まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

奈良22番「長谷寺」~神仏霊場巡拝の道・62(風鈴回廊、そして先達委員会からのお知らせは・・)

2023年08月29日 | 神仏霊場巡拝の道

話は7月23日、もう1ヶ月以上前の神仏霊場巡拝の道めぐりの続きである。長谷寺は西国三十三所の札所として何度か訪ねているところで、前回のあみだくじで出た目的地である。これまでの神仏霊場めぐりで奈良県南部はほとんど訪ねているが、このエリアで長谷寺だけ残っていた。前に近くの室生寺を訪ねた時に、他に何もなければセットで回っただろうが、大阪での野球観戦と絡めていたので長谷寺だけ残った形である。

前日宿泊したJR奈良から万葉まほろば線で桜井まで南下し、近鉄大阪線に乗り換える。

朝9時、長谷寺駅に降り立ったのはごくわずかである。名刹であるとともに観光スポット、花のスポットとして知られる長谷寺だが、さすがに朝からこの暑さでは訪ねる人も少ないだろう。

門前町の通りを歩く。かつての初瀬街道で、古い造りの家屋も残る。一部は中を改装してカフェなどに活用されている建物もある。

それにしても暑い。この長谷寺への道のり、駅からはいったん大和川べりまで下り、その後はわずかながら上り坂をだらだら歩く。その距離も微妙に長く感じる。少しでも家屋の日陰を選んで歩く。

そして山門の前に到着。真言宗豊山派の総本山らしい堂々とした構えだが、ある宗派の総本山という枠を超えて、古来から観音霊場として多くの信仰を集めた寺である。

本堂に続く回廊の石段を上がる。長谷寺の石段は数が多く長いと言われているが、勾配も緩やかなのでさほど苦にはならない。

その途中に、風鈴がぶら下げられている。夏の間、「風鈴回廊」として、願い事が短冊に書かれた風鈴を吊るして参詣者に涼をもたらしている。「福寿増長」の文字も見える。

石段を上り、本堂前に出る。いくら勾配が緩やかといっても石段が続くと大汗である。作業現場で見られる大型の送風機があり、しばらくその風を受ける。

さてお参りである。春や秋の参詣シーズンなら内陣に入り、本尊の十一面観音像の足元に触れることができる。前日、大和西大寺で拝観した十一面観音も立派だったが、こちらはその長谷寺式の元祖である。外陣から見てもその威厳がよくわかる。

そして表の舞台に出て、改めてここでお勤めとする。

本来ならここから御影堂や五重塔、奥の院などを順にめぐるところだが、暑いし、以前も来ているから・・ということで今回は省略とした。ということで、本堂すぐ横の納経所に向かう。こちらで神仏霊場巡拝の道の納経帳への朱印、そして西国三十三所の先達用納経軸に重ね印をいただく。

ここで、西国三十三所の先達用納経軸のことが出たので、その後8月に届いた「西国三十三所札所会先達委員会」からの「夏のご挨拶」について触れておく。

いくつかのお知らせがある中、まずは10月29日、「西国巡礼先達研修会」を4年ぶりに参加者募集で開催するというのに「いいね」である。従来は年に1回、梅田の新阪急ホテルにて西国三十三所の先達が集まっての株主総会、もといファン感謝デー・・いや先達研修会が開かれていて、日曜開催の時に私もこれまで2回参加したのだが、コロナ禍の影響で2020年からは集会は中止、収録動画をYouTUbeで流すにとどまっていた。それが世の中の状況が変わったことで、4年ぶりに新阪急ホテルの開催が決まった。早速同封の参加申し込みはがきを送った。

そしてもう一つ、2024年4月1日から、納経料金が改定されるとあった。現在、納経帳への朱印は300円だが、これが500円になるという。ただし、重ね印については300円で据え置きとのこと。先達用納経軸に押印していただくだけなら変わらないが、この後、神仏霊場と西国三十三所を兼ねる札所もまだまだ残っている。そうしたところでは、神仏霊場は500円、西国の重ね印は300円ということになるのかな。

このところの諸般の物価上昇の影響がこういうところにも波及するのも致し方ないだろう。次の先達委員会で「納経料金を500円に値上げするとはけしからん!!」と質問する先達が出ないことを願う・・。

朱印をいただき、送風機からの風が来るベンチに座って、次の行き先を決めるあみだくじである。まず予備選となるくじ引きで出たのは・・

・宝山寺(奈良16番)

・熊野速玉大社(和歌山1番)

・六波羅蜜寺(京都38番)

・城南宮(京都3番)

・三室戸寺(京都44番)

・岩船寺(京都49番)

このところ、くじ引きのどれか一つに熊野三山のいずれかが出るように思う。くじ引きといってもスマホのアプリなので、一定の法則に沿って出目を決めるのかもしれないが、その一方で「ええ加減にはよ熊野に来いや!」と熱いメッセージを送られているようにも感じる。

そしてあみだくじの結果は・・3枠に入っていた宝山寺。あら、前日訪ねた霊山寺の隣、生駒市である。

そのまま風鈴の石段回廊を下りて山門に戻る。このまま駅まで歩くとして、途中で土産として三輪そうめんを買い求める。「日本三大そうめん」の一つである。一緒に「そうめんばち」も購入。手延べそうめんの製造過程でできる端の部分で、形が三味線バチに似ていることからそう呼ばれているが、いうなればパンの耳にあたるところ。そうめんを茹でるとなるとそれなりの手間がかかるが、ばちなら味噌汁やだし汁の中に入れてちょっと茹でるだけで具材の一つとして美味しくいただける・・。

長谷寺駅に戻り、大阪上本町行きの急行に乗って大和八木で下車する。この日は元々神戸での野球観戦(しかも神戸大花火大会)を予定していてチケットも購入していたが、やはり観戦後広島に戻るのが遅くなるのを嫌って、チケットは公式リセールで譲渡して、長谷寺参詣後はそのまま帰途に就くつもりだった。

今回大阪方面に向かわず大和八木で下車したのは、別にこれから大和西大寺で乗り換えて生駒に行き、宝山寺に向かうためではない。それは次回の楽しみとして、そのまま京都行きの特急に乗る。

やって来た車両はACE車で、京都まで快適に過ごす。わざわざ京都まで向かったのは別に札所めぐりや観光のためではなく、ある「乗り鉄」をやろうということで・・・。

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