気ままに

大船での気ままな生活日誌

北斎展 in 両国

2007-12-25 16:29:54 | Weblog
両国の江戸東京博物館で開催されている、”北斎展”を観てきました。オランダとフランスからのお里帰りの”知らなかった北斎”の作品が目玉ですが、”知ってる北斎”も多数展示され、北斎フアンには見逃せない展覧会です。

お里帰り作品はそれなりにもの珍しく、観させてもらいましたが、その多くは北斎工房作で、北斎のお弟子さんたちが描いたものでした。やはり、”知ってる北斎”の方により多くの時間をさいてしまいました。とくに、富嶽三十六景を中心とした風景画がやはり、ボクら素人の、目や心に馴染みます。それと、今回は鳥獣戯画をみてきたばかりのせいか、北斎漫画にも目を奪われました。さすがに、すばらしいデッサン力ですね。そしてイマジネーションがすごいです。

有名な風景画だけではなく、美人画でも、役者絵でも、風俗画でも、どの分野でも超一流なんだそうですね。これだけのデッサン力とイマジネーションがあれば、もう分野なんか関係ないのでしょうね。それに、作品の量が、生涯3万点だそうです。それも、どれもが一流。すごい、すごい、すごすぎ、ですね。ふと、あの人を思い出しました。大船(山崎)の登り窯で、織部、備前、信楽等、さまざまな陶芸品を、それも膨大な数、”生産”した北大路魯山人です。そのどれもが一流、加えて、書、襖絵、篆刻などの腕もはんぱじゃない、彼もまた、すごいデッサン力とイマジネーションをもった人だったのでしょう。

魯山人は個性がつよく、率直なものいい(悪口)をするので、回りの人に嫌われていたようです。あの、富本憲吉さえ、何ら進歩のない男だと罵倒されていました。文部省から提示された人間国宝も、そんなものいらんと、つっかえしたそうです。

北斎もきっとそういう人ではなかったのだろうかと、気になって、ちょっと調べてみました。調べたといっても、2年ほど前、東京国立博物館で開催された”北斎展”で買ったぶ厚い資料をめくっただけのことです。やっぱり、同業者には嫌われていたようです。でも、後世に残る仕事をする人は、生きているときは、回りからは、どうしようもないヤツだと思われるのが普通なのでしょうね。死んでから、評価が定まるのでしょう。

小林秀雄が、”無常という事”の中でこう述べています。”生きてる人間というものは、どうも仕方のない代物だな。・・・鑑賞にも観察にも堪えない。其処に行くと死んでしまった人間はたいしたものだ。何故、ああはっきりとしてくるんだろう。まさに人間の形をしているよ。してみると、生きている人間とは、人間になりつつある一種の動物かな”

見終わって、ボクは今回はぶ厚いカタログは買わず、その代わり、モナリザと並んで、世界で最も有名な作品ともいわれる、富嶽三十六景神奈川沖浪裏などの絵はがきを買いました。そして、隣りの、両国国技館に、くじで当った、初場所13日目の招待券をもらいに行き、その足で上野の森に向かいました。







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