気ままに

大船での気ままな生活日誌

ぶらり町田 

2012-03-06 21:44:20 | Weblog
今日はぶらり町田。えっ? 町田って、大船からは結構遠いのではないのですか? それがね、意外と近いのです。藤沢から小田急の特急に乗れば、あっと言う間の町田でやんす。

昨晩は夜更かして、なでしこジャパンが強敵米国を破ったのを確認した。安心し、ぐっすり寝て、朝、ぱっちりと目がさめた。ところが窓の外は、春日八郎だった。♪あんときゃ土砂降り雨ん中♪、加えて、大きな春雷がふたつも落ち、らららららららーーー♪悲しき雨音♪に。とほほのほ。でも、天気予報通り、9時には雨上る。ぶらりと町田へ。

まずは、町田の”国際版画美術館”。”ぐるっとパス”の該当美術館で無料入場(汗)。特別展”浮世絵/国芳から芳年へ”。面白かったよーーん。詳しくはのちほど。常設展でもシリーズ”現代の作家;田中陽子展”。木版画、これも良かった。画面いっぱいに”踊る人、はねる人、走る人・・うねるような形のつながり”。ぼくより後に生まれて、ぼくより先に逝ったひと。もっと、生かしてあげたかった。(ぼくのような)憎まれっ子ガ世にはばかるノダ(汗)。

美術館のレストランでカレーライスセットを頂き(ビールは扱っていなかったよーーん)、外に出る。ここは、芹ヶ谷公園の一画。多摩丘陵のひとつだろうか。ぼくの、三鷹に次ぐ第二の故郷、川崎の、多摩丘陵のひとつ夢見が崎公園みたいな感じ。雑木林があり池がある。駅前は大船みたいに(ぼくの大好きな)雑然とした街並みだったけれど、ここまでくると、ぐーんと静かな雰囲気。騒がしいようだけど、一方、静かな雰囲気もある多様性な街だった。

公園の端まで歩くと、小田急の線路沿い。線路を越えて、向こう側の町へ。狙いは古本屋さん。ちょっとまごついたけど、みつかった。4,5階だての、大きな大きな古本屋さん。鎌倉にはありません、こんな大規模の古本屋さんは。美術本から歴史本から、文学から、科学から、映画、漫画、なんでもこざれの古本のデパートだった。本好きなぼくにはこたえられない。つい、手がでそうになった美術本やなつかしい漫画本、でも、我が家の本棚のことを考えると・・とほほ、あきらめずをえなかった。若い時に読んだ、”科学の終焉”という本を探した。ぼくが蔵書を整理してしまった本のひとつで、もう一度読んでみたいと思っていた本。残念ながら、みつからなかった。湯川秀樹や白洲正子の初版にもぐらっときたが、ぐっとこらえた(笑)。一時間くらい楽しんで、何も買わずでは悪いと思ったので、先日、訪ねた神楽坂を特集した、数年前の雑誌”東京人”を買った。帰りの電車の中で読んだら、また、神楽坂に行きたくなってしまった。そういえば、泉鏡花も神楽坂に住んで、神楽坂芸者を奥さんにしたのだ、うらやましい(爆)。嵐山光三郎も赤坂に住んでいたが、性に合わなくなり、神楽坂に移った、こんないい街はほかにはないと対談で述べていた。

いい思いをした町田が、こんなに近いなら、また訪ねてみようと思った。












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平櫛田中彫刻美術館

2012-03-06 08:28:42 | Weblog
小平市の平櫛田中彫刻美術館を初めて訪れた。一ツ橋大学のキャンパスの向かいの閑静な住宅街にその美術館はあった。平櫛田中が晩年、住んでいたところで、平成6年に敷地内に展示室が新設され、旧住居内も見学できることになっている。

入場して、すぐに平櫛の代表作、鏡獅子(国立劇場のロビーにある)の完成までの紹介ビデオをみることができる。戦中のブランクを含め、二十年かけて制作したそうだ。モデルは、鏡獅子を演じさせたら、右に出るものがいないと言われた名優、六代目尾上菊五郎。まず、菊五郎の筋肉隆々の裸体の制作からはじめ、その完成後、裸体に着せる衣装をつくって組み合わせたというからすごい。出来上がったときには、菊五郎はすでに故人になっていたという。一方、平櫛は107歳まで元気で、”70、80は、鼻垂れ小僧、男盛りは100から100から”とうそぶいていた(笑)。”禾山笑(かざんしょう)”という木彫像がある。臨済宗の禅僧西山禾山をモデルにした作品だ。この禅僧の影響を受け、その後、作品にも精神性を求めたという。禾山は、”四十、五十は鼻垂れ小僧、七十、八十男が花”と言っていたそうだから、平櫛はこれに二十を加えたのだ(爆)。

ホールに、”天心先生記念像試作”と”転生”のブロンズ像があり、展示室1、2に、平櫛の作品が並ぶ。木彫および木彫彩色の比較的小さな彫刻ばかりだ。先の鏡獅子の小像や良寛上人、西山公、気楽坊(大笑いしている禾山笑のよう)、鬼小僧、すもう等がある。

そして、第三、四展示室には、平櫛が所蔵していた同年代の著名な画家の軸や色紙が並ぶ(春季展示)。何かのお祝いにプレゼントされたものなどである。下村観山、橋本雅邦、小川芋銭、司馬江漢、今村紫紅、速水御舟、村上華岳、小林古径、奥村土牛、片岡球子とビッグネームが次々と。地下展示室に降りると、上村松園まで顔を出す。前田青邨、川上澄生、武者小路実篤、そして清方まで。交友の広さがこれでも分かる。

”星取り機”と呼ばれて特殊なコンパスが展示されていた。平櫛の制作法は、まず粘土で形をつくり、それを石膏に型どりし、さらに、この星取り機を用いて木に写し取るという手の込んだものである。だから写実的な彫刻が可能なのだ。

いろいろ楽しませてもらった。なのに、”ぐるっとパス”で無料。申し訳ないと思っていたら、まだあった。展示室を出た後、旧邸宅(記念館)まで見学できるのだ。茶室、アトリエ、客室、居間、寝室と。そして、室内から庭園も眺められる。そこだけは撮影OKということなのでカメラを向けた。庭の一画に、巨木の幹が。平櫛が百歳になってから用意された彫刻用の原木(クスノキ)とのこと。大観や武原はんの像をつくる予定にしていたそうだ。”男盛りは100から100から”がうそではないことを証明してくれたクスノキの原木だった。

美術館入口


春季展示案内


彫刻用の原木 ”男盛りは100から100からの証明”


代表作 鏡獅子

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