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【cinema】『ブレードランナー2049』

2017-11-22 00:00:05 | cinema
2017.11.04 『ブレードランナー2049』鑑賞@TOHOシネマズ錦糸町
 
 
ジャパンプレミアあったよね? ハズレたのか? 買えなかったのか? 予定があったのか? 要するに行ってない。公開初日に見に行く予定だったのだけど、尺が長いせいか上映時間が合わず。19:30まで時間潰すのもだし、終わるの23:00頃だしねぇ・・・ ってことで、三連休中日に見に行ってきた~
 
 
 
ネタバレありです! 結末にも触れています!
 
 
「2049年ロサンゼルス。レプリカントの生産禁止を受けて倒産したタイレル社に代わり、ウォレス社により改良されたレプリカントが生産されていた。しかし、人類に反旗を翻した旧型レプリカントが存在しており、これを駆逐する任務を負うブレードランナーのKは、ある秘密を知ることになり・・・」というあらすじはあんまり上手くないかな~💦 これは、前作『ブレードランナー』の30年後を描く続編。これとってもおもしろかった。全体的にスタイリッシュになっているので、前作にとっても思い入れのある人の中には、これじゃないと感じる人もいるかもだけど、好きではあるけどそこまで思い入れのない身としては、とっても楽しめた。映像が美しいし、ライアン・ゴズリングが切なカッコイイ。
 
 
前作は言わずと知れた『ブレードランナー』。1982年の公開当時、興行的には失敗だったようだけれど、カルト的な人気を得て、その後の近未来感に大きな影響を与えたとのこと。前作を監督したリドリー・スコットは、作品にかなり思い入れがあったのが、インターナショナル版、ディレクターズカット版、ファイナルカット版などを作っている。今作では製作にまわり、ドゥニ・ヴィルヌーヴが監督を務めている。
 
 
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品は『灼熱の魂』、『プリズナーズ』、『複製された男』、『ボーダーライン』を見た。重いテーマを突き付けてくる監督という印象。そして、好きな監督でもある。前作『メッセージ』がSFだったので、見てみたかったのだけど、残念ながら未見。ということで、自身にとってヴィルヌーヴ監督の初SFとなった。
 
 
と、勝手につらつら書いてきたけど、作品について毎度のWikipediaから引用しておく。2017年制作のアメリカ合衆国のSF映画。ライアン・ゴズリング主演、監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ。1982年制作の映画『ブレードランナー』の続編であり、前作の主演ハリソン・フォードが引き続きリック・デッカード役で出演し、前作の監督リドリー・スコットは製作総指揮を務めた。とのことで、製作過程についてはかなり紆余曲折あったようだけれど、最終的には2015年2月26日、監督にドゥニ・ヴィルヌーヴを起用すること、脚本・原案としてハンプトン・ファンチャーが再び参加、フォードも再演することが発表された。とのこと。
 
 
2015年4月16日、 ライアン・ゴズリングと出演の交渉を開始した。彼は2015年11月、ヴィルヌーヴと撮影監督ロジャー・ディーキンスの参加を条件に、出演を受けることを発表した。のだそう。2016年8月、ジャレッド・レトの出演が決まった。ヴィルヌーヴはデヴィッド・ボウイも出演させようと考えていたが、制作が始まる前に死去したため、断念された。本来はジャレッド・レトの役をデヴィッド・ボウイにと考えていたらしい? 2015年のトロント国際映画祭でインタビューを受けたヴィルヌーヴは、デッカードが人間であるかレプリカントであるかという疑問について、プロット上はあいまいだと述べていた。ヴィルヌーヴは、この映画は前作から数十年後の設定で、「ロサンゼルスが再び舞台となり、地球の雰囲気は異なるだろう。気候は過酷で、海、雨、雪はすべて有毒になる」と述べた。主要撮影は、ハンガリーのブダペストで2016年7月から11月にかけて行われた。とのこと。
 
 
2017年10月3日にロサンゼルスのドルビー・シアターで初演されたが、ラスベガス・ストリップ銃撃事件の影響で、試写前のレッドカーペットのイベントがキャンセルされた。翌日、モントリオールのフェスティバル・デュ・ヌーボー・シネマで本編の初演となった。映画批評家レビュー集積サイト「Rotten Tomatoes」では、2017年10月31日現在、318件のレビューがあり、批評家支持率は88%、平均点は10点満点で8.2点となっている。「Metacritic」には、51件のレビューがあり加重平均値は81/100となっている。10月6日に全米で公開され、10月6日、8日付のランキングで3275万ドル(約36億9000万円)を稼ぎ初登場で首位を獲得した。ただ、予想の4500万〜5000万ドルをかなり下回るスタートとなった。製作費1億5,000万ドル(約165億円)と見積もられている本作は、71%の観客が男性で、そのうち63%が35歳以上だったのだそう。女性受けはよくないのか・・・ ただ、10月8日にアジアを除く地域で公開され、世界45か国で初登場1位を獲得。全世界興行収入は5,020万ドル(約55億2,200万円)を突破しており、イギリスでは週末で800万ドル(約8億8,000万円)をマーク。「Box Office Mojo」では、海外市場においては期待に応える結果としている。 とのこと。
 
 
前作はオリジナル版を過去テレビ放送で鑑賞、そして今作鑑賞にあたり復習としてDVD鑑賞した。今見ると特別衝撃はないけれど、公開時はかなり衝撃的だったと思われる。受け入れられない人がいても不思議じゃないかも。とはいえ、やっぱりこの鑑賞の仕方のせいなのか、前作に対する思い入れは特にない。さらに、自分はSF映画を好んで見る方ではない上、全くの文系なので科学?化学?的なことが全く苦手。ということで、おそらく今作のいろいろな部分をきちんと理解できていない。なので、前作に思い入れのある人、SF的な知識の豊富な方々から見るとトンチンカンな感想になっていると思われる。あしからず🙇
 
 
冒頭、瞳のアップから始まる。これは前作と同じ。この瞳が誰のものかは語られないけれど、見終わってから考えるとあの人? ここで説明。前作でレプリカントを製造していたタイレル社は倒産。2022年に大停電があり、これが飢餓を引き起こした。この問題を解決したウォレス社はレプリカント製造を再開し、新型レプリカントの中から旧型を捜索し処分するブレードランナーが選ばれた。選ばれたはちょっと違うか? まぁでもそんな感じ。何分理解力が この大停電については、渡辺信一郎さんという方が製作されたスピンオフ動画がYouTubeにあるそうなので、探して貼っておく。
 
 
空飛ぶ車の中にK(ライアン・ゴズリング)が乗っている。カリフォルニアらしいけれど、上空から見た景色は殺風景。Kはある農場に降りる。小さな家のキッチンでは鍋がグツグツと煮立っているが人影はない。Kはそのままその場に待機する。この家、キッチンとリビングが出て来るけど2017年現在の感覚からしてもいろいろ古い。インテリアに特徴があるわけではないので、具体的な年代は分からないけど、現代のアメリカ人なら祖父母の家に行ったような感じ。これはこの家の主が世捨て人的な人物であるということを表しているのかな? 住みたいわけではないけど、この感じは好きだった。人のぬくもりを求めている感じ。
 
 
家の主サッパー(デイヴ・バウティスタ)が戻って来る。乱闘になりKも刺されたりと傷を負う。サッパーという名前が出てたか覚えてないのだけど、この人物が旧型レプリカントであることは眼球の白目の部分に書かれた型番で分かるらしい。サッパーの発言からKがブレードランナーであり、レプリカントであることも分かる。この説明的過ぎない感じはいい。結局はKが仕留めるわけだけど、その前にサッパーは「お前は奇跡を目撃していない」と言う。これが何を意味するのか? あと個人的にお鍋の中身が気になった。火を止めないとお鍋が焦げて火事になっちゃうよ! でも、当然といえばそうだけれど鍋のことはきれいにスルー。そうそう! このシークエンスはオリジナルでボツになったものをそのまま使用したらしい。
 
 
Kは立ち去る際、家の前に植えられていた木が気になった。調べてみると何かが埋まっている様子。掘り起こしてみると何かの箱。そこそこ大きい。Kはこれを上司であるジョシ警部補(ロビン・ライト)の元に持ち帰る。そういえば、ブレードランナーは対象者を処分したという証拠に眼球を持ち帰るらしい。
 
 
Kはアパートに帰る。他の住人達には歓迎されていない様子。職業柄? レプリカンとだから? Kも人付き合いの良い人とは真逆の印象。部屋は狭いけれどそれなりに設備が整っていて、男性の1人暮らしにしては片付いている印象。とはいえ、見える家具といえば窓に向かって置いてあるテーブルとイスぐらい。Kを迎えるのは映像の女性ジョイ(アナ・デ・アルマス)。漠然とした理解だったのだけど、要するに『her/世界でひとつの彼女』のAIを映像化したものということらしい。明らかに映像だと分かる画になっているけれど、生身の女優さんが演じているので表情などはリアル。これ後に前作でも登場した動く看板のさらに進化したバージョンで、愛玩用AIとして紹介されていたけど、Kとジョイの関係はもう少しリアル。恋人というか夫婦のよう。レプリカントの恋愛事情がよく分からないのだけど、例えそれがAIであっても、パートナーを求めるのであれば、人間とレプリカントの区別ってなんだろう? でも、きっと今作のテーマはこのあたりなのかなと思う。人間とは何か?という。
 
 
屋上での雨のシーンはここだったっけ? もっと後だったっけ? でも前半部分にあったことは間違いない。ジェイと一緒に屋上出て話をする。ここ、いわゆる本筋とは関係ない話のようで、もしかしたらいろいろ本質をついてる内容だったのかもしれない。が、内容自体は全く覚えていない。じゃ何故書いたかというと、屋上につけられた文字看板が日本語だったから。全体が映らないので、何と書かれているのかは不明。そもそも正しい日本語が書かれているのかも分からない。前作でもアジアがミックスされた未来都市だったけれど、今作でもそれを踏襲。さらに中東もミックスされてより混沌とした感じ。でも映像的にはとてもスタイリッシュ。ポワントで立つバレエダンサーの巨大な映像とか好きだった。日本語もチラチラ出てきて、概ね間違ってはいなかったように思う。捜査の過程でKが日本語と英語で普通にやり取りしている場面もあったけど、若干発音が怪しいものの、日本語としては成立してたと思う。同じくアラビア語?と英語での会話もあって、なかなかおもしろかった。
 
 
ジョシに呼び出されたKは驚愕の事実を知る。箱の中にあったのはレプリカントの遺体で、出産した痕跡があるという。帝王切開後の合併症で命を落としたらしいとのこと。え?レプリカントって子供を産めるの?と、思ったらそれこそがサッパーが言っていた奇跡だったのだった。この遺体がレイチェル(ショーン・ヤング)であることは、どの時点で分かったんだっけ? かなり早い段階で分かったように思うのだけど。ならば相手はデッカード(ハリソン・フォード)だよね? 前作の後、2人は子供をもうけていたのか。奇跡というけど、レプリカントなんだから生殖機能を搭載しなければ子供は生まれないよね? それとも誰かが機能を追加したってこと? そういう言及はなかったので、要するに愛情の芽生えによって、性交渉をし、その結果妊娠するという機能が"生まれる"ってこと? 性交渉はKとジョイの印象的なシーンがあるので、レプリカントもできるってことだと思う。たしかそういう仕事をするレプリカントもいたような。でも妊娠出産となると・・・ ちょっとレプリカントのことが全然理解できていなくて混乱。映画ではそれを"奇跡"としつつも、そういうものとして進んでいたので、今後はレビューもそういうものとして進む。
 
 
レプリカントが出産していたとなれば、これは大変な問題になる。さらに、その子が生きているとなればさらに大問題。ということで、Kにはレイチェルの子供の捜索命令が出る。なるほど、この物語はレイチェルとデッカードの子供をめぐる話ということなのね。
 
 
Kはウォレス社を訪ね、ウォレスの秘書?であるラヴ(シルヴィア・フークス)というレプリカントに会う。この時、レイチェルが質問に答えている音声を聞かされる。これって前作でデッカードが行ったテストだったっけ? たしかレイチェルは自分がレプリカントであるという自覚がなく、人間だと思っていたんだよね? ここでそんな言及があったような。この時点ではニアンデル・ウォレス(ジャレッド・レト)に会ったんだっけ? このシーンあまり記憶にない。
 
 
サッパーの農場を再び訪れたKは、例の木の根元から"61021"という数字を発見する。その数字には見覚えがあった。子供の頃持っていた木馬に刻まれていた数字。度々フラッシュバックする光景。数人の少年たちが木馬を奪おうと追いかけてくる。工場の溶鉱炉? 少年がその前に立っている。彼は木馬を燃やしてしまったのか? これはKが持っている"記憶"。レプリカントには記憶が移植される。これは誰の記憶なのか?
 
 
61021という数字を手掛かりに記録を調べると、男女の双子の記録が出てくる。女児はすでに死亡、男児もサンフランシスコの孤児院で消息を絶っている。早速、今は廃墟となっている地区へ向かう。砂漠化してしまったような場所で、全体的に赤土色。この荒廃ぶりはスゴイ。地区に入ると襲われた気がしたけど、この時点じゃなかったっけ? ちょっと忘れてしまった 現在は使われていないと思われる工場だけど、その廃墟からも子供たちにとって良い環境でなかったことが感じられる。広い部屋に無数のベッドが並べられ、男女関係なく寝かされていた描写ってこの映画だったっけ? 違う映画と混同しているかな? たしか工場で働かされてたんじゃなかったっけ? Kはあの記憶を思い出す。木馬を奪われそうになって逃げ込んだ溶鉱炉のような場所。そこへ向かうと、あの時彼らの目を反らすため隠した場所から木馬が見つかる。Kは自身がデッカードとレイチェルの子供なのではないかと考える。工場長を見つけて脅して当時の記録を調べさせたけど、切り取られて亡くなっていた。
 
 
Kはレプリカントに記憶を移植しているアナ・ステリン博士(カーラ・ジュリ)に会いに行く。研究所内のガラス張りの部屋に隔離されている博士。免疫不全とかそんな説明だった。Kは自身の記憶について質問する。すると、博士はKの記憶を共有する。博士は涙を流しながら、これは誰かの生きた記憶であり、実際にあったことだと言う。この辺り伏線なので、途中から彼女が誰なのか分かってしまうけどね。まぁ、この段階では伏せておく。でも、この不思議な感じはおもしろい。ところで何故レプリカントに子供の頃の記憶が必要なんだろう? 相変わらずレプリカントの目的がよく分からない。そもそもは労働をさせる為に作られたはず。それなら記憶なんて必要ないのでは? 記憶があるから感情が生まれてしまう気もするのだけど?
 
 
Kはストレステストを受けるも動揺してしまい停職処分となってしまう。この機械の問いかけに同じ言葉を繰り返して返事しているシーンは前にも出てきたけど、これがストレステストで、これに合格しないと停職処分になるっていうの後から知った ジョシ警部補に報告に行き、レイチェルの子供は処分したと嘘をつく。何故かジョシ警部補はそれを信じる。ここ他の方も指摘していたけど、ちょっとご都合主義というか、粗かったかなという気もする。遺体などの証拠がないのに、子供を処分したというKの言葉を鵜呑みにしてしまうのは雑ではないかな。
 
 
怪しげな場所に行ってアラブ系の男性に木馬を分析してもらうと放射能レベルにより、ラスベガスで作られたものであることが分かる。ここ普通にアラビア語×英語で会話が成立してておもしろかった。アラブ系男性のキャラもいい。もっと前に、ある男性にデッカードの行方について聞きに行ったけれど、彼は知らないと答えていた。この人最近前作見直したのに全く気付いていなかったのだけど、デッカードの元同僚のガフ(エドワード・ジェームズ・オルモス)なのだそう。
 
 
えーと、ジョイとKのラブシーンはここだったかな? ジョイはそもそもジョイは恋人用AIとして造られているという理解でいいのかな? なので、彼女はKに恋する仕様ということ? でも多分、作品全体を通したKとジョイとの関係は、想定していたよりも進化した形ってことなのだと思う。そうでないと、ジョイの存在やこのシーンを入れた意味が分からないので。ジョイはKと肉体的に結ばれたいと願うけれど、ジョイは実体のない映像なのでそれは叶わない。そこで、娼婦マリエッテ(マッケンジー・デイヴィス)と一体化することで、Kと結ばれようと考える。このシーンは美しく切なかった。と、同時にどこかグロテスクというか違和感があったりもした。翌朝、マリエッテはKのコートに発信機を取り付ける。
 
 
Kはデッカードの元に向かうことにするけれど、その際にジョイも同行を希望する。よく分からないのだけど、別の記憶媒体にジョイを移すと持ち運べるってことかな? ただ、その媒体に移してしまうと消去可能となり、ジョイは消滅してしまう危険があるということらしい。それでも愛するKと一緒にいたいと考えるジョイは、同行を希望する。ジョイがKにジョーという名前をつけるのだけど、これはライムスター宇多丸氏のムービーウォッチメンで内での説明によると、そもそもKというのは原作者フィリップ・K・ディックのKであり、ジョーというの旧約聖書のラケルの子ヨゼフ=ジョゼフ=ジョーということではないかとのこと。ラケルの子に作品に通じる何かがあるのかな?
 
 
砂漠化した廃墟。こちらはサンフランシスコより黄色っぽい印象。空間としても広い。レトロな建物。ハングル文字が書かれているせいか、西洋と東洋をミックスしたような。昭和初期の建物のような。どうやらカジノかホテルだったっぽい? 急に襲われるK。襲ったのはデッカード。話を聞いて欲しいと言うけれど、なかなか攻撃の手を緩めない。30年間もこんなところで生きていたわりには戦闘能力がスゴイ。結構長くデッカードの攻撃が続くけど、結局はKに攻撃の意思がないことが分かり、落ち着いて話を聞くことになる。予告編などで登場するバーカウンターのようなシーンはここ。確かに元ホテルだったりするなら、お酒や食料はあるだろうけど、さすがに30年ここに潜伏するのは無理なんじゃないかと思うけれど、後に出てくる存在を考えると支援があったのかも? と脳内保管してみる。
 
 
デッカードは妊娠したレイチェルをある組織に預け、データを改竄する方法を教え、それ以来子供とは一切関りを建っているとのこと。苦労して辿り着いた割にはあまり情報は得られなかった。でも、デッカードに会うってことが重要だからね。
 
 
そこにラヴと部下?が現れる。ラヴは高い戦闘能力を発揮。ジョイは削除されてしまう。これ何でジョイは削除されたんだっけ? Kにダメージを与えるためだっけ? 最期にジョイがKにI Love Youと言って消えて行くのは切なくも美しかった。Kも倒されてしまい、デッカードはラヴに連れ去られてしまう。
 
 
発信機によりマリエッタらに発見されたKは、ある組織に連れて行かれる。そこで自身についての事実を知る。レイチェルが生んだ双子のうち、生き残った女児の存在を隠すため、性別の改竄をし、孤児院に入れた後、別の場所にかくまった。そして、彼女の記憶を持つレプリカントを作った。それがK。愕然とするKに、レプリカンと解放活動のリーダー、フレイサ(ヒアム・アッバス)は自分がレイチェルの子供だと思ったのかと尋ね、誰もが自分を特別だと思いたいのだと言う。このセリフには作り手の深いメッセージが込められているとは思うけれど、この事実はかなり酷いし、女児の記憶を持たされたのであれば、自分がその記憶の主かもしれないと思うのは当然だと思う。Kがかわいそう過ぎる。ライアン・ゴズリングが大きく表情を変えることなく、ショックや落胆など複雑な感情を表していて見事。人間と違い感情を持たないとされているレプリカントの複雑な感情。そして、ライアンが演じているからこそ、切なくかっこいい。
 
 
ウォレス社に連れてこられたデッカード。ウォレスはデッカードにレイチェルとのことは仕組まれていたと思わないかと言う。うん? 前作の出会い自体がそもそも仕組まれていたということ? たしかにデッカードは3人のレプリカントを処分する指令を受け、そのうちの1人であるレイチェルと恋に落ちたわけだから、そのこと自体仕組まれたといえばそうなのかもしれない。ということは、2人の間に子供を持たせることが目的ということ? 誰の? あの組織か? 見ている間はなるほどね~ という感じだったのだけど、どうやらこのセリフにはもっと深い意味があって、要するにデッカードもレプリカントであるということらしい。これについて、リドリー・スコット(だったかな?)は、デッカードはレプリカントであると明言しているとのこと。となると、レイチェルとのデッカードの子供は純粋なレプリカントということになるわけなのね?
 
 
ウォレスはデッカートに協力を求め、彼を取り込むためにレイチェルの映像を見せる。今見るとメイクなどがアレだけど、ショーン・ヤングが美しい。そして、レイチェルが復活する。良く似てるけどちょっと違和感がある。するとデッカードが、レイチェルの特徴を言って拒絶する。用済みとばかりウォレスはラヴにレプリカントを殺すよう指示。レイチェルの特徴については失念 別の場所で拷問するため、ラヴはデッカードを移送する。
 
 
大変なショックを受けたKだけれど、デッカードを救いに行くことにする。この時、街の中に巨大なジョイ(と同型のAI)の映像が優しく語りかけてくるのが印象的。もちろん宣伝なわけなのだけど、それがKの救いになったのだと思う。Kがどこまでも切ない💦
 
 
デッカードを乗せた飛行機?を攻撃するK。飛行機は海に落下。そこでKとラブの死闘が繰り広げられる。その間、期待がどんどん沈んでいく。座席に縛り付けられたデッカードは必死に逃れようとするけれど、どんどん水が上がってくる。Kとラブのバトルも気になるし、デッカードも心配。かなりハラハラするシーンではあるし、シルヴィア・フークスとライアン・ゴズリングもかっこいい。でもちょっと長いかも もちろん、Kは深手を負いながらもラブを倒し、デッカードを救う。Kはデッカードに娘に会わせると言う。あの人だよね?
 
 
2人は博士のいる研究所にやって来る。雪が降っており、辺り一面真っ白。デッカードは建物内に入って行き、Kは外に残る。そう、博士こそデッカードの娘。まぁ、デッカードの子供の記憶をKに埋め込んだのだから、当然この記憶の持ち主が子供なのであり、それが出来るのは博士ということだよね。まぁ、通常は作った記憶や他人の記憶を埋め込んでいるのだろうから、博士だという証拠にはならないけど、あの厳重警備やKの記憶を見た時の涙を考えると間違いない。他の登場人物いないし。2人がガラス越しに向き合うところまでで、その後の様子は描かれない。
 
 
映画は、雪の降るなか階段に横たわるKの姿で終わり。モノクロかと思うほど抑えたトーンで、雪が静かに舞い、横たわるライアン・ゴズリング。完璧な映像! これは自分が見た作品の中でもかなり上位に入る美しいラスト。切ない💦
 
 
キャストは皆良かった。ラヴのシルヴィア・フークスは任務に忠実なレプリカントを的確に演じていたと思う。彼女なりにウォレスを慕っていることも感じられた。ジョイのアナ・デ・アルマスがとにかくキュートでちょっとエロい。男性の理想の恋人となるAIでありながら、Kを愛する感じを好演していたと思う。ウォレスのジャレッド・レトは短い出演場面で印象を残す。あいかわらず外見アプローチが素晴らしく、謎めいた人物を好演していたけど、ジャレット・レトを生かし切れていない気がする。自分にはウォレスの目指す世界が理解できなかった。
 
 
前作に引き続き出演のハリソン・フォード。70歳を超えてアクションシーンをこなす熱演。後半にならないと出てこないけれど、さすがの存在感。そして、Kのライアン・ゴズリングが素晴らしい! レプリカントでブレードランナーであるが故、余計な感情を排除しようとしているような雰囲気。それでいて、自分は特別な存在なのではないかという希望を持ってしまう切なさ。とにかく切ない。そしてコート姿がカッコイイ! このライアン・ゴズリングの切なかっこよさは必見だと思う。
 
 
特別テンポが早いとは思わなかったけど、あらゆる場面で噛み砕いて説明してくれるわけではないので、ついていくのが大変だったりする。レビュー内に曖昧な記憶な部分が多いのも、物覚えが悪いのもあるけど、理解が追い付いていない部分も大きいのだと思う。そもそものレプリカントの定義のようなものも分かっていないし、前作の内容自体キッチリ理解できているわけでもない。普通に見る分なら特別難解ではないかもしれないけれど、突き詰めるとっても難解な世界観なのだと思うので、その辺りまで理解したいところだけど、自分の頭では1回では無理だったのだと思われる。悔しいけれど仕方がない。まぁでも、人間とは何か?という問いかけ自体は伝わって来た。
 
 
 
とはいえ、楽しめなかったのかと言うと全くそんなことはなく、前作よりも確実に進化した映像を堪能したし、独特の世界観も理解不足ながらも楽しめた。なによりKのかっこよさと切なさが良かった。長尺なので、若干落ちそうになったけれど、それでも飽きてしまうことはなく、どのシーンも見ごたえがあったと思う。砂漠化した廃墟、混沌とした街、Kの小さな家、ウォレス社の内装。どの映像もスゴイ。全体的にとてもスタイリッシュ。アンドレイ・タルコフスキー監督の『サクリファイス』の影響を受けているそうだけれど、未見なので分からない これ見てみたいと思っていたので、今度見てみる(・∀・)ウン!!
 
 
公開から1ヶ月経っちゃったけどまだ上映してるよね? 前作ファンの方はオススメされなくても見てると思う。難解な部分はあるけどとにかく映像がスゴイので是非大画面で! ハリソン・フォード好きな方是非。ライアン・ゴズリング好きな方必見です!
 
 
 
 
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