夕食を食べながらテレビのスイッチを入れると、NHKのBSプレミアムでヴィットリオ・デ・シーカ監督、ソフィア・ローレン主演の「ひまわり」をやっていた。
ロシアのウクライナ侵略のあった今年は、あちらこちらで “ひまわり” が上映されたようだ。“ひまわり” を見たからといってウクライナへの連帯の意志を示すことができるわけでもない。所詮はウクライナのひまわり畑が背景に登場するメロドラマなのだが、それでも、今年の1本にあげることはできるだろう。
久しぶりなので、最後まで見た。
今日の午前中には、同じくNHK-BSで「世界ふれあい街歩き」のキエフ編(まだキーウではなかった)をやっていた。
2019年に放送されたものの再放送だった。穏やかで美しい街並みだったが、すでに2019年当時から、ロシアのクリミア侵略に対抗して出征した帰還兵士が何人か登場していた。
ソ連時代に造られたというウクライナとロシアの友好を記念する巨大な虹のようなモニュメントには、しかし、その後の両国関係の悪化を象徴するように、黒く塗られた亀裂が描かれていた。
そして2019年にはキエフの公園で民族楽器を奏でていた53歳の男性が、現在は志願兵として軍事訓練中であると紹介されていた。
この番組を見て、ウクライナ人の反ロシア感情、ふたたび旧ソ連時代のような全体主義国家に後戻りさせられることは真っ平だという強い信念を感じた。そう簡単に和平は到来しないだろう。
21世紀にこんな戦争が起こるとは、こんな戦争を起こす人間がいるなどとは、思ってもいなかったぼくは何と愚かだったのか。
2022年12月31日 記