2020.06.19 『エジソンズ・ゲーム』鑑賞@TOHOシネマズ錦糸町オリナス
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受けて映画館の閉館😢 解除に伴い映画館の規制も緩和されたけれど、なんとなく怖い気持ちもあり様子見してた。でも、19日からシネマイレージウィークということで、会員は1200円で鑑賞可能ということで、背中を押されて見に行ってきた
ネタバレありです! 結末にも触れています!
「19世紀アメリカ。白熱電球を商用化し有名になったトーマス・エジソンは、電気を普及させようと考えていた。同じ頃、実業家のジョージ・ウェスティングハウスも電気事業に乗り出す。直流を推すエジソンに対し、安価で遠くまで供給できる交流を推奨するウェスティングハウス。全米を巻き込んだ2人の対決が始まる」という感じかな🤔 さすがにエジソンのことは知っているし、相手のウェスティングハウスのことは良く知らなかったけど、二コラ・テスラと直流・交流で対決したというのは知っていた。なので、なかなか興味深く見ることが出来た。ただ、自分が思っていたエジソン像よりも、いい人よりになっていた印象。その辺りのことはWikipediaを読んで納得したので詳細は後ほど😌 どの程度脚色があるのか分からないし、やや詰め込み過ぎな気もするけれど、エンターテインメントとして面白く見た。
アルフォンソ・ゴメス=レフォン監督作品。アメリカのテレビシリーズ「glee/グリー」と「アメリカン・ホラー・ストーリー」の監督としての方が有名なのかな? 長く第二班監督をしていたようで、クレジットされている作品はほとんど見てた。監督作品としては3本目のようで、前作の『ぼくとアールと彼女のさよなら』を見てて、なかなか良かった印象。
今作について毎度のWikipediaから引用しようと思うのだけど、かなりの分量で性的暴行で逮捕されたハーヴェイ・ワインスタインの介入で作品がボロボロにされた経緯が書かれている。全てを抜粋することはできないので、ザックリと記載しておく😌
『エジソンズ・ゲーム』(The Current War)は2017年のアメリカ合衆国の伝記映画。監督はアルフォンソ・ゴメス=レホン、出演はベネディクト・カンバーバッチとマイケル・シャノンなど。1880年代のアメリカで、電力の供給方法を巡って直流送電派のトーマス・エジソンと交流送電派のジョージ・ウェスティングハウスが繰り広げていた電流戦争の様子を描いている。なお、日本で公開されるのはディレクターズ・カット版である。
2012年3月3日、バザレフス・カンパニーがマイケル・ミトニックの脚本の映画化権を購入したとの報道があった。当初、ティムール・ベクマンベトフが監督を務める予定であったが、後に取りやめとなった。2014年3月31日にはベン・スティラーに監督のオファーが出ていると報じられた。2015年9月24日、ベネディクト・カンバーバッチにエジソン役の、ジェイク・ジレンホールにウェスティングハウス役のオファーが出ているとの報道があった。また、製作側がアルフォンソ・ゴメス=レホンを監督に起用する意向であるとの報道もあった。2016年9月29日、出演交渉が不調に終わったジレンホールに代わって、マイケル・シャノンがウェスティングハウス役に起用された。10月4日、ニコラス・ホルトがニコラ・テスラ役に起用されたと報じられた。
前述どおりここからかなりの分量で、ワインスタインに介入されてた経緯が記載されている。一部抜粋しておく。ポスト・プロダクション作業中にワインスタインから、数々の特にエジソンの人物描写に関する修正要求が出された。一癖も二癖もある人物として描かれていたエジソンが良い人になってしまう。さらに、ワインスタイン・カンパニーの重役たちが編集に参加し、まともに作業が出来なくなってしまう。
そんな中、ワインスタインは2017年9月に開催される第42回トロント国際映画祭で本作をプレミア上映を決断。上映に間に合わせるために編集作業を急ピッチで行った結果、ゴメス=レホン監督は1日に2時間しか眠れないという事態に陥り11キロも痩せてしまったのだそう。上映された作品の評価が芳しくなく、再編集を余儀なくされた。ワインスタインは自分の編集が間違っていたと謝罪したものの、さらに口出しをしてきたらしい。
その後、ワインスタインが性的暴行で告発されたことを受け、ワインスタイン・カンパニーは本作の権利を売却。2018年10月8日、ランターン・エンターテインメントが全世界配給権を獲得。監督は再編集を要求するも認められなかったが、マネージャーが「監督の同意なしに編集される場合は、製作総指揮のマーティン・スコセッシの同意が必要」という条項を活用することを進言。スコセッシと俳優たちの協力を得て再撮影などを行った。
ワインスタイン・カットに対する批評家からの評価は芳しいものではない。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには49件のレビューがあり、批評家支持率は29%、平均点は10点満点で4.73点となっている。ディレクターズ・カットに対する批評家の評価は平凡なものに留まっているが、ワインスタイン・カットより高く評価されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには88件のレビューがあり、批評家支持率は60%、平均点は10点満点で6.37点となっている。
ワインスタインは重役たちの中にもこんなに固執するのは珍しいというくらい、今作の修正に拘っていたようだけれど何が原因だったのかな? 結果として評価は平凡なものだとしても、ワインスタイン版の評価の方が低いわけだから、やっぱり修正は失敗だったということだよね? ワインスタインがプロデュースした作品はほとんど見ていて、好きな作品が多い。本人の人柄と作品は比例しないんだなと思っていたけど、今作の騒動からするとどうだったんだろう?🤔
さて、本題! 今作、上記のように一度編集でズタズタにされてしまったためか、そもそもそういう感じだったのか分からないのだけど、かなり画面展開が早く、さらに手持ちカメラのような映像が多用されていたりと、結構ついて行くのが大変💦 なので落としているシーンがあるかも? 毎回、どうでもいいと思うけれど断り書きとして書いておく😌
雪原でカメラを構えるエジソンの姿から始まる。そこにつながる感じで、雪原を夜汽車が走っている。駅もない場所で電車が止まり、紳士淑女が降りて来る。雪の上に何重にも円を描くように電球が置かれている。そこに現れた男性の掛け声で電球に明かりが灯り、人々から歓声が上がる。この男性がトーマス・アルバ・エジソン(ベネディクト・カンバーバッチ)(Wikipedia)で、このシーンはエジソンが長時間点灯する電球を発明したということを表しているのかな? こういうシーンが多くて、ある程度知識がないと分かりずらい部分があったりする。
オープニング部分で実話ベースの創作であるという断り書きがあるので、この草原での発表会も創作なのかな? ちょっと仰々しい気もするけれど、この先展開されるエジソンとジョージ・ウェスティングハウス(マイケル・シャノン)(Wikipedia)との対決もどこかエンタメ的な描き方であるので、そういう意思表示でもあるのかも?
長時間点灯する白熱電灯を商業化したエジソンは、次に電気を送り出す事業へと乗り出す。名声は得たものの資金のないエジソンは、J・P・モルガン(マシュー・マクファディン)(Wikipedia)に資金提供を願い出る。モルガンは電気を武器に使いたいという大統領に会わせたりするけれど、人を殺すことには利用しないと仕事を断ったりする。この信念は後に大きな出来事に関連して来て興味深い。
小学生の頃、学校の図書室には偉人伝があり、その中にエジソンもあったけれど読んだことはなかった。なので、ザックリと蓄音機や電球を発明した人という理解で、後に映画などで例えば『ヒューゴの不思議は発明』に登場するジョルジュ・メリエスを騙すような形で興行収入などを支払わなかったとか、二コラ・テスラへの仕打ちとかを見るにつけ、エジソンは嫌な人物という印象があった。なので、当初はエジソンと協力したいと考えていたウェスティングハウスが、自宅に招待し駅のホームで待っているのに、列車を通過させるシーンなども、やっぱり嫌な奴なのねとニヤリ😏
エジソンは"直流"をウェスティングハウスは"交流"を採用、これを各州に売り込もうと考えていた。理系が全くの苦手なので、今作のテーマでもある直流と交流の違いがよく分からない💦 交流についてはウェスティグハウスが繰り返し、発電所を多く必要とする直流よりも安価で遠くまで電気を送ることが出来るというメリットを語るのだけど、直流については語られなかったような?🤔 エジソン側は交流は感電して人が死ぬ危険があるということを強調するだけで、どうにも見ている側に直流のメリットが分からず、エジソンが直流に拘る理由がウェスティングハウスへの対抗心のみに見えてしまうのは残念。
ウェスティングハウスとしては、エジソンが交流を採用してくれれば、彼の電球を使って電気を広めたいと考えていた。なので、食事に招いたという経緯がある。しかし、エジソンはあくまで直流に拘った。そこには、自分の名声をという面もあったとは思うのだけど、前述したとおりエジソンの拘りが伝わりにくく、単純なすれ違いにも感じてしまう。まぁ、単純なすれ違いでもよいのだけれど🤔
エジソンの協力が得られないウェスティングハウスは、別の電球を使わざるを得ない。エジソンにしてみれば自分のパクリ商品を使われたわけで怒り心頭! これによりウェスティングハウスとの全面対決に火が付いた部分があるように描かれている。それに対してウェステイングハウスは常に正しい道を行くという風に描かれるのだけど、演じているのがマイケル・シャノンなのでどうにも信用できない😅
南北戦争時代に北軍兵士だったウェスティングハウスが、森の中で南軍兵士と遭遇し銃を突きつけられるシーンが繰り返し出て来る。最終的に言葉巧みに誘導したウェスティングハウスが南軍兵士の裏をかいて射殺するのだけど、これはウェスティングハウスも完全に正義の人ではないという描写なのかな? 後にウェスティングハウスは禁じ手を使ってしまう。
それぞれの家族についても触れておく。ウェスティングハウスは現在妻のマルグリート(キャサリン・ウォーターストン)と2人暮らし。といっても、広い屋敷に多くの使用人たちも一緒。2人の間にはジョージ・ウェステイングハウス三世という息子がいたようだけれど登場したかな?🤔 覚えがない。実際はどうだったのかは不明だけれど、マルグリートは聡明な女性でウェステイングハウスに助言したりしている。
一方、エジソンは妻メアリー(タペンス・ミドルトン)と3人の子どもたちと暮らしている。大富豪のウェステイングハウスに比べれば、こじんまりとつつましやかな暮らしだけれど、子供たちをかわいがり妻を愛している様子が伝わってくる。しかし、幸せは長くは続かず、メアリーが病気になってしまう。病名を言っていたと思うけれど忘れてしまった💦 目から悪くなる病気で、最終的には脳も侵されると医者が説明していた。病気の妻を残して資金繰りのためモルガンに会いに行かねばならず、モルガンと交渉している時に訃報が入る。実際はどうだったのかは不明だけど、映画ではメアリーを失ってから、エジソンが非情になっていくように描かれている。
エジソンとウェステイングハウス両方にとって重要な役割を果たす人物が現れる。オーストリア帝国(現クロアチア)出身の二コラ・テスラ(ニコラス・ホルト)(Wikipedia)がエジソンの会社に入社する。テスラはエジソンに憧れていたようだけれど、電流に関しては交流指示派だった。エジソンはテスラにある提案をして成果報酬として5万ドルを申し出る。テスラはエジソンが交流では人が死ぬ可能性があると新聞社に匂わせて書かせる場面で、彼に対して疑問を持ったりしつつも頑張るけれど、成果を出したのにあれは冗談だったと言われ退社する。この件はWikipediaにも書かれているので事実に沿っていると思われる。
テスラについては、その後いくつかのエピソードに分かれて登場するけれど、まとめて書いておく。エジソンの会社を退職後、教員になったりしている描写もあったように思うけれど、胡散臭い2人組に資金提供の代わりに株を売れ的なことを言われ、それがもとで後に特許を奪われることになったりする。このエピソードはワインスタインに苦しめられた経験から監督が着想を得て加えたとのことなので、実際にあったわけではないのかな?
テスラは後にウェスティングハウスに声を掛けられ、交流を使った発電機を作ってナイヤガラの滝の発電所に使用し、効率の高い電力輸送を実現させたらしい。この辺りのことは設計図などを使ってテスラ自身が説明したりするのだけど、そもそも理数系が壊滅的にダメなので全然理解出来ず。なので、彼が行ったことはWikipediaを参考に書いている😅 映画を見ただけで理解させられないのはダメなんじゃと思ったりもするけど、自分の知識や理解力がアレ過ぎるので、説明不足なのかどうかも分からない。すみません🙇
もう1人重要な人物がサミュエル・インサル(トム・ホランド)で、日本語のWikipediaがなく、英語版Wikipediaを翻訳かけてザックリ読んだところによると、今作で描かれていたようなエジソンの秘書ではなかったような?🤔 よく分からないけど、とにかく今作ではエジソンの秘書的な人物で、演じているのがトム・ホランドということもあり、エジソンに憧れている若者からなくてはならない人物になるという感じで描かれていた。
後半にも見せ場があるものの、インサルが一番エジソンに影響を与えたのは、ウェスティングハウスに勝つために交流の危険性を実際に見せるべきだと助言したこと。事実がどうだったのかは不明だけれど、今作では直流は不経済であると唱えるウェスティングハウスに対し、エジソンは交流は危険であると唱えていた。インサルはそれがどう危険なのか実際に見せるべきだと助言。確かにある程度知識がなければ、危険か危険じゃないかの判断は出来ない。
そもそもの理屈がサッパリ分からないのだけど、エジソンの主張としては交流は感電する恐れがあるということなのかな? それを説明するために記者を集めて、殺処分が決まっている馬を交流で殺して見せる。感電させるシーン自体は映らないけれど、電流を通す装置を付けられた馬が映る姿は見ていて辛い😢 動物実験のシーンはこの場面のみだけれど、後に各地で猫を殺したというセリフがあり、猫好きとしては悲しい😣
エジソンのネガティブキャンペーンが話題になる中、ウェスティングハウスの中心的技術者のフランクリン・ポープ(スタンリー・タウンゼント)が、開発中の事故で亡くなってしまう。これにより窮地に立たされたウェスティングハウスは、一度はJ・P・モルガンに会社を売却しようとするが思い直す。
フランクリン・ホープについては英語版Wikipediaを翻訳かけて読んでみたところ、1869年にエジソンと会社を設立したりしていたのね😲 でも、ウェステイングハウスのWikipediaにはホープが協力したという記載があるので、エジソンとは袂を分かったということなのかしらね?🤔 映画ではウェスティングハウスの工場で感電死したように描かれていたけど、実際は自宅の地下の研究室での事故だったらしい。
一方、エジソンは電気椅子の開発を依頼される。この人物が誰なのか名乗っていたりしたかな? ちょっと忘れてしまった💦 この人物の主張としては、現在行われている死刑は絞首刑で、死に至るまでに時間がかかり死刑囚を苦しめることになる。エジソンの実験では馬の死は安らかだったので、この技術を電気椅子に生かしたいというのだった。そういえばエジソンが電気椅子の開発に関わっていたと聞いたことがあったような🤔とか思っていると、最初は人を殺す道具は作らないとこれを断る。
しかし、資金繰りに困ったエジソンは、自分の名前は出さないこと、作業工程を指示した手紙は必ず燃やすことを条件にこれを受ける。しかし、手紙が燃やされることはなかった。燃やさなかった理由は語られたっけ? 例えば後にエジソンをゆすろうと思って取っておいたのか、単純に完成まで取っておこうと思ったのかは不明。この手紙が重要なカギとなるのだけど、これは創作なのかな?
会社を立て直すと誓ったウェスティングハウスは汚い方法を使う。電気椅子の作り方を指南したエジソンの手紙を盗ませたのだった。これがきっかけで、エジソンは裁判の証人として出廷することになる。この裁判が何の裁判だかよく分からなかったのだけど、電気椅子を死刑執行に用いるかどうかの裁判ということなのかな?
この裁判には電気椅子による処刑の第一号となったウィリアム・ケムラー(コナー・マクニール)も出廷していたので、彼の死刑執行をどういう方法でするかの裁判? そんな裁判あるのか?🤔 ケムラーのWikipediaによると、電気椅子での処刑が残忍であると抗議があり、ウェステイングハウスが支持するも、エジソンが政府側を支持していたため抗議が認められなかったとあるので、この辺りの事を描いているのかも。
手紙の存在が明るみとなり、エジソンが窮地に陥るのかと思ったら、意外にも裁判が進むにつれて人気が出て、傍聴した群衆に囲まれてサイン攻めにあう場面も。その際、ケムラーの背中を机代わりにするシーンもあり印象的だけど、これも創作なのかな?🤔
とはいえ、直流交流論争でエジソンが優位になったというわけではない。エジソン vs ウェスティングハウスの争いは、シカゴ万博でどちらが採用されるかで雌雄を決する運びとなる。両者のプレゼンを受けて運営委員会?が決定する。しかし、エジソンは直前にモルガンから解雇されてしまう。
万事休すと思われたが、エジソンはずっとそばにいて、自分と同じくらい詳しいインサルにプレゼンを託すことにする。実際のインサルがどうだったのか不明だけど、演じるトム・ホランドゆえの少年っぽさに委員会が驚くセリフがあり、調子よく話していたものの、質問に即座に答えられない場面で終了。一方のウェスティングハウスは自信に満ち、多くを語らず一点のみ(内容は失念💦)を強調。これはウェスティングハウスが一枚上手。
結局、シカゴ万博で採用されたのはウェスティングハウスの交流。万博を彩る電燈に満足げな様子を見せるのも束の間、ウェスティングハウスはケムラーの刑場にいた。初めて人間に使われる電気椅子。これは本当に万博開催時期に行われたのかな? 言い方は悪いけれど電気椅子を知らしめるには最大の見せ場であることは間違いない。
処刑自体は詳しく見せないけれど、インサル(だったかな?)が新聞を読み上げる形で結果が語られる。詳細は避けるけれど、安らかな死とは程遠い悲惨な状況だったらしい。これにより、エジソンは二重にウェステイングハウスに敗北する形になった。
ウェステイングハウスのことは知らなかったし、エジソンを演じているのがベネディクト・カンバーバッチなので、嫌な奴だと知っていても、どうしても肩入れして見てしまっていたけど、これは事実なので仕方がない。
シカゴ万博の会場。豪華な室内で中国人?の老女が習字のパフォーマンスをしている。ウェスティングハウスが眺めていると、隣に立つ人物が。エジソンだった。戦いを終えた2人は、勝ち誇ることも言い訳することもないが、ウェスティングハウスが君と組みたかったと言うと、エジソンは電球発明の過程を語る。数分しか灯らなかった電球が、数十分、数時間、数十時間持つようになった時の仲間の喜び。それを簡単に手放すことはできなかったということなのでしょう。エジソン本人の気持ちは不明だけど、映画としてはこれでよいのではないかな。2人は静かに別れる。
その後、ウェスティングハウスは二コラ・テスラと組み、テスラはナイヤガラの滝を利用した発電所を造ったこと、しかし天才肌のテスラは借金を抱え、ホテルで孤独に亡くなったことが映像と共に字幕で語られる。ウェスティングハウスについても語られていたけど失念💦 マイケル・シャノンは好演していたし、悪役側的に描かれているとはいえ、良い人なのにこの人物に興味が持てなかったのは何故だろう🤔
さて、映画はエジソンがその後、映画の世界へ進んだとクレジットされ、冒頭の雪原で三脚の上のカメラを除くエジソンの姿で終わる。真っ白な映像から始まり、真っ白な映像で終わるのは良かったと思う。そもそも事実を基にしたフィクションだと断っているので、その前後にこの映像が入ったことで、その間のもろもろが夢の中の出来事のように感じられた。
キャストは結構豪華。でも、なんとなく生かし切れていない気がしなくもない。インサルのトム・ホランドはエジソンを崇拝する純真さは感じたし、彼の存在がエジソンだけでなく、見ている側も救いにもなっているけど、トム・ホランドがそんなに知的な感じには思えず🤔 ごめん🙇 テスラのニコラス・ホルトは今作を見た理由の一つでもあったので、個人的には満足。天才なのに報われない役はニコラス・ホルトに合っているし、テスラは美男子で有名だったそうなので、そういう意味でもピッタリだと思う。
ウェスティングハウス役にマイケル・シャノンというのは面白いキャスティングだったと思う。ウェスティングハウスのことは知らなかったけれど、どうやら良い雇用者であったらしい。でも、ビジネスは良い人というだけではできない部分もある。その辺り悪役を演じることが多いマイケル・シャノンが演じることで、どこか信じきれない感じがして良かった。ホメてます。
お目当てのベネディクト・カンバーバッチ。見方によれば嫌な人物のクセがあるけど繊細な天才は「SHERLOCK」はじめ、数多く演じて来た。ワインスタインにより"いい人"に変更されたエジソン像を、どの程度軌道修正出来たのか不明だけど、個人的にはもっとトリッキーで嫌な人物なのかと思っていたので、家庭的な一面なども描かれていて、どこか憎めない人物になっていたのは演出はもちろん、カンバーバッチの切なさにあるのかなと思う。ホメてます。
前述したとおり、最初に事実をもとにした創作だと断り書きがあるので、脚色はもちろん創作した部分があるわけで、なので偉人の伝記ものというよりも、エンターテインメントとして楽しむべきなのかなと思う。その上で、知識のある人はここは史実通り、ここは創作部分などという見方もできるのかなと思う。エンターテインメントとしては、全体的にやや映像や内容含めてダークな感じもするけれど、個人的には楽しめた。
原題は『The Current War』で、Currentというのは電流という意味。まぁ、配給会社としてはエジソンを前面に押し出したい気持ちは分かるので、邦題は仕方がないかなと思うけれど、そもそもの製作側としては描きたかったのは直流交流の戦いってことなのでしょう。なのでエジソンメインでは描かれてはいなくて、ウェステイングハウスを知らなかった自分は単純に楽しめた。
ということで、エジソン個人よりも"電流戦争"に興味のある人の方が楽しめるかも🤔 カンバーバッチ好きな方是非!
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