まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第11回九州八十八ヶ所百八霊場めぐり~九州に行くのに宇品港から松山へ

2023年08月02日 | 九州八十八ヶ所百八霊場

またしても次なる巡拝へ。

5月の連休後半以来の九州八十八ヶ所百八霊場めぐり。7月16日~17日という日曜・祝日の1泊2日という限られた日程ではあるが、前回で宮崎県に入った延岡まで進んでおり、今回は延岡から南に向かい、門川町、日向市、都農町を経て宮崎まで進む予定である。宮崎市内の2ヶ所まで含めれば今回で6ヶ所訪ねることになり、札所も38番まで進む。さらにその先は日南、都城、えびのといった奥深いところが続く。

九州八十八ヶ所百八霊場を回り始めた時、交通の便という意味では最も遠い宮崎県をどうするかと思っていたが、いよいよその渦中に入ることになった。

まず考えられるルートとして、朝から新幹線と日豊線の特急を乗り継いで昼に延岡に着き、列車またはバスで門川町にある第33番・永願寺を参詣した後、延岡または日向市で宿泊。2日目はレンタカーにて日向灘沿いに南下し、夕方に宮崎に到着。そのまま特急「にちりんシーガイア」で長躯小倉まで移動し、新幹線で広島に戻るというものだ。永願寺だけ列車またはバスで訪ねるとしたのは日豊線の門川駅近くにあるからで、路線バスも並走しているのでここは公共交通機関に乗ってみようというもの。しかし、日向市、都農町となると国道10号線からは近いものの、列車やバスとなると厳しい。本来ならローカル列車にも乗りたいところだが、九州八十八ヶ所百八霊場の札所は公共交通機関だと不便なところが多く、今回もレンタカー利用となる。まあ、レンタカーの場合は他のスポットにも気軽に立ち寄れるメリットも大きい。

そんな中だが、新幹線と日豊線の往復というよりも、変化をつけてみようと思う。頭にあったのは、四国から豊後水道を渡って九州に上陸するというもの。そのきっかけは前回佐伯まで来た時にあり、宮脇俊三の紀行文で高知県の宿毛から佐伯行きのフェリーを利用したとあったのを思い出したこと。もっとも、宿毛~佐伯のフェリーは利用客の減少等により数年前から運航中止が続いている。

その代わりに目を付けたのが、愛媛県の八幡浜から臼杵を結ぶフェリー。八幡浜からは別府へのフェリーも出ており、以前別府から利用したことがあるが、もう少し南の臼杵に上陸するのも一風変わったルートで面白そうだ。そして、八幡浜に行くために広島の宇品港から瀬戸内海を横断し、松山から特急に乗る。それぞれのダイヤを見比べる中で、広島から松山までものんびりフェリーで移動できればよかったのだが、後の乗り継ぎを考えるとここは高速艇「スーパージェット」利用となる。

松山観光港から松山駅に移動して、特急「宇和海」で八幡浜まで移動し、フェリーで豊後水道を渡る。そして臼杵から特急「にちりん」に乗り継ぐ。宿泊は延岡に決めた。そして翌日は延岡からレンタカーで南下する。先に名前の出た門川町の永願寺も通り道だから翌日一緒に回る。結局延岡まで1日がかりで行くことになり、翌日に一気に札所を回るプランとなった・・。

前置きが長くなったが、7月16日の朝、広電にて宇品港に到着する。16日、17日ともに西日本は晴天が広がり、その分猛暑の予報も出ている。その中で岸壁に立つと多少は風があり、朝の時間ということで少しは涼しく感じる。

これから乗るのは広島7時30分発の松山行き「スーパージェット」。後の行程を考え、この便が最適とした。呉を経由しないこともあり、松山まで1時間10分で結ぶ。フェリーだと2時間40分だから半分の時間である。

スーパージェットに乗るのは初めて。せっかくなので、1階の普通席に800円プラスして2階のスーパーシートに座る。この距離で合計8800円とは高いようにも感じるが、鉄道利用なら瀬戸大橋経由でぐるりと回らなければならないし、高速バスに乗るとしても福山まで出る必要がある。結局、海を渡るのが最善といえる。

座席サイズなどは特急の普通車とグリーン車ほどの差はないが、ゆったりできる。スーパーシートに陣取ったのは私ともう一人だけで、後は普通席だがこちらも十分空席がある。朝の便だからだろうか。

まず左手には宇品島、そして広島サミットのメイン会場となったグランドプリンスホテル広島が見える。市民としては交通規制の影響もあったが、G7首脳が揃っての平和記念資料館訪問、ウクライナのゼレンスキー大統領の急遽参加などさまざまな話題があり、サミットじたいの評価はさまざまだろうが今年の広島におけるもっとも重大な出来事であった。

空いているのでいろいろ席を変えてみる。太陽が照りつけるとさすがに暑い。高速艇なので外に出て潮風を受ける・・とはいかないのが残念で、エアコンの風が当たりそうなところにも座ってみる。

呉を経由しないので、海上自衛隊の施設はよく見えず。

音戸の瀬戸を通過する。さすがのスーパージェットでもここでは減速せざるを得ない。

宇品を出た時は一部残っていた雲も晴れ、どの方向も青空である。そして前方に、同じ松山行きのフェリー「シーパセオ」の姿を捉える。宇品を6時45分に出航した便で、一時はこれに乗ることも考えた。結局その時間に宇品に出るのが厳しかったので断念したが・・。

愛媛県に入り、斎灘に浮かぶ島々を眺める。今から九州に行くのに、伊予の島々を楽しむとは・・。

松山観光港に入る。四国に上陸すると本家・四国八十八ヶ所も気になるし、観光港の近くにも札所があるが、現在のところ「2巡目」を行う予定はない。

これから松山駅に向かう。これまで松山観光港を利用した時は、路線バスで高浜駅まで出て伊予鉄道に乗ったことがあるが、来て見ると松山駅、松山市駅経由で道後温泉までのリムジンバスがあるという。路線バス~伊予鉄道よりも若干運賃はかかるが、観光バス車両だし、松山駅まで直通するのでこちらに乗ってみる。

松山駅に到着。まだ9時すぎだが駅前も暑さでぎらついている。次に乗る特急「宇和海9号」までは1時間余の時間があるので、どう過ごすか・・・。

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