・*・ etoile ・*・

🎬映画 🎨美術展 ⛸フィギュアスケート 🎵ミュージカル 🐈猫

【cinema】『ボス その男シヴァージ』(したまちコメディ映画祭 in 台東 2012)

2012-09-23 03:20:49 | cinema
'12.09.16『ボス その男シヴァージ』@浅草公会堂

これは見たかった! 大好きなインド映画というよりも、大好きなラジニ映画! したまちコメディ映画祭で上映されると聞けば行かなきゃでしょ! ということで、同じくインド映画大好きなbarumixと行ってきた~♪ 一緒に来ていた、まだ~むとtomocoさんと会場内で合流! 4人で見てきた!

*ネタバレありです!

「アメリカ帰りのシヴァージは、貧しい人々が教育や医療を無料で受けることができるようにと、学校と病院を作りたいと考えていた。しかし、それには地元の闇組織のボスや、政治家達への賄賂が必要だった。一方、美しく貞淑な女性タミルに一目ボレしたシヴァージは、あの手この手で彼女にせまるが・・・」という、高い理想を持った高潔な人物と、好きな女性にまっしぐらなあまり、非常識な行動を繰り返してしまう男という、全くの別人としか思えない性格を、1人のキャラとして設定し、強引に魅力的に見せてしまう感じが、まさにラジニ映画!! 3時間超たっぷりと堪能してきた! これは、ホントに見たかった正真正銘バカ映画! 何度も何度も言っている尊敬するMJこと、みうらじゅん氏言うところの、本人達は真面目に作っているけれど、結果バカになっている映画。まさに王道中の王道! こういうのが見たかった!

とにかく話としては単純明快! シヴァージが貧しい人々に教育と医療を受けさせることと、慎ましやかな昔ながらのタミル女性との結婚という、自身の夢をかなえるまでの話。それを3時間超で描く。もちろん『ロボット』公開時のように、ダンスシーンのいくつかをカットしてしまうというようなことはなく、バッチリ踊りも入っている。『ロボット』と同じシャンカール監督なのだけれど、ずいぶん違う印象。初めてラジニ映画を見る人にとっては『ロボット』の方が見やすいかも。本作は『ロボット』より前に製作、公開されたらしく『ロボット』が公開されるまでは、興行収入1位だったのだそう。さすがスーパースター★ラジニカーント! ちなみに今回はマサラシステムでの鑑賞。マサラシステムというのはインド人の鑑賞方法で、インド人は鳴り物を鳴らしたり、踊ったり歌ったりしながら鑑賞するのだそう。事前に動画を見せられたけど、ラジニ映画お決まりのオープニングSUPER STARが1文字ずつ画面に現れると大騒ぎ! スクリーンに踊る観客達が映っちゃってる(笑) 映画見てないじゃんとも思いますが、どの見方が正しい見方ということでもないので、インド式がこうなのであれば、それはそれでアリ。何度も言うけどバカ映画なので、そういう部分も楽しんじゃった者勝ち! 先着200名にクラッカーが配られて、好きなところで鳴らしてよいとのこと。先着200名には入れないだろうから、100キンで購入しようかと思ったけど、浅草って100キンないのね・・・ ということで残念ながらクラッカーはなしだけど、SUPER STARのところでは拳を振り上げ喜びを表現してみた(笑) ダンスシーンでは立ち上がって踊っていた人もいたけど、さすがにそれはムリだった・・・(o´ェ`o)ゞエヘヘ

ということで、だいぶ話が映画自体からそれてしまったけれど、何が言いたいかといえば、インド映画といってもいろいろあるので、一概には言えないけれど、いわゆるマサラムービー、特にラジニ映画に関しては、難しいことは考えず、どれだけ荒唐無稽であるかということや、ツッコミどころ満載な部分も楽しんじゃおうということ! 劇場でクラッカーを鳴らしたり、立ち上がって踊るのは日本ではなかなか難しいけど、そんな気持ちで鑑賞するべし!←誰?!(笑)

ということで、映画に話を戻す! 以前、ラジニ映画鑑賞時に書いたかもしれないけれど、ラジニ映画の魅力は、こんなに話広げて一体どうなっちゃうんだろうというくらい、散らかっていたエピソードたちが、後半一気に収束してしまうこと。それもかなり強引に(笑) そして、登場時にはうさん臭いオッサンにしか見えなかったラジニが、とんでもなくカッコよく描かれていること。それカッコイイか?!というような設定も、ラジニ=カッコイイということになっているのが好き! アメリカから帰って来た時、長めの前髪をスローでファサッとした後、ガムを自分の手の平にぶつけて口に入れる芸を披露! もちろんラジニ素敵シーンなのだけど、これが素敵かどうかってことで、もちろんバカなんだけど、このガム芸は少しずつ形を変えて、しばしば登場する(笑) そういうキメポーズとか、キメネタみたいのがいちいちあるのがラジニ映画って感じて大好き まぁ、中にはこういうネタがダメという方もいるかと思うけれど・・・ 映画の中でシヴァージは色が黒いからとタミルにふられてしまうエピソードがあるけれど、インドでも色が白いということは美しいとされているようで、色黒で裕福層出身ではないラジニが映画スターとなったことが、スーパースターとして崇める理由でもあるのだそう。インド人にとってのイケメンがどんな感じなのかは不明だけど、少なくともラジニはイケメンではないと思う。オッサンだし(笑) そんなラジニがスーパースターであり続けている理由は、演技力やスター性はもちろん、その努力で現在の地位をつかんだことに、インドの人々は夢や憧れを見ているんでしょう(・∀・)ウン!!

3時間超だけどストーリーはあらすじ通り(笑) 貧しい人々のため大学と病院を建てたいと思っているシヴァージは早速行動開始するけど、彼の故郷チャンナイではアーディセーシャンが事業を牛耳っており、役人達の間では不正がはびこっていた。何をするにも賄賂が必要。インドが本当にこんな感じなのかは不明だけど、似たようなことはどこかの国でも行われているんでしょう(*`д´) ただ、あまりにもあからさまで明る過ぎるってだけ(笑) 資金を聞かれて20億って答えるけど、20億ルピーなのか20億ドルなのかは不明。インドの、特にタミル地方の経済事情や不動産事情には全く詳しくないけれど、20億ルピーで大学と総合病院はムリなんじゃ・・・? 財団を設立するって言ってたから、ちゃんと考えてのことかも知れないけれど、その辺りの危なっかしさも魅力(笑)

いわゆるマサラムービーと呼ばれるインド映画は、だいたい3時間超でインターミッションが入る。インターミッションの前はコミカルに展開し、後半はシリアスに展開して散らばっていたエピソードが、半ば強引に一気に収束してハッピーエンドになることが多い。その強引さが好き(笑) この映画も前半は役人達とのドタバタや、タミルへの一家あげての猛アタックが描かれる。このタミルというのは~タミルと、もう少し長い名前だったのだけど、登場時に紹介されたきり字幕ではずっとタミルとなっていたので、タミルと呼ばせていただく(笑) 言い忘れていたけど、シヴァージにはなにかと世話を焼いてくれる叔父さんがいる。ラジニ映画では子分だったり、友人だったり、親類だったりちょっとお調子者の協力者がいる。彼のおかげでややこしいことになる場合もあるけど、助けられることもある。この叔父さんがシヴァージの身を案じてお嫁さんを探そうということになり、慎ましやかな昔ながらのタミル人女性がいいと言うシヴァージに、そういう女性ならお寺にいるだろうってことで連れて行ってくれた。何件目かのお寺で一目ボレしたのがタミル。で、もうストーカーとかいうレベルじゃない猛アタックぶり(笑) タミルが勤める楽器店に来て大暴れなんてことは当たり前という感じで、叔父さんだけでなく両親もそろってタミルの家に押しかけて上がり込み、親睦を深めようと嫌がるタミルと両親をよそに強引にトランプを始めてみたり、お茶を出せと言ってみたり(笑) 逆に強引にタミル一家を自宅に招き、食が進まない彼らの口に食べ物を押し込む始末。しかもシヴァージはすでに生まれてくる子供の服まで用意しているし(笑) こんなビックリ接待をしたのに、タミルが結婚を承諾し、得意のダンスシーンへ! ほー、ここで結婚かと思っていたら・・・(笑)

前半はほぼこんな感じで展開するけど、もちろんこのままで終わるはずもなく。アーディセーシャンの陰謀により破産してしまう。裁判で全てを失ったシヴァージにコインを渡し物乞いになれと言い放つアーディセーシャン。絶望と屈辱で怒りの表情を浮かべるシヴァージのアップで静止。多分ここでインターミッション。

ここからはシヴァージの復讐と、タミル地方だけでなく、インド全体の貧しい人々を救うため、学校と病院の建設、シヴァージ財団の設立に邁進していく。のだけど・・・ そこはラジニ映画。かなり強引! 確かにアーディセーシャンのしたことは汚いし、裏金は罪になるとは思うけれど、それをネタに恐喝しちゃダメだし(笑) 確かにお金自体はクリーンになったかもしれないけれど、やり方は間違いなくクリーンではない。各地で妨害に遭うけれど、賄賂を要求する有力者達をOFFICE ROOMに送り込むのも・・・(笑) これは立派な犯罪なのでは?というツッコミはもちろんしない! だってそのバカさが好きなのだから(笑) 悪いことをして貯めたお金だから、こういう手段でもかまわないという大雑把さが好き! そして、一応シヴァージは全てが終わったら自首するつもりではいるし・・・(。´・д・)エッ?!

したコメのサイトで見かけた、坊主頭のマトリックスポーズはなんだろうと思っていたら! まさかの展開! あれだけ汚い手を使ってきたアーディセーシャンなのであれば、シヴァージを逮捕させることも可能だし、彼の命を狙ってくるのも当然。そこでシヴァージは一計を案じる。この作戦もよく考えるとかなり危険でツッコミどころ満載だけど、そこはまぁよし。そして、彼はハゲ頭ボスとして甦る! このハゲ頭ボスっていうのは自分で言ってた(笑) タミル語はもちろん分からないので、字幕が上手いだけかもしれないけど。でも一番笑ったかも(笑) そして、このハゲ頭ボス=シヴァージが大活躍! このアクションシーンは、マトリックスみたいで迫力大! ケガしないように布が敷いてあるのは見逃してね!(人'д`o) 最後は字幕でシヴァージが元の自分に戻り、自首し罪を償ったことが紹介される。あれ? 最後の対決シーンで人刺しちゃってた気がするけど・・・(笑) そうそう! 言い忘れてたけど、シヴァージはタミルと結婚する。いつの間にタミルがシヴァージを好きになっていたのかが若干微妙ではあるけれど、彼が色黒だから結婚したくないと言って、シヴァージに美白作戦をさせてしまったのも、実は彼の身を案じてのことだし、彼が逮捕されるきっかけを作ってしまうのも、シヴァージを愛しているから。いつの間に(笑)

キャストはラジニとシュリヤー・サランくらいしかクレジットがない。あの大学の先生役の人見たことある気がするんだけど・・・ 登場シーンでクラッカー鳴らしてた人いたし。でも誰だか不明・・・ 叔父さん役の人のお調子者具合がよかった! シヴァージの指示でトゥクトゥク(インドでは何て言うんだっけ?)で税務署の門を行ったり来たりするシーンは笑った~ シュリヤー・サランは美女! インドの女優さんは皆目鼻立ちパッチリの濃いメイクも映える美女で、ムチムチボディの方が多い。シュリヤーもムッチリしてはいるけれど細い。スタイル抜群! 実物は映画よりさらに美女だった そして、ラジニカーントはやっぱりSUPER STARだった! ホントに! 現在63歳。本作は2007年公開なので、撮影当時は50代! でも、絶対30代以下の設定だと思う。お前もそろそろ結婚しないとって言われていたし・・・ どう考えてもオッサンにしか見えないのに、いつの間にかカッコよく見えてしまう。バイクのハンドル部分に脚を乗せて、寝転んで登場するなどというバカとしか思えない登場シーンも、何故かカッコよく思えてしまう。イヤ、バカだけど(笑) さすがに『ムトゥ踊るマハラジャ』の頃から比べれば、踊りのキレはなくなったし、上半身しか動いていないシーンも多い。でも、踊り出したらカッコイイ もちろんバカだけど(笑) このカッコイイ!でもバカだけどっていうのがラジニの魅力なのだと思うし、そこが好きで見に行っちゃうんだよね(・∀・)ウン!!

大好きなダンスシーンも満載! 今回は世界の名所には行ってなかったし、風光明媚なところで踊るシーンもあまりなかった。むしろ近未来的なセットで踊ったり・・・ その辺りはシャンカール監督の好みなのかな? ドイツで踊ってたシーンでの金髪ラジニは良かった♪ あと海賊みたいな衣裳とか。風光明媚なところで腹踊りみたいのもすごかった! お腹にラジニの顔が描いてある(笑) ラジニ映画のダンスシーン好きとしては大満足! やっぱりコレがないと♪

例のラストの字幕で、シヴァージの功績が紹介された後、彼により格差社会が改善されたインドは飛躍的な発展をとげ、2015年には先進国入りしG8ならぬG10になっている! 最後の言葉「夢はきっとかなう!」に爆笑、そしてちょっと感動 なんてカワイイ人達なんだ! 好き また見たい!!

歌って踊ってのインド映画が好きな方、アクション映画好きな方オススメ! ラジニカーント好きな方必見です!!

『ボス その男シヴァージ』Official site



コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする