気ままに

大船での気ままな生活日誌

パリ・オルセー美術館の輝き

2012-04-27 10:14:27 | Weblog
パリに旅立つ直前、2年間に渡る改装工事を終えた、新生オルセー美術館を紹介するテレビ番組をみた。そのとき、最初に映された絵画が、ルノアールの”ムーラン・ド・ギャラット”だった。青みがかった深いグレーに変えられた壁色の部屋にその絵は飾られていた。天井からは自然光が入り込み、そしてスポットライトの光も当てられている。実に鮮やかに、絵は輝いてみえた。だから、今回のオルセー見学で、一番の楽しみはこの絵だった。

モンマルトルの丘の、野外舞踏場の賑わいを描いた、ムーラン・ド・ギャラット。舞踏場で、楽しげに踊ったり、語ったりしている人々の衣服に、地面に木漏れ日がが降り注いでいる絵だ。その木漏れ日が、本物のようにゆらゆら揺れながら、光り輝いている。木漏れ日好きな、ぼくが言うのだから間違いない(爆)。馬子にも衣装というが、絵にも衣装が必要なのだ(へんなたとえかな)。その左側の壁にも、ルノアールの”ぶらんこ”が飾られている。こちらの木漏れ日も同じように輝いていた。期待通りの満足感が得られた。

”ムーラン・ド・ギャラット”(オルセーは撮影禁止なので別冊太陽/パリ・オルセー美術館より。以下同様。


”ぶらんこ”


ぼくはどういうわけか、少年時代から、モネの日傘の女が好きで、老年時代の今も(汗)複製だけど、書斎に飾っている。オルセー美術館の左向きの方だ。だから、この絵もお目当てのひとつ。はじめに入場したとき、右向きの日傘の女しかいなかったので、少しさびしい思いをしたが、一週間後、訪ねたとき、お揃いだったので、やったと、ダルみたいに軽くガッツポーズした。モデルはモネお気に入りの18才の女性だ。セーヌ川の中の島の土手に立っている。去年観た、ロンドンナショナルギャラリーの”日傘の女、モネ夫人と息子”はアルジャントウイユ(パリ郊外、この旅行で訪ねた)で制作された。日傘の女の近くにあった”ひなげし”も好き。ひなげしといえば、今では、日本でも雑草化し、どこでもみられるが、20年ほど前には珍しかった。その頃、イタリアの田舎でみた、野原いっぱいのひなげしの花には感動したものだ。この絵が頭にあった。

”日傘の女”


”ひなげし”


印象派の先駆者、マネも好きな画家の一人。挑戦的な生き方、挑戦的絵画がいい。オルセーに、世間を騒がせた絵が二つある。ひとつは”オランピア”。オランピアは当時は誰でも知っていた娼婦の源氏名。画中の黒人女性や花束、黒猫(写真では黒バックに隠れてしまった)は性的な意味をもつ。もうひとつは、”草上の昼食”。着衣の紳士と一緒に、娼婦と思われる裸の女子がいて、こちらに目を向けている。マネの絵では、ロンドン・コートールド美術館所蔵のフォリーベルジェールの酒場が一番好き。また、マネは、弟の妻となった女流画家、ベルト・モリゾの肖像画を描いていて、その絵はオルセーにもある。ベルト・モリゾ自身の絵も展示されている。

”オランピア”


”草上の昼食”


ゴッホの部屋も多くの観客でにぎわっていた。名画がたくさん。ここでは自画像だけ載せる。別の記事、”ゴッホ終焉の地”で実際の景色と絵を並べて紹介したい。


以下、オルセーの名画の数々

印象主義以前

アングル ”泉” アングルも好きになった。


ミレー ”落穂拾い” ”晩鐘”は展示してなかった 子供時代からミレーは好き


”羊飼いの少女”


印象主義

ドガ ”浴盤” エトワールは展示していなかった


ベルト・モリゾ ”揺りかご” ベルト・モリゾ展が別の美術館であったので、のちほど紹介します


印象主義以降

セザンヌ
”トランプをする男たち”


”水浴する男たち”


ゴーガン ”タヒチの女たち”


新印象主義

スーラ ”サーカス”


ロートレック ”女道化師”


ルソー ”蛇使いの女”


ギュスターブモロー ”オルフェウス” ギュスターブモロー美術館にも行ってきました、のちほど。


・・・・・
印象派画家たち(ルノワール、モネ、ピサロ、ドガなど)を財政的に支援した画商であり画家、カイユポット

”床に鉋をかける人々”


彫刻もいっぱい。オーギャスト・クレザンジュ ”蛇に噛まれた女” へびになりたい(汗)。ロダン美術館にも行ったので、ロダン作品はそのときに。



何度でも行きたい美術館でした。




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