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【cinema】『ゲット・アウト』

2017-11-12 01:30:25 | cinema

2017.11.1 『ゲット・アウト』鑑賞@TOHOシネマズ日本橋

 

予告編見た時から見たいと思って、試写会応募したけどハズレ💦 ファーストデイとレディースデイが重なったこの日、見に行ってきた~

 

 

ネタバレありです! 結末にも触れています!

 

「黒人カメラマンのクリスは、白人の恋人ローズの家に招かれていた。自分が黒人であることをローズの両親がどう思うのか不安を抱きつつ、彼女の家に向かう。温かく迎えてくれた両親だったが、違和感がぬぐえない。ローズの弟もやたらと絡んでくる。夜中、眠れずに煙草を吸おうと外に出たクリスは、ローズの母親から催眠術をかけられて・・・」と、あらすじとしてはこんな感じかな。これはおもしろかった! 恐怖の実態自体は、そんなに目新しいものではないのだけど、ポップな音楽を使ったり、人種問題を絡めたりと見ていて飽きない。見ていて怖いというよりも、不穏な雰囲気にザワつく感じ。でも、どこかコミカルでもある。

 

毎度のWikipediaから引用しておくと、長らくコメディアンとして活躍してきたジョーダン・ピールにとって、本作は監督デビュー作であると共に初めて製作に携わったホラー作品であった。長らく「ホラー映画に取り組んでみたい」と公言してきたピールではあったが、監督デビュー作がコメディ作品ではなかったことは少なからぬ驚きを与えた。とのことで、初監督作品なのね。

 

2015年11月にダニエル・カルーヤとアリソン・ウィリアムズの起用が決まり、残りのキャストは2015年12月から2016年2月の間に決まっていった。2016年2月16日、本作の主要撮影がアラバマ州フェアホープで始まった。同州のモービルにあるアッシュランド・プレイス歴史地区やバートン・アカデミーでも撮影が行われた。今作、実は別のエンディングが用意されていたそうで、黒人に対するレイシズムを皮肉っていたそうだけれど、警察が黒人を不当な理由で射殺するという事件がアメリカ国内で相次いだ。そこで、ピールは敢えて本作をハッピーエンドにするという決断を下したとのこと。2017年4月4日、本作の公式TwitterはDVDに当初予定のエンディングを収録して発売すると発表したのだそう。

 

2017年2月24日、本作は全米2781館で公開され、初週末に3337万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場1位となった。評価としては、本作は批評家から極めて高い評価を受けている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには287件のレビューがあり、批評家支持率は99%、平均点は10点満点で8.3点となっている。また、Metacriticには48件のレビューがあり、加重平均値は84/100となっている。なお、本作のシネマスコアはA-となっている。このほか、フランス映画情報サイトAlloCinéにおいて、カイエ・デュ・シネマが満点である5つ星を与えるなど、26メディアの平均スコア4.0の評価を与えているとのこと。

 

2017年5月のMTVムービーアワードでリル・レル・ハウリーがコメディ演技賞、主演のダニエル・カルーヤが次世代のスター賞を受賞している。

 

冒頭からビックリ展開。黒人男性が人気のない住宅街をスマホで話しながら歩いている。その後を車がつけてきているのに気づく男性。これはマズイ何とかやり過ごさないとと言いながら向きを変える。しばらくして振り向くと停車した車のドアが開いている! ウソだろ?とつぶやいた瞬間、後ろから羽交い絞めにされる。そして、車の方に引きずられて行く。それらをとってもポップな音楽に乗せて見せる。この場面から引き込まれた。

 

シーン変わって。マンションの一室。スタイリッシュな部屋で愛犬にエサをやる黒人男性。そこに訪ねて来るのは白人女性。明らかに恋人どうしでラブラブ。男性はクリス(ダニエル・カルーヤ)で女性がローズ(アリソン・ウィリアムズ)。どうやら2人はローズの実家に行く予定らしい。クリスは自分が黒人であることを、ローズが両親に話していないことを気にしている。両親は黒人に対して偏見はないので大丈夫だというローズ。でもクリスは少し不安そう。

 

クリスが不在の間、空港警察に勤める親友のロッド(リル・レル・ハウリー)が愛犬の面倒をみてくれることになっている。この後、度々登場するこの親友はキーパーソンであり、コメディ要素担当。

 

2人が住んでいるのがどこで、ローズの実家がどこなのかイマヒトツ分からなかったのだけど、2人はローズの運転する車で出かける。車通りのない1本道を走っていると、飛び出してきた鹿をはねてしまう。イメージ映像はあるものの、傷ついた鹿の姿は映らない。でも、苦しげな鳴き声が聞こえて心がザワつく。パニックになる2人。クリスの中に別のイメージが広がる。これは後の伏線。

 

警察を呼んだようで、白人警官がその後の対処法などを説明している。するとクリスに身分証明書の提示を求める警官。運転していたのは自分だと反発するローズ。クリスは衝突を避けるため、従おうとするけれど、ローズは警官の態度に対して憤る。結局、警官が引き下がる。これは間違いなく意図的に入れられたシーン。人種差別問題は徐々に改善されつつあるとはいえ、こういうことは日常茶飯事なのでしょう。

 

ちょっと幸先の悪い訪問になってしまったけれど、ローズの両親はクリスを歓迎してくれる。途中で鹿をはねてしまった話をすると、この辺りには鹿が多すぎるし、自分は鹿が嫌いだと言う父親ディーン(ブラッドリー・ウィットフォード)の反応は、やや過剰な気がするけれど、娘の彼氏との初対面とあれば、多少の不自然さもあるかと思ったりもする。催眠術でクリスの禁煙の手助けをすると語る母親ミシー(キャサリン・キーナー)も、どこまで本気でどこまで冗談なのか謎ではあるけど、気を使ってのことなのかと思えなくもない。ただし、最低限の事前情報として、クリスがこの家で何かしらの恐怖体験をすることは分かっているので、ややわざとらしい歓迎ぶりも嘘なのだろうなと思って見ている。ここはなかなか気持ちが悪くていい。

 

クリスがもう1つ不審に思ったのは、ローズの実家には黒人のメイド ジョージーナ(ベティ・ガブリエル)がいること。そして黒人の管理人ウォルター(マーカス・ヘンダーソン)もいる。ローズの父親は脳神経外科医で、母親も心理療法家なので裕福な家庭なのでしょう。郊外の森の中のような場所にある家は豪邸というほどではないけれど、かなり大きい。周囲には他に家もない。別に家政婦的な人を雇っていても不思議ではないけれど、住み込みのメイドとなると少し違和感がある。しかも黒人女性となると、人種差別的なにおいがしなくもない。数十年前まで黒人女性の仕事といえばメイドだったわけだからね。しかも、この2人の様子もどこか変。笑顔を浮かべていはいるけれど、本当には笑っていないような。そして、何故かクリスを監視しているような。このメイド役のベティ・ガブリエルの顔と表情がとってもイイ! 何をしているわけでもないのにゾワゾワする。

 

その夜、ローズの弟ジェレミー(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)も加わっての食事。弟何故かクリスに絡んでくる。やたらとクリスの体を気にして、後ろから羽交い絞めにしたりする。見ていていい気分はしない弟の態度はなんなのか?

 

その夜、なんとなく寝付けないクリスは煙草を吸おうと家の外に出ようとする。すると、窓に映る自分の姿をじっと見つめるジョージーナを見かけてゾッとする。確か、後のシーンでも自室で鏡をじっと見つめるジョージーナの姿を見かける。これは後の伏線。相手が人間であることは分かっているので、怖いわけではないのだけど、とっても不思議で気持ち悪い。

 

庭に出ると向こうから管理人ウォルターが全力疾走して来て、クリスの脇を通り抜けて去って行く。一体何?! とにかく、ジョージーナの件といい、動作自体には怖いことはないのだけど、何故それを今しているのか?と考えると不気味。そういうのが上手い。

 

家に入ると、心理療法に使用している部屋に母親がいた。何気なく話をしているうちにクリスは催眠状態に入っていく。紅茶の入ったカップアンドソーサーを手に持ち、スプーンでクルクルクルクル混ぜた後、ふちをチンと鳴らす。これが催眠状態に誘う効果があるようで、クリスは宇宙空間のような所に落ちて行くイメージ。そして、上の方には窓のような四角く切り抜かれた部分があり、その向こうは母親のいる部屋。不思議な映像だけど、これは催眠状態に入っていく感じを分かりやすく見せていた。実際、こんな感じなのかは不明だけど。そして、クリスは自身の母親が死んだ夜のことを思い出す。クリスの母親はひき逃げに遭っていたのだった。即死ではなかったらしく、クリスは母親がひき逃げにあったという事実を知っても、テレビの前から動くことができなかった。クリスはソファに座ったまま涙を流す。チラシなどで見かける映像はここ。

 

気が付くとクリスはローズのベッドで寝ていた。昨夜のことは夢だったのか? でも、煙草を見ると気持ちが悪くなっているので、実際に母親から催眠術をかけられたのだと思われる。ロッドとは頻繁に電話で会話をしている。真面目なクリスに対して、ふざけたことばかり言うロッド。でも、ローズ一家が黒人を誘惑して姓奴隷にするつもりだ!という冗談は、当たらずとも遠からず。非常に鋭い! スマホの充電コードが抜かれている。誰が抜いたのか? ジョージーナではないか? じわじわと怖くなって来る。

 

翌日は親戚一同が集まるパーティー。しかし、集まってきたのは比較的年齢層の高い白人ばかり。ローズからも退屈だとは聞いていたけれど、それ以前に居心地の悪さを感じるクリス。というのも、人々はやたらとクリスに興味を示す。最近は黒人が流行だとか、おかしな発言も気がかり。画商だという盲目の初老の男性ジム(スティーヴン・ルート)は、クリスの写真が好きだと話しかけてくる。どうやって写真が分かるのかとの問いに、人に説明してもらっているとの答え。それはそうかと思うけれど、何となく違和感。

 

そんな中、地味なジャケットに、カンカン帽という、まだ若いわりに古臭いいでたちの黒人男性アンドリュー(キース・スタンフィールド)を発見! 黒人仲間で交わすような軽いノリで話しかけるも、相手の反応はイマヒトツでどこかかみ合わない。しかも、アンドリューの妻は30は年上だろうという初老の女性。居心地の悪さを感じ、2階のローズの部屋に向かう。すると、階下で談笑していた人々の動きがピタリと止まり、クリスの様子をうかがう。何コレ怖い💦

 

2階ではまたスマホの充電が抜かれている。ジョージーナを問いただすと、掃除をした際に抜けてしまったのだと言う。そんなわけないだろうと思うけれど、もちろんわざと抜いているわけだから、この言い訳はOK。ジョージーナにパーティーでの違和感を話すと、何故か笑顔で「No No No・・・」と言いながら涙を流す。なんなの?! 怖い。この表情はホントに素晴らしい!

 

階下に戻ると玄関ポーチに何やら人が集まっていた。何気なくスマホでアンドリューの撮影をする。うっかりフラッシュ撮影してしまう。すると、アンドリューは鼻血をたらし、突然「Get out!」と叫びクリスに襲いかかる。皆がアンドリューを取り押さえ、母親に催眠術を施されて落ち着きを取り戻す。クリスに詫びを入れるアンドリュー。これは一体?! アンドリューについては何もかもが不思議。というか、ここにいる黒人たちは皆どこか不思議で不気味。

 

こんなことが続いてうんざりしたクリスは、ローズと共にパーティーを抜け出す。その間に屋外のパーティー会場では、不思議なビンゴ大会が開かれている。進行役はローズの父親で、彼の隣にはクリスが映ったパネルが置かれている。どうやら、前述の盲目の男性が勝った模様。これは一体? 不穏な感じなのにどこかコミカル。この感じは好き。

 

その夜、ローズの部屋でクリスは意外な物を見つける。納戸の中に置かれた箱には、ローズが黒人たちと映った写真。中にはジョージーナの写真も! これは一体?! この時点でローズが何らかの役割を果たしているのだろうということが分かる。まぁ、多分ローズはクリス側の人間ではないんだろうなと思っていたので、やっぱりねという感じではあるけれど。

 

一方、クリスから不思議な黒人アンドリューについて聞かされたロッドは、送られてきた写真を見て驚く。失踪したミュージシャンだったのだ。何かの事件の臭いを感じて警察に行くも、全く相手にされない。対応した女性は、部下を呼んだので、何か事件の真相をつかんでいるのかと思ったら、皆で大爆笑しただけ。ガッカリ。この辺りもコミカル要素。ただ、とにかくロッドがアンドリューの失踪を事件だと感じている事、クリスの身に危険が迫っていると思っているらしいことが重要。

 

さて、何か不穏なものを感じたクリスは、ローズに家に帰るから車を出せと言う。うーん。ローズと黒人たちの写真を見ただけでは、ローズが何かしらの陰謀に関わっているとは思わないこともあるかもしれないけれど、これはちょっと勘が鈍すぎるな~💦 自分だったら気づかれないようにそっと抜け出すけど。とはいえ、車がないとどうにもならない場所なのかもしれないけれど、それにしたってローズはダメでしょう。案の定、カギが見つからないと騒ぐ。これ多分、ローズも被害者で家族が何かしているという演出だと思うけれど、見ている側としてはジョージーナとの写真があった時点で、ローズもグルだと思ってるので、あまり上手いとは思わなかったかも。

 

家族がクリスを帰すまいと勢いづく中、しつこくローズに鍵を渡せというクリス。すると、ローズの表情が変わり、鍵を手に「渡さないわよ」と言う。ほら~ だから言ったじゃないか! クリスは当然抵抗するけど、確かミシーが紅茶グルグルしてチンってして意識失っちゃったんだよね? ちょっと記憶が曖昧になってしまったけど、要するにクリスは捕えられてしまう。

 

クリスが目を覚ますとソファに縛り付けられていた。開かないと言われていた地下室らしき場所。結構広い。ビリヤード台とか置いてあったような? 鹿の首の剥製が飾られた壁、その下には古いテレビ。するとテレビが自動的に着いて状況説明を始める。まだローズが幼い頃、祖父母、両親、ローズと弟が映っている。自分たちは家族を実験台として、ある手術を行ったとのこと。あの盲目の男性の映像が流れたんだっけ? 地下室に来たんだっけ? 忘れてしまったけど、彼によるとクリスは選ばれてここに連れてこられたということらしい。まぁそうなんでしょうね。どうやら、ローズが連れて来た黒人たちに、ビンゴで勝った人の脳を移植しているらしい。脳は一部を移植するのか、クリスの意識は残るという説明だったような? わ~ なるほど、そっち方面なのね?

 

当然クリスは逃げようとするけど、ガッチリ拘束されていて動けない上に、テレビから映像が自動再生され、そのたび紅茶をグルグルチンされて眠ってしまう。何度かそんなことを繰り返した後、クリスはソファのアーム部分がほつれているのに気が付く。おっ、なんかあるな? これらのシーンもクリスがこれからされてしまうことを考えると恐ろしいのだけど、レトロなテレビから流れる映像がまたレトロな雰囲気で、なんとなくコミカル。別にコミカルなシーンではないし、笑えるわけではないのだけど。こわ~💦とはならない感じ。それは狙いなのかな? 狙いじゃないとするとこわ~💦とならないとダメなのか? 多分狙いだと思うんだけどな。

 

一方、クリスの脳に移植されることが決定した盲目の男性は、脳の摘出手術に臨んでいた。家の中に手術室があるようで、弟が助手をするらしい。確か医大に通っている的なことを話していたので、将来は彼が後を継ぐということなのでしょう。髪の毛を全て剃られた頭部にメスを入れて行く。そしてドリル的なもので頭蓋骨を開け、中から脳を取り出す。一連の作業はちょっとずつ映るけれど、そんなにグロくないので女性でも全然見れると思う。脳をボトッと下に置いてある容器に入れちゃってたけど、これはどういう感じで移植するんだろう? 移植された側の意識?感覚?は残るんだよね? なので、アンドリューはフラッシュで元の人格が覚醒し、クリスに帰れと注意してくれたってことだよね? そして、母親の催眠術で人格が眠らされた? そういう手術や、術後の感じが医学的に可能なのか不明だけど、これはなかなか面白いなと思った。

 

黒人が選ばれている理由は、肉体的に優れているという説明だったと思う。そして、そういう男性を探してはローズが恋人になり、この家に連れてくるという計画。しかしローズの負担が大き過ぎない? 好きでもない相手と恋人になるだけじゃなくて、もちろん性的関係も持つってことよね? 既にローズはネットで次のターゲットを探しているようだけれど、洗脳されているとその辺りのことは全然OKになっちゃうのかしらね?

 

さて、クリスの元には車いすを押した弟が向かっている。映像による催眠術で眠っているクリス。起きてー!と思うけれど、気付かない。弟が入って来て拘束を外した瞬間、クリスが反撃に出る! おお! どうやらソファのほつれから綿を取り出して耳に詰めていたらしい。手を拘束されていたのにどうやって?と思うけど、まぁ必死に耳を近づけたのでしょうということで。ほつれの反対側はどうやって?というツッコミはなしで! クリスの反撃は激しく、殺しちゃうぐらいの勢い。弟を倒した後、部屋から出て廊下を急ぐも、手術室の父親が気付く。当然ながら、父親のことも倒す。点滴の棒?でガンガンに頭を殴っていたので、父親はここで死亡。催眠術母のことをどうしたのか忘れてしまったのだけど、おそらく殺したんだよね? ローズから鍵を奪って玄関を出ようとしたところで、血だらけの弟に襲われる。しぶといな。でも、もちろん倒して弟も死亡。

 

外に出て車に乗り込み走り出す。するとジョージーナが飛び出してきてはねてしまう。放って置けと思いながらも、見殺しにすることが出来ないクリス。既に人を殺しているのに今更と思うけど、ジョージーナ本人は被害者だからね。すると、家の中から猟銃を持ったローズが出てくる。おばあちゃん!と叫ぶ。なんと!ジョージーナの中の人はローズの祖母なのね。クリスの乗る車に向かってバンバン銃を撃つローズ。するとジョージーナの中の祖母が目を覚まし、クリスを襲う。そして、木だったかな?に激突してしまう。これでジョージーナは死んでしまうんだっけ?ちょっと失念。でも、とにかくジョージーナは死ぬ。

 

ぶつかってしまったので車から降りるしかない。すると、そこに管理人のウォルターがやって来る。ウォルターと格闘するクリス。そこにローズもやって来てウォルターに向かって、おじいちゃん!と。なるほど、こっちは祖父なのね? さんざんもみ合う2人。クリスはウォルターにフラッシュを向ける。すると一瞬元のウォルターに戻り、ローズを撃つ。おお! そして、ウォルターは自ら頭を撃ち抜き死んでしまう。この自殺してしまった人格はウォルターなのかな?祖父なのかな?自分はウォルターだと思う。こんな人生嫌でしょ。自分とともに祖父の悪行も止めなきゃね。

 

その後、クリスもローズのこと撃ったっけ?ちょっと失念してしまったけれど、そんな描写があったような? そして、この修羅場に警察が到着。そうそう、ジョージーナを乗せて走り出した後、警察に電話してたんだけど、話の途中でジョージーナに邪魔されたんだった。警察来てくれたのはうれしいけどもはや遅い。それにこの状況ではクリスが圧倒的に不利。ヘッドライトに照らされたクリスも観念して両手を上げる。すると、車体には"空港警察"の文字。あれ? 中から出てきたのはロッド。たしか、ロッドがいろいろ検索して自分なりに調査をしていたシーンがあった! でかしたロッド!! そして、2人はまだ息のあるローズを残して去って行く。映画もここで終わり。ローズがこの後、復活して復讐に来るという続編も可能なラストだけど、これはここで終わりにした方がいいかも。

 

前述したとおりこのラストは変更されている。元のラストではクリスが逮捕されることになっていたのだそう。それは、黒人に対するレイシズムを表していたそうだけれど、上記の理由でハッピーエンドに変更されている。まぁ、ローズがその後どうなるかによるけれど、証拠は残っているので、一家の悪事は暴かれると思う。クリスについては人殺し過ぎだけど正当防衛が適用されるのかしらね? 元のエンディングの方が嫌な終わり方でいい気もするけど、全体的にコミカル要素もあるので、ロッドが活躍するハッピーエンドがいいと思う。

 

キャストは皆良かった。MTVムービーアワードのコメディ賞を受賞したという、リル・レル・ハウリーは、今作のコメディ要素であり、作品全体の恐怖体験なのにどこかコミカルさを感じさせるのに一役買っていた。最後全部持って行った感もあるけど、それもまたよし。そして全体的にカワイイ。父親役のブラッドリー・ウィットフォードや、弟のケイレブ・ランドリー・ジョーンズも不気味さを感じさせてを良かったと思うけれど、そういう意味では母親のキャサリン・キーナーが一番怖いかも。笑顔ではあるのだけど、底知れない感じ。そして大ボス感。これは素晴らしい。

 

ローズのアリソン・ウィリアムズは前半は正義感あふれる明るく知的で素敵な女性という印象で、後半ガラリと表情が変わり、狂気を感じさせるのが良かった。全く別人のようになってしまってビックリ。そして、クリスのダニエル・カルーヤが良かった。クリスはいわゆる黒人ノリの部分はあるけれど、基本は真面目。真面目な好青年な感じが良かった。でも、なんといっても恐怖におびえる表情、チラシにもなっている催眠術をかけられて涙を流す表情が秀逸。それだけでも、よくこの人選んだなと思う。とにかく人が好さそうなので、頑張れと応援したくなるのもポイント。それはダニエル・カルーヤのおかげ。

 

そういえば冒頭のシーンの拉致は、弟の仕業ってことかな? 特に説明はなかったけど自分はそう理解した。全てのオチが分かる前までは宇宙人の仕業とかそいうことかなと思っていた。それかカルト教団。でも、このオチ自体は目新しくはないけど、そこに人種問題を絡めているのは上手いと思った。ホラー映画の定義がよく分かっていないのだけど、ドッキリさせる場面や、グロい場面もあまりないので、女性でも見やすいと思う。レトロな感じのセットなども良かったし、全体的にコミカルな感じも良かった。

 

公開から2週間経っちゃったけど、まだ上映してるよね? 前述したとおり女性でも楽しめると思うので、これはデート映画にいいかも。オススメ!

 

『ゲット・アウト』公式サイト

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【art】「興福寺中金堂再建記念特別展 運慶」

2017-11-12 00:18:18 | art

🎨【art】「興福寺中金堂再建記念特別展 運慶」🎨

 

 

 

行く気満々で早々に前売券ゲット。テレビの特集番組(コチラと、コチラと、コチラ)をみて予習もバッチリ👍 10月後半からの展示作品を待って、満を持して行ってきた!

 

21時まで開館している金曜日の、しかも会期終了も近いということで、17:30到着時点で入場制限💦 とはいえ、40分待ちとのことだったけど、実際は15分程度で入れた。

 

 

 

 

 

 

見ている間もずっと思ってたし、見終わった直後も感じたのは、日曜美術館でMJが仰っていたとおり「スゲー運慶!」だった。さすがMJ! ホントに的確。

 

もうこの一言に尽きるという感じなのだけど、それじゃあんまりだし、言いたいことは山ほどあったので、まとめてTweetしておいた。これに追記する形で記事を書こうと思う。とはいえ、かなり言いたいことは書いたし、周辺知識的なことはテレビのまとめ記事に書いたので、追記することあまりないかも?

 

ということで、感想Tweetをドゥゾ♪(っ'ω')っ))

 

 

 

 

第一会場入るといきなり円成寺大日如来坐像がドーン! これは運慶デビュー作で20歳の頃の作品と言われている。この仏様に奈良でお会いした時(記事はコチラ)は本当に感動した。その時よりも大きく感じた。相変わらず宇宙に飛んで行きそうな迫力だけど、今にも飛び立ちそうに感じたのは、奈良のお堂の方かも。でも、本当に若さみなぎる仏様。またお会いできて良かった😌

 

 

 

見ている時は気づいていなかったけど国宝なのね?  とにかく、どの像も個性的。お顔はもちろんだけど、体型も違っていて興味深い。父康慶もスゴイ仏師だったのだと再発見した。

 

 

 

とっても見たかった眼成就院の毘沙門天立像。思っていたより大きさがなかったけれど大迫力。でも端正でカッコイイ 玉眼がキラキラ✨

 

 

画像だと浄楽寺の毘沙門天の方が荒々しい印象だけど、自分の印象としては眼成就院の方が勢いがあるように感じた。目の印象かな? こちらも玉眼がキラキラしていたけど、目頭をより人間よりにしたことにより、異形の感じが薄れたというか・・・ あくまで個人的な印象。

 

 

 

このお三方は本当に美しかった。運慶というとリアルで今にも動き出しそうな印象だけれど、お三方は静かにそこにいらっしゃる感じ。この静けさも表現する運慶はやっぱり天才なんだなと思う。

 

 

 

お目当ての一つだった八大童子。金剛峯寺の八大童子のうち6体が運慶作。注目はやっぱり矜羯羅童子、制咜迦童子。思慮深そうな矜羯羅童子と、やんちゃそうな制咜迦童子。どちらも瞳がキラキラして今にも動き出しそう。

 

 

 

どの童子も素晴らしかったけど、自分が一番好きだったのは恵光童子。 キリリとした表情の美少年。かなり眉間にシワだけど、それが意志の強さや生真面目さのようなものを感じさせる。カッコイイ。

 

 

 

無著菩薩立像、世親菩薩立像は興福寺北円堂でお会いしている(記事はコチラ)のだけど、あの時は本当にモッシュかというくらい激混みのギュウギュウ詰めで見たので、今回の方が余裕をもって見れた。こんなに大きかったっけお二人? これは迫力あるわ。MJの仰るとおり目の大きさが違う。本当にリアル。だってこういう人いるもの! インド人ではないけど(o´ェ`o)ゞ

 

ぶらぶら美術・博物館によりますと、本来は北円堂にいたのではないかという四天王。運慶作ではないかと言われているこの四天王を、仮想北円堂として展示していて興味深い。なるほど、しっくりくる気がする。

 

 

 

こちらもお目当ての一つ。この美しい方にお会いしたかった! まるで女性のような美しいお顔。息子湛慶との共作らしいけれど、どこまで運慶が関わっているんだろう? とにかく彩色がそのまま残っているのがスゴイ! お顔もツルリと美肌。まるで今作られたかのよう。よくぞこの状態で残してくださった!  

 

 

 

 

この神鹿と子犬、今見ても全然古くない! 物質的なことじゃなくてデザイン的に。 子犬はとにかくカワイイ。鹿の華奢な造形もスゴイし、この雌雄対になっている構図もいい。どちらも玉眼が有効に使われているけど、特に鹿のつぶらな瞳をよく表している。これはスゴイ。

 

 

左が龍燈鬼で右が天燈鬼。画像で見るとそんなに分からないし、前から見るとそのコミカルさで気づかないのだけど、後ろ姿に力量の違いが出た。龍燈鬼のどっしりとした存在感がスゴイ。こういうところに力量って出るんだなと感じた。

 

 

 

この方々、うち5体が東京国立博物館蔵、うち7体が東京・静嘉堂文庫美術館蔵と分かれて所蔵されているため、こうして揃うのは42年ぶりなのだとか。作者はそれぞれバラバラなのか、力量にかなり違いがあるけれど、それもまたおもしろい。自分が好きだったのはTweetにある3体。理由は愛嬌があったりカッコよかったりだけど、この3体はかなり上手いと思った。

 

 

全体的な感想としてはTweetどおり。とにかく圧巻! これだけの点数の仏像を見れるというだけでも幸せなのに、そのほとんどが運慶って贅沢過ぎる! 運慶に限らず何でもそうだけれど、本物はオーラがある。その迫力は本物でしか味わえない。だから見れるならば絶対本物を見るべきだと思う。そう思って自分は美術館に行っている。

 

鑑賞一口メモ 

 

 

鑑賞一口メモとしてはTweetどおり。Twitterで混雑状況を知らせるアカウントなどもあるので参考にするといいかもしれないけど、40分待ちと表示があったのに実際は15分で入れたりしているので、ちょっと大げさに言っている可能性もある。なので、諦めずに行ってみるのもいいかも? 20時頃には入場してくる人はチラホラという感じだったけど、やっぱり1時間ではもったいない💦 2回目とかならお目当てだけ見るという手もありかもだけど、初見では2時間は欲しいところ。

 

混雑はしているけれど、平成館広いので余裕を持った展示をしているし、仏像もある程度大きいので全く見えないということはない。大きいけれど細工は細かいので単眼鏡などあるとより楽しめるかも。

 

とにかく、圧巻! 運慶の作品がこんなに集まる機会はそうそうないと思うので、ちょっとでも興味のある方は是非見て欲しいな~ 運慶や慶派の才能もそうだけれど、この仏像たちを800年以上守り続けてきた人々の思いも感じられるので! 

 

🎨興福寺中金堂再建記念特別展 運慶:2017年9月26日~11月26日@東京国立博物館平成館

特別展「運慶」公式サイト 

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