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【cinema】『ヴィーラ ~踊るONE MORE NIGHT!』

2010-04-04 02:10:08 | cinema
'10.03.26 『ヴィーラ ~踊るONE MORE』@シアター・イメージ・フォーラム

これは見たかった! あのスーパースター ラジニ・カーントの還暦祝いだから(笑) 残念ながら最新作ではなく、1994年の作品だけど。未見なので見に行く。

「地方の村で音楽家の修業を受けたムトゥは、女手一つで育ててくれた母親の借金を返すため、マドラスで開かれた音楽コンテストに出場する。見事、優勝し借金を返済するため村に帰るが、最愛の婚約者が亡くなったと聞かされる。マドラスに戻り自分に恋する社長令嬢と結婚するが…」という話。インド映画といえば、インターミッションを挟んで、3時間ほどある長編がほとんどで、その中に恋愛、喜劇、悲劇、アクション、そしてミュージカルまで盛り込まれている。贅沢といえば贅沢だけど、たいていアレはどうなるんだ?という問題も、強引に収束して完結するという、とっても無理やりでゆるい作り。でも、それが楽しい。

インド映画を見るのは久しぶり。10数年前の『ムトゥ~踊るマハラジャ~』以来、しばらくインド映画ブームが続いたけど、最近はあまり新しい映画が来なくなってしまった。でも、インド映画ファンはたくさんいるので、インド映画祭などは毎年開かれているのだけど。今作の主演ラジニ・カーントは『ムトゥ~踊るマハラジャ~』の主人公ムトゥ。当時、インドではスーパースターで、ファンクラブ会員が10万人いると言われていた! そんな彼はスーパースターの宿命か、政界進出を期待されたみたいだけど、本人にその意志はなく、そのゴタゴタで映画界から遠ざかっていたけれど、日本公開5年ぶりとなった『チャンドラムキ』を見たのが、かれこれ4年前。この映画も最新作じゃないし、どうしているのだろうか?

ちょっと話がそれてしまった(笑) 話しの展開の強引さなんかは相変わらずで、それがインド映画の良さ。それは堪能できたんだけど、前作(個人的に見た順番として(笑))『チャンドラムキ』が、サスペンスとしても(私の中では)成立しててかなり良かったので、今作のテーマはちょっと軽くて、そこまでどっぷり浸れなかったかな。もちろん、歌あり踊りあり、笑いあり、悲劇もありながらハッピーエンドと、インド映画のセオリーはきっちり守っているのだけど。

ヴィーラというのは、音楽コンテストに出場するため、出てきたマドラスで出会った、調子のいい相方がつけたあだ名。名前を2つ持ったことが、伏線となっている。この相方役の人はラジニ映画ではよく見かける人。残念ながら名前は不明。音楽コンテストで優勝したヴィーラことムトゥは、歌手としてデビューする。そして歌手ヴィーラとして令嬢と結婚する。亡くなった婚約者を忘れられなかった彼も、令嬢の自分への思いに心打たれて幸せな生活を送っていた。そんな時、亡くなったはずの婚約者が現れる。医師によるとショックを与えると命にかかわる状態だという。どちらにも本当のことを言えない彼は二重生活を始めることになる。と、ここまでの中に、母の借金の為に音楽コンテストに出るという家族モノ、人気歌手になるというサクセス・ストーリー、令嬢に愛されるきっかけとなったヤクザ者とのアクション、悪ガキだった頃の青春モノ、音楽の師匠との修業シーン、婚約者との恋愛モノとそれを見せるためのミュージカル部分、婚約者が亡くなってしまう(死んでないけど)という悲劇、そして二重生活のドタバタ喜劇、そして再びヤクザ者との死闘を経て、ちょっと強引ながらもコメディータッチなハッピーエンディングと、とにかくいろんな要素が詰まっている。その混沌がインド映画であり、インドなのかも。

スーパースターは今回も彼の持ち味である胡散臭いけど、かわいらしくて憎めない感じを堪能。ホントに普通のオッサンなのだけど、彼が踊り出すとなぜかとってもセクシー(笑) 今年還暦とのことなので、この映画を撮った時40代半ば~後半。でも間違いなく20代~30代前半の役だからね(笑) いくらなんでも無理だろうと思うけど、その強引さが彼の魅力でもあり、インド映画でもある。彼を奪い合う女優2人は令嬢のロージャーが好みではなかったのが残念(涙) その分、婚約者役のミーナの愛らしさと美しさを堪能。一応これセレブ生活と、庶民の生活どっちが幸せ的なことも描きたいんだと思うけど、わがままな令嬢より清楚な婚約者がいいかなと思ったのもミーナの愛らしい中にもキリリとした演技と美しさのおかげ。インドの女優さんは美女ぞろいだけどミーナが一番好き。

よく考えると、ヴィーラ=ムトゥであると分かったから婚約者がマドラスに出てきたように思うので、そもそも二重生活が成り立たない気がするし、ラスボスとのトイレの中での死闘も、床に敷かれたふわふわしたケガ防止のシートを無いものとして進める感じが、インド映画の魅力の全てを現している気がして大好き。もちろんココで言う"インド映画"というのは、いわゆる『ムトゥ~踊るマハラジャ』以降、日本に紹介されたマサラムービーのことなので、文芸作品も撮られていると思うけれど…

というわけで、久々に見たインド映画は、二重生活というテーマが若干入り込めない部分もあったけれど、全ての要素が一気に楽しめる"インド映画"と、スーパースターを満喫。還暦おめでとうございます! 新作も見たいなぁ

しかし、イメージ・フォーラム寒すぎ! もう少し暖房入れてください(涙)


スーパースター & 整理券1番


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