気ままに

大船での気ままな生活日誌

高倉健さん逝く

2014-11-19 10:36:59 | Weblog

 高倉健さんの訃報を聞き、午後の散歩は鎌倉の宝戒寺にしようと思った。何故かというと、ここは、健さん、ゆかりのお寺なのである。宝戒寺は代々つづいた北条得宗家の住居跡にあり、最後の執権、北条高時もここに住んだ。新田義貞に攻められ、高時以下一同が近くの東勝寺で自害した。その重臣に苅田式部大夫篤時(北条篤時)がいたが、彼こそ健さんの先祖の方なのである。そして、のちに後醍醐天皇が高時らの慰霊のために本寺を建立したのだ。

このことを、高倉健さんのエッセイ集「あなたに誉められたくて」で知った。詳しくは、本ブログ健さんのルーツと宝戒寺に紹介してますので、ご覧ください。7年も前の記事なのに、昨日、この記事に150近くのアクセスがあったようで、改めて健さん人気に驚かされた。

白萩や枝垂れ梅で有名な宝戒寺だが、今は山茶花が二、三本咲いている程度。静かな境内だった。本堂にのぼると、右側の壁に高倉健さんからのお供えのおしるしが懸けてある。10年近く前に、はじめて健さんのお供え物をここでみつけたときには、同姓同名の方かと思っていた。その後、前述の本を読み、それが本物の健さんのものだということを知ったのだ。

さて、健さんの映画のこと。最後の出演作品となった”あなたへ”は、もちろん観ている。いい映画だったが、健さんの声もかすれ、これが最後だなとは思っていたが、そうなってしまった。そして、何と言っても、”幸せの黄色いハンカチ”。出所して、まだ俺を待っていてくれるなら、物干し棹に黄色いハンカチをかけておいてくれ、なければ、そのまま引き返すと妻、倍賞智恵子に手紙を出している。途中で一緒になった、武田鉄矢と桃井かおりと一緒の車で家の近くまで来る。桃井かおりが叫ぶ。物干し棹には無数の黄色いハンカチが風になびいていた。あの感動シーンは忘れられない。健さんの、寡黙で一本気な”日本の男”がこの感動を呼び起こすことができた。

そして、降旗康男監督とのコンビ作品。ほたる、夜叉。さらに若き日のやくざ映画。やくざをやらしたら健さんの右に出るものがいない。鶴田浩二もいいけど、すごみは健さんに敵わない。昭和残侠伝、網走番外地なんかも良かったね。こういう映画は、わりと最近もみている。2年ほど前、もう閉館してしまった銀座シネパトスで。そのとき、降旗康男のトークもあって、健さんの面白い話もいっぱい聞けた。そのときのこともブログ記事にしていますので、どうぞ降旗康男監督、高倉健を語るをご覧ください。

健さん、たくさん楽しい映画をありがとうございました。やすらかにお眠りください。

横尾忠則作 ”高倉健”

健さんゆかりの宝戒寺

山茶花が咲いていた

健さんが蝶になって現れた。近づいても逃げようとしなかった。

東勝寺跡の北条高時腹切やぐらにも寄ってみた。

健さんは永遠に

今夕は中学時代の恩師、I先生のお通夜。またミニクラス会になりそう。明日から京都の紅葉見物に。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする