'13.09.03 『ウォーム・ボディーズ』試写会
久々の試写会! 会場のなかのZEROは駅から遠くて不便だけど、試写会なら贅沢は言ってられない!w すごく見たかったのでよろこんで行ってきた♪
ネタバレありです!
「ゾンビのRは空港で仲間とそれなりに楽しく暮していた。時々、空腹を満たすため、仲間と人間襲撃に出かける。ある日、人間襲撃中に一人の少女と出会い・・・」という話。これ、おもしろかった! バカ映画です。ただ、『宇宙人王さんとの遭遇』(感想はコチラ)と少し違うのは、そもそもコメディーとして作られているということ。まぁ、『宇宙人~』も、もしかしたら笑わせようとしてたのかもしれないけどw でも、結果バカになっているという部分では、正当なバカ映画はアチラの方で、コチラはバカを狙っているわけだから、MJ(みうらじゅん氏)言うところのバカ映画とは違うのかもしれない。ただ、自身は見終わった後「バカだなぁ」と思ってしまったので、やっぱりこれはバカ映画ということにする!←別いいけどw(o´ェ`o)ゞ
"I am Zombie Filled with Love"というタイトルの7ページのオンライン用短編小説がネット上で人気となり、原作者のアイザック・マリオンが更に話をふくらませ「ウォーム・ボディーズ ソンビRの物語」という作品に仕上げて小説家デビューを飾った。"ロミオとジュリエット"を引用したこの小説に魅了された1人が製作者のブルーナ・パパンドレア。ゾンビ・ロマンスと評されたこの作品はゾンビ目線で描かれているのが特徴。『50/50 フィフティ・フィフティ』(感想はコチラ)のジョナサン・レヴィン監督が脚本も担当。ゾンビ・ミーツ・ガールの作品が出来上がった。アメリカ全土が熱狂するスーパーボウル開催の週末に公開したにもかかわらず、興行収入初登場1位を獲得! 52カ国での公開が決定しているのだそう。
おもしろいのはRの一人称のナレーションで進むこと。ゾンビについて詳しくないので、そもそものゾンビ設定と、今作のゾンビ設定がどの程度違っているのかは不明だけど、今作でのゾンビは呻くことは出来るけれど、ほとんど喋ることは出来ない。顔色が悪く、猫背でノロノロとしか歩けない。冒頭、R目線のカメラがゆっくりと空港内を映し出す。最初は、彼の足元辺りから。こんなに姿勢が悪くちゃ人に好かれないというようなことをRがつぶやく。人とちゃんとコミュニケーション取らなきゃみたいなことをつぶやいたところで、そういえば自分はゾンビだったと言い出すw ゾンビだからには死んでしまったわけだけど、今では何故死んだのかも、生前は何をしていたのかも思い出せない。Rは汚れた赤いパーカーとジーンズ姿。こんな格好だから無職だったのかも?というセリフが淡々と語られる。爆笑というよりは、クスッという笑い。意外にバトル・シーンなんかもあるけど、Rの一人語りは基本このゆるゆるしたトーン。個人的にそれが好きだった。
何故、Rなのかは"R"がつく名前だったから。本当の名前は思い出せない そう、ちょっと切ないのもポイント。ただし、R自身はそんなに気にしてない様子。それもまたイイ。もう既に死んでいるので、働く必要もなく空港内をぶらぶらするだけ。『ワールド・ウォーZ』(感想はコチラ)と同じく、どうやら感染病が蔓延したようで、今では人類の方が少ないらしい。空港は完全にゾンビに占拠されたようで、多くのゾンビがダラダラ歩いている。Rには親友Mがいる。バーのカウンターで隣に座って「うー」と呻き合うだけw でも頑張って会話をする。R「お、お腹・・・(空いた)」、M「ま、街・・・(に行って人間を襲おう)」っていう会話が笑える! よく考えたら人間を襲って食べちゃうわけなんだけど、このゆるさがカワイイ 実は空港にはゾンビの他にガイコツもいる。ガイコツというのは空腹に耐えられなくなって、自らの肉を食べてしまったゾンビたち。すでに人間らしさは全くなく、ターミネーターのような状態。空腹になればゾンビたちを襲うので天敵となっている。
さて、親友Mたちと食料調達のために街へ向かったR。ノロノロとしか歩けない自分に対し「なんてのろいんだ・・・」ってつぶやくなど相変わらずおもしろいw 残された人間たちは、グリジオ大佐を中心とした自警団を組織。ゾンビの侵入を防ぐ壁を築いた。『ワールド・ウォーZ』でも、イスラエルは壁を築いていたけど、ゾンビと戦うには壁は有効なのかな? まぁ、別にゾンビ相手じゃなくても、安全な場所を確保するために壁を築くのは普通か(o´ェ`o)ゞ 兵士たちもいるようだけど、人手不足なのか、若者たちを中心としたグループを組織。ゾンビの来襲を事前に防ぐため、壁の外へ派遣する。そのメンバーの中に、グリジオ大佐の娘ジュリーもいた。いくら訓練したとはいえ、自分の娘をゾンビ退治のメンバーにしちゃうってスゴイなと思うけど、そうしてくれないとRと出会えないからねw
Rたちゾンビはジュリーたちが見廻りしているビルを襲う。襲撃シーンはなかなか迫力があったけど、例によってRのナレーションが入るので、なんだか和んでしまう。ゾンビは死んだ人間なわけだから基本死なないけど、頭を撃ち抜かれると死んでしまう。なので、ジュリーたちも頭を狙って銃を撃つ。ジュリーの勇姿に一目惚れしてしまったR。直後に彼が襲ったのは、なんと彼女の恋人! 彼の方から襲って来たからなんだけど、主人公が人を喰うという衝撃的なシーンも、Rの「いい時計だ」というセリフで笑ってしまう。どうやら、脳を食べると、その人物の思い出を共有出来るらしく、Rはその記憶からジュリーへの思いを共有する。人間 vs ゾンビの戦いは、圧倒的なゾンビの勝利。Rはとっさにジュリーを連れて来てしまう。どうやら、ゾンビにはゾンビ臭があるらしく、その臭いがないと人間だとバレてしまうため、自分の血をジュリーにつけるR。そういうシーンはおもしろかった。
Rは自分の家に彼女を連れて行く。実はRはジャンボ機内に住んでいる。これが、こだわりの住まい。どこから集めたのかは分からないけど、レコードのコレクションがスゴイ! インテリアもカワイイ。親友Mや他のゾンビがどんな暮らしぶりなのか全く描かれないので不明だけど、やっぱりRはゾンビとしては特殊なのかも? ゾンビ達が周囲を歩き回っているので、しばらく家にいなければダメだとジュリーを説得。しばし、幸せな時間を過ごす。一緒にレコードを聴いたり、オープンカーに乗ったりと、恋の始まりの予感 Rがゾンビでなければw
しばらく空港生活を満喫していたジュリーとRだけど、ゾンビにもガイコツにも見つかって追われてしまう。必死でジュリーを守ろうとするRの姿を見て、親友Mを始め数人(?)のゾンビたちの中には何かが芽生える。鼓動の音とともに、胸の辺りが光る描写はベタだけどかわいくて好き。ジュリーとRがガイコツに追い詰められたのを助けてくれたのも親友。ジュリーとRは街へと向かう。廃墟となった住宅街で一軒の家で食料を得て、ベッドで眠りにつくジュリー。ゾンビは夢を見ないはずなのに、ジュリーの夢を共有するR。確実に変化が起きている。眠りにつく前、Rはジュリーの恋人を食べたのは自分だと告白した。ジュリーが最近の彼が変わってしまっていたこと、心が離れていたことを話したからでもあるのだけれど・・・ でも、普通に考えて相手がゾンビだからとはいえ、自分の恋人を食べられたと知っては一緒にいられるものではなく、Rが気づくとジュリーの姿はなかった。まぁ、そりゃそうだよね・・・ だから、この後の展開がホントはビックリなんだけど、そもそも2人が恋する話だと分かって見てるわけだから、ツッコミ入れちゃダメだしw
Rは諦めて空港に戻ろうとすると、親友Mや他のゾンビたちに出会う。Rとジュリーの存在が自分たちに人間らしい変化をもたらしたと言う。そして、それをよく思わないガイコツたちが2人を追っていると言うのだった。ジュリーを助けたいRは、以前食べたジュリーの恋人の脳の記憶を元に、秘密の通路を通って壁の中へ行く決心をし、ゾンビたちも彼を応援する。まぁ、この辺りは王道ってことでw Rは無事に壁の中にたどり着き、ジュリーのもとへ。古い洋館のような大きな建物。Rが近くまで来ているとは知らず、豪華なベッドで親友とRのことを話すジュリー。彼はあなたの恋人を喰った敵だと言われても、ますます燃え上がるジュリー。あれ?(o゚ェ゚o) これは?!そう、前述したとおり、ロミオとジュリエットを引用しているわけだから、当然この後待っているのはバルコニー・シーン。いくら変化しているとはいえ、Rはゾンビなのだから、相変わらず姿勢が悪く動きも遅いし、喋りも遅くてハッキリせず、その上表情もほとんどなく、何より顔色が悪い! でも、ロマンチック・シーンをやるってとこが笑える。もちろん、笑わせるシーンだけど、別に感動したってOK! さすがに感動はしなかったけど、頑張れR!とは思っていたw 未読なので原作にもあるシーンなのかは不明だけど、映画としては絶対やりたかった場面だと思う。
その後のジュリーとのラブラブ・シーンや、Rがゾンビであることを隠すために、メイクするところなんかもコメディー要素。特にメイクシーンなんて"プリティー・ウーマン"かかってるしw あれ?ここだよね? ナレーションでは饒舌なRだけど、ゾンビなので実際はほとんど単語くらいしか話せない。その代わりに彼の気持ちを代弁するのが音楽。これは良かったと思う。でも、せっかくのメイクもパパにバレて、ジュリーとRは人間からもガイコツからも追われるハメに。でも、壁の外では親友を中心としたゾンビたちが立ち上がっていた! その光景を見て、さらにゾンビたちに助けられた人間たちは、彼らと協力してガイコツを倒して行く。一方、Rとジュリー。戦場となっているのは、ショッピング・モールのような所なのだけど、立体駐車場(だったかな?)に追い詰められる。ここで、意を決したRはジュリーを抱きしめ、「僕が君を守る」と言いながら、下の噴水をめがけて落ちて行く! イヤ、何階なのか不明だけど、落下の衝撃を受け止められるほど、噴水深くないでしょ!?ナンデヤネンΣ(*`Д´)っ)) というツッコミはなしで!! だってRが最も輝くシーンだから! イヤ、Rはジュリーに対してはずっと優しくて紳士的だったし、ゾンビやガイコツから彼女を守ってきた。でも、いかんせんゾンビだから・・・w まぁ、このシーンもゾンビであることには変わりないけど、人間メイクもしてもらったし、動きも喋りも早くなってるし!←力説w
まぁ、予想通り2人は助かるのだけど、駆けつけたグリジオ大佐に肩を撃たれてしまう。水の中に倒れ込むR。すると、血が広がって行く。Rは人間になったのだった。動揺するグリジオ大佐。泣きながら説得するジュリーに、先に反応したのは部下たち。次々と構えていた銃を下ろす。ゾンビたちはぎこちなさを残しつつも、どんどん人間らしくなって行く。街を見下ろす場所に並んで座るRとジュリー。Rはまだ自分の名前を思いだせない。Rのままでいいよと笑って終わる。なるほど・・・ まぁ、Rがゾンビのままでもいいじゃないかとも思ったけど、人間に戻るのは、この映画の中ではゾンビという存在が、いろんなことを象徴してるからなのでしょう。ゾンビになってしまったという事実はともかくとして、Rがどんどん人間化していったのは恋したからで、人間になりたいと思ったから。ゾンビ達はRに影響されて、まだ人間らしく生きたいと思った。ニートや引きこもりが海外でも問題となっているのか不明だけど、無気力に生きている人々の象徴なのかなと思ったり・・・ ゾンビたちは確かに人間を食べていたけど、お互い歩み寄ってみれば共存の道も開けるわけで、偏見をなくして、争いをなくそうってことなのかもしれない。とまぁ、深読みしなくても、恋愛コメディーとしても楽しめる。ゾンビ好きの方には、この設定がどうなのかは分からないけど・・・
キャストはまぁ良かったと思う。ジュリーのテリーサ・パーマーはカワイイけど、どこかで見たような顔立ち・・・ 演技は特別上手いとも下手とも思わなかったけど、ゾンビに恋してしまうというビックリ少女を、普通に演じていたのは良かったと思う。それが、求められていたことだと思うので・・・ Rのニコラス・ホルトは『X-MEN ファースト・ジェネレーション』に出ていたんだね? 録画したけど未見なので見てみよう♪ 正直人間に戻っても好みのタイプではなかったのだけど、トム・クルーズ似のイケメン。なのにほぼ顔色が悪く、唇も紫のゾンビメイクで、ほぼ無表情w いつも右肩が下がっていて、前屈みなのも大変だったと思う。Rがいつ自分の恋心を自覚したのか分からないまま、ジュリーのために突っ走るけど、その感じも良かったし、なによりナレーションでのオトボケぶりが良かった。ジュリーを怖がらせまいと「キモイのはダメ、キモイのはダメ」とか、ちゃんと爽やかにできたら「できたじゃない!」とかは、字幕の勝利っていう気がしなくもないけれど・・・w 親友Mのロブ・コードリーが良かった! 『俺たちフィギュアスケーター』に出てたみたいだけど覚えてない 親友というにはかなり年上だけど、Rが気になって仕方がない感じや、いち早く自分たちの変化に気づくなど、おいしい役どころでもあったのだけど、どこかかわいくて笑っちゃう感じにしていたのが良かった! この映画を見たいと思った理由の1つが、グリジオ大佐のジョン・マルコヴィッチ! 出オチという以外に特別マルコヴィッチじゃなくてもいいような役だったけどw
アイデア勝負って感じもするけれど面白かった! ゾンビメイクは薄め。なので、ゾンビ苦手な人でも見れると思う。肉や脳食べるシーン出てくる分『ワールド・ウォーZ』よりは、グロだけど全然大丈夫! まぁ、自分そんなにダメじゃないので、参考にはならないか?w ゾンビの服装としてどうなのか不明だけど、基本はゾンビになった瞬間の服装なわけで、Rの姿が赤いパーカーとジーンズというのも良かった。製作者たちが原作に惹かれたのは、ゾンビから見た世紀末の描き方だったそうで、そういう意味ではセットや画に終末観があったかも。個人的にRがジェット機内に住んでる設定は好きだった
怖くないし、そんなにキモくもないので、恋愛映画としてカップルで見に行くのもイイかも 怖くないゾンビ映画見たい方(いるのか?)オススメ! ニコラス・ホルト好きな方もオススメ!
『ウォーム・ボディーズ』Official site
久々の試写会! 会場のなかのZEROは駅から遠くて不便だけど、試写会なら贅沢は言ってられない!w すごく見たかったのでよろこんで行ってきた♪
ネタバレありです!
「ゾンビのRは空港で仲間とそれなりに楽しく暮していた。時々、空腹を満たすため、仲間と人間襲撃に出かける。ある日、人間襲撃中に一人の少女と出会い・・・」という話。これ、おもしろかった! バカ映画です。ただ、『宇宙人王さんとの遭遇』(感想はコチラ)と少し違うのは、そもそもコメディーとして作られているということ。まぁ、『宇宙人~』も、もしかしたら笑わせようとしてたのかもしれないけどw でも、結果バカになっているという部分では、正当なバカ映画はアチラの方で、コチラはバカを狙っているわけだから、MJ(みうらじゅん氏)言うところのバカ映画とは違うのかもしれない。ただ、自身は見終わった後「バカだなぁ」と思ってしまったので、やっぱりこれはバカ映画ということにする!←別いいけどw(o´ェ`o)ゞ
"I am Zombie Filled with Love"というタイトルの7ページのオンライン用短編小説がネット上で人気となり、原作者のアイザック・マリオンが更に話をふくらませ「ウォーム・ボディーズ ソンビRの物語」という作品に仕上げて小説家デビューを飾った。"ロミオとジュリエット"を引用したこの小説に魅了された1人が製作者のブルーナ・パパンドレア。ゾンビ・ロマンスと評されたこの作品はゾンビ目線で描かれているのが特徴。『50/50 フィフティ・フィフティ』(感想はコチラ)のジョナサン・レヴィン監督が脚本も担当。ゾンビ・ミーツ・ガールの作品が出来上がった。アメリカ全土が熱狂するスーパーボウル開催の週末に公開したにもかかわらず、興行収入初登場1位を獲得! 52カ国での公開が決定しているのだそう。
おもしろいのはRの一人称のナレーションで進むこと。ゾンビについて詳しくないので、そもそものゾンビ設定と、今作のゾンビ設定がどの程度違っているのかは不明だけど、今作でのゾンビは呻くことは出来るけれど、ほとんど喋ることは出来ない。顔色が悪く、猫背でノロノロとしか歩けない。冒頭、R目線のカメラがゆっくりと空港内を映し出す。最初は、彼の足元辺りから。こんなに姿勢が悪くちゃ人に好かれないというようなことをRがつぶやく。人とちゃんとコミュニケーション取らなきゃみたいなことをつぶやいたところで、そういえば自分はゾンビだったと言い出すw ゾンビだからには死んでしまったわけだけど、今では何故死んだのかも、生前は何をしていたのかも思い出せない。Rは汚れた赤いパーカーとジーンズ姿。こんな格好だから無職だったのかも?というセリフが淡々と語られる。爆笑というよりは、クスッという笑い。意外にバトル・シーンなんかもあるけど、Rの一人語りは基本このゆるゆるしたトーン。個人的にそれが好きだった。
何故、Rなのかは"R"がつく名前だったから。本当の名前は思い出せない そう、ちょっと切ないのもポイント。ただし、R自身はそんなに気にしてない様子。それもまたイイ。もう既に死んでいるので、働く必要もなく空港内をぶらぶらするだけ。『ワールド・ウォーZ』(感想はコチラ)と同じく、どうやら感染病が蔓延したようで、今では人類の方が少ないらしい。空港は完全にゾンビに占拠されたようで、多くのゾンビがダラダラ歩いている。Rには親友Mがいる。バーのカウンターで隣に座って「うー」と呻き合うだけw でも頑張って会話をする。R「お、お腹・・・(空いた)」、M「ま、街・・・(に行って人間を襲おう)」っていう会話が笑える! よく考えたら人間を襲って食べちゃうわけなんだけど、このゆるさがカワイイ 実は空港にはゾンビの他にガイコツもいる。ガイコツというのは空腹に耐えられなくなって、自らの肉を食べてしまったゾンビたち。すでに人間らしさは全くなく、ターミネーターのような状態。空腹になればゾンビたちを襲うので天敵となっている。
さて、親友Mたちと食料調達のために街へ向かったR。ノロノロとしか歩けない自分に対し「なんてのろいんだ・・・」ってつぶやくなど相変わらずおもしろいw 残された人間たちは、グリジオ大佐を中心とした自警団を組織。ゾンビの侵入を防ぐ壁を築いた。『ワールド・ウォーZ』でも、イスラエルは壁を築いていたけど、ゾンビと戦うには壁は有効なのかな? まぁ、別にゾンビ相手じゃなくても、安全な場所を確保するために壁を築くのは普通か(o´ェ`o)ゞ 兵士たちもいるようだけど、人手不足なのか、若者たちを中心としたグループを組織。ゾンビの来襲を事前に防ぐため、壁の外へ派遣する。そのメンバーの中に、グリジオ大佐の娘ジュリーもいた。いくら訓練したとはいえ、自分の娘をゾンビ退治のメンバーにしちゃうってスゴイなと思うけど、そうしてくれないとRと出会えないからねw
Rたちゾンビはジュリーたちが見廻りしているビルを襲う。襲撃シーンはなかなか迫力があったけど、例によってRのナレーションが入るので、なんだか和んでしまう。ゾンビは死んだ人間なわけだから基本死なないけど、頭を撃ち抜かれると死んでしまう。なので、ジュリーたちも頭を狙って銃を撃つ。ジュリーの勇姿に一目惚れしてしまったR。直後に彼が襲ったのは、なんと彼女の恋人! 彼の方から襲って来たからなんだけど、主人公が人を喰うという衝撃的なシーンも、Rの「いい時計だ」というセリフで笑ってしまう。どうやら、脳を食べると、その人物の思い出を共有出来るらしく、Rはその記憶からジュリーへの思いを共有する。人間 vs ゾンビの戦いは、圧倒的なゾンビの勝利。Rはとっさにジュリーを連れて来てしまう。どうやら、ゾンビにはゾンビ臭があるらしく、その臭いがないと人間だとバレてしまうため、自分の血をジュリーにつけるR。そういうシーンはおもしろかった。
Rは自分の家に彼女を連れて行く。実はRはジャンボ機内に住んでいる。これが、こだわりの住まい。どこから集めたのかは分からないけど、レコードのコレクションがスゴイ! インテリアもカワイイ。親友Mや他のゾンビがどんな暮らしぶりなのか全く描かれないので不明だけど、やっぱりRはゾンビとしては特殊なのかも? ゾンビ達が周囲を歩き回っているので、しばらく家にいなければダメだとジュリーを説得。しばし、幸せな時間を過ごす。一緒にレコードを聴いたり、オープンカーに乗ったりと、恋の始まりの予感 Rがゾンビでなければw
しばらく空港生活を満喫していたジュリーとRだけど、ゾンビにもガイコツにも見つかって追われてしまう。必死でジュリーを守ろうとするRの姿を見て、親友Mを始め数人(?)のゾンビたちの中には何かが芽生える。鼓動の音とともに、胸の辺りが光る描写はベタだけどかわいくて好き。ジュリーとRがガイコツに追い詰められたのを助けてくれたのも親友。ジュリーとRは街へと向かう。廃墟となった住宅街で一軒の家で食料を得て、ベッドで眠りにつくジュリー。ゾンビは夢を見ないはずなのに、ジュリーの夢を共有するR。確実に変化が起きている。眠りにつく前、Rはジュリーの恋人を食べたのは自分だと告白した。ジュリーが最近の彼が変わってしまっていたこと、心が離れていたことを話したからでもあるのだけれど・・・ でも、普通に考えて相手がゾンビだからとはいえ、自分の恋人を食べられたと知っては一緒にいられるものではなく、Rが気づくとジュリーの姿はなかった。まぁ、そりゃそうだよね・・・ だから、この後の展開がホントはビックリなんだけど、そもそも2人が恋する話だと分かって見てるわけだから、ツッコミ入れちゃダメだしw
Rは諦めて空港に戻ろうとすると、親友Mや他のゾンビたちに出会う。Rとジュリーの存在が自分たちに人間らしい変化をもたらしたと言う。そして、それをよく思わないガイコツたちが2人を追っていると言うのだった。ジュリーを助けたいRは、以前食べたジュリーの恋人の脳の記憶を元に、秘密の通路を通って壁の中へ行く決心をし、ゾンビたちも彼を応援する。まぁ、この辺りは王道ってことでw Rは無事に壁の中にたどり着き、ジュリーのもとへ。古い洋館のような大きな建物。Rが近くまで来ているとは知らず、豪華なベッドで親友とRのことを話すジュリー。彼はあなたの恋人を喰った敵だと言われても、ますます燃え上がるジュリー。あれ?(o゚ェ゚o) これは?!そう、前述したとおり、ロミオとジュリエットを引用しているわけだから、当然この後待っているのはバルコニー・シーン。いくら変化しているとはいえ、Rはゾンビなのだから、相変わらず姿勢が悪く動きも遅いし、喋りも遅くてハッキリせず、その上表情もほとんどなく、何より顔色が悪い! でも、ロマンチック・シーンをやるってとこが笑える。もちろん、笑わせるシーンだけど、別に感動したってOK! さすがに感動はしなかったけど、頑張れR!とは思っていたw 未読なので原作にもあるシーンなのかは不明だけど、映画としては絶対やりたかった場面だと思う。
その後のジュリーとのラブラブ・シーンや、Rがゾンビであることを隠すために、メイクするところなんかもコメディー要素。特にメイクシーンなんて"プリティー・ウーマン"かかってるしw あれ?ここだよね? ナレーションでは饒舌なRだけど、ゾンビなので実際はほとんど単語くらいしか話せない。その代わりに彼の気持ちを代弁するのが音楽。これは良かったと思う。でも、せっかくのメイクもパパにバレて、ジュリーとRは人間からもガイコツからも追われるハメに。でも、壁の外では親友を中心としたゾンビたちが立ち上がっていた! その光景を見て、さらにゾンビたちに助けられた人間たちは、彼らと協力してガイコツを倒して行く。一方、Rとジュリー。戦場となっているのは、ショッピング・モールのような所なのだけど、立体駐車場(だったかな?)に追い詰められる。ここで、意を決したRはジュリーを抱きしめ、「僕が君を守る」と言いながら、下の噴水をめがけて落ちて行く! イヤ、何階なのか不明だけど、落下の衝撃を受け止められるほど、噴水深くないでしょ!?ナンデヤネンΣ(*`Д´)っ)) というツッコミはなしで!! だってRが最も輝くシーンだから! イヤ、Rはジュリーに対してはずっと優しくて紳士的だったし、ゾンビやガイコツから彼女を守ってきた。でも、いかんせんゾンビだから・・・w まぁ、このシーンもゾンビであることには変わりないけど、人間メイクもしてもらったし、動きも喋りも早くなってるし!←力説w
まぁ、予想通り2人は助かるのだけど、駆けつけたグリジオ大佐に肩を撃たれてしまう。水の中に倒れ込むR。すると、血が広がって行く。Rは人間になったのだった。動揺するグリジオ大佐。泣きながら説得するジュリーに、先に反応したのは部下たち。次々と構えていた銃を下ろす。ゾンビたちはぎこちなさを残しつつも、どんどん人間らしくなって行く。街を見下ろす場所に並んで座るRとジュリー。Rはまだ自分の名前を思いだせない。Rのままでいいよと笑って終わる。なるほど・・・ まぁ、Rがゾンビのままでもいいじゃないかとも思ったけど、人間に戻るのは、この映画の中ではゾンビという存在が、いろんなことを象徴してるからなのでしょう。ゾンビになってしまったという事実はともかくとして、Rがどんどん人間化していったのは恋したからで、人間になりたいと思ったから。ゾンビ達はRに影響されて、まだ人間らしく生きたいと思った。ニートや引きこもりが海外でも問題となっているのか不明だけど、無気力に生きている人々の象徴なのかなと思ったり・・・ ゾンビたちは確かに人間を食べていたけど、お互い歩み寄ってみれば共存の道も開けるわけで、偏見をなくして、争いをなくそうってことなのかもしれない。とまぁ、深読みしなくても、恋愛コメディーとしても楽しめる。ゾンビ好きの方には、この設定がどうなのかは分からないけど・・・
キャストはまぁ良かったと思う。ジュリーのテリーサ・パーマーはカワイイけど、どこかで見たような顔立ち・・・ 演技は特別上手いとも下手とも思わなかったけど、ゾンビに恋してしまうというビックリ少女を、普通に演じていたのは良かったと思う。それが、求められていたことだと思うので・・・ Rのニコラス・ホルトは『X-MEN ファースト・ジェネレーション』に出ていたんだね? 録画したけど未見なので見てみよう♪ 正直人間に戻っても好みのタイプではなかったのだけど、トム・クルーズ似のイケメン。なのにほぼ顔色が悪く、唇も紫のゾンビメイクで、ほぼ無表情w いつも右肩が下がっていて、前屈みなのも大変だったと思う。Rがいつ自分の恋心を自覚したのか分からないまま、ジュリーのために突っ走るけど、その感じも良かったし、なによりナレーションでのオトボケぶりが良かった。ジュリーを怖がらせまいと「キモイのはダメ、キモイのはダメ」とか、ちゃんと爽やかにできたら「できたじゃない!」とかは、字幕の勝利っていう気がしなくもないけれど・・・w 親友Mのロブ・コードリーが良かった! 『俺たちフィギュアスケーター』に出てたみたいだけど覚えてない 親友というにはかなり年上だけど、Rが気になって仕方がない感じや、いち早く自分たちの変化に気づくなど、おいしい役どころでもあったのだけど、どこかかわいくて笑っちゃう感じにしていたのが良かった! この映画を見たいと思った理由の1つが、グリジオ大佐のジョン・マルコヴィッチ! 出オチという以外に特別マルコヴィッチじゃなくてもいいような役だったけどw
アイデア勝負って感じもするけれど面白かった! ゾンビメイクは薄め。なので、ゾンビ苦手な人でも見れると思う。肉や脳食べるシーン出てくる分『ワールド・ウォーZ』よりは、グロだけど全然大丈夫! まぁ、自分そんなにダメじゃないので、参考にはならないか?w ゾンビの服装としてどうなのか不明だけど、基本はゾンビになった瞬間の服装なわけで、Rの姿が赤いパーカーとジーンズというのも良かった。製作者たちが原作に惹かれたのは、ゾンビから見た世紀末の描き方だったそうで、そういう意味ではセットや画に終末観があったかも。個人的にRがジェット機内に住んでる設定は好きだった
怖くないし、そんなにキモくもないので、恋愛映画としてカップルで見に行くのもイイかも 怖くないゾンビ映画見たい方(いるのか?)オススメ! ニコラス・ホルト好きな方もオススメ!
『ウォーム・ボディーズ』Official site