豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

ミーナ「砂に消えた涙」

2022年03月01日 | テレビ&ポップス
 外国の歌手が日本語で歌ったレコードは、前に書いたリトル・ペギー・マーチ「なぜだか判らない」の他にもいくつかある。

 一番先にあげるのはミーナの「砂に消えた涙」(フォンタナ・レコード、日本ビクター発売、FON-1041、発売年月不詳、330円)。
 「ミーナが唄うカンツォーネのニュー・ヒット!」とジャケットに謳ってあるが、あのころはカンツォーネが流行っていた。サンレモ音楽祭で優勝した「夢みる想い」のジリオラ・チンクエッティに熱を上げていた時期もあった。伊東ゆかりが入賞したこともあった。

 なぜかぼくは今でも「砂に消えた涙」をイタリア語(?)で歌うことができる。
 ア ファト ウコネラ サビャ ペナス コンデレ 
 トゥ トケロ ギョネコ レぺルテ 
 チョミソ デントロ トゥッテ クァンテ レメ ラクリメ
 エ レブジェ ケンベン(「検便」と出てきた!) タリ ペルメ 
 エ クァンド スプンタ クァンド スプンテラ ラ ルーナ(これは「月」だろう)
 ファビュロピ センプレ ディメンティ カート
 それの一つ一つのものが偽りのプレゼント ・・・(以下は日本語の歌詞で覚えている)

 何でこんな昔の記憶がいまだに残っているのか不思議だったが、今回このレコードのジャケットの中から、この曲のイタリア語の歌詞を書き写した下に、片仮名で読み方を書いたメモを発見した(上の写真の右側)。
 高校生の頃、ぼくはこんな作業にいそしんでいたのだった。
 2年前まで同僚だった人物の名字さえ思い出せないことがある昨今なのに、人間の海馬というのは不思議なものである。思春期というのが不思議な時期なのかもしれない。

 そういえば、懐かしいロス・マルチェロスの「アンジェリータ」は今回も出てこなかった。どこへ行ってしまったのか? 以前「アンジェリータ」について書き込みをした後でどこかにしまい込んでしまったらしい。

   *   *   *



 おまけに、外国の歌手が日本語で歌った曲をもう一枚。
 ジョニー・ティロットソンの「涙くん、さよなら」(日本グラムフォン、MGMレコード、DM-1042、発売年月不詳、370円)。A面が英語盤、B面が日本語盤である。
 浜口庫之助の作詞作曲の曲をジョニー・ティロットソンが歌っている。買った記憶もないが、「涙くん、さよなら」も、「ミスター・ロンリー」などとともに好きな曲だった。センチだったのだ。
 最近、どこかのCMソングとしてこの曲が流れているのをテレビで聞いた。

 右側のジョニー・シンバル「明日があるさ」(東芝音楽工業、KAPP、KR-1106、330円)は坂本九の歌のカバーだが、日本語ではなく英語バージョン。発売年は不明だが、高崎一郎さんの解説に「ジョニー君は1945年生まれで、ことしまだ19歳」とあるから、1964年発売だろう。
 坂本九では「明日がある 明日がある 明日があるさ」というところが、“You say that you love me, you say that you love me, but your Words are just a pack of lies” となっていた。
 英語の歌は音(音符?)に乗せなければならない言葉が多すぎるけれど、日本語の歌は言葉が少なくて美しいとB・E・キングがテレビで語っていた。例に挙げていたのは由紀さおりの「夜明けのスキャット」だった。あれはまた特殊に言葉が少ない歌だけど。

 2022年 3月 1日 記


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B面だった「白いサンゴ礁」

2022年02月25日 | テレビ&ポップス
 
 シングル・レコードのB面に入っていた曲のほうがA面の曲よりもヒットすることは時たま起きるが、そんなレコードのことを。

 見つかった古いドーナツ盤レコードのなかに、ズー・ニー・ブーの「涙のオルガン」というのがあった(日本コロンビア、LL-10090-J、1969年4月か? 400円。上の写真)。
 ズー・ニー・ブーのこんな曲には全く覚えがない。おかしいと思って見ると、B面が「白いサンゴ礁」だった。それなら好きな曲だったから、買った覚えがある。ビニール袋から出してみると、ジャケットは両面開きになっていて、右側がA面の「涙のオルガン」、左側が「白いサンゴ礁」になっていた。
 ズー・ニー・ブーのボーカリストは、後に尾崎紀世彦で大ヒットした「また逢う日まで」を最初に歌ったけれどヒットしなかったと聞いた。「白いサンゴ礁」も危うくB面に埋もれるところだった。

   *   *   *
  
 
 もう一曲、「B面問題」について。
 古いレコードの中に、A面に「夫婦 主題歌 涙のカノン」(キングレコード、HIT-1636マルS、©1969年、400円。上の写真)が入ったのがあった。
 この映画も、見たこともサントラ盤を買ったことも全く記憶にない。
 ジャケットの裏面の解説によれば、「『幸福』『男と女』などにつづいて、再びフランス映画が新鮮な感覚と手法で、現代生活のモラルと夫婦の愛情についてのテーマに取組んだ、新人監督ベルナール・ポールの意欲的な秀作」だという(原題 “Le temps de vivre”)。
 主題歌「涙のカノン」は好きな曲だが、映画のほうは記憶にない。

 おかしいと思って見ると、B面が「白い恋人たち」だった(演奏はレーモン・ルフェーブル・オーケストラ)。
 それなら覚えがある。「白い恋人たち」は1976年のインスブルック冬季オリンピックの記録映画の主題歌である。ただし、サントラ盤の演奏はフランシス・レイだった。
 この映画は、女房と渋谷の東急文化会館4階か5階にあった映画館でロードショーで見た。「白い恋人たち」は、あの頃の深夜放送でも頻繁に流れていた。ぼくは滝良子の深夜放送で聞いた覚えがある。

 2022年2月25日 記

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不思議な「不思議なピーチパイ」

2022年02月24日 | テレビ&ポップス
 
 偶然に見つかった古いドーナツ盤レコードの話題をいくつか。

 最初は、竹内まりやの「不思議なピーチパイ」。

 ジャケット裏に「製作:RVC株式会社」とあり、レコードの盤面にRVCとあるが、RVCというのはレコード会社なのかどうか・・・。「’80」という著作権表示らしきものがあるから1980年の作品なのだろう。(なお、B面は同曲のカラオケ版)。
 不思議だったのは、ジャケットの女性が竹内本人ではないこと。
 歌っているご本人の写真をジャケットに掲載しないレコードもなかったわけではない。次に書く「マンダム--男の世界」もそうだったし、中島みゆきや五輪真弓のデビュー盤にもご本人の写真はなかったはずである。
 竹内まりあまでもが・・・と、不思議に思ってよく見ると、何とこのレコードは資生堂が発行(?)した非売品だった。
 「不思議なピーチパイ」が化粧品会社の春のCMソングだったことは覚えていたが、それが資生堂だったとは記憶になかった。当時はそんな宣伝を打つのは資生堂かカネボウしかなかったが。しかも資生堂はテレビのCMでこの曲を流しただけでなく、レコードまで販売促進用に出していたのだ! ジャケットの女性も資生堂のモデルさんなのだろう。

 ぼくは資生堂の化粧品とは全く関係なかったから、おそらくぼくの母親が資生堂の化粧品を買って、化粧品店からこのレコードをもらったのではないかと思う。ひょっとすると、中軽井沢駅前の桐万薬局さんでもらったかも・・・。
 
   *   *   *
   

 CMレコードをもう一つ。
 男性化粧品を販売していた「丹頂」が社名を「マンダム」と変更したさいのテレビCMからヒットしたジェリー・ウォレス「マンダムーー男の世界」。

 こちらは非売品ではなく、東芝音楽工業が発売したれっきとした市販品(東芝LIBERTY,LR2571,400円)。著作権表示から1970年発売と思われる(著作権者はJen-Mor Music Corp. とあるが、誰だろう?)。
 CMに出演していたのは、このレコードのジャケットに登場するチャールス・ブロンソンだった。このレコードにはチャールス・ブロンソン版のジャケットのほかに、もう一枚別のジャケットが入っていて、そっちのジャケットの裏面にはジェリー・ウォレスの(モノクロ)写真が入っている。C&W界のベテラン歌手と紹介されている。
 “All the world loves a lover ・・・” という彼の歌声は今でもぼくの耳に残っている。

 2022年2月24日 記

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坂本九「上を向いて歩こう」ーーはじめてのレコード

2022年02月20日 | テレビ&ポップス
 
 日本地図を使ってすごろく(双六)がしたいと言う孫のために、屋根裏の物置を物色して大判の日本地図を探していたところ、偶然に荷物の隙間から数十枚の古いドーナツ盤レコードが出てきた。
 絶対に買ったはずなのに見つからなかったヴィレッジ・シンガーズ「亜麻色の髪の乙女」や、ペギー・マーチの「なぜだか判らない」なども出てきた。
 中でも一番うれしかったのは、ぼくが人生で初めて買ったレコードである坂本九の「上を向いて歩こう」が出てきたことである。
 東芝レコード(JP-5083)、定価は300円と記載してあるが、発売年月は記載がない(どこかに1961・10と書いてあったようだが見つからなくなってしまった)。 

 昭和36年、1961年の発売。ぼくが小学校6年の時である。
 当時は電蓄のある家は少なかったので、友だちがわが家に聴きに来たりした。親しくもない(というよりは来てほしくないジャイアンのような)やつまで押しかけて来て、勝手に上り込んでこのレコードを聴いた覚えがある。
 あれから60年以上たったのだ。
 今でも「見上げてごらん夜の星を」や三橋美智也の「怪傑ハリマオ」などとともに、ぼくのカラオケの定番だが、コロナでここ数年はカラオケにも行けないでいる。

 これ以外の、今日見つけたレコードについてはまた後日に。

 2022年2月20日 記

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『ロンドンーー追う者たち、追われる者たち』(AXNミステリーチャンネル)

2021年02月02日 | テレビ&ポップス
                

 1月31日(土)午後4時から午後10時まで、『ロンドンーー追う者たち 追われる者たち』(BS560ch,AXNミステリー)を見た。

 6話、6時間連続はつらかったが、「モース」も「ルイス」も「ヴェラ」も食傷気味だったので、目先を変える効果はあった。
 導入がややもたもたしていたので、第3話はスルーして、午後6時から1時間は地上波でニュースと天気予報を見た。7時からふたたびミステリー・チャンネルに戻って、第4話から第6話までを見た。

 猟奇的な連続殺人が起こり、早い段階から犯人が誰かは視聴者に明らかになるのだが、追われる犯人側の男女2人組と、追う警察側(こちらも男女)2人組のあいだの駆け引きを描いたサイコ・サスペンスということになっている。
 この犯人側の女は、前に書き込んだ『魂の叫び』のメアリー・ベルを思わせる。彼女も、大人の心を見抜き、平然と詐言、虚言をもちいて相手を引き込もうとする術に長けていたという。このドラマの女もそのような女である。

                               
            
 ただ、コンゴ内戦で家族を失い、医師を目指してイギリスにやって来たババと呼ばれる移民男が、どうして、この女のために殺人まで犯し、最後まで女を守ろうとしたのかが理解できなかった。
 原題は“We Hunt Together”というのだが、追う警察側からの意味は了解できるとしても、追われる側が、なにゆえ“together”で、何を“hunt”しているのかが分からなかった。
 第3話を抜いたのがいけなかったのだろうか。再放送があるようなので、次回は第3話だけを見ることにしよう。

 もう一つの疑問は、この原題をなぜ「ロンドン」に変えたのかという点。
 続いて放映された「ソールズベリー毒殺未遂事件」、近日放送予定の「ダブリン」などの「ご当地もの」と平仄を合わせたということか。
 あまりロンドンらしい風景は登場しなかった。
   
 2021年2月2日 記 



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“ 孤高の警部ジョージ・ジェントリー ”,“ 主任警部モース ”(ともに最終回)

2020年11月27日 | テレビ&ポップス
 
 きのう11月26日の夜、BS放送AXNミステリーで“主任警部モース”の最終回(第33話)をやっていた。
 「悔恨の日々」(The Remorseful Days)というやつで、以前にも(何度か)見たが、また見た。

             

 以前、「モース」のDVDが全35巻(メイキング・ビデオも2巻入っている)が7000円くらいだったので買った。字幕は英語だけで、残念ながらぼくの英語力では各シーン2行の英語字幕を読む前に場面が変わってしまう。かと言って音声だけではもっと聞き取れない。
 仕方なく放置したままになっている。
 ちなみに、このDVDの題名は“ Inspector Morse ”である。モース自身が“ chief inspector ”であることを強調するシーンがしばしば出てくるが、シリーズの最初の頃は平の“ inspector ”だったのだろうか。

 ラストシーンは、“ ルイス警部 ”へのつながりを予告するかのようであり(ぼくだったら、最終回のタイトルは(ルイスに対する)「懺悔の日」にする)、ストレンジ警視正は(俳優の体型から)若き日のモースを主人公にした“ 刑事モース ”とのつながりを感じさせる。モースだけが繋がらないのだが。

     *     *     *

 11月17日の午後8時から、同じくBS放送AXNミステリー(560ch)で、“ 孤高の警部ジョージ・ジェントリー ”を見た。
 チャンネルを回していたら、偶然この番組をやっていた。こんな時間帯にやっていたとは知らなかった。久しぶりである。
 
 第25話、最終回だった。
 「新しい時代」というタイトルだが、時代は保守党ヒース政権時代らしいから1970年から~74年ころ、舞台は労働争議で揺れるニューカッスルである。
 警察内部の腐敗、政治家と警察の癒着をジェントリーが暴くというストーリーだが、癒着が疑われる政治家は明らかに保守党であり、刺客は政府の意向を受けたMI5(元MI5だったか)メンバーである。
 21世紀に入ってからの作品とはいえ、よくぞ国営放送BBCがこのような番組を放映できたと感心する。わがNHKでは考えられない。政権交代が実際にたびたび起こる二大政党制のおかげか。

             

 ジェントリー役のマーティン・ショウは、数年前にイギリスへ行ったときに、ピカデリー・サーカスの劇場で“ Twelve Angry Men ”(12人の怒れる男たち)の主演を演じていた。有名な舞台俳優らしいが、部下のバッカスを演じていた役者も有名な俳優らしい。
 イギリスのテレビドラマは、舞台出身の俳優たちの演技力のおかげで、わがテレビ番組とは一味もふた味も違う仕上げになっている。

             

 最終回の結末は意外だった。
 12月末にまた再放送があるらしい。


  2020年11月18日、27日 記


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“刑事モース”(シネフィルWOWOW,BS451ch)

2020年10月31日 | テレビ&ポップス
 
 贈与論のマルセル・モースから一転して、きょうは、“ 刑事モース ”のはなし。

 10月30日は午後1時から、BS451チャンネル、シネフィルWOWOWで“ 刑事モース ”を見、夜8時からはBS 560、AXNミステリーチャンネルで“ アラン・バンクス ”を見た。
 それ以外は散歩と読書。散歩はいつも通り、読書はE・ブレイク『最小の結婚』を読んでいるが難航しており、コメントは少し先になりそう。

 “ 刑事モース ”のほうは、若き駆け出し時代のモースが主人公なのだが、警部になったモースとまったく似ていない俳優が演じているため、どうしても“ モース警部 ”の若いころの話という感じがしない。ストレンジ警視正(?)や法医鑑定医などは、体型や顔つきがどことなく似た俳優が演じているのだが・・・。
 モース警部の方は、すぐに事件関係者や時には容疑者の中年女性に恋心を抱くのだが、刑事モースにはその萌芽はまだうかがえない。

 昨夜の話の内容は、“ モース ”も“ アラン・バンクス ”も、警察内部の腐敗が絡んでいた。
 警察の腐敗はたびたびイギリス・ミステリーのテーマになっているが、BBCも含めてよくテレビで放映できるなと思う。
 “ アラン・バンクス ”は、主人公の署内恋愛(?)がサイド・ストーリーになっていて、恋愛ドラマ風でもあり、イギリスの離婚した夫婦や夫婦間の子の生活をうかがうことができる家族ドラマ風でもある。
 “ ガンヒルの決斗 ”のことを、キネマ旬報で「浪曲調西部劇の水準作」などと評していたのに倣うなら、昨日の“ アラン・バンクス ”は「浪曲調ミステリー」であった。

 2020年10月31日 記


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“ミス・マープル” 牧師館の殺人

2020年09月30日 | テレビ&ポップス

 9月30日(水)、夜8時から、AXNミステリーで、アガサ・クリスティの “ミス・マープル” をやっていた。マープル役は、ジェラルディン・マクイーワン。
 「牧師館の殺人」というやつで、ミス・マープルが登場する最初の作品だそうだ。

 メインの犯罪と謎解きは何ということはなかったというか、いつも通りのマープルの独壇場と言うしかないが、伏線のなかで、第二次大戦中のフランス・レジスタンスを支援するイギリス軍人の裏切りや、治安判事を務める田郷紳士(?)の誤判のエピソードが出てきたり、イギリスの検死法廷(陪審ではなく検死官の単独審理だった)が出てきたり、と挿話の部分は面白かった。 

 マープルの敵役というか引き立て役のスラック警部を演じているのが、若き日のアラン・バンクスだった(上の写真)。ネットで調べると、スティーブン・トンプキンソンというらしい。

 たまたま見たのが、マープルものの第1話だったので、ミス・マープルがなぜ「ミス」なのかや、舞台となっている「セント・メアリ・ミード村」の概略を知ることができた。


 2020年9月30日 記


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“主任警部アラン・バンクス”(AXNミステリー)

2020年09月26日 | テレビ&ポップス
 
 昨夜9月25日(金曜)夜8時から、“主任警部アラン・バンクス” (シーズン2)が始まった(BS560ch. AXNミステリーチャンネル)。<シーズン2 #2>となっていたから、先週から始まっていたのかもしれない。
 第2話の題名は「殺意の境界線」という。

 アラン・バンクスの弟が犯罪に関与しており、アラン自身も最初のうちは容疑者ないし重要参考人として、捜査から外される。この辺の設定はうまい。
 テーマというか犯罪の内容は、かつてぼくが修士論文のテーマにしようかと思っていた問題に関わりがあるのだが、ネタが割れてしまうので控えておこう。

 弟は経済犯罪には手を染めていたが、殺人は犯していないというのが「境界線」の意味らしい。悪銭で羽振りがよいらしくポルシェなどに乗っている。
 弟だけでなく、彼の両親も登場する。
 父親は貧しい工員として働きながら、彼を大学まで行かせ、リタイア後の現在は小売り業を営んでいる。

             

 イギリスの警察官のバック・グラウンドをうかがわせる設定だが、イギリスの警官の学歴はよく分からない。オックスフォード出身のモースは異例のようだが、ハサウェーもたしかケンブリッジを出ている。ルイスも地方ではあるが(マンチェスターだかニューカッスルだか・・・)大学出のようだった。
 時おり登場する嫌味な大学出の新卒刑事は、署長からはちやほやされるが、現場の刑事たちから「将来は警視正様」などと陰口をきかれている。今回アランに代わって捜査の指揮をとる女警部補もそのように描かれている。

 毎週金曜日に数回放映されるようだから、しばらく金曜日の夜はアラン・バンクスで何とか時間をつぶせそうだ。

   *   *   *

             

 つづいて、NHKのBSプレミアム(BS 104ch.)で“中井精也のてつたび” 「夏の思い出・信濃路 しなの鉄道線」というのを見た。

 この夏、軽井沢からどこにも行けなかったので、軽井沢から上田、長野を経て、妙高高原に至る鉄道の旅は楽しかった。
 途中、上田では上田電鉄で別所温泉に寄り道し、長野では北しなの線で湯田中に寄り道をする。これらの路線で、かつて東京を走っていた緑とオレンジの湘南電車や、成田エクスプレス、小田急ロマンスカーなどが今でも現役で活躍していた。
 とくに小田急のロマンスカーは数世代前の車両で、懐かし姿が信州の田園風景の中をゆったりと走っている風景には感動した。豪徳寺生まれのぼくとしては、ぜひ見に行きたいと思った。

                         

 出発がしなの鉄道の軽井沢駅だったので、中軽井沢や信濃追分、御代田、小諸あたりがたくさん出てくるのかと期待したが、残念ながら、軽井沢のつぎはいきなり旧北国街道の海野宿になってしまった。海野宿も悪くはないが、軽井沢びいきとしてはちょっとがっかりした。
 浅間山はやっぱり中軽井沢、追分から見る姿が一番きれいだとぼくは思う。北軽井沢、嬬恋や、小諸からの姿は「ぼく」的にはアウトである。
 雷電の里(?)からの山影などは、ひとに言われなかったら浅間山だとさえ分からなかった。

 写真撮影については、駐輪場の屋根や自動販売機など画面に映したくない対象をカットするように構図を決めろというアドバイスが参考になった。
 ぼくは浅間山を撮ろうとするたびに、ツルヤの前でも佐久農協の踏切わきでも沓掛テラスでも発地市場でも、つねに電線と電柱が邪魔で苦労するのだが、電線をカットする方法はないだろうか。

    *   *   *

 この後、AXNミステリーで高村薫の「マークスの山」をやっているのを発見したが、夜も遅かったし、話がすでに第3話まで進んでしまっていたので見るのはやめた。
 あの小説は主人公が碑文谷署の刑事で、都立大学周辺が出てくるのだが、テレビドラマでは原作に忠実にあの辺りでロケをしているのだろうか。あの辺の住民はテレビのロケなどにはあまり好意的ではないように思うが、もし何年か前のあの辺りの風景が出てくるのなら、ぜひ再放送は見たいところである。


 2020年9月26日 記


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主任警部 アラン・バンクス

2020年09月19日 | テレビ&ポップス
 
 『主任警部アラン・バンクス』シーズン1(終)第4話「報復の行方」(AXNミステリーチャンネル BS 560ch)を見た。
 アラン・バンクスは、かなり以前にたまたま見たストーリーが暗くて暴力的だったので、その後は敬遠していたのだが、最近はポワロもマープルも、フロストもバーナビーも、モースもルイスも、ヴェラもフォイルも、ほとんど見たものばかりで、いよいよ見るものがなくなってしまったので、昨日は見ることにした。

 途中から、この作品もすでに見たことを思い出した。しかし、見た記憶はあるが、どんなストーリー展開で、誰が犯人だったかはほとんど忘れていた。

 登場人物の中で、休職中の警察署長を演ずる俳優が、バーナビー警部の相棒の巡査部長役を演じていた俳優ではないかと思った。アラン・バンクスの配役が分からないので、ネットを探したが見つからない。
 バーナビーのほうをネットで調べると、第44話から相棒を務めた巡査部長役はジェーソン・ヒューズという俳優だった。バーナビーは1997年から放映開始だそうで、アラン・バンクスは2011年から放映なので、この間に14~5年が経過している。
 14~5年の経過にしては今回の警察署長はやや老けすぎている感じがするし、いわゆる「尻あご」の度合いも穏やかになった印象だが、1997年当時の巡査部長役が警察署長役を演じてもおかしくはないだろう。

 幸い来週からアラン・バンクスのシーズン3だか4だかの放映が始まるらしい。これは見ることにしよう。
 なお、アラン・バンクスが所属する警察署はヨークシャー警察と書いてあるものと、リーズ警察と書いてあるものがある。警視庁と書くか碑文谷警察署と書くか、の違いなのか。
 いずれにしても、アラン・バンクスは市の中心部を遠く離れた郊外(田園地帯というべきか)の一軒家で一人で暮らしている。イギリスの警部クラスの警察官はあんな生活ができるのだろうか。

 ※ リーズで思い出したが、仁賀克雄『ロンドンの恐怖』の中に、「リーディング」という地名が出てきたが、あれはレディングだと思う。“Reading” をなぜ「レディング」と発音するのかは分からないが。

 原題についている “DCI” は何の略号なのか。 “CID” なら、Criminal Investigation Department の略で、この部署「犯罪捜査課」は切り裂きジャック事件の際にロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)で初めて導入された組織であると何かの本に書いてあった。

 
             

 アラン・バンクスの数日前に『オックスフォード・ミステリー ルイス警部』(AXNミステリー、BS 560ch)を見た。
 題名は忘れてしまったが、シーズンnの最終回だった。番組表に[終]と表示してあった。

 話の内容もハサウェーが警部に昇進しており、捜査の陣頭指揮をとるハサウェーを助けるために、リタイアしたルイスに署長が電話して応援を要請していた。ハサウェーにとっては迷惑な話ではなかったか。
 その後もルイスが登場し続けているが、どうなっているのか。『ハサウェー警部』シリーズにはならないのだろうか。

 ラストシーンで、例によってルイスとハサウェーが二人でビール(エール?)を飲んでいた。(上の写真)
 こんな風にビールを飲む相手も機会も、ぼくの現役時代には残念ながら、なかった。


 2020年9月19日 記


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“オックスフォードミステリー ルイス警部”

2019年09月29日 | テレビ&ポップス

 きょう、9月29日(日)、テレビをつけたら、偶然BS放送のミステリー・チャンネルで、“オックスフォード・ミステリー ルイス警部”の第1話をやっていた。

         

 見た記憶はあるのだが、今回も忘れていたことが多かった。
 犯人さえ忘れていた。

 はじめて“ルイス警部”を見たころは、やはりモースの印象が強くて、なじめなかったのだが、ルイスが主人公になって何年経つのだろうか、あまり違和感はなくなった。

         

 オックスフォードは5年前に現地を訪ねているので、懐かしさもある。
 安心して見ていられるが、あそこのカレッジでは、そんなに学長選や副学長の地位をめぐって殺人事件が頻発しているのだろうか。
 このようなテレビ番組が堂々と放映できる国はすごいと思う。


 ついでに、今日の出来事。

         

 孫が今度は大きなキュウリができたと言って、見せに来た。
 ほかのキュウリと比べて長さ、太さとも10倍はある。
 八百屋で売られているキュウリと比べても遜色ない。

 キュウリの世界にもこんなに突出したキュウリがあるように、人間の世界にも先天的に傑出した人はいるのだろう。


 2019/9/29 記


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“ヴェラ ~ 信念の女警部” AXNミステリー

2019年09月27日 | テレビ&ポップス

 最近、AXNミステリー・チャンネル(560ch)の“ヴェラ--信念の女警部”をよく見る。

 この番組は、もう何度か放映されているが、実はぼくはほとんど見ていない。
 1、2回は見たのだが、主人公ヴェラ役の女優の声が苦手で、話に入って行けないのである。

         

 ところが、最近のAXNミステリーは、やたらと日本の旧作を放映したり、コロンボを延々とやっていたりして、見る気が起らなかった。
 そこで、しかたなく“ヴェラ”を見るようになったのだが、見ているうちにだんだん気に入るようになった。

         

 舞台がいい。
 イングランド北東部と紹介されているが、実際の場所がどこかは、ぼくには分からない。
 しかし、5年前にイギリスを旅行した際に、エディンバラ(ウェーバリー駅)からシェフィールドに向かう鉄道の車窓から、進行左手に見えていた田園風景と、その向こうに時おり見ることができた北海の風景が蘇ってくるのである。

                  

 5年も経つと、こんな風景を見ることができるだけで、ヴェラのあの声や若い刑事に向けて放つ嫌味も許されるようになった。

 バーナビー、もう一人のバーナビー、オックスフォード・ミステリーなど、再放映、再々放映は、どれもほとんど既に見たものなので、ストーリーは忘れていても、印象的な人物や殺人現場などが登場すると、「あ、こいつが犯人だったな」と思い出してしまうことが多い。

         
         
 それに対して、ヴェラはこれまでほとんど見ていなかったので、いずれも初見のため、素直にストーリーを追うことができるのである。

 もっとも、最近は放映されなくなってしまったが、“メグレ警部”(ミスター・ビーンではなく、ブリューノ・クレメールのもの)は何度見ても、その雰囲気を楽しめるので、また放映してほしいものである。


 2019/9/30 記 


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断捨離の途上で アニメのセル画

2019年02月03日 | テレビ&ポップス

 定年を1年余後に控えて、研究室、自宅ともに断捨離(だんしゃり)を少しづつ進めているが、なかなかはかどらない。

 捨てても、捨てても、次々と古雑誌や会議の資料などが出てくるのである。

 しかも久しぶりに出てくる懐かしい物や書籍を、捨てるつもりでパラパラめくっていると、結構いいことが書いてあるのを発見して、ふたたび書棚に戻したりすることも少なくない。

 しかも自宅には私の物だけでなく、亡父の残した書物に加えて、厖大な資料や手紙の類も残っている。さらに、亡母や祖父の物まで残っている。
 本人が生きているうちは何がしかの価値があったかもしれないが、当人がなくなった後ではまことに始末に負えない。「ゴミ屋敷」のゴミを整理するのと大した違いはない。

         

 大学の図書館は、最近では書籍は邪魔者扱いで、「一括廃棄に承諾するのであれば引き取ってもよい、ただし送料はそちらの負担」という。
 古本屋を呼んだら多少の値がつく物もあるかもしれないが、プライバシーを覗かれるようで、いい気はしない。価値も分からないので足元を見られそうでもある。

         

 そんな中で、何時、誰から、どういう経緯で貰った物かも思い出せないアニメのセル画が何枚か出てきた。
 アニメのことには疎いので(いまだに“火垂るの墓”以上のアニメを知らない)、何という作品かもわからないけれど、アップしておく。

         

 結構こういう物に値がつくのかも知れないが、アニメなど1本に何千枚(何万枚?)というセル画があるのだろうから、大した価値はないのかもしれない。


 2019/2/3 記

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メグレ警視 聖歌隊少年の証言

2018年09月15日 | テレビ&ポップス

 今回の軽井沢での仕事は、この6月に成立した民法・相続法改正の解説書を読んで、後期のレジュメを作成することがメイン。

 夜の休憩用のビデオは、メグレ警視シリーズの“メグレと聖歌隊少年の証言”、“メグレと田舎教師”、“マダムキャトルと子どもたち”の3本だけ持参した。
 1本目と3本目は“メグレ警視”DVD(BOX 3)所収、2本目の“メグレと田舎教師”(下の写真)は単品。

 いずれも、これまでに何回か見たものだが、最近は見ていなかったので、久しぶりに見ようかと思った。

            

 偶然にも、どれもメグレと子どもの交流が見られる作品だった。
 そして、3作とも、何回みても好印象を残す作品だった。

 日本のテレビで流しているようなものとは違って、1作1作丁寧に作られているのが伝わってくる。
 カットがよくて、どの画面からも一昔前のフランスの郊外の町の雰囲気が伝わってくる。
 ただのテレビドラマというより、映画に近い。アラン・ドロンの“フリック・ストーリー”や“シベールの日曜日”のような印象である。

 帰京後、東京のBSミステリー・チャンネルで、ローワン・アトキンソンの“メグレ警視(シーズン 2)”をやっていた。シーズン1に比べると、ミスター・ビーン色はいくぶん弱まってはいたが、やはり彼にメグレは無理である。
 ブリューノ・クレメールを見た後では・・・。


 2018/9/15 記

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ピンキー(“恋の季節”)

2018年09月13日 | テレビ&ポップス

 4歳の孫がトランプのババ抜きと神経衰弱にはまっていて、わが家に遊びに来ると必ず「おじいちゃん、トランプしよう!」と誘ってくる。
 なるべく孫には付き合おうと思っているので、2、3回は相手をする。

 4歳児の記憶力と集中力はかなりのもので、神経衰弱に関しては、まだら痴呆ともいうべきぼくの記憶力ではとても太刀打ちできない。
 3ペアくらいは連続して当てるし、終盤に近づくと6ペア総ざらいで持っていくこともある。

 ババ抜きに関しても、トランプのカードの痛み(折れ方)でジョーカーその他の何枚かの札が分かるらしい。裏面を見ただけで「これが8だな」などと言って、8を引き当てる。
 記憶力を褒めるべきか、チョンボというべきか。
 「子どもを東大に入れたければ、神経衰弱で遊べ」と東大出身の精神科医が言っていたと家内から聞いたが、東大はどうでもよいが、トランプの教育効果を期待していないと言ったらウソになるだろう。


 前置きが長くなったが、今回の話題はピンキーこと近陽子さんである。

 軽井沢で勉強中に、何気なく勉強机の固くて開けにくい引出しをこじ開けたら、中からトランプと花札が出てきた。
 祖母が花札が好きで、家族でよく遊んだ。

 祖父は仙台で大学教師をしており、戦中戦後には、祖父の家に貧しい学生が何人か下宿していた。
 勉強の合間に、その学生たちと花札をやり、負けた学生が冬の仙台の寒空に焼き芋を買いに行くルールだったと祖母から聞いた。

         

 トランプのほうはハートのエースを表に向けてケースに入っていたのだが、数十年ぶりにケースから出してみて、驚いた。
 カードの裏面が“ピンキーとキラーズ”のピンキーこと近陽子さんなのである!

 ピンキーの“恋の季節”がヒットしたのは、(前にも書いたが)1968年の初夏である。
 ぼくは駿台予備校の四谷校舎に通っていたが、昼飯を食べに行った四谷界隈の昼飯屋のテレビでやっていた“前田武彦のお昼のゴールデンショー”の「今週のゲストコーナー」で初めて“恋の季節”を聴いた。
 1週間の間、毎日連続して出演するゲストだった。

 そしてぼくはブラウン管越しにピンキーに恋をした。
 彼女が出る番組を探し、彼女に少しでも似たところのある予備校生にまで恋をした。
 
 もちろん彼女に関わるグッズは集めた。
 前にも書いたが、“恋の季節”の宣伝用のボード(ドーナツ盤のジャケットと同じ大きさのボード)も手に入れた。
 吉祥寺駅北口の駅すぐのところにあった新星堂で、“恋の季節”のレコードを買ったときに、天井から吊り下げてあったのを指さして、「これをもらえませんか?」とダメもとで頼んだところ、若い女性の店員さんが「いいですよ」と言って、あっさりとビニールひもを引きちぎって渡してくれた。

         

 その後も、みのもんたのNTVの昼番組などに出ていたが、いくつになっても昔と変わらずチャーミングなままであった。
 田代みどりや伊東ゆかりなどと並んで、ふけない女性の代表格だろう。

 その“恋の季節”の当時のピンキーが、すべてのカードの裏面で、きれいな白い歯で微笑んでいる。
 黒のシルクハットには、キラーズの4人の顔が写っている。当時のぼくは、ピンキーといつもいっしょにることができるこの4人に嫉妬心を抱いていた。

 トランプの箱(とスペードのエース)には、「HEIBON PLAYING CARD CO」と書いてあるが、平凡出版はこんな会社も立ち上げていたのだろうか。
 「特殊紙製 ¥400」というシールも貼ってあるが、カードの紙質ははっきりいってかなり悪い。
 孫と遊ぶときは使わないでおいた方がよさそうである。


 2018/9/9 記


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