きょうの昼前、なんとなくテレビをつけると、“猟奇的な彼女”をやっていた。
11時半に近かったので、もう終わる直前だった。あの、村はずれに一本だけ立っている思い出の木の下にチャ・テヒョンがやって来て、手紙を読むあたりだった。
でも、二人が数奇な再会を果たして、テーブルの陰で手をつなぐあのラストシーンを見ておこうと思って、最後まで見た。
ぼくは彼女の義母役の女優さんのほうが好きだったが、きょう見ると、チョン・ジヒョンもわるくない。
2001年の作品だった。もう10年も経ったのだ。
ぼくがカラオケで歌いたいと言ったら、“I Believe”を何度も聴いてカタカナの歌詞カードを作ってくれたゼミ学生も、もうとっくに卒業してしまった。元気にやっているだろうか。
“猟奇的な彼女”が終わったので、チャンネルを回すと、452チャンネル“ザ・シネマ”で、なんと“シベールの日曜日”をやっていた。こちらも12時までで、もうハーディー・クリューガーが撃たれてしまった後だった。
それでも、シベールが「もう名前なんてない」と言って泣くラストシーンまで数分間だけ見た。
そう言えば、何日か前に“シベール~”をやるという予告を見た。忙しくてメモも取らなかったので見逃してしまった。
“シベール~”は1962年の作品。ぼくが見たのは1960年代の末か1970年代の初めだった。それでも40年以上前に見た映画である。
ラストシーンで聖歌が流れるあたりは、“汚れなき悪戯”を思わせる。そう言えば、どちらも修道院が舞台だった。
“汚れなき悪戯”は1957年日本公開らしい。小さい頃に見た記憶がある。同じパブリート・カルボが主役の“広場の天使”も見た。戦後の貧しさは、日本もスペインもイタリアも同じだった。
小森和子も大好きだったというパブリート・カルボは若くして亡くなってしまった。朝日新聞に死亡記事が載った。
* 何か書かないと、2006年2月以来、毎月何かは書き続けてきた“豆豆研究室”の投稿が2011年5月で途絶えてしまう。これでなんとか今月も1本は書くことができた。
タイトルの写真は、大学時代の友人で写真部に属していたやつが作ってくれた“シベールの日曜日”のスチール写真。40年以上ぼくの部屋の壁に下がっている。もう1枚は“汚れなき悪戯”の主題歌“マルセリーノの歌”のレコード・ジャケット。1970年代にリバイバル上映された時に発売されたものだったと思う。
2011/5/28