からりと晴れあがった11月3日、家内と円覚寺の宝物風入れに行ってきた。前日の雨混じりの中、出掛けた建長寺とは天と地の違い。お客さんの数もゼんぜん違う。天気のこともあるし、休日のこともあるかも。
建長寺の宝物も、国宝が二つもあり、十分、楽しめたが、円覚寺は、その数倍、楽しめた。国宝はひとつもないが、その代わり、重文だらけ、左を向いても重文、右を向いても重文、十分すぎる展示物に大満足。ただ、一番、みたかった夢窓疎石像(絹本着色)と青磁袴腰香炉(南宋龍泉窯)が、”茶室”の中に飾れていて、遠くからしかみられなかったこと。30分待ちということで、結局、近くでは観賞できなかった。
まず、その二つから紹介。そうそう、円覚寺のカタログがカラー印刷で、まるでミニ図録になっていたのにはびっくり。建長寺もマネしてほしいですね。
夢窓疎石像(絹本着色) 瑞泉寺、京都の天龍寺、西芳寺の庭園の設計で知られる。円覚寺の黄梅院に在籍。円覚寺の開山は無学祖元。その肖像画もここに展示されている。
青磁袴腰香炉(南宋龍泉窯) いわゆる砧青磁を代表する名品。色もうつくしい。
ついでながら、”茶室”には虚空蔵菩薩像(絹本着色)も。遠目からもすばらしい輝き。
さて、実際に間近でみる作品。美術館ではとても、こんな展示はできない。重文が手で触れそうな場所に。ここの五百羅漢図(絹本着色)50幅にはいつもおどろく。一幅に10人の羅漢さんが様々な神通力を駆使する姿が。中世に遡る五百羅漢図は類例が少なく、とても貴重だという。仏涅槃図も鮮やか色彩が残り、素晴らしい。鎌倉時代の作。嘆き悲しむ人々や動物の表情。
被帽地蔵菩薩像(絹本着色、高麗時代)
北条時宗書状 ほかに、無学祖元、足利尊氏、書状など重文の書状も沢山。
義満の額草 これも、毎年、楽しみな書。夢想国師らの墨跡もいくつも。
白衣観音図(伝牧谿) 牧谿の作は、このほか、達磨図、岩樹遊猿図などがある。さらに、応挙(虎図)、雪舟(山路図)まである、
大満足して方丈を出ると、今度は国宝・舎利殿が待っている。この風入れの日だけ公開される。いつもは建物の撮影まで禁止されていたが、今年はあたりまえに戻って、撮影可能だった。
このあと、鎌倉駅前の中華料理屋さんでランチをいただき、バラの花咲く、鎌倉文学館へ向かった。
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