2018.2.16 『15時17分、パリ行き』(試写会)@神楽座
cocoで当選! いつもありがとうございます。久々の試写会! 1人当選の試写会だったけど、偶然お友達のmigちゃんも当選してたということで、一緒に見に行ってきた~
ネタバレありです! 結末にも触れています!
「スペンサー、アンソニー、アレックの3人は子供の頃からの親友同士。3人でヨーロッパ旅行を楽しんでいたが、偶然乗り合わせた列車内でテロが発生する」という話で、本当にそのまま。うーん、これはね・・・💦 予備知識として列車テロを防いだ実話で、クリント・イーストウッドが監督するということ以外入れずに見たので、全然知らなかったのだけど、これ主演3人と列車の乗客は本人が演じている。実験的といえばそうなのだけど、これはどうなんだろう。しかも、事件自体はあっという間に終わってしまうので、そこまでの紆余曲折が長く感じてしまう。97分という短い上映時間ながら、個人的にはちょっと退屈だった部分が多数。って、正直これしか感想ない気もするけど、一応いつもどおり書いてみる。ただ、いつもよりは短めになるんじゃないかな。
クリント・イーストウッド監督作品。監督作品は結構見ているんじゃないかな? と思ったら意外に監督作品あった! 『マディソン郡の橋』『スペース・カウボーイ』『ミスティック・リバー』『グラン・トリノ』『ヒア・アフター』『ジャージー・ボーイズ』『アメリカン・スナイパー』『ハドソン川の奇跡』の8本で、半分も見てないかも。硬派な作品が多いと言われていて、直近の作品は実話ベースばかりだけど、こだわりがあるのかな? ネタ切れか?
作品について毎度のWikipediaから引用しておくと、『15時17分、パリ行き』(The 15:17 to Paris)は、2018年にアメリカで公開される予定の映画である。日本では3月1日に公開される予定。2015年8月21日に高速鉄道タリス内で発生したタリス銃乱射事件(Wikipeida)と事件に立ち向かった3人の若者を描く。監督は、クリント・イーストウッドが務め、主演の3人は、実際にタリス銃乱射事件に巻き込まれた3人を本人役として起用している。キャッチコピーは『その時、3人の若者が乗ったのは運命の列車だった。』
2017年4月20日、クリント・イーストウッドが本作の監督に起用されたという報道があった。6月21日、イーストウッドがカイル・ガルナー、ジェレミー・ハリス、アレクサンダー・ルドウィグの3人を主役に起用する意向だと報じられた。しかし、7月11日、イーストウッドが主役3人を本人たちに演じさせるという前代未聞の決断を下した。13日、トニー・ヘイルとトーマス・レノンのキャスト入りが発表された。本作の主要撮影は同月中に始まった。8月1日、シンカ・ウォールズの出演が本作に出演すると報じられた。
本作は第90回アカデミー賞へのノミネート資格を得るために2017年中に公開されると予想されていたが、実際の全米公開日は2018年2月9日となった。当初、MPAAは「暴力及び流血描写が多数ある」という理由でR指定(17歳未満の観賞は保護者の同伴が必要)としたが、イーストウッドとワーナー・ブラザース映画はこの決定に抗議した。両者には、より幅広い層の観客に本作を鑑賞してもらいたいという思いがあったのだという。その結果、MPAAは本作をPG-13指定(12歳以下の子供の観賞については、保護者の厳重な注意が必要)とした。本作は『ピーターラビット』及び『Fifty Shades Freed』と同じ週に公開され、公開初週末に1000万ドルから2000万ドルを稼ぎ出すと予想されている。と完コピ。
前述したとおり97分と短い上に、実際の事件も直ぐに制圧されたのか、列車内の様子が時々差し込まれるものの、事件自体の描写に入るとあっという間。それ以外は3人の子供時代のエピソードと、スペンサーとアレックが軍人になるまで、そして彼らが列車に乗るまでの旅の描写がほとんど。彼らは偶然列車に乗り合わせて事件に遭遇しただけなので、それらの描写はほとんど事件自体とは関係ない。まぁ、スペンサーとアレックが軍人であったことが、制圧に大きく作用していることは間違いないから、2人が軍人になる過程は重要かとは思うけれど、それにしたってねという感じ。なので、それらを細かく描写する必要もないと思うので、流し気味に書きたいと思う。まぁ、どうでもいいと思うけれど、一応断り書きとして入れておく😌
冒頭、パリ?の街をオープンカーが走るシーンから始まる。運転手のアンソニーの紹介により、彼らが子供の頃からの親友であるアンソニー・サドラー(本人)、スペンサー・ストーン(本人)、アレック・スカトロス(本人)であることが分かる。ここで事件について言及があったかな? たしか無かったと思う。なのでこれがいつの時点なのか分からなかったのだけど、事件後なのかなと思われる。3人の関係は子供の頃にさかのぼるというセリフの後、回想シーンとなる。
担任教師との面談に、スペンサーの母親ジョイス・エスケル(ジュディ・グリア)とアレックの母親ハイディ・スカトロス(ジェナ・フィッシャー)が一緒にやって来る。本来は個別に面談するべきだけど、2人とも同じ問題を抱えているからというのだった。担任教師が言うにはスペンサーもアレックも集中して話を聞いたり、何かに取り組むことができないので、おそらくADD(Wikipeida)なのではないかとのこと。2人はそんなはずはないというけれど、担任は冷たく母子家庭にはいろいろ問題があると言う。2人は激怒して出て行ってしまう。
シーン変わってスペンサーとアレックがロッカーの前で話している。スペンサーは生徒会長的なものに立候補したようだけど落選。スペンサーとしては皆になじみたいと思っているようで、そのきっかけにと立候補したらしいけど、その後同級生らしき少年にからかわれている。特別2人がいじめにあっている描写はなかったけれど、母親2人は息子たちはいじめられてると言っていた気がする。
2人で話しているうちに始業時間が過ぎてしまったらしく、先生に注意される。どうやら2人が通っているのは私立の学校のようで、かなり規律に厳しいらしい。授業中に教室の外にいるには許可証が必要になるらしく、当然持っていない2人は校長室送りとなる。2人が校長室に向かうと、1人の黒人少年が校長から注意を受けている。校長の口調から彼が常習犯であることが分かる。この少年がアンソニー。2人は少年に興味を持ち3人は青年になるまで親友となる。
この後、再びロッカー前でスペンサーとアレックが立ち話していて、同じ教師に校長室送りにされたり、体育の授業中にボールをぶつけられたアンソニーが怒ったら、原因自体を見ていなかった体育教師が、汚い言葉を使ったという理由で彼を校長室送りにしたりする描写が続く。スペンサーの母親が、スペンサーとアンソニーがアレックの家をトイレットペーパーでグルグル巻きにしていったという電話を受け、スペンサーを叱る描写はあるものの、彼らの犯行映像はなし。母親はものすごく怒って絶望していたけれど、ちょっとやり過ぎちゃったくらいで、それほど悪いこととも思えない。つらつら何が言いたいかというと、要するに見せられている映像だけでは、彼らは大人が設定した枠に収まらない容量の悪い子たちなだけで、転校を示唆されたり、母子家庭に問題があるから父親に引き取ってもらえと個人的な部分にまで踏み込まれるほどの問題児とは思えない。例えばアンソニーのボールの件についてだって、そもそもちゃんと見ていない体育教師にも問題があるだろう思う。この人そもそも授業自体やる気がない感じだったし。総じて教師たちは子供たちの言い分は聞かず、決めつけて叱るだけだった。
とはいえ、この辺りのことは本人たち3人から聞いたエピソードなのだろうし、おそらく教師たちから話を聞いているわけではないと思うので、あくまで彼らが子供目線で感じていたことなのだと思うけれど、大人側が勝手に問題児を作っている感じを受けたのは、クリント・イーストウッド監督の演出によるものだと思うので、監督としては子供たちを型にはめるな! もっと一人一人の個性を尊重しろ!と言いたいのかなと思った。
結局、アレックは父親に引き取られることとなる。スペンサーがアレックを見送るシーンで子供時代は終わりだったと思う。シーンが変わると3人は青年になっている。何年というクレジットが出ていたと思うけれど、失念してしまったし、そもそも計算もしていないので、彼らが何歳になったのか不明。青年になってからはご本人登場。知らなかったので、あまり演技が上手いとも思えず、さりとてイケメンというわけでもない俳優を何故使ったんだろうと思っていたら本人だった。失礼しました🙇
スペンサーは実家暮らしのようだけれど、アレックとアンソニーが今どこいるのか不明。アレックはスクールのような所でコンピューターを学んでいる。これが大学なのかどうかも説明がないので分からない。教師から将来何になりたいのか聞かれ、軍人になりたいと答えると、軍人にもコンピューターが必要だと言われている。このことからアレックは軍人志望であることが分かる。終始割とこんな感じで詳しい説明はなく、映像やセリフなどから状況をくみ取る感じ。その感じは嫌いじゃないけど、それはセリフなどから背景まで語れる役者じゃないと成り立たないのではないかな?と思ったりもする。棒読みのセリフから背景を読み取るのは結構しんどい。
一方、スペンサーはバーガーショップ的なお店で働いている。多分バイト。軍人がよく来る店のようで、彼らに憧れている様子。ウキウキと話しかけて奢ってしまい、同僚の女性に呆れられる。この時、軍人から聞いた部隊に入隊したいと考える。そのことをアンソニーに語るけれど、ぶくぶく太って運動不足で入れるわけがないとバカにされ奮起! トレーニングを開始するのだけど、みるみる引き締まった体になって顔つきも変わった気がするのだけど、一度太ってり役作りしたのかしら? このどんどん鍛え上げられていく過程はちょっとおもしろかったのだけど、何故これを見せられてるのだろう感は否めなかった。
さらにスペンサーの軍隊入隊の話は続く。結局スペンサーは視力だか聴力だかに問題があり、希望する部隊には入れなかった。全く詳しくないし、特に説明もないので、スペンサーが入隊を許されるのがどういう部隊なのかサッパリ分からないのだけど、何となく後方支援的な部隊なのかなと思った。スペンサーは落ち込むけれど、やさぐれてしまったわけではなく、一応一生懸命取り組んではいる。でも、不器用なのか課題の縫物が上手くできなかったり、寝坊してしまったりしてしまう。基地が攻撃されたという抜き打ち訓練の際には、安全姿勢を取れと言われるのに、教官の指示を無視してドアの陰でボールペンを構えて待機したりしてしまう。訓練用に誰かが乱入してくることはなかったので、スペンサーが活躍することも、逆に訓練を台無しにすることもなかったのだけど、ちょっとそういうところがあるらしい。クリント・イーストウッドとしては、彼のこういう部分がテロ制圧に上手く作用したと言いたいのか、それとも落ちこぼれでも活躍できると言いたいのだと思うけれど、正直こういうタイプの人は苦手なので、このスペンサーのダメっぷりというか、型破り的なシーンを長々見せられるのはちょっと辛かった💦
そして、唐突にアレックの部隊が中東の砂漠のようなところを走っている。すると、アレックが自分のリュックが無いことに気づく。部隊は先ほどまでいた村に引き返すと、村の男性がリュックを持っていて、どうやら中身を売ろうとしていたらしい。なんとか取り返して村を去る。という描写が入るんだけど、これは必要だったのかな? アレックは無事に軍隊に入隊し、前線に出てるってことが言いたいのかな? 村の男性たちが襲ってくるかもという緊迫感がなくはないけど、別に何もないし。
スペンサーやアレックが入隊してからどのくらい時間が経っているのか不明なのだけど、アレックがヨーロッパに駐在している間に、ヨーロッパ旅行をしようということになる。アンソニーは軍人ではなく普通に働いているようだけれど、どんな仕事をしているのか全く描写がない。休めないって言ってたから働いてるんだよね? 学生?
アレックは現在ドイツだったかな?に駐屯している。現地で彼女が出来たようで、バルのようなところで2人で話すシーンがあって、これは母親のことについて話していたような気がするけど、このシーンも必要だったかな? 素人だから普通の芝居は辛い💦
そして、スペンサーとアンソニーの旅が結構な尺で描かれる。パリではLA(だっけ?)から来た女性をナンパ、3人で観光する。夜にはセクシーナイト的な場所にも行ったらしいけど描写は無し。ヴェネツィアに行った時だったか、バーのような所で隣になった初老の男性から、アムステルダムに行けと助言され、3人はここで落ち合う。アムステルダムではクラブのようなところで大騒ぎして楽しそうだし、3人ホントに親友どうしなので、はしゃいでいる時は自然ではあった。とはいえ、この旅自体がテロに直接関係しているわけでもないし、3人がこの旅を通して成長するわけでもないので、これを延々見せられてもという気もする。でも、観光名所が出て来るだけ、スペンサーの軍隊生活や子供時代を見ているよりは楽しめたかも。
さて、残り30分くらいかな?になってようやく3人は、アムステルダム発15時17分、パリ行きに乗車する。一応、3人の生い立ち的なエピソードの間に、何回か列車内のシーンが映されてはいて、そのシーンに登場する人々がホームに居たりする。この人たちも実際に乗車していた本人たち。
チラチラ差し込まれていた列車内のシーンから先に書いておくと、一等車両に乗っていた夫婦連れの男性が、男がトイレに入ったきり出てこないと不審がる。様子を見に席を立つ。するとトイレを待っていた男性もこれに加わり、2人でドアを叩く。中から武装した男性が出て来る。2人はなんとか取り押さえようとするも、夫婦連れの男性は首を撃たれてしまう。というところまでだったと思う。このシーンはさすがに緊迫感があり、演じていたのは素人だったのかと考えると皆上手くこなしていたと思う。犯人役は役者さんだけど、首を撃たれた男性がご本人と知りビックリ😲
さて、列車に乗り込んだ3人。2等車両に乗り込むのだけど、何かの理由で1等車両に勝手に移ってしまう。この理由を忘れてしまったけど、1等車両が空いてるから移動するかぐらいの軽い感じだったと思う。しかし、これが乗客たちの運命を決めた。そう考えるとスゴイ!
男性が撃たれ、犯人が銃を持って列車内を走って来ると、スペンサーとアレックが素早く反応。スペンサーが犯人を羽交い絞めにする。銃を奪うけれど、犯人はナイフを持っており、スペンサーの頭と左手の親指を切りつける。親指はかなりの深手。それでもひるまず羽交い絞めにし続けるスペンサー。そしてアレックが犯人を殴り、弱ったところで拘束する。もう1人の男性も加わり、彼を床に押さえつける。スペンサーは首を撃たれた男性の傷口を指で強く抑ええ、彼が気を失わないように声をかけ続ける。自分の指が外れたら出血多量で死んでしまうから、動かないようにと言う。たしかスペンサーの配属先はそういう部隊だったかもしれない。医療チームとは違うのだけど、人工呼吸をしたりそういうことを学んでいた。知識が役に立った。
次の駅で警察と医療チームが駆けつけ、犯人は身柄を拘束され、首を撃たれた男性は病院へ搬送。スペンサーも応急処置を受ける。
そして、画面変わって3人と、犯人を押さえつけていたイギリス人ビジネスマン クリス・ノーマン(本人)の4人が、フランソワ・オランド大統領からレジオン・ド・ヌール勲章を授与される。これは実際の映像だと思われる。わざわざ大統領に再演はさせないと思うので。3人はアメリカに帰国後、英雄として迎えられたようで、花車でパレードしている。これも実際の映像かな。
実はこのテロ事件、車掌がいち早く車掌室に逃げ込んでしまい、中から鍵をかけて出てこなかったというエピソードがあったり、俳優のジャン=ユーグ・アングラードも乗り合わせており、警報器を鳴らそうとガラスを割った際に軽傷を負ってしまったそうだけれど、この2つのエピソードについては描かれていなかったと思う。
キャストについては、子役や母親たち、そして犯人など一部俳優が演じているものの、基本ご本人が演じていて、演技的には正直・・・なので割愛。ただ、テロ場面の再現は素人なのに迫力があったと思う。これは演出の上手さもあるとは思うけれど。
うーん。本人たちに演じさせようというのはクリント・イーストウッド監督のアイデアで、どうやら彼らに事件の話を聞いているうちに、だったら自分たちで演じさせたらいいんじゃないかとなったらしいのだけど、それならドキュメンタリーでよかったのでは?という気がしなくもない。映画にする意味はあったのかな? イヤ、今作はもちろん形式としては"映画"になっているけど、やっぱり素人が"見せる"というのは限界があるんじゃないかと思う。スペンサーが軍人になるくだりを延々見せられても、後にヒーローになったとはいえ、その時点での彼は特に魅力的な人物ではないので、それでも作品を引っ張って行くのは役者の力量によるところは大きいんじゃないかな?
アメリカではパレードもあったし、3人はバラク・オバマ大統領からホワイトハウスに招待されたりしたようなので、アメリカではこの事件は有名なのかもしれないけれど、日本ではそんなに知られていないのも辛いかも。自分は不勉強で知らなかった。見たいと思ったのはクリント・イーストウッド監督がテロをどう描くのかってことだったので、作品の大部分が子供時代と軍隊入隊、そして旅なので個人的には肩すかしだった。これは好みが別れるんじゃないかな~💦 3人が子供時代に出会ったことから運命だったんだ!と感じられる人は好きかも?
うーん。まぁクリント・イーストウッド監督ファンの方はオススメしなくても見に行くでしょうから、どこ向けにオススメしたらいいんだろう? まぁ、好きかもしれないからとりあえず見てみてもいいかも? という感じかな
『15時17分、パリ行き』公式サイト