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【cinema】『ジョジョ・ラビット』

2020-02-21 00:52:31 | cinema

2020.02.01 『ジョジョ・ラビット』鑑賞@TOHOシネマズ楽天地

 

これは見たいと思ってた! スカーレット・ヨハンソンとサム・ロックウェル出てるし、ヒトラーが出て来るわりにポップなかわいい映画に見えたので。ムビチケ買っとくの忘れたので、映画の日に見に行ってきた~

 

ネタバレありです! 結末にも触れています!

 

「空想のヒトラーが唯一の友である少年ジョジョは、憧れのヒトラー・ユーゲントに入団し意気揚々。しかし、ウサギを殺せなかったことにより、ジョジョ・ラビットと不名誉なあだ名をつけられてしまう。爆弾訓練中に負傷したジョジョは自宅に戻される。ある日、亡くなった姉の部屋に隠し扉があることを発見し・・・」という感じかな🤔 思っていたよりもずっと重くて辛い話だったけれど、思っていたとおりポップな語り口だったので、辛くなり過ぎずに見ることが出来た。とても愛おしい作品だった😌

 

タイカ・ワイティティ監督作品。監督作品は『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』と『マイティ・ソー バトルロイヤル』を見ている。どちらも、なかなかおもしろかった印象。今回、ヒトラー役も演じているけど、俳優としても活動しているのね。

 

作品について毎度のWikipediaから引用。『ジョジョ・ラビット』(Jojo Rabbit)は、2019年アメリカ合衆国コメディ映画。監督はタイカ・ワイティティ。主演はローマン・グリフィン・デイヴィス。共演はトーマシン・マッケンジー、タイカ・ワイティティ、レベル・ウィルソンスティーブン・マーチャント英語版アルフィー・アレンサム・ロックウェルスカーレット・ヨハンソンら。

 

2018年3月、タイカ・ワイティティが監督を務めるだけでなく、「主人公のイマジナリーフレンドアドルフ・ヒトラー」として映画に出演することも明らかになった。ワイティティは役について「孤独な少年のヒーローの最高のバージョンであり、彼の父親のような存在。」と語った。同年同月、スカーレット・ヨハンソンが「密かに反ナチスである主人公の母親としてキャストに加わった。同年4月、サム・ロックウェルが「ヒトラーユースキャンプを運営するナチスのキャプテン」としてキャストに加わった。同年5月、新人のローマン・グリフィン・デイヴィスが主人公として、トーマシン・マッケンジーが「ヨハンソン演じる母親が自宅に隠しているユダヤ人の少女」としてそれぞれキャストに加わった

 

本作は批評家から好意的な評価を受けている。Rotten Tomatoesでは78個の批評家レビューのうち78%が支持評価を下し、平均評価は10点中7.51点となった。MetacriticのMetascoreは22個の批評家レビューに基づき、加重平均値は100点中53点となった。サイトは本作の評価を「賛否両論または平均的」と示している

 

とのことで、後はあらすじとキャスト紹介があるくらいでほぼコピペ。評価は概ね好評なのかな。ちょっと割愛してしまったけれど、評価の中に"不謹慎なユーモア"という言葉があって、そこが受け入れられるかがカギなのかなと思う。個人的にはそれが痛烈な皮肉になっていて好きだった。

 

冒頭からジョジョことヨハネス・ベッツラー(ローマン・グリフィン・デイヴィス)と一緒にヒトラー(タイカ・ワイティティ)が登場している。ジョジョにとってヒトラーはヒトラーとして認識されていて、ヒトラーらしき忠告をしてくる。こういう想像上の友人をイマジナリーフレンド(Wikipedia)というのだそう。ちょっとよく分からないのだけど、本人としてはイマジナリーフレンドが実在しないって認識がないってことなのかしら? あと、今作のようにイマジナリーフレンドが有名人だったり実在の人物っていうパターンもあるということなのかな? イマジナリーフレンドついて今作の描かれ方が正しいのか不明なのだけど、ジョジョとしてはヒトラーが自分の近くにいることについて、不思議に思っている様子はない。ヒトラーを演じているのは監督のタイカ・ワイティティで、ペッタリ横分け&ちょび髭で軍服というアイテムを纏っているけど、そんなに似てない。似てる人を登場させないってことも狙いだと思われ、それがコミカルでホンワカする要素となっている。



ジョジョの家族構成については追々分かってくる感じなのだけど、先にまとめて書いておく。現在、ジョジョは母親のロージー・ベッツラー(スカーレット・ヨハンソン)と2人暮らし。父親はイタリアに出征していることになっているが、後にジョジョの指導を行う上級生?が、脱走したと言っていたし、さらにある人物から衝撃発言があるけど、それが真実かは結局分からない。ジョジョにはまだ十代前半だった姉がいたけれど、現在は亡くなっている。この姉の存在はとても重要なのだけど、何故亡くなってしまったのかは語られないので分からない。さらに、姉が亡くなったことは周囲は知らないらしい。これも何故なのかは分からないけど、それは重大な秘密のためなのかも?🤔 母親はジョジョをとても可愛がっていて、ジョジョがナチスに憧れているのを少し心配そうにしている。



さて、ジョジョは憧れのヒトラー・ユーゲントに入ることが許される。大喜びで街を走り抜けるジョジョ。ここでドイツ語の「I Want To Hold Your Hand」が流れるのが印象的。音楽の使い方も良かったと思う。無邪気な姿に笑いながらもやり切れなさを感じたりする。原っぱのような所で入隊式が行われるけど、指導官クレンツェンドルフ大尉(サム・ロックウェル)が挨拶するステージ的なものも残念な感じだし、ダラダラと登場した指揮官はまさかの Heil Hitler guys の呼びかけ。これは笑ったー🤣 部下のフロイライン・ラーム(レベル・ウィルソン)の挨拶もあったけど、コチラは笑わせようとするセリフが逆に笑えず。レベル・ウィルソンは『ピッチ・パーフェクト』『ピッチ・パーフェクト2』と『キャッツ』(感想はコチラ)と見たけど、個人的にことごとく笑えなかったので、多分合わないんだと思う。あくまで個人的な感想😌



ジョジョは張り切って訓練に参加するけど、怯えていることを上級生2人に目をつけられてしまい、彼らが指導する訓練で皆の前でウサギを殺すように言われてしまう。心優しいジョジョはウサギを逃す。すると、腰抜けのジョジョ・ラビットだとからかわれる。これがタイトルとなっているわけだけども、弱い者の命を簡単に奪うこと、そして正しい行いをした者を馬鹿にする行為を皮肉っているのだろうから、とてもメッセージ性のあるタイトルなのだと感心する。



別の日、ジョジョは爆弾の訓練を受けるが、またビビリを発揮してしまう。でも、イマジナリーフレンドであるヒトラーに励まされると、突如爆弾を持って走り出し、待機中の皆の間を走り抜け、爆弾を投げるもまさかの木にぶつかって跳ね返され、被弾してしまう。この皆の間を走り抜けているのが、映画サイトなどでよく使われてる画像のシーンで、この時のタイカ・ワイティティのポーズが素晴らしい。ジョジョが被弾してしまった直後、これは悪い例だと大尉が言って笑いを誘うので、てっきり大したことないケガなのかと思ったら、顔に傷が残ったり、足を引きずったりするような大怪我だった😱その辺りはリアルで良かったと思う。

 

このジャンプね!



ヒトラー・ユーゲントに参加できなくなってしまったジョジョは、母のロージーに連れられてある施設に行く。ここがどういう施設なのかよく分からなかったのだけど、ナチスの事務処理的なことをするらしい? ジョジョの事故の責任を取らされ、クレンツェンドルフ大尉はここに左遷されたらしい。ロージーはジョジョにケガをさせたのだから、彼をここで使って欲しいと、かなり強い口調で言う。大尉はその口調に押されて承知する。2人は以前からの知り合いのようにも見えたので、この後何かあるのかと思ったけど、特になにもなかった😅



この施設はかなりゆるい感じで、ジョジョの親友でポッチャリしたヨーキー(アーチー・イェーツ)たちヒトラー・ユーゲントのメンバーが軍服で武器を持ったままプールで泳ぐ訓練をしたりするけど、それもコミカルに描かれている。またハッキリ明言はされないけれど、クレンツェンドルフ大尉と部下のフィンケル(アルフィー・アレン)はゲイの恋人である感じが示唆されている。

 

どのタイミングか忘れてしまったけどクレンツェンドルフ大尉が新しい軍服をデザインしたとジョジョにスケッチを見せるシーンがある。これがまた派手でちょっとクスッと笑ってしまうのだけど、これは後に劇的なシーンで登場し切なさを倍増させることになる。



ジョジョの仕事は戦意鼓舞するポスター貼り。この辺りまで実際には重い内容だけど、かなりコミカルでポップに描かれているので、ポスターの内容に関係なく、一生懸命なジョジョを少し誇らしく思ってしまう。実は、後に向かってトーンが変わっていくので、その辺りを意識してのことなのかなと思ったりする。たしか、この時点でジョジョが反ナチスのチラシを見つけていたと思う。これは後の伏線。



細かい順番は忘れてしまったのだけど、ジョジョが母のロージーと歩いていると、広場で数人の男女が吊るされていた。ジョジョがあの人たちは何をしたのかと聞くと、ロージーはすべきことをしたのだと言ったと思う。ここで少し引っかかるのだけど、具体的には思い至らず。まさかこのシーンが後の伏線になっているとわ!😲 後から知ってビックリした。ナチス統治下で行われていたであろう反ナチスの処刑。見ている側としては、このシーンにショックを受けつつも、どこかで諦めのようなものを感じている。それが後に感情を揺さぶられる出来事として出てくるので、より怒りや憤りを感じる。



母のロージーは仕事に出ているため、日中一人でいることが多くなったジョジョは、ある日姉の部屋で遊んでいる時、壁に奇妙な隙間があることを発見する。ヒトラー・ユーゲントでもらったナイフを隙間に入れて動かすと壁が開いた。中から少女が現れたのだった。ジョジョはここで気を失ってしまう。見ている側には少女がどういう境遇なのか直ぐ分かるので、その後の2人のやり取りなどは、適当にまとめて書いておく。



少女はエルサというユダヤ人。どういう経緯でロージーに匿われたのか言及があったか忘れてしまったのだけど、後にエルサは姉の友人であったことが分かる。ナチスを信奉しているジョジョは、エルサのことを全く信じようとしなかったし、見ている側も少し疑っていたけれど、ある出来事によるとこれは事実なのだと思う。



ユダヤ人には尻尾があるとか、ツノがあるとか教え込まれていたジョジョは、エルサにもとても失礼な態度をとってしまう。エルサは呆れるけれど、ジョジョをからかおうと思ったのか大袈裟に描写し、ジョジョがそれを絵にしたりと不思議な交流が続く。ジョジョは次第にエルサに恋心を抱くようになる。



ロージーと話している時、恋というのは素敵なものだと教えられる。お腹の中で蝶が羽ばたいているような感じだと言われたジョジョが、エルサと話しているうちに、お腹の中を青い蝶が羽ばたく映像が素敵。この話をしている時、ロージーとジョジョは川岸を歩いていて、ロージーが堤防のようなところに登り、ちょうど足元がジョジョの目線の位置になる。ロージーは戦時中とは思えない派手な靴を履いており、度々アップになるのだけど、ここでは特にそれが顕著で気になっていたら、これはやはり後の伏線だった。

 

ちょっと順番があやふやになったしまったのだけど、ジョジョがエルサに恋していることを自覚する前、婚約者からの手紙だと偽って、自分で手紙を書きエルサに読んで聞かせるシークエンスがある。エルサは婚約者が文学(シェイクスピアだったかな?)から引用した手紙をくれたと話していたため、図書館に行き本を引用してまでエルサと別れるという手紙を書く。ジョジョとしてはエルサが自慢するので困らせてやろういうことだろうけど、それは実は嫉妬で恋だからね。この手紙を読まれたことで、エルサに号泣されてしまい、罪悪感を抱くことになり、さらにエルサが気になっていく。



エルサはジョジョといる時はお風呂に入ったり、姉の部屋で姉の服を着たり自由に過ごし、ジョジョとも姉と弟のような関係になる。そんな中、ゲシュタポのディエルツ大尉(スティーブン・マーチャント)がジョジョの家の捜査にやって来る。ロージーは留守でジョジョはたった一人で対応しなければならない。たまたま通りかかったクレンツェンドルフ大尉が付き添ってくれるが、ディエルツ大尉らの捜索は執拗で、とうとうエルサが隠れている姉の部屋にやって来る。ドキドキ。

 

緊張が走る中、姉の部屋のドアを開けると、姉の服に着替え身なりを整えたエルサがいた。エルサは自分はジョジョの姉のだと名乗る。ディエルツ大尉は身分証の提示を求める。エルサは身分証を取り出し、クレンツェンドルフ大尉に渡す。生年月日を尋ねると少し動揺しつつも答えるエルサ。クレンツェンドルフ大尉は少し間があったものの合っていると言ってエルサに身分証を返す。ディエルツ大尉らの疑いは晴れ、彼らは帰って行く。するとエルサはジョジョに誕生日の日にちを間違えていたと言う。クレンツェンドルフ大尉はエルサの嘘を見抜いていたけれど、黙っていてくれたのだった。

 

この時、クレンツェンドルフ大尉が何故見逃してくれたのかは分からない。ジョジョと良い関係が築けていたとはいえ、バレれば自分の身にも危険が及ぶのに、庇ってくれるほどの関係ではなかったように思う。とはいえ、ユダヤ人を匿っていたとなれば、エルサはもちろんロージーだけでなくジョジョにも害が及ぶ。まだ子供のエルサとジョジョを助けたいということだったのかもしれない。そしてクレンツェンドルフ大尉は後にもう一度ジョジョを救うことになる。

 

しかし、ジョジョにとって大変な悲劇が起きる。再び広場で吊るされて処刑された人の中にロージーもいたのだった。数日前、ジョジョはロージーが町で密かにビラを置いている姿を目撃していたし、前夜だったか夕飯時に父親のコートを着て、炭で口の周りに髭を描いて父親を演じてジョジョをからかったりして、とても良い親子関係を見せいていたのは、後から思うと伏線だったのね😢 このシーンではロージーの足元しか見せない。見ている側はあの靴が映されてロージーが処刑されたことを知る。それが辛さをより際立たせている。

 

父親が戦地にいる(ことになっている)とはいえ、世間的には独りぼっちになってしまったジョジョ。母親の死因が影響しているのか、そもそも親戚が不在なのか分からないけど、ジョジョは表向き一人で生活する。配給を取りに行ったりと辛い生活ぶりが描かれる。家にはエルサがいるわけで一人ではないけれど、ユダヤ人を匿っているわけだからエルサは足かせにしかならない。そういう部分を現実味がないと感じる人もいるかもしれないけれど、悲惨過ぎない描き方に救われた部分はある。ことさら悲惨さを強調しなくても伝わるものは伝わる。

 

そうそう! イマジナリーフレンドのヒトラーは、ちょこちょこ登場していたけれど、エルサに恋したことを自覚して、ユダヤ人は教えられていたような人たちではないということが分かった時点で、ジョジョがイマジナリーフレンドのヒトラーの言うことを思いきり否定すると、窓から飛び出してしまい二度と現れない。要するに必要なくなったということで、これはイマジナリーフレンドがヒトラーの姿をしていたことが、ナチズムや偏見などを体現しており、それを否定するという意味が込められているということなのだと思う。

 

連合軍の攻撃は日増しに激しくなっており、爆撃の中ジョジョが逃げていると、少年兵として戦っているヨーキーが別の少年兵と2人で大砲を持って走っている。ジョジョがヨーキーと声をかけると、振り向いたヨーキーが手を振って話してしまったため、大砲が落ちて店を誤射してしまうコミカルシーンあり。ここ予測ついたのに思わずアラッって声出ちゃったオバさん化が酷い😅

 

さらにジョジョが逃げると、自らデザインしたド派手軍服を着たクレンツェンドルフ大尉と出会う。大尉はこれから連合軍に向かって突撃するという。もちろんフィンケルも一緒。なるほど、これはドン・キホーテなんだね🤔 その前にフロイライン・ラームも突撃しているのだけど、やっぱりレベル・ウィルソンのおもしろさが分からないゴメン🙇 

 

大尉たちが突撃した後、激しい攻撃を受ける。爆撃が終わった後、ナチスの軍服を着ていたジョジョは連合軍に捕まってしまう。え? まさか少年だから捕虜にしないよね? と、思っていると連れていかれた先には負傷したクレンツェンドルフ大尉がいた。大尉はジョジョに最後に良いことをしたい的な事を言い、ジョジョの軍服を脱がせ大声でユダヤ人は出ていけ!とジョジョを罵倒する。連合軍の兵士が駆けつけてジョジョを解放し、逃げるように言う。ジョジョは戸惑いながらも逃げる。兵士に連行されたクレンツェンドルフ大尉。ジョジョが敷地から出ると銃声が聞こえた。クレンツェンドルフ大尉は自分の命と引き換えにジョジョを救ってくれたのだった。このサム・ロックウェルの演技が素晴らしくて泣いたー😭

 

家に戻ったジョジョは、エルサと離れたくないためエルサにドイツ軍が勝ったから、外に出ては危険だと嘘をつく。ジョジョはエルサの恋人からを装って手紙を書く。必ず帰るから待っていて欲しいという内容の手紙に、エルサは手紙を書いたのはジョジョだと見抜く。なぜなら恋人は既に亡くなっているから。自分をなぐさめようとしてくれたことにお礼を言うエルサに、ジョジョは自分はエルサに恋していることを告げる。エルサは自分もジョジョを愛していると言うけれど、ジョジョはそれは弟としてだということが分かっていた。切ない😢

 

そして、ジョジョはエルサを外に連れて行く。ドイツが勝利したと思っているエルサは畏れるけれど、外に出るとドイツが負けたことが分かる。エルサは自分を騙したジョジョに平手打ちをするけれど、これからどうするかと問うジョジョに対し、静かに体を動かしはじめる。それにジョジョも応え2人は踊り始める。映画はここで終了。

 

エルサはジョジョにロージーから聞いた話として、ジョジョの父親はイタリアで反戦活動をしているのだと語るシーンがあった。真偽のほどは不明だけど、ヒトラー・ユーゲントの上級生が脱走したと話していたので、本当のことなのかもしれない。この後、エルサとジョジョはしばらく一緒に生きていくのか、ジョジョの父親が帰って来るのか全く分からないけど、とにかく自由を喜ぶシーンがラストなのは映画の終わりとして良かったと思う。

 

役者たちは子役含めてみな良かった。ヨーキーのアーチー・イェーツくんには和ませてもらった🤣とにかくカワイイ! エルサのトーマシン・マッケンジーもユダヤ人としての誇りを失わず過酷な状況を生きる姿を好演していたと思う。そしてジョジョのローマン・グリフィン・デイヴィスくんが良かった。ジョジョは実はとても辛い状況になってしまうのだけど、それでも生き抜く強さをおとぎ的に見せているわけで、それにはローマンくんの明るさやかわいさがとても必要だったのだと思う。ジョジョは基本一生懸命で、でもそれがコミカルに見えるタイプのコメディでもあるので、その辺りどこまで自覚して演じているのか分からないけど、とても良かったと思う。

 

忘れがちだけどイマジナリーフレンドのヒトラー役でタイカ・ワイティティ監督が出演。このヒトラーはジョジョが作り出したヒトラーだから、実際のヒトラーではないけど、ヒトラーが言いそうなことを言うヒトラー。でも、ジョジョと一緒にジャンプしちゃうヒトラー。その感じが逆に皮肉になってて良かったと思う。今作品でアカデミー賞助演女優賞ノミネートのスカーレット・ヨハンソンがとても良かった。反戦運動をしていてユダヤ人を匿っているけど、ナチスを信奉する息子のことは否定しない。単純に隠れ蓑にしていたわけではないと思う。その辺りの潔さというかかっこよさを感じた。ジョジョに恋愛の話をするシーンがとても良かった。

 

実は今回個人的に一番良かったのはサム・ロックウェル。いつも上手いし好きな役者なので、サム・ロックウェルならこのくらいやるだろうとも思うのだけど、おそらくゲイという設定のクレンツェンドルフ大尉は、それもあってどこか体制からはみ出しているということを自覚している部分があって、だからこそ弱者に対して冷酷になり切れない部分があったのだと思う。その辺りを前半のいい加減な感じに見せている部分でも、全身にそこはかとなく漂わせているのがスゴイ。そして、やっぱりラストのジョジョを助けるシーンが素敵すぎる✨ 

 

前半はとにかくコミカルでアニメ的な印象。中盤はややファンタジー的な感じに。そして終盤はヒューマンドラマになる。映像のトーンもポップなものからだんだんダークな感じになっていく。その感じがアニメ的というか映像を見ているのに物語を読んでいるような感覚で、それがとても好きだった。ナチズムやホロコーストをポップに描くべきではないという意見もあると思うけど、個人的にはふざけているとは思わなかったし、重いテーマをポップに見せるのもありなんじゃないかと思う。

 

ジョジョの部屋のポップな感じと、姉の部屋の少しダークなトーンとか好きだった。スカーレット・ヨハンソンの衣装がとてもカラフルでオシャレ。靴はあのシーンを印象的にするためでもあるとは思うけれど、TLに流れて来た文筆家の長谷川町蔵氏(@machizo3000)のツイートによれば、ロージーがファッショナブルで常にワインを飲んでいたのは、当時世界で最もリベラルでナイトライフが盛り上がっていたワイマール共和国時代に青春を過ごしたことを表しているのだとか。なるほど! だから反ナチスなのね😲 そいういう背景も知っていると映画を見るのがもっともっと楽しくなるんだね🤔

 

重いテーマを重過ぎずに描いているから、見やすいのではないかなと思う。スカーレット・ヨハンソン好きな方、サム・ロックウェル好きな方も是非!

 

『ジョジョ・ラビット』公式サイト


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