2020.10.30 『詩人の恋』cocoオンライン試写
cocoオンライン試写に当選✨ いつもありがとうございます! 韓国映画には珍しい感じがして応募。楽しみに見てみた😃
ネタバレありです! 結末にも触れています!
「詩人のテッキは、以前賞を取ったこともあるが、現在は妻の収入で生活している。それなりに平和な暮らしだったが、妻が妊活を始めて生活のリズムが崩れ始める。そんな時、ドーナツショップで働く青年が気になって・・・」という話で、これは結構重いテーマであるにもかかわらず、主人公のふわふわと定まらなさが不思議な作用となっていて、じんわりしみる作品となっていた。
キム・ヤンヒ監督作品。長編初監督とのことで、当然ながら作品を見るのは初めて。女性監督ならでわの細やかさが感じられる作品だと思う。作品について毎度のWikipediaは見つからなかった😢
今作の主人公は詩人で、基本家の中か、ドーナツ屋か、友人の店くらいしか行動しないし、何か大きな事件が起きるわけでない。なので、シーンごとに細かく描写するのではなく、適当に割愛したり順番を入れ替えたりする。毎度どうでもいいと思うけれど、断り書きとして書いておく😌
冒頭、バスでどこかに向かう主人公テッキ(ヤン・イクチュン)の姿に、彼の声で朗読する詩が流れる。どうやら詩の朗読会?のようなものが定期的に居酒屋のようなところで開催されているらしく、テッキはそこで新作をお披露目したらしい。不勉強で詩はよく分からない😢 なので、テッキの詩が良いのか悪いのか分からない。正直、何を言いたいのか分からなかった😅 とはいえ、これは後の伏線でもあるので、難解な感じでいいのだと思う。
その辺り、居酒屋の人々にとっても同じなのか、皆なんとなく良いんじゃないか的な雰囲気。そんな中、1人の女性が異議を唱え、皆一気にそちらに同意する方向へ。帰り道、テッキは独り言で彼女の悪口を言うけれど、その場で強く主張することはできない。このシーンだけでテッキの性格を見せちゃうの上手い。人前で自己主張するのは苦手だけど、本当はプライドが高く、自分の主義主張は曲げない感じ。
詩人など創作活動をする人は、自分のカラーを出さなきゃならないだろうし、自分の中の思いを表現したくて、その職業を選んだのだと思う。なので、作品において自己主張強めで個性的であってもいいとは思うのだけど、伝わらなければ意味がない😅 特に詩人とか小説家とかって、何か資格があるわけではないので、認められなければ自称でしかない。
テッキは10年以上前に賞を受賞したらしいので、自称詩人ではないとは思うけど、それでお金を稼げていない以上、自称詩人に限りなく近いと言えるのかも。
テッキは済州島で育ち、現在も同じ場所に住んでいる。後からチラリとセリフの中で語られるけれど、どうやら実家はみかん農家で、テッキとしては家業を継ぐのは嫌だったらしい。こんな言い方はなんだけど、みかん農家をやりながら詩を書くことはできるはずなので、これは単純に農家が嫌だったのでしょう。
とはいえ、実家の敷地内の離れのようなところで暮らしているっぽい? 小学校で詩を教えているようだけれど、いわゆる非常勤講師のようで、家計は妻のガンスン(チョン・ヘジン)が支えている。この妻との馴れ初めがよく分からないのだけど、後にはテッキの母親が意味深なことを言うので、テッキとしては妻に恋して結婚したわけではないのかな? 妻はテッキを愛しているようなので、この状況は彼女にとって辛いと思う。
とにかく、テッキは大人になり切れていないというか、大人になりたくない人なのだと思う。本人がどこまで意識ているかは別として。おそらくテッキはこれまでの人生で積極的に何かをしたことはなく、流されるままに生きてきたのではないかな。詩についてはやりたいことなのだとは思うけれど、それもたまたま賞をもらったからという印象。
仕事をせずに生きていける財力がある、もしくは妻が自分が働き家計を運営することを積極的に行っている関係ならば、それもテッキの人生だから別にいいとは思う。でも、どちらでもないらしい中でのこの感じは見ている側にもモヤモヤとしたものを感じさせる。
そんな中、妻のガンスンが妊活に乗り出す。2人の年齢に言及があったか忘れてしまったけど30代後半っぽい。この年齢、男性はどう感じるのか分からないけど、女性は出産のリミットをかなり感じている。最近では40代で出産する人もいるけど、やっぱりいろいろリスクが高い。男の人って出産は大変そうだというイメージはあるかもしれないけれど、母体にどのくらダメージがあるか分かっている人は少ないと思う。単純に出産時に命を落とすリスクは、現代だって結構高い。何も問題なく出産した人でも元の体には戻らないのだそう。そう考えれば高齢出産は非常にリスクが高いことが分かる。
ガンスンはテッキが乏精子症であることを、テッキの親友に話してしまったりとデリカシーに欠けるし、ちょっとガサツな部分があるのは事実で、自己主張するのが苦手なテッキにとっては荷が重い部分もあるかもしれないとは思う。ただ、前半のテッキの感じについ奥さん目線で見てしまった部分があった。
後のシーンで夫婦で参加した飲み会で、ガンスンは酔った勢いでかなり辛辣にテッキの不満点をまくしたてていたので、当然ながら不満やストレスはあるのだと思うけれど、それを見せずに明るく振る舞っていることに気づかず、逆に重荷に感じているテッキにイライラしてしまう。
テッキが妊活に乗り気でないのは妻が働けなくなってしまうということだけでなく、父親になる自信がないのだと思う。妊活について詳しくないけど、精神的にも肉体的にもキツイと聞くし、確かに妻のそれや精子採取の感じもゲンナリしてしまう気持ちも分からなくもない。まして、親になることに積極的でない状態ならば余計に。でもねぇ・・・
前述通りテッキは乏精子症と診断される。ガンスンの方は全く問題ないどころか良好。ここでも妻の方が優秀な気がしてものすごく自信を失ってしまったのでしょう。テッキが妻を愛しているのかがイマヒトツ伝わってこなかったのだけど、全く好きでもないのに生活のために結婚をしたわけではないと思う。
こちらも前述したガンスンが愚痴りまくる飲み会に同席していた友人たちは、ガンスンの言葉に誘われるように口々にテッキにダメ出しをする。親友からは常々言われているけれど、子どもを作るべきだ、そもそも詩人なんてやめて定職に就くべきだ。友人たちの温度はそれぞれで、親友は本当に心配しているからついつい踏み込んでしまう部分はあるけど愛がある。
でも、中には特に関心もないので、流れに乗っかって適当にテッキを否定する人もいる。見ている側にはその違いは分かるのだけど、総攻撃を受けているテッキには一方的に上から目線で自分を否定されている状況。これは辛い💦 言っている方はそうは思ってないかもしれないけれど、人にダメ出しするってもう立場が上だからね。愛がない人が言ってはダメだよね。このシーンはさすがにテッキに同情した。
とはいえ、彼らの言葉の中には正論もあるわけで、それがやっぱりズッシリ来ちゃうのだと思う。テッキはおそらく子供のころから自己主張しない子だったのではないかな? なので、日常的に周囲からこういう扱いを受けて来たのではないかと思う。そうなると、ますます自己主張しなくなるし、ますます鬱屈して自信を失ってしまう。そういう状態の方が芸術を生み出せる人もいるかもしれないけれど、そんな状況でいい詩が書けるとも思えない。
この飲み会のシーンは中盤以降に出て来たので、ある人物に既に出会っており、ガンスンがくだを巻いたのもその辺りのことがあったからなのだけど、前述したとおり恒常的にこういう状況があり、テッキはずっと自信を持てずに生きていたことが、今回のテーマとなる部分に大きく作用していると思うので、先に書いてみた😌
さて、いよいよ本題です! そんなテッキはガンスンが買ってきたドーナツを気に入り、ドーナツショップに行ってみる。テッキはその店員の青年がつぶやいた一言から詩が浮かぶ。それ以来ドーナツショップに通い、そこで詩を書くようになる。
ある日、その店員セユン(チョン・ガラム)がトイレで女性とキスしているところを偶然見てしまう。激しく絡み合う2人の姿に刺激を受けたのか、その時のことを思い出し精子を採取すると、なんとビックリな量が取れてしまう😅 これには本人もビックリで、しかも自分はセユンと女性とどちらに興奮したのか分からなくなってしまい、それからテッキはセユンのことが気になってしまう。この辺りはコミカルではあるけれど、韓国映画にありがちなドタバタにはなっていなくて、そこは良かったと思う。
ある夜、セユンが泥酔してドーナツショップの前で寝ているのを発見したテッキは、彼を自宅へ連れて帰る。するとこには病気で寝たきりの父親がいた。父親が倒れてから家計は母親が働いて支えており、セユンは父親の世話をしながらアルバイトをしているのだった。
それ以来、テッキはセユンの世話を焼き始める。それはどんどんエスカレートして行き、実家の物置きを探してセユンの父のために床ずれシートを持って行ったりする。人に親切にするのは良いことだけど、そこまでの仲でもないテッキの親切にセユンの母親は不信感を持ったりしている。もしかしたら母親はテッキの下心のようなものを感じているのかもしれないけれど、たしかにちょっとお節介。
一度はセユンにまで気持ち悪いと言われてしまい、あからさまに動揺してしまう。セユンが言い過ぎたと謝ると、テッキは明日は暇かと聞く。翌日、2人は森に行き、いろいろな事を話す。何か重要なことを言っていた気もしたけど忘れた💦 セユンとしては家庭の問題があり、ここから出ていけないということを寂しそうに言っていて、それが後の伏線になっている。
この会話がされたのはプールサイドに座ってのシーンだったかも?🤔 これ、どのタイミングで、何故プールサイドに行ったんだっけ? このシーンでテッキがセユンをなぐさめながら、彼の太腿に手を置くシーンがあった。この時点では見ている側には分かっているけど、テッキがセユンに恋していることを自覚している描写はなかったと思うので、このシーンは無意識下のテッキの思いを表してるのかな?
これに対しセユンが何も反応しなかったというのは、セユンにもそういう思いがあったということなのかな? 個人的にはちょっと生々しくてざわついた😅
そんなテッキに妻ガンスンも不信感を抱き、好きな人が出来たのかと聞いてくる。テッキはかわいそうな男の子の手助けをしているだけだと答えるけれど、ガンスンはテッキの本心を見抜いたのか、彼を罵ってしまう。これ結構辛らつに罵ってた。鏡を見てみろ的なことを言ってた気がする😅 そんなガンスンにゲンナリしつつも、自分の本当の気持ちが分からず戸惑ってしまう。
うーん💦 まぁ奥さんとしては文句の一つも言いたくなるよね。さんざん家計を支えて来て、いつまでたっても芽が出ず、さらに自分や仕事をそっちのけで、誰かに夢中になっているなんて、そりゃ頭にも来るでしょ。ガンスンの少しデリカシーに欠ける部分が、テッキをより内向的にさせている部分はあるとは思うけど、奥さんとしては少しおどけてまでも明るく振る舞うしかないと思う。
その辺りをチョン・ヘジンが絶妙なさじ加減で演じていて、こういう場合に悪役になりがちな妻を、とても人間味のある人にしていたと思う。そして、女性監督ならでわの視点で、妻の葛藤をやり過ぎない形で上手く見せていたと思う。妊活をやめたい、もううんざりだというテッキに、背を向けて寝転びながら、あなたにそれを言う資格はないというシーンがある。このシーン見る人によって感じ方はいろいろだと思うけれど、個人的には妻の目線で見ていた。
テッキの気持ちも分からなくはないし、食事の支度など家事協力はしているけれど、ほぼフリーター状態の夫を支えつつけて30代後半。子供を産むにもリミットがある。妊娠すれば仕事ができなくなる時期もあるわけで、これは単純に子供が欲しいってだけで妊活したわけではないのではないかな? テッキにしっかりして欲しかったわけでしょう。それを全く理解しないかのようなこの発言は絶望したと思う。
えーと。たしかこのタイミングでドーナツショップに向かいセユンにもう会えないと伝えたんだっけ? この時点までセユンのテッキに対する思いがよく分からなかったのだけど、セユンが弄ぶなと怒ったことから、彼としてもテッキの自分に対する思いが、単純に同情だけではないことを感じて揺れたのだということが分かる。
テッキはこの日を境にドーナツショップに行くのをやめる。たしかこの頃に前述した居酒屋でのテッキ総攻撃があったんだと思う。これは辛い😣 テッキがセユンに惹かれた理由の中には、自信を失っていた自分を必要としてくれる存在だからというのは絶対あったと思うので。
しばらく会わずにいた2人だけど、セユンからテッキに電話がかかって来る。父親が亡くなったのだった。この父親の葬儀にはテッキの妻も出席していたと思う。この時テッキがセユンに君には守ってくれる人が必要だと言ったのだと思うけど、違うシーンだったかな🤔
参列者が乗るマイクロバスの中で、母親はお香典を数え始める。セユンが今することじゃないと言うと、母親は口答えをする親不孝な息子だというようなことを、大声で喚き散らし周りをゲンナリとさせる。寝たきりの父親の代わりに家計を支えていた母親にとっては、単純に😢という感情だけではないのだろうし、この行動全てに複雑な思いがあるのかもしれない。とはいえ、セユンにしてみれば母への嫌悪感しかないと思うけれど。
この葬儀の日に言い争いになった流れで、テッキはガンスンは文句ばかりで、こんな関係は夫婦とは言えないというようなことを言い、家を出て行こうとする。ガンスンは必死でテッキを引き留めるけれど、結局出て行ってしまう。
セユンのことがあろうとなかろうと、テッキがガンスンに対して愛情が持てないのであれば、結婚生活を続けるのは無理だと思うので、別居や離婚を求める権利はあるとは思うけど、前述したとおりガンスンはストレート過ぎる部分はあるものの、前半では気立ての良いいい奥さんに見えていた。
ガンスンが文句を言うようになったのは、テッキの様子が変わったからだし、テッキが自分の気持ちに戸惑っていようがいいまいが、浮気には違いないわけで、その部分を棚上げしてガンスンの文句が多いから別れたいと言うのは勝手だなと思った。
たしかにガンスンは言ってはいけないことを言ったりすることもあったけど、さんざん支えてきたのに、青年に恋したら詩が書けるようになって、その辺り邪推して文句ばかり言うから出て行くって言われたら、ガンスンの立つ瀬がないよね?
冷たいようだけど芸術家を支えるのも限度があるしね。まぁでも2人が結婚に至った経緯が分からないので、ガンスンもテッキ自身ではなく、彼の作品も愛してのことならば話は違ってくるかもしれないけれども。
ガンスンはセユンを呼び出す。自分にはテッキが必要だと言うと、セユンも自分にも守ってくれる人が必要だと言う。彼が未成年でなければ盗人猛々しいと思うけれど、この時のセユンの真意は分かりにくい。本心もあるだろうけど、まさかテッキと一緒に生きる決意までしていたわけではないと思うので。この話し合いはガンスンが激高したところでシーンが切り替わった気がするけど、実は続きがあったことが後に分かる。
セユンが友人たちとカフェにいるとテッキがやって来る。どうして自分を避けるのかと言うテッキに冷たい態度を取るセユン。周りの友人たちもテッキのただならぬ様子に、初めてゲイを見たなどと囃し立てる始末。そんなことはお構いなしにセユンには守るべき人が必要だと言うテッキ。一度は帰ろうとするけれど諦めない。突き飛ばされても手を差し伸べ、自分がセユンを養うから一緒に行こうと言う。初めて見るテッキの強い意志表示に見ている側も並々ならぬ思いを感じる。でも、セユンに拒絶されてしまう。
シーン変わってジャケット姿でシュッとしたテッキが、数人のスタッフらしき人々と打ち合わせをしている。どうやらあれから1年ほど経ってテッキは人気詩人となったらしく、何かの打ち合わせ中の様子。そこにバイク便がやって来る。なんとセユンだった。軽く挨拶をして別れるが、セユンがやっぱり一緒に居たいと声を掛ける。ビックリ😲
どう言い訳したのか2人は屋上に移動したらしい。セユンはテッキと一緒に居たいというけれど、テッキはそれは出来ないと言い、あの日何故拒絶したのかと聞く。するとセユンは奥さんから妊娠したと言われたからだと答える。なるほど。ガンスンとしてもセユンに対する切り札にしようと妊娠したわけではないだろうけど、父親を亡くしたばかりのセユンとしては、生まれて来る子どもから父親を奪うことはできなかったのでしょう。そして、それはガンスン側にも言えるのかも。
シーン変わってセユンがソウルと思われる街にやって来る。そこにテッキの声が被る。手紙を読んでいる感じなのかな? どうやらテッキはかなりまとまった額のお金をセユンに贈ったらしい。詩集の収益なのかな? セユンのおかげで書けた詩だからということだったような🤔 君はここから出て新しい世界を見るべきだと助言している。セユンの希望に満ちが顔が印象的。
一方、テッキの家では民族衣装を着けた幼い女の子の姿が。その子を抱いて座るのは、こちらも民族衣装姿のテッキ。この時点までガンスンの妊娠が本当なのか少し疑っていたけど、どうやら本当だったらしい。テッキと娘の周りにガンスンや両親らも並び記念撮影となり映画は終わる。なるほどテッキは家に戻り、娘も生まれ、やっと本当の意味で家族を作ったということなのでしょうかね。
正直、セユンからテッキへの思いがあまり伝わって来ず、テッキの一方的な思いなのかと思っていたので、最後のセユンの告白は取ってつけたようにも感じた。とはいえ、テッキ自身の思いも恋というよりは、自信を失い尊厳を失った彼が、自分を必要とした人を求めたとも取れるのかなと思ったりする。
なので見終わった感想はこれは恋なのかな? だった。で、原題を調べてみるとやっぱり「詩人の恋」だった。これはシューマンの曲と絡めているのかな? ハイネの詩に曲をつけたんだよね? まぁ、でも恋だとテッキは思ったのだろうし、そこで波風立ったおかげで詩が書けたわけだから、そういう意味ではこのタイトルでいいのか🤔
キャストは皆良かった。出演者はそれなりにいるけど、ほぼ3人芝居という印象。とはいえ、寝たきりとなり息子を心配する父親役の人も良かった。ガンスンのチョン・ヘジンが良かった。この役下手をするとわがままで気の強い嫁というように見てしまう。でも、夫の気持ちが自分に向いている自信がない中、必死に支えて来たのに、若い男性に奪われそうになる状況は相当辛い💦 その中で葛藤し焦りもがく姿を、みっともないと感じさせてはダメなのだと思う。その辺り絶妙だった。
セユンのチョン・ガラムは繊細な感じが良かったと思う。ミステリアスな感じにしたいのか演出の方向が定まらない気もしたけど、その辺りも青年期へ向かう迷いや、家族のこと、将来のことへの不安とも取れる感じになっていた。主人公が恋する相手なのだから、危うさも感じさせて良かったと思う。
テッキのヤン・イクチェンが本当に良かった 自分が見た出演作で一番印象に残っていたのはNHKのBSプレミアムで放送された、池松壮亮と共演した金田一耕助シリーズの刑事役。この役のややワイルド感のあった風貌が、小太りの内向的な中年という全くの別人になっていてビックリ😲 テッキの行動には前半のヒモ状態の時からイライラさせられることが多かったけど、それでも彼が迷走しつつ自己主張を始める姿から目が離せなかった。そしてラストでスッキリと大人の男性になった姿にじんわりときた。
済州島の海辺の田舎町っぽい感じが、のんびりしつつも閉塞感があってよかった。テッキとセユンが行った森の美しさも印象的。それぞれの心情を映像で見せる部分も多いので、その辺りの感じも良かったと思う。
感想書くの遅くなり過ぎて公開もとっくに終わっていると思う💦 とはいえ、じんわり来る作品なので、お家でじっくり見るのもオススメ。
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