気ままに

大船での気ままな生活日誌

2007-12-22 09:31:57 | Weblog
ボクはその日、大船ルミネ5階の、ユニクロでカーキ色のチノパンを買い、すそあげをしてもらっている間、6階の本屋さんで時間をつぶしていました。何気なく取り上げた本の、また何気なく開けたページに載っていた、詩に目がとまりました。その詩は、ボクが普段感じているのと全く同じことを語っていました。

その詩は、田村隆一さんの”木”という詩でした。何度か小声で読んでみて、ああいい詩だな、と思いながら、その本を閉じ、元の場所に戻しました。そして、別の書棚の方に移ったのですが、何故だか、その詩のことが気になってしかたがありませんでした。もしこのまま、ここを離れてしまえば、もう一生、その詩に会えないかも知れない、と思い始めました。

あの言葉、あの詩はどの本で見たのだっけ、と探してみてもその本が見つからない、そうゆう経験は何度もしています。図書館ならコピーという手もありますが、本屋さんでは無理、メモも考えたのですが、ちょっと、長すぎて、気もひけます。

結局、ボクはその本を買うことにしたのです。ボクはマンションへの転居を機に蔵書の7割ぐらいを処分し、最小限の本だけ残して、新たな本はなるべく買わないようにしているのです。でもまた、こうゆうふうに増え始めていますけど(苦笑)。

詩人の田村隆一さんは鎌倉文人の方で、たしか妙本寺に眠っておられます。これを機に、田村さんのほかの詩も、読んでみたいと思います。

・・・・・
木 (田村隆一)

木は黙っているから好きだ
木は歩いたり走ったりしないから好きだ
木は愛とか正義とかわめかないから好きだ

ほんとうにそうか
ほんとうにそうなのか

見る人が見たら
木はささやいているのだ ゆったりと静かな声で
木は歩いているのだ 空にむかって
木は稲妻のごとく走っているのだ 地の下へ
木はたしかにわめかないが
木は
愛そのものだ それでなかったら小鳥が飛んできて
枝にとまるはずがない
正義そのものだ それでなかったら地下水を根から吸い上げて
空にかえすはずがない

若木
老樹

ひとつとして同じ木がない
ひとつとして同じ星の光りのなかで
目ざめている木はない


ぼくはきみのことが大好きだ

コメント
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