【art】「鈴木其一|江戸琳派の旗手」
見ます!けっこう並んでる💦💦 (@ サントリー美術館 - @sun_sma in 港区, 東京都) https://t.co/R2J7AfqGEe pic.twitter.com/sSKnOoMSVO
— maru ◖ฺ|´⌣`*|◗·˳♪˚♫ (@maru_a_gogo) 2016年10月9日
江戸琳派の旗手鈴木其一(Wikipedia)を取り上げた企画展。とっても楽しみにしていた! 琳派(
Wikipedia)というのは、ザックリ説明すると俵屋宗達➡尾形光琳➡酒井抱一➡鈴木其一と続く流れのこと。俵屋宗達と尾形光琳の間には約80年、尾形光琳と酒井抱一との間には約100年の隔たりがあり、当然ながら直接の師弟関係はなく、私淑(
私淑(シシュク)とは-コトバンク)とい形で繋がって来た。鈴木其一の登場で、やっと直接の師弟関係での繋がりとなっている。琳派というと酒井抱一までを言うことが多いけれど、近年鈴木其一が脚光を浴びており、酒井抱一からの流れを江戸琳派と呼んでいるらしい。琳派の定義もいろいろなので、以前見た「京都・細見美術館 琳派のきらめき -宗達・光琳・抱一・雪佳-」(感想は
コチラ)などでは神坂雪佳(
Wikipedia)まで含めていたりもする。多分、現在も琳派の流れをくむ絵師の方がいるのではないのかな?
と、いきなり琳派の説明を長々としてしまったけれど、琳派の中では実は一番好きな鈴木其一の企画展ということで、よろこんで行ってきたということが言いたいわけです!
#鈴木其一 良かった!圧巻は朝顔図屏風だけど、風神雷神も良かった!風神雷神は一度見てるけど、思ってたより大きかった。師匠の酒井抱一は繊細だけど、其一はもっと大胆で力強い。でも、小さな3幅の掛軸がかわいらしくて好きだった。全体的に状態が良く色鮮やか。見応えがあった! pic.twitter.com/K66tqLoOP5
— maru ◖ฺ|´⌣`*|◗·˳♪˚♫ (@maru_a_gogo) 2016年10月9日
鈴木其一と師匠である酒井抱一、息子の鈴木守一など周辺の絵師たちの作品約200点を、前期後期と展示替えをしつつ公開する企画展。これ展示する上でのカテゴリー分けと、作品のナンバリングがグチャグチャで、リストを見ながら鑑賞するのにちょっと戸惑った。リストは展示順になっているので、探さなきゃならないわけではないので、そこまで混乱はしないけど探しにくかった それ以外は見やすい展示だったと思う。
全てを紹介するわけにはいかないので、気になった数点に絞って感想を書く。tweetにもあるとおり、全体的に状態がとても良くて、どれも今描かれたばかりのような美しさ。色鮮やかで迫力がある。この感じが其一の持ち味なのかなと思った。
ということで、感想を展示順にドゥゾ♪(っ'ω')っ))
「夏秋渓流図屏風」鈴木其一
これはかなり大胆な構図。左隻が秋で右隻が夏。かなり大きい。そして色が鮮やか。まずはこの水の青が目を引く。パトロンである松澤孫八にあてた書状で、高価な顔料である岩群青を大量に要求しているらしいけれど、この水に使われたのかな? 現代の画家が描いたかのような斬新さ。これは好き嫌いが分かれる作品かも? 同行の母親はあまり好きではないようだけれど、自分はこれ好き。この力強さは素晴らしい。
この日夜に放送された日曜美術館は、鈴木其一の回の再放送。気になった部分をtweetしておいたので、下の方に貼っておくけど、どうやらこの屏風などは水を描く名手円山応挙の「保津川図屏風」などを参考にしたのではないか?ということだった。参考にしたまでは言ってないか・・・ ただ、応挙の作品に対し、今作は手前に水が流れ落ちているのが特徴とのことだった。なるほど、それがより流れを生み、迫力を増しているように思われる。水の音まで聞こえてきそう。
「風神雷神襖図」鈴木其一
2008年に開催された「大琳派展 ~継承と変奏~」(感想はコチラ)で既に見ているけど、改めて見るとやっぱりいい。以前見た時より大きさを感じたのは会場が東京国立博物館平成館より狭いからかな? まぁ記事読み返すと大きいって書いてるけど(笑) 2008年の展示は俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、そして鈴木其一と琳派4人の「風神雷神図」の一挙展示だった。それぞれの個性が感じられて素晴らしい企画だった。この時の感想にも書いているけど、其一の風神雷神は幽玄な感じ。雲の形が不思議。どこか長谷川等伯の「松林図」を思わせる。色の淡さもいい。
この構図自体は俵屋宗達が描いた「風神雷神図屏風」のままなわけだけど、この雲の描き方が実は「朝顔図屏風」と関係があるらしい。
「朝顔図屏風」鈴木其一
今回の目玉である「朝顔図屏風」大迫力。見たことあると思っていたんだけど、メトロポリタン美術館蔵の本作、どうやら前回日本で公開されたのは12年前とのこと。旧ブログもartカテゴリーの最古記事は2004年11月4日で、記録がないから実際見たかどうか分からない 実物見てみた感じでは初見だったかも?
とにかく大迫力! 思った以上に大きい。朝顔の花が直径10cmくらいある感じ。六曲一双の屏風からはみ出さんばかり。大きくうねりを持って描かれた朝顔は、まるで意志を持っているかのよう。朝顔って青でもやや紫色っぽく描かれることが多いと思うけど、これは青。おそらく師匠である酒井抱一も描いた、尾形光琳の「燕子花図屏風」を意識したのではないかとのこと。
そして、上にもチラリと書いたけれど、このうねり具合が「風神雷神襖図」の雲の形状とリンクしているのではないか?とのことだった。実は母親もそんなことを言ってて、そうかもねなんて話しながら見ていた。ちょっと自慢(笑) とにかく圧巻!
大作3品を紹介してきたけど、実は"本日の一枚"は「雛掛物」という三幅対の小品。これ本当に小さくて、ガラスケースに収められたそれは、よくよくのぞき込まないと見えない。真ん中に蓬莱山、左に鯉、右に白椿を描いた小さな3幅の軸。とにかく繊細でカワイイ。とっても紹介したいのだけど、画像が見つからなくて残念
#鈴木其一 光琳作品の鑑定とかしてたのビックリした!!
— maru ◖ฺ|´⌣`*|◗·˳♪˚♫ (@maru_a_gogo) 2016年10月9日
上の方でもチラリと触れたけれど、其一には松澤孫八というパトロンがいたのだそう。そのパトロンが尾形光琳の「王義之図」という作品を買おうとしていたらしいのだけど、それが本物なのか其一に鑑定を依頼したらしく、「鈴木其一書状(光琳画鑑定)」で本物なので購入してOKと記載しているらしい。鑑定とかしてたの興味深い。
別の書状では自身の作品を収めるにあたり、もし汚れてしまった場合は、筆のようなものでサッと拭けばきれいになる的なことが書かれてたのがおもしろかった。なんだか親近感がわいて、本当に生きていたんだと思ったりする。作品見てるのに変な話だけど(o´ェ`o)ゞ
いわゆる琳派の4番手とされながら、イマヒトツ注目度の薄かった鈴木其一。満を持しての企画展は見応えがあった。個人蔵の作品も多くてビックリ。琳派としてではなくて、鈴木其一のみでこの規模での展覧会はなかなかないと思うので、この機会に是非見ることをオススメしたい
鈴木其一|江戸琳派の旗手:2016年9月10日~10月30日 @サントリー美術館
以下、日曜美術館からのメモをドゥゾ♪(っ'ω')っ))
酒井抱一への複雑な思い:弟子であり、家臣(公務員)でもある其一には絶対的な存在。時には代筆もし、死後も酒井家からサラリーを貰う→枠からはみ出させない!
— maru ◖ฺ|´⌣`*|◗·˳♪˚♫ (@maru_a_gogo) 2016年10月9日
脱琳派?密かに超えたい。密かなたくらみ。密かなもがき。制約がないと芸術は生まれない! #鈴木其一 #日曜美術館
松澤家:其一のパトロン(高価な岩群青を要求する手紙あり)"江戸十人衆"と呼ばれる日本橋の大商人。大正7年に「夏秋渓流図屏風」を売却(目録あり)
— maru ◖ฺ|´⌣`*|◗·˳♪˚♫ (@maru_a_gogo) 2016年10月9日
水流:円山応挙「保津川図屏風」など知っていたのでは?→個性を見出したい#鈴木其一 #日曜美術館
ビビッド、クール、シャープ、ミステリアス→今の感覚に響く
— maru ◖ฺ|´⌣`*|◗·˳♪˚♫ (@maru_a_gogo) 2016年10月9日
密かにもがく! #鈴木其一 #日曜美術館
うん! 分かる!! 俵屋宗達や尾形光琳に対してどう思っていたのか分からないけど、酒井抱一に対しては尊敬する師匠を貶めずに、いかに超えるかということを考えてたんじゃないかな? そして見出したのが上の4つ。ビビッドで、クールで、シャープで、ミステリアス。密かにもがく、静かに燃える。静かに燃えてる人好き すごく納得!
日曜美術館:毎週日曜 9:00~ (再放送)毎週日曜 20:00~ @Eテレ