月30日 | 入院(手術前)
就寝時間になりました。後2回寝て朝が来たら手術です。
昨日までは毎晩ぐっすりと眠れたのですが、今夜はなぜか寝付けません。
頭がさえていろんな思いが駆け巡ります。
家族のこと、親兄妹のこと、走馬燈のように取り留めもなく・・・・

私が9歳の誕生日を迎えて10日後に母が亡くなりましたが、そんなこともあって娘達がそれぞれ9歳になったとき、私ども夫婦がそろって健康でいられたことに安堵したことを今でも覚えています。
娘達を悲しませずにすんだ・・・・と。

そして、50年前母親がどんな気持ちで先に逝ったのか、今さらながら無念で残念で辛かったであろう気持ちに思い至った。
自分が元気なときは全く気づかなかった。
それと戸籍も名前もありませんが、私より1年前に生まれてまもなく亡くなった兄がいます。

お前はちゃんと治療してしっかり生きなさいと、励まされているような、叱られているような、とても不思議な感覚を覚えた。
母と同じ病気になり初めて話ができた気がする。
私は2人分生きなければ。
とその翌朝つけた日記に書いてあります。
しかし術後1ヶ月半経った現在、あのときの感覚は日常にかき消されつつあり、明瞭に思い出すことはできません。

「はじめに」のところで、入院時点ではほとんどの不安は解消されていた・・・・と書いていますが、すべての不安が解消されるにはこの過程が必要だったようです。

ようやく最終的に気持ちの整理ができたようで、それからはぐっすりと眠れました。

入院6日目--9月12日(日)

2010年10月29日 | 入院(手術前)
昨日は、とってもヒマでのんびり休息できました。今日も特に決まった予定はありません。
今朝も、外に出て散歩しました。昨日の教訓からあまり深入りしないコース設定にして少し早めに切り上げました。もっとも気温も昨日よりは高かったので、それでも汗をかいてしまいました。
手術前の病人が外に出ていいのかという内なる声があるにはあるのですが、振り切って・・・(笑)
手術後はそう簡単に外に出られませんからね。

汗をかいたのでシャワーは朝の9時に浴びに行きました。朝は予約取り放題なんです。
ずっと中にいれば、空調も効いているので汗をかくことはほとんどありません。
11時過ぎに妻が来ました。今日は家で淹れたコーヒーを魔法瓶(古っ!!)に入れて持ってきてくれました。コーヒー大好きな私は、毎日3杯でも4杯でも飲みたいのですが、なかなか、です。
妻面会の時はデイルームに行くのですが、途中でパンを買ってきてくれて、ムシャムシャ。

時間は飛んで夕方です。
担当医の細羽先生がお越しになりました。心臓血管外科1番の若手です。多分。
そういえば、入院後はあまり顔見てなかったなあ・・・・
それもあってか、いろいろおしゃべりしました。
検査結果など欲しいと言えば、お渡しできますよと仰ってましたので、手術のビデオをDVDコピーしたものをいただけるかと聞いてみました。
すると、浅井先生は喜んでコピーしてくれますよ、と。
浅井先生は、患者が自身の体について、また具体的にどんな治療をしたのか理解を深めて欲しいのだろうと感じました。
検査結果のことについては考えがまとまらなかったので(話もどんどん飛ぶし)、返事しないままになってしまいました。

細羽先生がお帰りになるときに
術中麻酔で眠っているのが残念ですが、とても楽しみにしています
・・・あー、言っちゃった。
まだ、そこまで心の整理がついていたわけではなかったのですが
・・・・つい(^_^;)

その後に明日(月曜日)の予定表が配られたが、特に何も無し・・・・術前検査は完了のようです。

その後に、看護師さんが来られたときに気になったことを聞いてみました。
それは剃毛のことです。剃毛のことがどの紙にも書かれていないので、やるんですよね、と。
すると、やりませんよ、という回答が。
「へっ」てな感じで、聞き直す私。
「やりたいですか?」
なんだか遊ばれているみたいで・・・・
看護師さん曰く、以前は普通に行っていましたが、最近はやらなくなった、エビデンスも出ていますとのことでした。
「へぇ~~」と感心するのみ。

明日の予定を聞いてみると
リハビリの説明に訪問、手術室看護師が訪問、ICU看護師が訪問、麻酔科医師が訪問と、立て続けに訪問があるとのこと、それは午後らしいです。これは忙しいぞ。。。
そして手術に出発と同時にこの部屋を引っ越し、もうこの部屋には戻らないので、それまでに引っ越し準備をしなければならないとのことです。
ベッドと床頭台は退院まで私専用となるので、次の部屋にそのまま持って行くことになります。
ちなみに術後に戻ってきて入る部屋は個室らしいです。

その後1人になっていろいろ考えていると、やっぱり検査結果はもらっておこうと・・・・
細羽先生宛に結果いただきたいのでお願いしますと、メモ帳にきれいな字(?)で書いて看護師さんに言付けを頼みました。

今週より社会復帰しました

2010年10月28日 | 雑記帳(心臓と関係有り)
本編では入院したところですが、実は今週から仕事に復帰しました。
入院は術前7日、術後10日、それと手術当日をプラスして17泊18日でした。
自宅療養は1ヶ月と1日(笑)
初日と2日目はおとなしめに仕事しましたが、3日目の水曜日は普通にやってみましたところ胸骨付近に違和感が・・・・
まだまだ無理できませんねぇ。

上司は、時々休暇を取ったりして、無理しないようにと言ってくれるのですが、いざ復帰すると仕事が押し寄せてきます。はぁ~~~~
それはうれしいことではありますが、病後人を大事にしろよ、と言いたい(笑)

骨くっつくの今年いっぱいかかるんだゾ・・・ですが、傍目には完治しているように見えますからね。

で、今日の木曜日は家の用事もあって休暇を取りました。
やっぱり楽ですわ、当たり前ですけど。

家の用事の後、午後はパソコンのメンテナンス。
買ってから5年経ちますが、新たに買う動悸じゃなくて、動機も見つからず、しかし、HDDの容量が残り1.4GBになってからは動作が極端に遅くなってきたので、対策を。

コントロールパネル→プログラムの追加と削除を開いて、10本ほど不要なものを消しました。
よく見ると、CD,DVDや写真等画像関係のソフトがダブって入っているんですよね。これらはパソを買ったときにプリインストールされているものです。
それとJavaのupdateがたくさん入っていたので最新版だけ残して後は削除しました。

これで空きが3.7GBまで大きくなったので動きがスムーズになりました。

土曜日は近所の循環器科に診察に行く予定です。

ps.退院が早すぎて見舞いのタイミングを逸したと、あちこちで言われました。

入院5日目--9月11日(土)

2010年10月28日 | 入院(手術前)
入院して初めての休日? です。
休日は、検査は基本的にはありません。
検温や体重測定はありますが・・・・

体重を6時40分に測りそれから外を散歩することにしました。1階に降りたところで、正面玄関以外に外に出る場所がないか、近くにいた病院関係者に聞いてみましたがないとのこと。
外を散歩したいと言うと、過去に散歩に出てへろへろになって帰ってきた糖尿病患者の方がいたので、外に出るのはあまり勧められませんがねぇ・・・・

かといって、拉致されるわけでもなかったので(笑)
正面玄関から外に出ました。太陽はそろそろといったところ。
20分くらいのつもりで左回りで病院の周りを一周しようとしました。ところが、ずうっと回っていくと、大学の建物にぶつかり、どこにも抜けられなくなってしまったので、来た道を引き返すハメになりました。残念。
玄関に戻る頃にはうっすらと汗をかいていました。これといった景色もなかったのでカメラは持っていましたが、写真は撮りませんでした。チラッと警備員室を見ると、ガードマンのおじさんが怖い顔をして睨みを利かせていました。

エレベーターで3D病棟に上がり、部屋に戻りました。
病棟の入り口から撮った写真がこれです。

一番奥の左側に私が住まっています。

撮影位置の左側の壁に掛かっている掲示

部屋に戻ってホッとしているとタイミング良く看護師さんが熱々のタオルを差し入れてくれました。
実に気持ちいいです。

ちなみにこの日の三食です。
朝食

デザートはキウイでしたが、やや苦手。でも他に食べる物もないので平らげました。

昼食


夕食


昼過ぎに会社の(私より)少し若手が面会に来てくれました。
デイルームに行ってしばらくしゃべりました。
デイルームはこんな感じ

奥にテレビが見えます。角度を変えて

奥に給茶器が見えます。ここでお茶を汲むのです。

ところでこの病院では昼食と夕食は3つのメニューから選べます。
4日に1度、以下のような

食事内容希望票が配られ、記入の後回収されます。もっとも余り片寄ったりすると変えられるそうですが・・・・

この日はとてものんびりした1日でした。

入院4日目--9月10日(金)

2010年10月27日 | 入院(手術前)
金曜日です。今日は神原先生による手術の説明がある日です。ドキドキ!
予定では午後1時からとなっていました。

それはそれとして、また別に問題がありまして、何かというと朝一番の体重測定で昨日より1キロ増量になっていたことなんです。昨日何度もトイレに行ったのに、点滴で注入された水分が全部抜けていない!!
そう言えば、行った回数の割には、量としてはそんなに出ていなかったです。
造影剤は腎臓に悪いので早く体から出さなくてはいけないんですよね。
ところがこれではまずいのでは?
少し心配になりました。同意書を求められるのもそういうリスクがあるからなんです。
でも、徐々に尿の出が良くなったので取り越し苦労に終わりました。
入院すると何かと心配になるものです。案外弱気ですねぇ(苦笑)

心電モニターは朝の8時50分に外してくれました。
今日の検査メニューは、10時から心エコー、午後1時からMRI検査となっています。
心エコーは経胸壁で、辛いと言われる経食道の方は免れました。
術前最後のためか、かなり念入りな検査で30分ほどかけました。
検査が終わり、部屋に戻ると妻が来ていました。
まもなく、看護師さんがお越しになり、神原先生に緊急オペが入り、手術説明の時間がずれるとのこと、2時か3時になる見込みと聞きました。
こういうことってあるんですよね。

午後1時にMRI検査に行きました。MRIはご存じかと思いますが、とてもヤカマシイのです。
やかましさを緩和させるため、使い捨ての耳栓をくれました。
検査時間はおよそ20分でした。
検査中は確かにガンガンガンガン音がしていました。磁場を発生させるために大電流を流すんでしょうね、騒音の元はコイルなので、モールドしたらマシになるのになあって思っていましたが。

体を横たえる空洞はCTよりも一回り狭いです。磁場との関係かもしれません。
検査時間が比較的長く、その間検査部分の位置がずれると正しい検査ができないので、頭などは隙間にタオルを何枚も詰め込みます。そのためかなり窮屈です。
ちなみにこの機械はアメリカ製でした。でも開発拠点は日本にあるらしいです。
設置数が日本は群を抜いて多いからのようです。
検査室は強烈な磁場が発生するので、設置されている消火器は非磁性体なのだそうです。

手術の説明はさらにずれて4時半からとなりました。
検査結果による現在の状況は
CT、MRIの結果はOK(頸動脈や脳血管の狭窄等無し)
僧帽弁の逆流は重度でレベル4(もっとも悪い)
肺高血圧症発症、血圧は47mmHg(正常値は20~35mmHg)
なお三尖弁にも逆流有り、ただしレベルは1で治療は不要

おー、僧帽弁の逆流はレベル4か、どうせなら2とか3のような中途半端じゃなく、4の方がエエワイ
なんてね、病気自慢か(笑)

サインした同意書は以下の通りです。
手術、輸血、血液製剤使用の3つ。
リスクはいろいろあるものの、特に気をつけなければならないのは術後肺炎とのことです。

妻が気にしていたのは、執刀医の浅井先生がストックホルムに出張中で帰国が月曜日、そして翌火曜日の1番目の手術が私なので、時差ボケとか大丈夫ですか、と、何度も念押ししていました。
はい、私も心配です、なんていう答えはありませんでした。

また、手術は分業で弁形成は浅井先生が担当されるとのこと。
弁形成が終わると後は任せて、家族にビデオ見せながら浅井先生が説明します、というお話でした。
あ、やっぱり手術の様子を撮影するんだ・・・・
そのビデオ、私も見たいなあ・・・・

この日は翌日の予定表の配付はありませんでした。
休日の前は配付無しというのは、もう少し後になってわかりました。

入院3日目--9月9日(木)-2

2010年10月26日 | 入院(手術前)
午後は術前検査でもっとも大変と言われる心臓カテーテル検査です。
朝の検査では歩いていったわけですが、この検査は車イスで送り迎えしてくれます。
行くときは、何で車イス? と思いましたが、帰る段になってその理由がわかりました。

この検査は3時からで、少し前に車イスに乗り看護師さんに押していただきました。
点滴スタンドは私が転がしました。初めての車イス体験です。
心カテ検査室は無機質な感じで、ずいぶん広い部屋でした。ここでカテーテル治療もするので広さは確保してあるとのこと。

動脈からカテーテルを入れるところをしっかり見たかったのですが、姿勢の関係で残念ながら見ることはできませんでした。カテーテルが手首から上腕を通って心臓まで達するわけですが、上腕を通るときにわずかに虫が這うような感覚を一瞬覚えただけで、後は何の感覚もありませんでした。

モニターは私にも見えました。冠動脈に造影剤を注入すると冠動脈に造影剤が拡がり、そして抜けていく様子がしっかりと見えました。2秒くらい冠動脈が映りましたが、造影剤が抜けると真っ白でカテーテル以外ほとんど何も見えません。何も見えないのによく冠動脈の位置がわかるものだと感心しました。

この造影剤を注入するときって熱さを感じるんですね。胸が一瞬カァーッとなります。

心カテの最後は左心室に造影剤を入れて、左心房に逆流する程度の検査です。この検査は造影剤の量が多いので、熱く感じる程度が凄かったです。胸から頭の方に抜けていきました。
造影剤の流れより熱さの方に気を取られ、我に返ったときは検査終了でした。
ところで検査装置はドイツ製でした。なんとなくドイツ製が多いように思います。

検査時間は35分でした。最後にカテーテルを抜いて、止血処置をします。
動脈の方の止血はかなり大変です。
なんだか丸いもので強烈に押さえて、肘から手首まで副え木でガッチリ固定されました。
肘は伸ばしたままです。左手は丸い棒を握らされ、動かすことができません。
そして1時間毎に押さえる程度を軽くしていき、4時間後に解放となります。
止血処置が終わると車イスに移り、部屋に戻ります。
この状態で歩いて帰るのは(点滴もありますしね)、シンドイものがあります。

部屋に戻るとまもなく、検査結果を説明しましょうとのことで、モニターのある別の部屋に行きました。
検査中モニターで見たのと同じ画像を先生が説明してくれます。
冠動脈については狭くなっているところは全くないので問題なし。
心臓の動きも問題なし。
ヨカッタヨカッタ・・・・問題のないことがわかるとうれしいですね。

左心室に入れた造影剤が僧帽弁を通して左心房に逆流する様子が、説明いただいてよくわかりました。
逆流度は影の色が心室と心房でどのくらい違うのかを目で判断し、判定するそうです。私の場合は、心室と心房の色が同程度でしたので逆流は3度と判定されました。

手首の止血処置終了後(8時)は圧迫絆創膏を貼り付けられました。
これで一応手首はフリーになりましたが、朝までは動かさないように、と言われました。
でも、これでトイレに行くのは楽になりました。点滴も友達の上に手首が自由にならない状態での蓄尿はけっこう大変でしたし。
水飲む代わりの点滴なので、トイレが近い近い(笑)
こうやって造影剤を体から排出するんです。
止血終了の後は、心電モニターが取り付けられました。
点滴は全部で1.5リットル。夜中の12時にようやく終了しました。
体にいろいろ付けられての食事やトイレは初めてで、けっこう難儀しました。
もっとも手術後ははるかに大変になりましたが・・・・

それでも一方ではこの状況を楽しんでやるんだと・・・余裕かますにはちょっと厳しいものが。。。

入院3日目--9月9日(木)

2010年10月25日 | 入院(手術前)
起床は6時ですが、私のような還暦前の人間はもっと早く目が醒めます。
さてと、今日はAMもPMも検査があり、忙しいです?

午前中の検査は、肺機能と血圧脈波の2つ。
午後は昨日説明のあった心臓カテーテル検査(略して心カテ)の合計3つ。
術前検査でもっとも負担の大きいのがこの心カテです。

心カテの直前は食事抜きとのことで、ベッド頭部の壁にはこんな札がかけられました。

むむ、昼食抜きとは予想外でした。
そして、10時過ぎには点滴が留置されました。中身は生理食塩水(略して生食)とのことです。

検査の1番目は血圧脈波検査です。
両足首付近、両上腕部に血圧測定用のカフが巻かれました。腕に巻くのはいつもの感じですが、足首用は凄い締め付け感でした。それと胸にマイクが貼り付けられました。
腕と足首の血圧を同時に測定し、血圧の比を見ることで下肢動脈の閉塞あるいは狭窄、また動脈硬化の進行度が客観的に測定できます。
また、脈波伝播速度を測ることで血管のしなやかさが評価できます。
動脈硬化が進行すると血管が硬くなるので脈が血管壁で吸収されないため、脈の伝わる速度が速くなります。

2番目の検査は肺機能検査です。
基本的には肺活量を測定するものですが、息を吸うときの肺活量と息を吐くときの肺活量を両方測定します。大体同じ数値になるものですが、私の肺活量は4300mlでした。
私の体格では目標3600mlだったそうですが、それよりかなり大きな値が出たので子供のように喜んでました。
もうひとつは、肺いっぱいに溜めた息を一気に吐くときのスピードがどれだけあるか、を測定します。モニターにグラフが出るのですが、これはあまり良い値ではありませんでした。
何度やっても咳き込んでしまいました。
検査する理由は、麻酔との関連とだけ聞きました。
全身麻酔中は呼吸も機械の管理下に置かれますので、それとの関係もあると思います。

以上点滴スタンドをゴロゴロ転がしながら、検査室まで歩いていきました。
外来の方もたくさんいらっしゃいますので、パジャマ姿の私は何だかなあって・・・・

心カテは別稿とします。

入院2日目--9月8日(水)

2010年10月24日 | 入院(手術前)
日常のルールが少しわかってきました。
6時起床、カーテンを開けます。日によっては採血。
7時までにナースステーションで体重を測定し表に記入。
9時に看護師さんが来られて、検温、血圧測定、酸素飽和度測定があります。
酸素飽和度測定器具って、指先に挟むだけのものですが、即時に測定できる優れものです。
95%以上でOKと判断されますが、この数値はヘモグロビンが酸素と結びついている率です。
脈も測れるので脈拍計も兼ねることができますね。

食事は、
朝食が8時
昼食が12時
夕食が6時
となっています。大体どの病院も同じですね。
お茶くみは基本は各自で行います。できるだけ歩いた方が良いという方針でしょうか?

朝食の写真です。

食後お盆は自分で返しに行きます。
なお、食事内容が記されたカードは個人情報満載? なので、自分で処分するようにとの注意書きがあります。

医師による回診はほぼ毎日あります。午前9時頃です。
この日午前中は検査もなくヒマで午後循環器内科市川先生より、翌日実施の心臓カテーテル検査の説明がありました。
今までに得た知識では、カテーテルは足の付け根の動脈から心臓まで通す方法で、検査後の動脈の止血に何時間もかかり、その間は全く動けないというかなり苦痛を伴うものと思っていました。

その頭で説明を聞いたわけですが、滋賀医大では左手首の動脈と左肘の静脈からカテーテルを通すので止血時間も足よりは短く、カテーテルを通す腕の手首以外には動作の制限もないというお話でした。
やったーーー、目の前バラ色です・・・・ってアホか(笑)

検査同意書にサインを求められたので、サインしつつ検査する理由について聞いてみました。
それは、冠動脈の状態を検査し悪いところが見つかれば、僧帽弁手術と同時に治すというものでした。なるほどね。
造影剤を注入するのは動脈からで、静脈カテーテルは右心室まで通し血圧を測るそうです。

午後2時過ぎ、妻が面会に来ました。先に売店でレスピフローという呼吸練習器を、買ってきてくれました。これは病院指定のものです。

手術後は肺がしぼんでいるので(ちょっと大げさ)再度膨らませるために、この呼吸練習器で肺機能を元に戻すというものです。ただ深呼吸するだけでは客観的数値がわからないので、このツールを使って数値目標を立てて肺機能の改善を図るというもののようです。

メーカーのHP? には原理として以下のように書かれています。
マウスピースから吸気することにより、チューブ・本体を介してフローチャンバ上部及びフロートカップチャンバ上部が陰圧になり、ピストン及びフロートカップが上昇する。フロートカップの位置は吸気速度の目安を示し、フロートカップが適切な位置(目印の間)にある場合はフロートカップチャンバに印字してある目盛により吸気量の目安を視覚的に知ることが出来る。
ポインタによって設定した目標吸気量までピストンを上昇させ、ゆっくりとした吸気を持続し肺胞を膨らませることにより換気機能を改善する呼吸練習器である。

少し練習してみてコツをつかみました。
その後夕方歯科検診が入りました。結果は治療を要する歯は無く、ポケットは1~3ミリで特に問題はないそうです。
歯科検診の目的は、虫歯から菌が入り心臓に届くと弁が痛むことがあるので、弁膜症手術の前には虫歯治療の必要があるとのことです。

毎日夕方になると、翌日の予定表が配られます。
ただし、土日、祝日は予定表配付はありません。

これを見ると翌日は検査漬けで充実しています。

入院初日--9月7日(火)

2010年10月23日 | 入院(手術前)
病院からは特に連絡がなかったので、予定通り9月7日に入院しました。この日は火曜日だったのですが、会社は月曜日から休みを取らせてくれました。病気すると腫れ物に触るみたいに皆さん、優しいです。
治った後のことはこの際考えないでおこう(笑)

病院には午前10時までに来るよう指定されていました。滋賀医大附属病院は入院も退院も原則10時となっています。
妻と2人で電車(JR東海道線瀬田駅降車)とバス(帝産バス病院行き終点で降車)を乗り継ぎ、10時少し前に病院に到着しました。入院受付で手続きを済ませると(健康保健限度額適用認定証はここで渡します)、心臓血管外科の3D病棟を案内されました。またリストバンドを渡されました。

バンドには名前(漢字とカタカナ)と診察券番号(ID)、生年月日とQRコードが印刷されています。このQRコードを携帯電話のバーコードリーダーで読んでみると、何のことはない診察券番号でした。

3D病棟のスタッフステーション(ナースステーションとほぼ同義)に行き、名前を名乗るとまず担当看護師さんにリストバンドを左手首に巻き付けられました。つづいて病室(D310号室:4人部屋)に案内されました。
病室で荷物の整理を妻がやってくれている間に指定のパジャマに着替えました。もう退院まで普通の服は着られません。

ベッドにかかっていたネームプレートです。

さっそく血糖値の測定が行われ、97という値でした。
トイレは各病室にあるのですが、続いて蓄尿の指導を受けました。蓄尿とは用を足すとき指定のビーカーに取り、測定器に通して尿量管理をすることを言います。これは毎回行いデータはLANでナースステーションに送られ、パソコンで管理されます。回数と量と。なお比重も測定されています。
蓄尿は心臓血管外科の患者だけなので4人のうち私1人でした。

ちなみに他サイトやブログで書かれていることの多いハートハガーのことを聞いてみましたが、そのようなツールは当院では使用しないとのことで、実際売店でも見かけませんでした。
痛みをどうやって緩和したかはまた追々。

昼食は冷やしうどん、五目ご飯、なすとインゲンの煮付けでした。
味が薄いです。これから退院まで「健康食」になります。
妻は院内の展望レストランに食べに行きました。うらやましかったです(笑)

午後、各種書類を渡されました。
入院スケジュール

入院診療計画書

この計画書では入院期間は4週間になっていました。
渡された書類はまだまだありますが、省略します。

まあ、こんな感じで入院から退院までのおよそのイメージをつかむことができます。イメージトレーニングに良いですね。
このスケジュールは特に手術までは毎日見てました。逆に術後はほとんど見なくなりました。
見るどころじゃなかった・・・・いろいろ忙しく? なりましたので。

妻帰宅後、4時前に担当医看護師さんより3D病棟を案内いただきました。
デイルームとか給茶器、浴室、シャワールームの場所、使い方についてなどなど。
浴室、シャワーは予約表に名前と時間帯を書き入れると、使用できます。
早い者勝ちです。

その後4時半にCT検査が入りました。検査室まで歩いていき、検査後も歩いて帰りました。
検査室を出る前、1人で来られたのですか? 1人で帰れますか? と心配されました。
この病院は広いので歩くのはけっこうな距離になります。
CT検査は頭部と胸部に分けて撮影されましたが、胸部の撮影時は息を止めました。