【art】「写真家ドアノー / 音楽 /パリ」鑑賞@Bunkamura ザ・ミュージアム
毎年、お正月休みにその年に開催される美術展をチェックしている。去年はピックアップした美術展がことごとく中止になってしまい悲しかった😢 今年、絶対行きたいと思ったうちの一つである「写真家ドアノー / 音楽 /パリ」を見に行ってきた。
#写真家ドアノー音楽パリ どうしても見たくて今日しか行けないかもと見に行ってきた!行ってよかった!すごくイイ✨初期の頃から晩年まで人を中心とした作品たち。有名人でも市井の人でも、同じように撮る。どこか映画的でもあり、全てがカッコいい。でも、ユーモラスでもある。カッコイイ👍🏻 pic.twitter.com/BEtT5TRNzG
— maru 𓆸 (@maru_a_gogo) March 5, 2021
展示としては年代順になっているけれど、写真家ロベール・ドアノー(Wikipedia)の歴史というよりは、音楽をキーワードとして時代の流れを見せるという感じ。パリ解放後に街角にあふれた音楽、イヴ・モンタンやジュリエット・グレコなどの歌手、ジャズやロマ音楽、マリア・カラスのレコーディング風景を写したオペラ、俳優でチェロ奏者のモーリス・バケとのコラボ、そして1980-90年代のロックまで。約40年に渡り様々なジャンルの音楽をテーマにした写真を展示。
前述したイヴ・モンタンやマリア・カラスなど有名人から名もなき市井の人々まで多種多様。でも、ドアノーが被写体に向ける視線は、有名だろうが無名だろうが関係なく、彼らの自然な姿を映し出そうとしていたように思う。例え、そこに作為があったとしても、見ている側にはあくまで自然に見えた。それがとてもかっこよかったし、とても楽しかった。
#写真家ドアノー音楽パリ 好きだったのはポスターのグレコのとピエレットドリオンの、イヴ・モンタン、雨の中のチェロ、ジジ・ジャンメールとサンローランの、オペラ座のキス、熟練の工員たちによる組立、レ・リタ・ミツコのシリーズ、ジャンゴ・ラインハルトなど。
— maru 𓆸 (@maru_a_gogo) March 5, 2021
「サン=ジェルマン=デ=プレのジュリエット・グレコ」
初めてパリに行った時に泊まったのがサン=ジェルマン=デ=プレのプチホテルだった。だから何?って感じだけど、なんとなく親しみを感じる。ジュリエット・グレコ(Wikipedia)は名前を知っている程度の知識で、全く詳しくないのだけど構図といい、グレコの自然な感じといい、さらに犬のリラックス具合といい。カッコイイのにユーモアがあってとても好き✨
「流しのピエレット・ドリオン」
ピエレット・ドリオンという方については全く知らなかったのだけど、タイトルにもあるとおり流しのアコーディオン奏者なのかな? 細い弓形の眉毛やパーマヘアといい、モノクロ映画の女優さんのよう。手前にコート?が映ってて、盗み見ているような感じも面白い。
「イヴ・モンタン」
シャンソンの女王エディット・ピアフ(Wikipedia)の年下の恋人だったこともあるイヴ・モンタン(Wikipedia)。ご自身も有名なシャンソン歌手で俳優でもあるけれど、めっちゃ笑顔で見ていて思わず笑顔になってしまった。
「雨の中のチェロ」
俳優でありチェロ奏者だったモーリス・バケとコラボした「チェロと暗室のためのバラード」シリーズの中の1枚。バケがいろんなパロディを行うものと説明があったけれど、いわゆる元ネタがあるという意味のパロディなのだとしたら、この作品が何のパロディなのか自分には分からない。でも、とてもユーモラスでかわいいから好き。
「バレエ「カルメン」の衣装合わせ、イヴ・サン=ローランとジジ・ジャンメール」
バレエ好きとしてはジジ・ジャンメール(Wikipedia)の写真があってちょっとうれしかった😃 超有名振付師のローラン・プティ(Wikipedia)の妻でもある。ジジは1949年にロンドンで「カルメン」を演じて有名になったそうなので、この作品の衣装合わせが「カルメン」であることは興味深い。そして、衣装を担当したのがサン=ローランというのがまた豪華✨
「オペラ座のキス」
ドアノーといえば「パリ市庁舎前のキス」が代名詞だけど今回は展示なし😥 その代りと言ってはなんだけれど同じくキスシーンを写した作品を見つけてうれしかった。オペラ座の全景をあえて入れず、あくまで2人が主役として写してるところが面白い。「パリ市庁舎前のキス」もLIFE誌の依頼で撮った演技であったそうだけれど、おそらくこれも演技なのでしょうね。それでも素敵✨
「熟練の工員たちによる組立」
老舗ブランドであるビュッフェ・クランボンのクラリネット工房を取材した作品のうちの1枚。熟練の工員というだけあって、全員おじいちゃん。全員老眼鏡👓 めちゃめちゃカッコイイ!
「ジャンゴ・ラインハルト」
『ギター弾きの恋』でその名を知ったジャンゴ・ラインハルト(Wikipedia) ご両親はロマの旅芸人一座にいたそうで、ロマ音楽とジャズを融合したジプシー・スウィングの創始者。ダッフルコートのジャンゴの後ろに映画のポスターっていう構図がとても好きだった。この映画『LA FLECHE BRISEE』書かれていて、調べてみたところ1950年制作の『折れた矢』(Wikipedia)という西部劇だった。
「サン=マルタン運河のジャック・プレヴェール」
ジャック・プレヴェール(Wikipedia)は詩人で、映画作家で、童話作家。「枯葉」の歌詞を書いたことと、『天井桟敷の人々』の脚本を書いたことで有名。これめちゃめちゃカッコイイ😍 タバコの臭い苦手で頭が痛くなるから嫌いなのだけど、この写真では絶対タバコ咥えてなきゃダメだよね! 背景の街並みもいい感じ。
#写真家ドアノー音楽パリ 一番好きだったの忘れてた!エッフェル塔のモーリス・シュヴァリエ!シュヴァリエがお土産用のエッフェル塔持ってて、そのエッフェル塔から風船が飛び出してるみたいになってる作品。エッフェル塔も風船も、シュヴァリエも全部かわいい😍ポストカード無くて残念🥲
— maru 𓆸 (@maru_a_gogo) March 5, 2021
「エッフェル塔のモーリス・シュヴァリエ」
俳優モーリス・シュヴァリエの出演作は『昼下がりの情事』と『恋の手ほどき』しか見てないけど、『昼下がりの情事』で演じたオードリー・ヘプバーンの父親役が好きだった。優しくて茶目っ気のあるそのイメージそのまま。エッフェル塔の前でエッフェル塔のオモチャを持って、その先から風船が飛び出しているような構図。全てがカワイイ😍
他にも素敵な作品がたくさんあった。前述のマリア・カラスのレコーディングシーンも良かったし、シャンソン界の大スターバルバラを写した「レクリューズのバルバラ」も良かった。とにかく、全ての写真から音楽が聴こえてきそうな、楽しくて、かわいくて、カッコイイ。
コロナ対策は各美術館によって違っていて、ザ・ミュージアムは一部の日にちを除いて日時指定制は行っていないし、金曜日と土曜日は21時まで開館している。検温して入場、各所にアルコール消毒が置かれていた。混雑時には入場規制も行うようだけれど、空いていたので密を心配することなく、自分のペースで見れた。
会場出口のパネルは撮影OK。これは「パリ祭のラストワルツ」 これが最後の展示であり、撮影可能というのがとてもいい。添えられたドアノーの「特に作品を作ろうとは思っていなかった。私が愛するこの小さな世界の思い出を単純に残したかっただけだ。」という言葉も素敵✨ 本当にそのとおりのことを作品から感じた。
映画『パリが愛した写真家 ローベル・ドアノー<永遠の3秒>』は、同じBunkamuraのル・シネマで上映中なのかな? これも見たいな🤗
#写真家ドアノー音楽パリ お土産は図録とポストカード3種。展示があったのは真ん中のオペラ座のキスのみ。図録は普段買わないけど、これは買っちゃうわ!横のポストカードは図録の特典🤗 pic.twitter.com/9oiLlUdwoe
— maru 𓆸 (@maru_a_gogo) March 5, 2021
お土産は、美術展に行くと必ず買うことにしているポストカードを3種類。とはいえ、展示があったのは真ん中の「オペラ座のキス」のみ😅 でも、やっぱり「市庁舎前のキス」は買わないとね! 猫好きとしては子猫は外せない。図録は普段あまり買わないのだけど、ザ・ミュージアムのは写真集のようになっていて装丁もオシャレで素敵なものが多くてつい買ってしまう。ダンスしているポストカードは図録のおまけ。
🎨写真家ドアノー / 音楽 / パリ:2021年2月5日ー3月31日 Bunkamura ザ・ミュージアム
「写真家ドアノー / 音楽 / パリ」|ザ・ミュージアム