バファローズの観戦記を書くのも7月7日の神戸でのライオンズ戦以来である。当時はパ・リーグの順位争いも混とんとしており、バファローズ、ホークス、マリーンズが接戦を繰り広げていた。しかしながらホークスは7月7日の試合からオールスター戦明けまでにかけて12連敗を喫するなどして失速。一方でバファローズは順調に勝ち星を伸ばし、一気に首位固めとなった。そして8月26日、京セラドームでのマリーンズ戦は0対0の引き分けとなったが、優勝へのマジック24が点灯した。
実は2021年、2022年に優勝した時、バファローズには一度もマジックが点灯していない。2021年は優位に立っていたマリーンズにマジックが点灯したものの、バファローズがシーズン最終盤に追い上げ、最後はマリーンズが敗れたことで逆転での優勝となった。そして2022年も、ホークスとの優勝争いが本当に最後の最後までもつれ込み、最後はホークスがマジック1としたものの最終戦で敗れ、勝敗、勝率がまったく同じで並んだが直接対決の成績で上回ったバファローズが優勝した。2シーズン、ある意味「ミラクル・バファローズ」だったと言えるが、その分逆に8月にマジック点灯・・・となると、うれしいながらも何だか戸惑ってしまう。
8月27日のマリーンズ戦のチケットは7月には早々に購入していたが、これは8月末の3連戦が大きな山場になるかなと見込んでのことで、まさかマジックが点灯しているとは思っていなかった。これで私が現地に行って負けたら申し訳ないなと思いつつ、京セラドームに現れる。なお、前日の26日から別のお出かけと組み合わせていたが、その道中記は別の機会に・・。
27日は、8月の恒例イベント「Bs夏の陣」の最終日である。今季はストライプ入りのブリリアントグリーンのユニフォームを着用しての戦い。やはりチームの調子がよいと、こうしたイベントもゲンがよいといっていいだろう。そもそも、これが始まった時は「大坂夏の陣」をテーマとして、ビジョン画面には甲冑をつけた選手が登場したり、外国出身選手を漢字で標記したり(狼主、亜力士、羅六華、防具流尊、暴君竜・・・)と、戦国時代の演出でそれはそれで楽しかったのだが、如何せん成績が悪く、歴史と同じく大坂方が敗れるという結果だったなあ・・。その後もパジャマと揶揄されたり、迷彩色のユニフォームを着けたり、賛否両論いろいろあったが、やはりチームが勝てば限定ユニフォームもかっこよく見えるものである。
大阪は連日の猛暑日だったが、さすがドーム内は快適である。冷たいもので一献やるとちょっとした暑気払いだ。試合開始が近づくにつれて観客も増えてくる。
バファローズの先発は東。先発陣にも故障や不調での離脱がある中、7月末から先発の一角に加わり、ここまで「バファローズ山脈の谷間」を十分に埋める2勝負けなしである。一方の打線もそう毎試合大量得点をあげるわけではなく、こちらも故障や不調で入れ替えが多いが、誰かが抜ければ誰かがカバーすることでこれまでの好成績を維持している。ここ数試合は中川、森、頓宮のクリーンアップの組み合わせ。
バファローズナインが初回の守備につく。これも「夏の陣」の演出、ベンチ前で花火、スモークが噴き出る中での登場である。
初回、マリーンズ先頭の藤原がヒットで出塁。続く藤岡も四球で無死一・二塁。そして角中を迎え、早くもマウンドにコーチが向かう。
ここで角中がライトへのヒットを放ち、いきなり1点先制。レフト下段をびっしり埋めたマリーンズファンから大歓声が上がる。
しかしここから東も落ち着きを見せ、ポランコをファウルフライ、安田を併殺に打ち取って1点でしのぐ。
するとその裏、マリーンズ先発の森から渡部が四球で出塁。続く野口はあっさり凡退したが、中川が左中間への当たり。タイムリー二塁打となってすぐさま同点に追いつく。
2回、3回は東が三者凡退として(頓宮の好守備もあり)、3回裏、二死から中川がこの日2本目の二塁打で出塁。
ここで森が無理なく三遊間を破るヒットで、中川が生還。2対1と逆転し、送球の間に森も二塁に進む。
結果的にこの進塁が大きく、頓宮のレフト前ヒットで森が生還、3対1と点差を広げる。これで3番・4番・5番がそれぞれ打点を挙げる活躍だ。
4回も三者凡退とした東だが、5回に踏ん張りどころを迎える。ブロッソーに死球、佐藤のヒットで一死一・二塁として打席には小川。1-2と追い込んだが、ここから小川が連続ファウルで粘り、フルカウントまで持ち込む。しかし最後は高めのボールを空振りさせて三振。
続く藤原もファウルでしつこく粘ったが、頓宮、若月がタイムを取って落ち着くよう声をかけ、こちらも最後は低めのボールを空振りさせ、二者連続三振でしのぐ。
5回裏終了後のハリセンタイム。この日は試合前のイベントからBsGirlsに加え、チアダンススクールの子どもたちもグラウンドに登場する。この試合、私の席の隣にもグラウンドに登場する子どもがいる家族連れがいたのだが、試合中のイベントのタイミングにも合わせてグラウンド裏に集合しなければならず、その都度母親と一緒に行ったり来たりで忙しそうだった。その都度私が立って前を通してあげるのだが、それが何度もあったのに恐縮してか、最後はペットボトルのお茶をいただいた。スクールに通わせるのも大変でしょうな・・。
さて後半6回表、二死までは東が打ち取ったが、ポランコに一発を浴びる。最初はどこまで行ったかわからなかったが、映像を見るとライト上段の通路まで飛んだようである。これで3対2と、試合はわからなくなった。
続く安田に四球を与えたところで東は降板、比嘉に交代する。こういう場面ではこの人しかいない、てなもんで続く岡を平凡なフライに打ち取り、ピンチをしのぐ。
この3連戦は接戦続き、また前日は12回まで進んで投手も多く使っているところ、終盤をどう継投するかという中、7回のマウンドに上がったのは小木田。
うーん、先月奈良であった達川光男氏のトークショーで「小木田って誰なん?」と言われたのを思い出す。あの時はオールスター戦明けのブルペンデーということで先発起用されたのだが、逆に言えばどんな場面でも起用できる投手。ここは三者凡退で抑える。
そしてバファローズのラッキー7だが、ここはマリーンズ3人目の鈴木が三者凡退とする。
8回表は山田が登板。藤原、藤岡と左打者を抑え、角中のところでは右の代打・石川が登場。レフトスタンドからは「シンゴ、シンゴ、シンゴ・・・」の連発だが、空振り三振。
8回裏、一死から頓宮がヒットで出塁(代走・山足)、宗もヒットで一・二塁とする。このチャンスで紅林は凡退して、宜保のところで代打・ゴンザレス。三塁への当たりだが、ブロッソーが後逸。代打からレフトの守備についていた石川も打球の処理にもたつき、二者が生還した(記録はブロッソーのエラーで、ゴンザレスに打点はつかない)。5対2と、これで勝利がぐっと近くなった。
9回表は平野。これは8回の追加点の有無にかかわらず予定通りだが、8回の追加点があっただけにより安心して観ることができる。
前の打席で本塁打のポランコを力のないフライに打ち取り、続く安田も平凡なフライ。岡が二塁打を放つが(この時、1点差のままだったら劇場かとヒヤヒヤしたことだろう)、最後はブロッソーを内野フライに打ち取って試合終了(なお今季途中から加入のブロッソー、この日の攻守についてネットでかなり叩かれていたようだ)。前日マジック24が点灯したばかりだが、マジック対象のマリーンズ相手の勝利で一気に2減らし、22となった。
試合後にはこうしたスポーツ紙号外風のビジョンも出るんですな。現実の関西マスゴミではあり得ないことで・・(笑)。
試合後のお立ち台には先発で3勝目の東、そしてそれぞれ打点をあげた中川、森、頓宮の合計4人が登場。東は「調子がよくなかったものの2回以降修正できた」とし、中川、森、頓宮はそれぞれ「前後にいい打者がいるので・・」と、お互いを持ち上げるコメント。森からは「全員で優勝しましょう!」、そして頓宮からは「ほいさー!」と気勢をあげるお決まりの文句。
そして今季もこのキャッチフレーズ「全員で勝つ!!」が登場した。
試合内容に満足して帰途に就く。次の現地観戦は・・9月17日、18日のイーグルス戦の予定。実際観戦できるかどうかは私の今後の予定もあるので何とも言えないが、一応2試合ともチケットは購入済。ひょっとすればそのいずれかで胴上げがあったりして・・いやいや、それはまだ先の話。
新大阪から「バリ得こだま」プランにて広島に戻る。広島には20時すぎに到着だが、その直前、ライトが煌々とともるマツダスタジアムの横を通過する。この日カープはスワローズとの1戦で、結果は5時間の熱戦のうえ、延長12回引き分けとなった。セ・リーグはタイガースがマジック21としており、一部では早くも関西の球団同士による日本シリーズか?と言われているが、ここはカープにももう少し頑張ってほしいものである・・・(私の願いは、あくまでバファローズとカープの日本シリーズ)。