まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第11回九州八十八ヶ所百八霊場めぐり~第33番「永願寺」(札所めぐりはレンタカーに限る??)

2023年08月07日 | 九州八十八ヶ所百八霊場

7月17日、九州八十八ヶ所百八霊場めぐりの当日である。この日は延岡からレンタカーを利用して日向路を南下する。

リミットは決まっていて、宮崎16時39分発の特急「にちりんシーガイア14号」博多行きに乗る。この列車で小倉まで行き、新幹線に乗り継ぐと広島には22時11分に着く。そこまで極端に遅い時間ではないと言える。しかし、もう1本後の宮崎17時31分発の「にちりん16号」だと、途中の停車駅が多いタイプということもあり、小倉には22時27分。これだと最終の新幹線に間に合わない。

・・ということで、宮崎から乗り遅れてはしゃれにならない。翌日は連休明けの通常勤務だ。レンタカーを返却して駅に移動する時間も考えれば、どんなに遅くとも16時までにはレンタカー店に着く必要がある。実質8時間、同じ県内なので大丈夫と思うが・・。

延岡にある札所2ヶ所は前回雨の中訪ねており、今回はこの先、第33番・永願寺(門川町)、第34番・中野寺(日向市)、第35番・行真寺(都農町)、第36番・貫川寺(都農町)、そして宮崎市に入った第37番・香泉寺、第38番・長久寺である。寺だけを回るなら十分時間はありそうだが、私にとって延岡~宮崎間は日豊線で通っただけで、目的地として訪ねるのはほぼ初めてである。他に何ヶ所かスポットを回ると、宮崎でのレンタカー返却時間のぎりぎりになるかもしれない。その場合は、宮崎市内の2ヶ所を次に回すとして、都農の2ヶ所までは押さえておきたい。

朝食後、延岡アーバンホテルを出発し、五ヶ瀬川を渡る。向かうのはこの先、日豊線の線路に近いトヨタレンタカーである。8時からの営業開始直後から利用し、宮崎まで持ち時間8時間でワンウェイ利用とする。トヨタレンタカーの場合、県内だとワンウェイ利用でも追加料金なしで利用できるイメージがあったが、さすがに宮崎までは距離があることから追加料金がかかるとのこと。だからというわけではないが、前日の宿泊で獲得した1000円分の旅行割クーポンはレンタカー料金の一部に充当する。

九州八十八ヶ所百八霊場めぐりにおいてはレンタカーの利用割合が高いが、札所の場所と現地の交通事情ゆえ致し方ない。先に挙げた今回対象の札所のうち、明らかに公共交通機関だけでアクセスしやすいのは最初に向かう永願寺だけで、後はバスの時刻を調べれば宮崎市内の2ヶ所が該当するくらいと思われる。

乗るのはコンパクトカーのヤリス。

まず延岡の市街地を抜ける。道順の関係で旭化成の工場に突き当った後、国道10号線に出る。宮崎県北部の中心都市、また旭化成の城下町ということもあってか、国道沿いに来ると全国チェーンのさまざまな店舗が並ぶ。普段の生活には十分である。

この先宮崎まで東九州道が通っているが、札所めぐりの各所は国道10号線の下道のほうが近い。日豊線の線路とも並走する。

土々呂と書いて「ととろ」と読ませる駅名がある。宮崎駿監督アニメのキャラクター「となりのトトロ」と同じ音ということで、この地を訪ねるその筋の人もいるそうだ。もっとも、土々呂はこの辺りの地名というだけで、アニメとは関係ない。地名の由来には諸説あるが、海の入り江に近く、波が「とどろく」ことからつけられたのではないかと言われている。ということで、「ととろ」という地名はここだけでなく各地にあるそうだ。

ならば逆に、キャラクターの「トトロ」の名前の由来は何やねんと気になる。それによると、「トトロ」とは「所沢にいるとなりのオバケ」が短くなったもので、宮崎駿監督の知人の女の子が「ところざわ」を舌が回らず「トトロザワ」と言ったことから決まったという。言葉の成り立ちにもいろいろあって面白い。

門川町に入り、左手に門川湾がちらりと見える。ここで国道10号線を右折し、門川駅近くの踏切を渡る。丘の上に寺らしき建物が見え、永願寺の看板が現れる。麓が駐車場のようだが、そのまま坂道を上がることができそうなのでそのまま行ってみる。特にこちらに停めても問題なさそうだ。

コンクリート造りの本堂の裏から回り、いったん正面を過ぎて山門に出る。ちょうど、先ほど通った国道10号線、並走する日豊線、そして門川湾を見渡すことができる。境内じたいは小ぶりだが、ほっとする眺めである。

永願寺が開かれたのは平安時代前期、この地を治めていた草野大膳弘利が創建したとされる。元々は同じ門川でも山の中に位置し、修験道の修行の場として結構な規模を有していたそうだ。戦国時代、豊後の大友宗麟が日向を攻めた時には永願寺の僧たちが境内への乱入を阻止したという。

現在地に移されたのは明治になってからで、修験道の禁止、神仏分離によるものという。かつての場所は現在奥の院として残されており、行基作と伝えられる本尊の薬師如来もそこに祀られているそうだ。これらは後から知ったことだが、ならば奥の院にも行くべきだったのかなと思う。

本堂の扉が開いており中に入る。さすがに屋内は蒸し暑く、扇風機をつけさせてもらってお勤めとする。

本堂の隅にテーブルがあり、朱印の印鑑が置かれているのでセルフにて朱印をいただく。あ、御影をいただかなかったが、そういえばその場には見当たらなかったなあ・・。まあ、ここまででも何ヶ所か抜けているので全て揃えることにはこだわっていないので、別にいいか。

この先日向市に入るが、次の第34番・中野寺は海岸線からは遠いところにある。ならばその前に、せっかく来たのだからどこか日向灘を眺めるスポットに行ってみたい。そう思って前日、日向市のおすすめスポットを検索してみた。その中で見つけたのが、日向岬のある細島半島。先端の景色もよいし、海に面した神社もあるという。地図を見ると、先にこちらを経由した後に中野寺に向かうのがスムーズなようだ。

この日は申し分ない天候だが、その分暑い。途中のコンビニでは大きいサイズのペットボトルに加え、冷凍ボトルも購入する。暑いのはどうしようもないが、レンタカーでエアコンを効かせている間は快適である。炎天下、列車やバスが来るのを待つことを思えば、費用はかさんでもレンタカーのほうがいいのかな。移動もできるし・・・。

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