ワイフは、長い間、お茶のお稽古をしているので、先生の資格をもっている。でも、先生をやる気がなく、いつも生徒に甘んじて喜んでいる(汗)。だいいち、着物を着るのを好まず、お稽古にも着物で行ったことがない。初釜とか、特別なときだけ、マンションの友達に着付けを頼んで、和服姿になる。これでは先生になれるわけがない、と思う(爆)。でも、茶道具を観ることは好きで、そういう展覧会はぼくと一緒に行くことが多い。日本橋の三井記念美術館の”茶会への招待/三井家の茶道具”展のときもそうだった。ちなみに、ぼくは、お茶を習ったことはありません。みるだけです(汗)。
ワイフは茶道具全般に関心をもつが、ぼくは、つい茶碗が中心になってしまう。ここの美術館には何度も、足を運んでいるので、お馴染みさんの茶碗が多い。光悦の黒楽茶碗(銘雨雲)は今回は、”如庵”の中央に、でんと座って、小堀遠州作の竹茶杓や備前一重水指(銘亀井)などの茶道具の名品を控えさせていた。一方、ちらしの表紙になった、”御所丸茶碗”は、大事に扱われ、個室(展示室2)でゆっくり羽根を伸ばしていた。うちの母は、入院のとき、ぼくが個室を薦めても、大部屋の方が(友達ができて)いいと、そちらを選びました。国宝の志野茶碗(銘卯花墻)も母のタイプです。大部屋に入っていました。えらいと思います。だって、日本で焼かれた茶碗で国宝に指定されているのは、本阿弥光悦の白楽茶碗(銘不二山)と、この卯花墻だけですよ。”実るほど頭をたれる稲穂かな”ですね。ますます尊敬しました。
ところが、大部屋といってもすごい部屋なんですよ。だいいち、部屋名が”名椀抄”。ホテルでいえばエグゼクティブフロアーのスイートルーム。重文の長次郎の黒楽茶碗(銘俊寛)と南宋の吉州窯の逸品が同室。加えて、明の景徳鎮窯から名士がお二人、さらに朝鮮からも高麗茶碗、大井戸茶碗、斗々屋茶碗などいかにも上品な方々ばかりがご一緒。あのノンコウさんの赤楽茶碗銘鵺(ぬえ)でも末席ですからね。サスガ、三井の茶碗はスゴカ。
さて、今回の展覧会の呼び物は、”初公開ー新町三井家の新寄贈品”(展示室7)です。どんなお宝が? ひとつは、鳥類真写図巻(渡辺始興筆)。丸山応挙が模写したほどの作品だそうです。その応挙の模写絵巻は、現在、東博の所蔵だそうです(ほおー)。17メートルの巻物に63種類もの鳥類が、まさに”真写”されてます。細密画で、学術図鑑といってもいいくらい。そして、もう一つは、白氏文集(はくしもんじゅう)(金沢文庫本)巻二十三、三十八。これが、どんなにすごいかというと、こんなにすごいのです。美術館の案内から。
白氏文集(はくしもんじゅう)は、中国唐の詩人、白居易の詩文集で、9世紀前半に編まれました。日本にも平安時代に伝わっており、多くの写本が作られています。「金沢文庫本」と呼ばれる写本は、鎌倉時代に北条実時が創設した金沢文庫(現 神奈川県横浜市)の旧蔵品で、現在は美術館・博物館等に分蔵されています。五島美術館(大東急記念文庫)に19巻、国立歴史民俗博物館に5巻、天理大学附属天理図書館に1巻などが知られていますが、いずれも国の重要文化財に指定されています。このたび寄贈いただいたのは、巻二十三、三十八の2巻です。両巻ともに、今まで未知の作品の新発見となります。
次回は、ホノルル美術館所蔵の北斎の逸品を網羅した「北斎展」だそうだ。これも、絶対、行く。

鳥類真写図巻

ワイフは茶道具全般に関心をもつが、ぼくは、つい茶碗が中心になってしまう。ここの美術館には何度も、足を運んでいるので、お馴染みさんの茶碗が多い。光悦の黒楽茶碗(銘雨雲)は今回は、”如庵”の中央に、でんと座って、小堀遠州作の竹茶杓や備前一重水指(銘亀井)などの茶道具の名品を控えさせていた。一方、ちらしの表紙になった、”御所丸茶碗”は、大事に扱われ、個室(展示室2)でゆっくり羽根を伸ばしていた。うちの母は、入院のとき、ぼくが個室を薦めても、大部屋の方が(友達ができて)いいと、そちらを選びました。国宝の志野茶碗(銘卯花墻)も母のタイプです。大部屋に入っていました。えらいと思います。だって、日本で焼かれた茶碗で国宝に指定されているのは、本阿弥光悦の白楽茶碗(銘不二山)と、この卯花墻だけですよ。”実るほど頭をたれる稲穂かな”ですね。ますます尊敬しました。

ところが、大部屋といってもすごい部屋なんですよ。だいいち、部屋名が”名椀抄”。ホテルでいえばエグゼクティブフロアーのスイートルーム。重文の長次郎の黒楽茶碗(銘俊寛)と南宋の吉州窯の逸品が同室。加えて、明の景徳鎮窯から名士がお二人、さらに朝鮮からも高麗茶碗、大井戸茶碗、斗々屋茶碗などいかにも上品な方々ばかりがご一緒。あのノンコウさんの赤楽茶碗銘鵺(ぬえ)でも末席ですからね。サスガ、三井の茶碗はスゴカ。
さて、今回の展覧会の呼び物は、”初公開ー新町三井家の新寄贈品”(展示室7)です。どんなお宝が? ひとつは、鳥類真写図巻(渡辺始興筆)。丸山応挙が模写したほどの作品だそうです。その応挙の模写絵巻は、現在、東博の所蔵だそうです(ほおー)。17メートルの巻物に63種類もの鳥類が、まさに”真写”されてます。細密画で、学術図鑑といってもいいくらい。そして、もう一つは、白氏文集(はくしもんじゅう)(金沢文庫本)巻二十三、三十八。これが、どんなにすごいかというと、こんなにすごいのです。美術館の案内から。
白氏文集(はくしもんじゅう)は、中国唐の詩人、白居易の詩文集で、9世紀前半に編まれました。日本にも平安時代に伝わっており、多くの写本が作られています。「金沢文庫本」と呼ばれる写本は、鎌倉時代に北条実時が創設した金沢文庫(現 神奈川県横浜市)の旧蔵品で、現在は美術館・博物館等に分蔵されています。五島美術館(大東急記念文庫)に19巻、国立歴史民俗博物館に5巻、天理大学附属天理図書館に1巻などが知られていますが、いずれも国の重要文化財に指定されています。このたび寄贈いただいたのは、巻二十三、三十八の2巻です。両巻ともに、今まで未知の作品の新発見となります。

次回は、ホノルル美術館所蔵の北斎の逸品を網羅した「北斎展」だそうだ。これも、絶対、行く。

鳥類真写図巻

