まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第11回九州八十八ヶ所百八霊場めぐり~第36番「貫川寺」(宮崎へのアクセスは・・)

2023年08月11日 | 九州八十八ヶ所百八霊場

第35番・行真寺で「霊性開発」という住職の世界に触れ、その大元とする神武天皇ゆかりの都農神社に参詣後、国道10号線を行く。

貫川寺に到着。山門もなく、そのまま狭い境内にクルマを突っ込む形になる。他に駐車場があるわけではなさそうだ。

コンパクトな境内には地蔵像が祀られ、鐘楼もある。「子育大師」像も建つが、その表情はよくある大師像に比べると結構リアリティがある。特定のどなたかをモデルにしたのかなと思わせる。

正面にはコンクリート造りの本堂があり、こちらがクルマを停めたのを見てか、住職らしき僧侶が「どうぞお入りください」と網戸を開けてくれる。こちらも対応が早い。

そういえば先ほど行真寺で住職のお話を聞いた後、「この後はあそこ(言葉には出なかったが、おそらく貫川寺のことを指していると思われる)に行かれるんでしょ。連絡しておきます」ということを言われた。「こういう風貌のおっさんが次にそちらに行くから扉を開けておくように」という連絡が入っていたのか。とすると、先ほど行真寺を訪ねた時、あらかじめ待っていたかのように「お参りの方ですか~」と声をかけられたのは、その前の第34番・中野寺から連絡でも入っていたのか。

ここ貫川寺が開かれたのは明治時代。諸国を行脚していた高橋貫弘という僧侶が、この地を修行で訪ねた時に眼病の村人に加持祈祷を行ったところ平癒したというので、多くの人たちが集まった。そこでここに留まることとして建立したのが始まりという。当初は弘法大師を本尊としていたが、後に、背後にあるかつて修験道の修行の場であった尾鈴山の本地仏である十一面観音を本尊として祀るようになった。

お勤めを終え、預けていた納経帳を受け取る。「この先はどちらへ?」と尋ねられる。今思うに、宮崎県内の札所ではこうした「リレー」が行われているのかなと思うようになった。この時だが、まだ宮崎市内まで距離があるし、帰りの列車の時間も気になるところ。次の第37番・香泉寺に行くかどうかはわからないので、今回は宮崎まで行き、そのまま広島に帰る旨を話した。

話はいつしか「宮崎県へのアクセスの難しさ」ということになった。九州の7つの県を見渡すと、宮崎へのアクセスというのが最も厳しいという。住職も「不便なんですよね・・」と苦笑する。私もこの後宮崎まで行った後、特急「にちりんシーガイア」に4時間半揺られて小倉に戻る。時間帯によっては、宮崎から日豊線で大分を経由するのではなく、あえて逆の鹿児島中央まで行き、九州新幹線に乗り継いだほうが早いとの検索結果も出るくらいだ。

ただそこで住職から出たのが、「宮崎に行くのに、新八代からバスに乗るという手がありますよ」という言葉。確かに、宮崎に行くなら都市間バスに乗る手があるとは知っていたが、「新八代」というのが意外なキーワードだった、「B&Sみやざき」というルートで、Bはバス、Sは新幹線である。九州新幹線の博多~新八代開業に合わせて、新幹線が走らない宮崎へのアクセスを強化しようということでできた路線というので、歴史じたいはそれなりにある。JR九州も、新幹線と「B&Sみやざき」がセットになった割引きっぷも発売され、結構需要もあるようだ。

エリア外在住ということもあり、私の頭の中では鉄道の路線図しか浮かばないところ、これはよい情報をいただいた。次回以降、宮崎県南部の札所が続くが、行き帰りにこの「B&Sみやざき」ルートを使うのも効果的かなと思う。

その一方で、このバスがあるから、豪雨災害の影響で現在も八代~人吉~吉松間で不通となっている肥薩線の復旧にもあまり積極的になれないのかなとも思う。今は高速道路があればどこでも手軽に結ばれる時勢だから・・。

寺を後にして国道10号線を南下する。帰りに乗る「にちりんシーガイア14号」には十分間に合いそうだが、どうせなら次の行程を少しでも楽にするために?宮崎市内の2ヶ所、いやせめてどちらか1ヶ所だけでも今回押さえることができるかどうかのタイミングとなった。この先、古墳群もある西都を経由するが、このまま南下する。

宮崎市を流れる大淀川を渡る。橋の歩道には「橋の上からの釣り、投網を禁止する」の掲示もある。橋といっても結構な高さにあり、釣りならまだわからなくもないが、こんなところから投網をする輩がいるとはね。

思ったより時間ができたので、宮崎市内の札所も回ろう。まずは宮崎駅から遠い第38番・長久寺に向かい、駅への戻りがてら第37番・香泉寺に行くことに・・・。

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