'12.01.06 『デビルズ・ダブル』(試写会)@東商ホール
2012年最初の試写会はこちら!映画ブロガーのrose_chocolatさん、とらねこさん、ノラネコさん、まっつあんこさんが集う試写会にお誘いいただいた。これは気になってた! もちろん鑑賞後の新年会もお目当て♪
*ネタバレありです!
「サダム・フセインの息子、ウダイ・フセインに似ていたことから、彼の影武者になることを強要されるラティフ。家族の命を引き換えにされ、懸命にウダイになり切ろうとする。しかし、ウダイのあまりの傍若無人ぶりに・・・」という話で、これは実話。実話というのはビックリ! ラティフ氏の手記は読んでいないので、実際はウダイの悪行を暴くことを重視しているのか、ラティフ氏の苦悩に重きを置いているのか不明だけど、この映画はエンタメ作品。せっかくの素材なのに、全体的に掘り下げが足りない気もするけれど、エンタメ作品なのだから、そういう風に見るべき。そういう意味では面白かった。
実際のボディ・ダブルだったラティフ・ヤヒア氏の手記を元に映画化された。あまり話題にならなかったように思うけど、ラティフ・ヤヒア氏は昨年12月20日に来日記者会見を開いていた。ごめんなさい、全く知りませんでした デビルに名前が似ているということでデヴィ夫人がホステス役として登場したらしい(´ェ`)ン-・・ ラティフ氏は亡命後、CIAにも拷問を受けたそうで、度重なる拷問の後遺症であと2~3年の命だと宣告されているのだそう。なんという人生・・・ 彼だけでなく、ウダイのために拷問されたり、殺されたりした人々のことを思えば、エンタメに仕上げてしまうのも、それを楽しんで見てしまうのもどうかとは思うけれど、逆にその部分をあまりに掘り下げられても辛いかなとも思う。いちいち全部は書かないけれど、出席した結婚式で花嫁を気に入り、会場内のホテルの部屋に連れ出しレイプ。花嫁はそのまま身を投げ自殺・・・ 毎日のように街へ出ては、気に入った女子高生を強引に車に乗せて自宅でレイプ・・・ やりたい放題・・・
恥ずかしながら、このウダイについては全く知らなかった。サダム・フセインについても正直そんなに知っているとは言えない。イラクの独裁者で湾岸戦争を引き起こした人物ということくらい・・・ この映画の中では、サダム・フセインは比較的まともな人物に描かれていて、出来の悪い息子をしかりつける立場。まぁ、それは独裁者でもするか(笑) イヤ、好きにやらせて甘やかしているのかと思っていたので・・・ でも、本人に向かって「生まれた時に殺しておけばよかった」って言っちゃうのはどうか? ウダイがこんなになってしまったのは父親の愛情を求めてのことなのか思ったりするけど、特別ウダイ以上に愛されているような描写もなかった弟は普通の人物のようだし・・・
うーん。掘り下げが浅いと書いたけれど、例えばラティフの苦悩などを、もう少し掘り下げて描いたら、全く別の作品ができそうな気はするけれど、この作品でも苦悩している感じが伝わってこないわけじゃない。少なくとも前述のウダイの生い立ちを少し感じさせる描写から脳内補完するよりは、さすがに主人公だけにラティフの描写の方が、演技も含めて丁寧ではあるので・・・ この映画のとおりなのだとすれば、ラティフはウダイの同級生ということで、実家はわりと裕福だったらしい。軍に所属していて、たしか大尉だったような・・・ 大尉がどのくらい偉いのか不明だけど・・・ なので、最前線に行くこと自体を恐れたりはしていない。身代わりがバレてしまうのではないかという不安はあるみたいだけど、その辺りもそんなに掘り下げたりはしない(笑) 彼の苦悩はひたすらウダイの悪行を目の当たりにしていること。まぁ、人として当然だけど、それだけじゃないだろうという気もしなくはない。でも、無理に脳内補完してまでラティフの苦悩を掘り下げなくても、楽しめる仕上がりにはなっている。楽しんでいいのかは別として・・・
とにかく、この映画の見どころは1人2役で主人公ラティフとウダイを演じきったドミニク・クーパー! ドミニク・クーパーの出演作を見るのは初めてかな・・・ ご本人が中東系なのか不明だけど、とっても自然。まぁ、作品自体そんなに中東色を押し出してはいないけど・・・ ウダイが本気で愛している女性だという役もリュディヴィーヌ・サニエだし。まぁ、これはホントにフランス人だったのかもしれないけど・・・ 話がそれた(笑) ラティフとウダイと全然違う人物に見えた! この演技はスゴイ! 本人が演じているのだから、当然同じ顔なのだけど、顔つきとか全身の雰囲気とかでラティフなのか、ウダイなのかちゃんと分かる。まぁ、ちょっと髪型が違うとかはあるけど・・・ 役柄もあるけどラティフの時はかなりカッコイイ
うーん・・・ こんな感じかな(笑) こうやって書いてみると、実は書くことがあんまり浮かばなくて、それは何故だろうと考えると、何度も書いたけれど掘り下げが甘いから。で、こう書いてしまうとダメみたいだけど、そういうことではない。エンタメ作品としてはよくできていると思う。今作の監督は『007/ダイ・アナザー・デイ』のリー・タマホリ。『007/ダイ・アナザー・デイ』は未見だけど、代表作がそれであった場合、今作をウダイ・フセインの影武者のドキュメンタリー的な作品だと思う人は少ないと思う。多分、見せたいのはウダイの孤独感や空虚感でも、ラティフの苦悩でもなく、ウダイの狂気であり、ラティフの逃走劇であり、ラストの襲撃なのだと思う。そうじゃないとちょっと困る(笑) あ、もちろん前述したとおり、無理やり脳内補完しなくても、ちゃんと彼らの苦悩が分かる描写もある。その点に関しては大丈夫! ただ、逃走劇にしても、密かに愛し合って、一緒に逃げることになったリュディヴィーヌ・サニエと、急展開でケンカ別れしてしまうけど、その後彼女がどうなったのか、彼女は本当に裏切ったのかなどについてはほったらかし。というようなエピソードは多々ある(笑) そういう面でも掘り下げが甘いと言える。
うーん・・・ 何だかまとまらないな(笑) 結局ウダイの人生はなんだったのだろう・・・ 彼はやりたい放題やったけど、幸せではなかっただろうし、満たされたこともなかったのでしょう。もちろん全く同情できないけど! そんな人物にたまたま似ていたからという理由で、人生を大きく狂わされてしまったラティフ氏の人生も・・・ その辺りのことをほとんど掘り下げてはいないので、ラティフ氏としてはこの映画をどうとらえているのだろう・・・ そこを考えるとキリがないね。とりあえず日本に生まれてよかった(笑)
うーん・・・ 何度も言うけど、エンタメ作品としてよくできていると思う。拷問シーン自体は思ったほど怖くなかったけど、ちょっと気持ち悪いシーンもあり。あまり深く考えず、エンタメ作品が見たいという方オススメ! ドミニク・クーパー ファンの方是非!
『デビルズ・ダブル』Official site
2012年最初の試写会はこちら!映画ブロガーのrose_chocolatさん、とらねこさん、ノラネコさん、まっつあんこさんが集う試写会にお誘いいただいた。これは気になってた! もちろん鑑賞後の新年会もお目当て♪
*ネタバレありです!
「サダム・フセインの息子、ウダイ・フセインに似ていたことから、彼の影武者になることを強要されるラティフ。家族の命を引き換えにされ、懸命にウダイになり切ろうとする。しかし、ウダイのあまりの傍若無人ぶりに・・・」という話で、これは実話。実話というのはビックリ! ラティフ氏の手記は読んでいないので、実際はウダイの悪行を暴くことを重視しているのか、ラティフ氏の苦悩に重きを置いているのか不明だけど、この映画はエンタメ作品。せっかくの素材なのに、全体的に掘り下げが足りない気もするけれど、エンタメ作品なのだから、そういう風に見るべき。そういう意味では面白かった。
実際のボディ・ダブルだったラティフ・ヤヒア氏の手記を元に映画化された。あまり話題にならなかったように思うけど、ラティフ・ヤヒア氏は昨年12月20日に来日記者会見を開いていた。ごめんなさい、全く知りませんでした デビルに名前が似ているということでデヴィ夫人がホステス役として登場したらしい(´ェ`)ン-・・ ラティフ氏は亡命後、CIAにも拷問を受けたそうで、度重なる拷問の後遺症であと2~3年の命だと宣告されているのだそう。なんという人生・・・ 彼だけでなく、ウダイのために拷問されたり、殺されたりした人々のことを思えば、エンタメに仕上げてしまうのも、それを楽しんで見てしまうのもどうかとは思うけれど、逆にその部分をあまりに掘り下げられても辛いかなとも思う。いちいち全部は書かないけれど、出席した結婚式で花嫁を気に入り、会場内のホテルの部屋に連れ出しレイプ。花嫁はそのまま身を投げ自殺・・・ 毎日のように街へ出ては、気に入った女子高生を強引に車に乗せて自宅でレイプ・・・ やりたい放題・・・
恥ずかしながら、このウダイについては全く知らなかった。サダム・フセインについても正直そんなに知っているとは言えない。イラクの独裁者で湾岸戦争を引き起こした人物ということくらい・・・ この映画の中では、サダム・フセインは比較的まともな人物に描かれていて、出来の悪い息子をしかりつける立場。まぁ、それは独裁者でもするか(笑) イヤ、好きにやらせて甘やかしているのかと思っていたので・・・ でも、本人に向かって「生まれた時に殺しておけばよかった」って言っちゃうのはどうか? ウダイがこんなになってしまったのは父親の愛情を求めてのことなのか思ったりするけど、特別ウダイ以上に愛されているような描写もなかった弟は普通の人物のようだし・・・
うーん。掘り下げが浅いと書いたけれど、例えばラティフの苦悩などを、もう少し掘り下げて描いたら、全く別の作品ができそうな気はするけれど、この作品でも苦悩している感じが伝わってこないわけじゃない。少なくとも前述のウダイの生い立ちを少し感じさせる描写から脳内補完するよりは、さすがに主人公だけにラティフの描写の方が、演技も含めて丁寧ではあるので・・・ この映画のとおりなのだとすれば、ラティフはウダイの同級生ということで、実家はわりと裕福だったらしい。軍に所属していて、たしか大尉だったような・・・ 大尉がどのくらい偉いのか不明だけど・・・ なので、最前線に行くこと自体を恐れたりはしていない。身代わりがバレてしまうのではないかという不安はあるみたいだけど、その辺りもそんなに掘り下げたりはしない(笑) 彼の苦悩はひたすらウダイの悪行を目の当たりにしていること。まぁ、人として当然だけど、それだけじゃないだろうという気もしなくはない。でも、無理に脳内補完してまでラティフの苦悩を掘り下げなくても、楽しめる仕上がりにはなっている。楽しんでいいのかは別として・・・
とにかく、この映画の見どころは1人2役で主人公ラティフとウダイを演じきったドミニク・クーパー! ドミニク・クーパーの出演作を見るのは初めてかな・・・ ご本人が中東系なのか不明だけど、とっても自然。まぁ、作品自体そんなに中東色を押し出してはいないけど・・・ ウダイが本気で愛している女性だという役もリュディヴィーヌ・サニエだし。まぁ、これはホントにフランス人だったのかもしれないけど・・・ 話がそれた(笑) ラティフとウダイと全然違う人物に見えた! この演技はスゴイ! 本人が演じているのだから、当然同じ顔なのだけど、顔つきとか全身の雰囲気とかでラティフなのか、ウダイなのかちゃんと分かる。まぁ、ちょっと髪型が違うとかはあるけど・・・ 役柄もあるけどラティフの時はかなりカッコイイ
うーん・・・ こんな感じかな(笑) こうやって書いてみると、実は書くことがあんまり浮かばなくて、それは何故だろうと考えると、何度も書いたけれど掘り下げが甘いから。で、こう書いてしまうとダメみたいだけど、そういうことではない。エンタメ作品としてはよくできていると思う。今作の監督は『007/ダイ・アナザー・デイ』のリー・タマホリ。『007/ダイ・アナザー・デイ』は未見だけど、代表作がそれであった場合、今作をウダイ・フセインの影武者のドキュメンタリー的な作品だと思う人は少ないと思う。多分、見せたいのはウダイの孤独感や空虚感でも、ラティフの苦悩でもなく、ウダイの狂気であり、ラティフの逃走劇であり、ラストの襲撃なのだと思う。そうじゃないとちょっと困る(笑) あ、もちろん前述したとおり、無理やり脳内補完しなくても、ちゃんと彼らの苦悩が分かる描写もある。その点に関しては大丈夫! ただ、逃走劇にしても、密かに愛し合って、一緒に逃げることになったリュディヴィーヌ・サニエと、急展開でケンカ別れしてしまうけど、その後彼女がどうなったのか、彼女は本当に裏切ったのかなどについてはほったらかし。というようなエピソードは多々ある(笑) そういう面でも掘り下げが甘いと言える。
うーん・・・ 何だかまとまらないな(笑) 結局ウダイの人生はなんだったのだろう・・・ 彼はやりたい放題やったけど、幸せではなかっただろうし、満たされたこともなかったのでしょう。もちろん全く同情できないけど! そんな人物にたまたま似ていたからという理由で、人生を大きく狂わされてしまったラティフ氏の人生も・・・ その辺りのことをほとんど掘り下げてはいないので、ラティフ氏としてはこの映画をどうとらえているのだろう・・・ そこを考えるとキリがないね。とりあえず日本に生まれてよかった(笑)
うーん・・・ 何度も言うけど、エンタメ作品としてよくできていると思う。拷問シーン自体は思ったほど怖くなかったけど、ちょっと気持ち悪いシーンもあり。あまり深く考えず、エンタメ作品が見たいという方オススメ! ドミニク・クーパー ファンの方是非!
『デビルズ・ダブル』Official site