「ルーブル美術館展」@国立新美術館
見た!意外にちゃんと見れた (@ 国立新美術館 (The National Art Center, Tokyo) in 港区, 東京都) https://www.swarmapp.com/c/kAcDfhtX2bw
前売買ってたのに、例によってぐずぐずしていて、意外に残り一週間程度になってしまった 定時上がりして行きたかったのだけど、ちょっと1時間ほど残業になり、鑑賞時間が1時間半しかない状態に
ちゃんと見れるか心配だったけど、国立新美術館は2つある展示室とも、そんなに広くないし、展示点数も約80点と少な目だったため、結構混んでいたにも関わらず、結構ちゃんと見れた。
お目当てのフェルメールは、2012年に見た東京都美術館での「真珠の耳飾の少女」(「マウリッツハイス美術館展」|・*・etoile・*・)と同じく、間近で見たい人は前に列を作り立ち止まらずに見る、じっくり見たい人は列の向こう側から見るという形式。時間の関係で1番最初にこれを見ようと思っていたので、最初に列に並び間近で見て、一通り見てから再度じっくり見る側で見て、最後列に並んで間近で見る形で結果3回鑑賞できた。
好きだったのは、フェルメール、ティツィアーノ、コローと、ブーシェと… 特別好きな題材でなくても、必ず目を引くレンブラントw
紀元前の彩色墓石から、19世紀の作品まで絵画を中心とした展示。83点を時代に関係なく6つのテーマに分けて見せる。正直、フェルメール以外のフランドル派の絵画は、そんなに好きではないので、フェルメール作品が来ていなかったらスルーしていたかも 最初は、分かりやすく印象派の絵画から入ったけれど、後に浮世絵などの日本美術の影響を知り、日本画に興味を持ってからは、もっぱらそちらの方が好き。まぁでも、大好きな伊藤若冲も西洋画を見たりもしていたようだけれど(笑)
とはいえ、日本画もそうだと思うけれど、西洋画では特に描かれているモチーフが、あることを示唆していたりしていて、それを知るのは面白かったりする。例えば、今回とっても好きだったジャン・バティスト・グルーズの「割れた水瓶」などは、無垢の象徴である白い服が乱れていたり、水瓶が割れている描写から、まだあどけない表情の少女が失ったもの(=純血)を表しているのだそう。
「割れた水瓶」:ジャン・バティスト・グルーズ
さて、興味深く楽しんで見て来たのだけど、特別心を鷲づかみにされた作品もなかったので、中でも好きだった作品を数点あげて感想としようかと思う。順番的には好き ➡ 大好きという流れ。あ、例外としてレンブラントも置いておこう!
《聖家族》、または《指物師の家族》:レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン
レンブラントの作品って、基本肖像画でも全く美化しない描き方をすることもあり、あまり好みではないのだけど、どんなに小さな作品でも、そのコーナーに入った瞬間目が行ってしまう。多分、光の使い方なのだと思うけれど、文字通り光り輝いている。やっぱりスゴイ画家だなと思う。
ここから、好きだった作品! (好き ➡ 大好き)
鏡の前の女:ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
この女性の白い肌が印象的だった。解説文によると、16世紀イタリアでは芸術分野の優劣を競うことが流行したそうで、鏡をモチーフとしたのは360度全体を見ることが出来る彫刻に対抗したのではないかと言われているとのこと。また、単身の女性を描くことも流行ったとのことだけど、これは単身ではないね? 鏡は生命の儚さを象徴するそうなので、彼女の美の移ろいやすさも表現しているのかな?
オダリスク:フランソワ・ブーシェ
ロココ調の代表ブーシェ。肉感的過ぎる作品はあまり好みではないのだけど、これはやっぱり有名作品だし見れてうれしかった。かわいらしい女性は13歳年下の妻がモデルでは?と言われているそうで、東洋風の髪型やオダリスクというタイトルからも、イスラムの後宮の美女を表現しているのでは?とのこと。

天文学者:ヨハネス・フェルメール
この作品を見に行ったし、合計3回も見たにも関わらず、本日の1枚ではなかったのは、やっぱり題材が堅過ぎるからかなぁ フェルメールと言えばの、窓に向かった人物、差し込む光、背景に絵画など、好きな要素満載なのだけど、やっぱり美少女もしくは美女の方が見ていて楽しいからかな(笑) 説明文によると、ここに描かれている天球儀は1600年にヨドクス・ホンディウスによって作られたもので、机の上の本は1621年に刊行されたアドリアーン・メティウスの「星の研究と観察」なのだそう。17世紀オランダでは天文学者と地理学者は近しい存在と考えられていたそうで(←ここちょっと曖昧
)、同時期に描かれた「地理学者」も同じ発注者によるものではないか?とのことだった。
地理学者:ヨハネス・フェルメール
(今回の展示作品ではありません)
あまりグッと来なかったとはいえ、机から垂れる布のドレープの感じや、窓からの光、動き出しそうな写実感、覗き見ているかのような構図が素晴らしい。やっぱり好きだなフェルメール
【今日の一枚】
水汲み場のブルターニュの女たち:ジャン=バティスト・カミーユ・コロー
これ38.5×55cmとあまり大きな作品ではないし、色合いも全体的に茶色っぽく淡いし、目立つ作品ではないのだけど、とっても素朴で好きだった。なんとなくアンドリュー・ワイエスを思わせるような、19世紀の画家の作品とは思えない新しさを感じる。コローは印象派の画家たちに影響を与えた人物だけど、印象派の作品よりも"古くない"感じが好きだった。
ということで、感想としてはこんな感じかな・・・ 描かれた2人の男女が不細工過ぎて逆に好きで、何度も見に行ってしまった、ユーディト・レイステルの「陽気な集い」や、猿の擬人化が興味深かった、ジャン・シメオン・シャルダンの「猿の画家」など、気になる作品もあったのだけど、まぁいいかな(笑)
そういえば、こんな素敵な感じになってた
国立新美術館のエントランスの柱が、こんな感じになってて素敵だった 帰りは暗くてよく見えなかったので、見る前に撮っておいてよかった!
ルーブル美術館展:2015年2月21日~6月1日 @国立新美術館