'12.01.13 『ダーク・フェアリー』(試写会)@シネマート六本木
yaplogで当選! いつもありがとうございます♪ 『パンズ・ラビリンス』大好きなので、これは見たかった! 期待大で行ってきたー☆
*ネタバレありです!
「両親の離婚後、母親と暮らしていたサリーは、父親とその恋人キムと暮らすことになり、ロードアイランドの古い屋敷へやって来る。どこか不気味な屋敷の地下から、自分を呼ぶ声が聞こえてきて・・・」という話。うーん(笑) 正直、ツッコミどころ満載ではあるけど、おもしろかった! 宣伝もダーク・ファンタジーという感じなので、その方向にしたいんだろうなと思うけれど、手法としてはホラーなのかな・・・ あんまりホラー見ないから、その辺りは不明。どちらにしても弱い気はするけど、この感じは嫌いじゃない。
見たいと思った理由は、前述したとおり『パンズ・ラビリンス』が大好きだから。この作品は自分の生涯BEST 10に入るくらい好き! その製作、脚本、監督を務めたギレルモ・デル・トロが構想30年温め続けた作品とあっては、絶対見る! ただし、今作の監督はしていないのが若干気がかりではあった・・・ そもそもは、1973年に放送されたテレビ映画「地下室の魔物」が元ネタ。祖母の家に引っ越してきた新婚夫婦が巻き込まれるホラーで、特に新婦サリーを毎夜呼ぶ「サリー・・・」という声は、社会現象にまでなったのだとか。全く救いのないエンディングで、カルト・ホラーとして人気だったらしい。この作品に強く惹かれたデル・トロは、長年映画化の夢を持ち続けていたのだそう。なるほど・・・ だから「サリー・・・」を多用していたのか、イヤ何だか『ロード・オブ・ザ・リング』のサウロンの囁きに似てるなと思ったので・・・ むしろPJ(ピーター・ジャクソン監督)もこのテレビ映画見ている可能性あるね! だってオタクだもの(笑) 話がそれた(o´ェ`o)ゞ 「地下室の魔物」ではサリーは大人で、当時ウーマンリブ全盛期だった時代に、内気で精神的に弱い女性のイメージだったことに違和感をおぼえ、今回のサリーは子供という設定になったのだそう。この設定変更は良かったと思う。確かに大人の女性だったらイライラしたかも(笑) で、本作に登場する魔物はトゥース・フェアリー。子供の歯や骨を食べる魔物で、欧米では有名な存在らしい。これかなり醜悪な外見ながら、とっても小さいのでそんなに破壊力はない。このデザイン嫌いじゃない。この正体については、ラストある人物が犠牲になることで明らかになる。
今作の監督はトロイ・ニクシーで、ギレルモ・デル・トロは製作と脚本のみ。ただし、脚本も共同らしいので、どこまで深く関わっているのかは不明。デル・トロが監督していたらどうだったのか分からないけど、『パンズ・ラビリンス』のあの切なく妖しい美しさ、毒の中にある清らかさといった世界観を求めてしまうと、全然違うので注意!(笑) まぁ、それを期待してしまったのはこちらの勝手で、ご本人達としては別にあの世界観を再現しようとは思っていないのでしょうけれど、でもデル・トロといえばって感じなので期待するなと言われても(笑) と、つらつらと書いているけど、ではダメなのかと聞かれれば、決してそんなことはなく、全体的にB級感が漂ってはいるけれど、この感じは嫌いじゃない。ツッコミどころ満載だけど(笑)
ツッコミどころをいちいち書くのもどうかと思うけどホントに多い。サリーの歯や骨が狙いなのであれば、何故いくらでもチャンスがあるのに殺しもしなければ、傷つけもしないのかというのは、きっと大人の事情があるのでしょうが、トゥース・フェアリー達が光に弱いからという理由で、フラッシュを使う必要があり、彼らの姿を写した画像を父親に見せたいサリーと、それを阻止しようとするトゥース・フェアリーという緊迫した場面をやりたいのは分かるけど、やっぱり何故いまどきポラロイド?と思ってしまう。まぁ、ツッコミどころとまではいかないし、いったい何枚ポラ撮れるんだよというのは言っちゃダメなのはわかる(笑) 全体的に何故わざわざ回り道をする!と言いたくなる展開なども、ドキドキさせる手法として安易な気もする。でも、不思議なことに、それでダメだと思ってしまうこともない。まぁ、一番のツッコミどころはホラーなのに怖くないということなので、それを言うと全否定になってしまうし(笑) 一番怖かったのは冒頭のブラックウッドがメイドの歯を抜くシーン。このブラックウッドの時代、19世紀末を舞台にした方がおもしろかった気がした。
サリーが情緒不安定で、薬を飲んでいるという設定は、トゥース・フェアリーの存在を信じてもらえない理由の1つにはなっているけれど、そんなに生かされていない印象。そもそも、大きな仕事でいっぱいいっぱいの父親や、サリーとの関係に悩みつつ、彼女の理解者となる恋人というのも、こういう作品にありがちな設定。父親は家主と8歳の息子が行方不明になったという、いわくつきのブラックウッド邸を改修し、売却することにより名を上げようとしているわけだけど、彼には借金もあるのに使用人がいるのも不思議・・・ うち1人はブラックウッド事件に詳しく、トゥース・フェアリーの存在を知る人物だけど、その事実をキムに伝えるのも回りくどい。と、気づけばツッコミどころかなり書いちゃったけど、まだまだあるのでご安心を(笑)
とまぁ、ツッコミどころばかりではあるのだけど、嫌いではない。ホントに(笑) うーん、B級感というか、いい意味でテレビ映画を見た感じ。2010年全米公開作品で現代を舞台にしているのに、深夜にテレビで'70~'80年代の未公開ホラー映画を見ている感じ。ちょっと古くてゆるいテイスト。何だか懐かしい感じ。ほめてます! だって1973年の作品をリメイクしているわけだからね! まぁ、古くてゆるいテイストを狙ったのかは不明だけど・・・(笑) でも、その感じが好きだった。
キャストは父親アレックスにガイ・ピアース。大きな仕事を抱えていて、サリーよりも仕事を優先しがち、トゥース・フェアリーも妄想だと決めつけるけれど、最終的には活躍するという、ありがちな役どころながら、イライラしたりはしなかったし、サリーを愛しているのが伝わってきたのはガイ・ピアースのおかげ。反発しながらも、一番の理解者となってくれる父親の恋人という、これまたありがちな役キムにはケイティ・ホームズ。全体的にはありがちで面白みのない役だけど、最終的にはおいしい役。正直、演技は・・・ まぁ、華を添えたということで(笑) この映画の一番の見どころは、サリーを演じたベイリー・マディソン!上手かった。顔がいい。ちょっと不気味 ← ほめてます! 実物はかわいいと思う。ちょっとケイティに似ている気がする。両親、特に母親に捨てられたと思っているので、素直になれず、そういう部分も含めて、前半はちょっと憎らしかったりするのが正解だと思うけど、この辺りが見事。その中にも悲しさや、寂しさが感じられるので、憎たらしくなり過ぎない、寂しさと好奇心から地下の封印を破ってしまうのは、若干イライラするけれど、この子ならやりそうだという説得力があったし、何より地下室を開けてくれないと話が進まない(笑) 後半はほとんど絶叫しているけど、どうやらこれ映画史上最高デシベルなのだとか・・・ そうなの?(笑) 書斎での活躍はスゴイ!
舞台はロードアイランドだけど、ロケ地はメルボルン。チューダー調の屋敷をヴィクトリア調にアレンジしたそうで、これは素敵。内装もあえてホラー調にはせず、むしろ居心地よさげにしたそうだけど、確かに素敵 サリーの孤独や不安を表すため、実際の尺より大きく撮影しているそうで、例えば廊下を延々と歩いてお風呂に向かったりする。その画は不安な感じで好き。サリーとキムが初めて心通わす中庭の池とか、庭の感じも好きだった。「秘密の花園」みたいな・・・ 2人が仲良くなるきっかけが、日本から購入したという鯉だったり、サリーの母親が電話口で恋人に「サシミよ」言ってみたり、日本がちょこちょこ出てくるのもうれしい。確か、デル・トロ日本好きなんだっけ? 大好きな『パンズ・ラビリンス』のペイルマンのデザインもスゴイ!と思ったけど、葛飾北斎の画集で元ネタ発見したし。これ画像探したけど、見つからなかった 何かの展覧会で見たんだけど・・・
ということで、何だかとってもけなしてしまっているみたいだけど、決してそんなことはなく、何度もしつこいけどツッコミどころ満載感も含めて好きだった。ちょっと痛いシーンはあるけど、怖くはないので、怖いの苦手な人もOK! 前述したけど『パンズ・ラビリンス』を期待すると、全く違うけど楽しめる。深夜に昔のゆるいホラーを見るのが好きな方オススメ!
『ダーク・フェアリー』Official site
・・・ おまけ ・・・
試写会でマスコミ用プレスいただいた♪ 4つ折のA4サイズ。見ごたえあり! デザインも好き
yaplogで当選! いつもありがとうございます♪ 『パンズ・ラビリンス』大好きなので、これは見たかった! 期待大で行ってきたー☆
*ネタバレありです!
「両親の離婚後、母親と暮らしていたサリーは、父親とその恋人キムと暮らすことになり、ロードアイランドの古い屋敷へやって来る。どこか不気味な屋敷の地下から、自分を呼ぶ声が聞こえてきて・・・」という話。うーん(笑) 正直、ツッコミどころ満載ではあるけど、おもしろかった! 宣伝もダーク・ファンタジーという感じなので、その方向にしたいんだろうなと思うけれど、手法としてはホラーなのかな・・・ あんまりホラー見ないから、その辺りは不明。どちらにしても弱い気はするけど、この感じは嫌いじゃない。
見たいと思った理由は、前述したとおり『パンズ・ラビリンス』が大好きだから。この作品は自分の生涯BEST 10に入るくらい好き! その製作、脚本、監督を務めたギレルモ・デル・トロが構想30年温め続けた作品とあっては、絶対見る! ただし、今作の監督はしていないのが若干気がかりではあった・・・ そもそもは、1973年に放送されたテレビ映画「地下室の魔物」が元ネタ。祖母の家に引っ越してきた新婚夫婦が巻き込まれるホラーで、特に新婦サリーを毎夜呼ぶ「サリー・・・」という声は、社会現象にまでなったのだとか。全く救いのないエンディングで、カルト・ホラーとして人気だったらしい。この作品に強く惹かれたデル・トロは、長年映画化の夢を持ち続けていたのだそう。なるほど・・・ だから「サリー・・・」を多用していたのか、イヤ何だか『ロード・オブ・ザ・リング』のサウロンの囁きに似てるなと思ったので・・・ むしろPJ(ピーター・ジャクソン監督)もこのテレビ映画見ている可能性あるね! だってオタクだもの(笑) 話がそれた(o´ェ`o)ゞ 「地下室の魔物」ではサリーは大人で、当時ウーマンリブ全盛期だった時代に、内気で精神的に弱い女性のイメージだったことに違和感をおぼえ、今回のサリーは子供という設定になったのだそう。この設定変更は良かったと思う。確かに大人の女性だったらイライラしたかも(笑) で、本作に登場する魔物はトゥース・フェアリー。子供の歯や骨を食べる魔物で、欧米では有名な存在らしい。これかなり醜悪な外見ながら、とっても小さいのでそんなに破壊力はない。このデザイン嫌いじゃない。この正体については、ラストある人物が犠牲になることで明らかになる。
今作の監督はトロイ・ニクシーで、ギレルモ・デル・トロは製作と脚本のみ。ただし、脚本も共同らしいので、どこまで深く関わっているのかは不明。デル・トロが監督していたらどうだったのか分からないけど、『パンズ・ラビリンス』のあの切なく妖しい美しさ、毒の中にある清らかさといった世界観を求めてしまうと、全然違うので注意!(笑) まぁ、それを期待してしまったのはこちらの勝手で、ご本人達としては別にあの世界観を再現しようとは思っていないのでしょうけれど、でもデル・トロといえばって感じなので期待するなと言われても(笑) と、つらつらと書いているけど、ではダメなのかと聞かれれば、決してそんなことはなく、全体的にB級感が漂ってはいるけれど、この感じは嫌いじゃない。ツッコミどころ満載だけど(笑)
ツッコミどころをいちいち書くのもどうかと思うけどホントに多い。サリーの歯や骨が狙いなのであれば、何故いくらでもチャンスがあるのに殺しもしなければ、傷つけもしないのかというのは、きっと大人の事情があるのでしょうが、トゥース・フェアリー達が光に弱いからという理由で、フラッシュを使う必要があり、彼らの姿を写した画像を父親に見せたいサリーと、それを阻止しようとするトゥース・フェアリーという緊迫した場面をやりたいのは分かるけど、やっぱり何故いまどきポラロイド?と思ってしまう。まぁ、ツッコミどころとまではいかないし、いったい何枚ポラ撮れるんだよというのは言っちゃダメなのはわかる(笑) 全体的に何故わざわざ回り道をする!と言いたくなる展開なども、ドキドキさせる手法として安易な気もする。でも、不思議なことに、それでダメだと思ってしまうこともない。まぁ、一番のツッコミどころはホラーなのに怖くないということなので、それを言うと全否定になってしまうし(笑) 一番怖かったのは冒頭のブラックウッドがメイドの歯を抜くシーン。このブラックウッドの時代、19世紀末を舞台にした方がおもしろかった気がした。
サリーが情緒不安定で、薬を飲んでいるという設定は、トゥース・フェアリーの存在を信じてもらえない理由の1つにはなっているけれど、そんなに生かされていない印象。そもそも、大きな仕事でいっぱいいっぱいの父親や、サリーとの関係に悩みつつ、彼女の理解者となる恋人というのも、こういう作品にありがちな設定。父親は家主と8歳の息子が行方不明になったという、いわくつきのブラックウッド邸を改修し、売却することにより名を上げようとしているわけだけど、彼には借金もあるのに使用人がいるのも不思議・・・ うち1人はブラックウッド事件に詳しく、トゥース・フェアリーの存在を知る人物だけど、その事実をキムに伝えるのも回りくどい。と、気づけばツッコミどころかなり書いちゃったけど、まだまだあるのでご安心を(笑)
とまぁ、ツッコミどころばかりではあるのだけど、嫌いではない。ホントに(笑) うーん、B級感というか、いい意味でテレビ映画を見た感じ。2010年全米公開作品で現代を舞台にしているのに、深夜にテレビで'70~'80年代の未公開ホラー映画を見ている感じ。ちょっと古くてゆるいテイスト。何だか懐かしい感じ。ほめてます! だって1973年の作品をリメイクしているわけだからね! まぁ、古くてゆるいテイストを狙ったのかは不明だけど・・・(笑) でも、その感じが好きだった。
キャストは父親アレックスにガイ・ピアース。大きな仕事を抱えていて、サリーよりも仕事を優先しがち、トゥース・フェアリーも妄想だと決めつけるけれど、最終的には活躍するという、ありがちな役どころながら、イライラしたりはしなかったし、サリーを愛しているのが伝わってきたのはガイ・ピアースのおかげ。反発しながらも、一番の理解者となってくれる父親の恋人という、これまたありがちな役キムにはケイティ・ホームズ。全体的にはありがちで面白みのない役だけど、最終的にはおいしい役。正直、演技は・・・ まぁ、華を添えたということで(笑) この映画の一番の見どころは、サリーを演じたベイリー・マディソン!上手かった。顔がいい。ちょっと不気味 ← ほめてます! 実物はかわいいと思う。ちょっとケイティに似ている気がする。両親、特に母親に捨てられたと思っているので、素直になれず、そういう部分も含めて、前半はちょっと憎らしかったりするのが正解だと思うけど、この辺りが見事。その中にも悲しさや、寂しさが感じられるので、憎たらしくなり過ぎない、寂しさと好奇心から地下の封印を破ってしまうのは、若干イライラするけれど、この子ならやりそうだという説得力があったし、何より地下室を開けてくれないと話が進まない(笑) 後半はほとんど絶叫しているけど、どうやらこれ映画史上最高デシベルなのだとか・・・ そうなの?(笑) 書斎での活躍はスゴイ!
舞台はロードアイランドだけど、ロケ地はメルボルン。チューダー調の屋敷をヴィクトリア調にアレンジしたそうで、これは素敵。内装もあえてホラー調にはせず、むしろ居心地よさげにしたそうだけど、確かに素敵 サリーの孤独や不安を表すため、実際の尺より大きく撮影しているそうで、例えば廊下を延々と歩いてお風呂に向かったりする。その画は不安な感じで好き。サリーとキムが初めて心通わす中庭の池とか、庭の感じも好きだった。「秘密の花園」みたいな・・・ 2人が仲良くなるきっかけが、日本から購入したという鯉だったり、サリーの母親が電話口で恋人に「サシミよ」言ってみたり、日本がちょこちょこ出てくるのもうれしい。確か、デル・トロ日本好きなんだっけ? 大好きな『パンズ・ラビリンス』のペイルマンのデザインもスゴイ!と思ったけど、葛飾北斎の画集で元ネタ発見したし。これ画像探したけど、見つからなかった 何かの展覧会で見たんだけど・・・
ということで、何だかとってもけなしてしまっているみたいだけど、決してそんなことはなく、何度もしつこいけどツッコミどころ満載感も含めて好きだった。ちょっと痛いシーンはあるけど、怖くはないので、怖いの苦手な人もOK! 前述したけど『パンズ・ラビリンス』を期待すると、全く違うけど楽しめる。深夜に昔のゆるいホラーを見るのが好きな方オススメ!
『ダーク・フェアリー』Official site
・・・ おまけ ・・・
試写会でマスコミ用プレスいただいた♪ 4つ折のA4サイズ。見ごたえあり! デザインも好き