気ままに

大船での気ままな生活日誌

縄文のビーナスはどっち?

2012-04-30 09:20:25 | Weblog
昨日、根津神社の躑躅を観てから、上野の東博に向かった。さきほど土偶としては4つ目の国宝に指定された”縄文のビーナス”が公開されていることを、朝日新聞の”天声人語”で知ったからだ。

”縄文のビーナス”言えば、ぼくも訪ねたことのある、長野県茅野の尖石縄文考古館のふくよかな、国宝土偶(長野県棚畑遺跡の土偶)と相場が決まっているものと思っていた。ぼくも、茅野の縄文のビーナスが大好きだから、そのビーナスの座をほかの土偶ちゃんに奪われるのは心穏やかではない。とくに影響力のある天声人語氏が、茅野のビーナスを一顧だにせず、指名したのだから、一気に世論が、”土偶のビーナスは、山形土偶”という流れができてしまう。

そんなにうつくしい土偶なのか、実際、観てみた。それは本館二階の特別展示室にほかの新国宝、新重文と共に展示されていた。山形県西ノ前遺跡出土の土偶。一目みて、顔ははっきりしないが、すらりとして、スタイルが良い。一見、モネの日傘の女だ。腰もくびれているし、横からみるとお尻をつきだし、セクシーだ。うーん、なかなかうつくしい。これでは、ビーナスと呼んでも、誰も文句はいえない。ぼくも呼びたい。

しかし、二人ビーナスはいかにもおかしい。決着をつけねばならない。数年前、東博で”国宝土偶展”が開かれた。そのとき、二人のビーナスは出場している。図録をみると、茅野のには、はっきりと国宝”縄文のビーナス”と明記してある。一方、山形のは、重文”立像土偶”である。解説文の中にもビーナスの文字を見つけることはできない。これをみても、山形土偶を”縄文のビーナス”と呼称するのは、無理があり、混乱を招くだけだ。新たな愛称をつけてあげて欲しい。さくらんぼ姫なんていうのはどうだろうか。

こんなことを書いているうちに、なんだか、急に、元祖・縄文のビーナスに会いたくなってきてしまった。本当に可愛いんだから。

おふたりの写真です。(土偶展の図録から。東博はこの部屋だけ撮影禁止なので)

新国宝 ”立像土偶”





国宝 ”縄文のビーナス”




本物のビーナス
コメント
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