まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

汚れた星条旗

2009-01-28 | 北米映画 00~07
 「告発のとき」
 退役軍人ハンクは、やはり軍人である息子マイクがイラクから帰還後、失踪したという知らせを受ける。女刑事エミリーと協力して息子を探すハンクだが、やがてマイクは無残なバラバラ焼死体で発見され...
 背後にある大きな力の隠蔽や圧力に屈せず、謎を解き真相を明らかにしようとする主人公...ちょっと松本清張の社会派ミステリっぽくて面白かったです。いかにも娯楽ハリウッドサスペンス!みたいな、ド派手さやトリッキーな展開やシーンもなく、淡々と静かで硬派な作りだったのも良かったです。思ってたほど暗くないけど、やはり重い内容ではあります。決してスカっと楽しい映画ではありません。こんなヒドい話、あえて映画にする必要あるのかな、ネタにしなくてもいいのでは、とも思える。
 アメリカのイラク攻撃の是非を問う内容ではなく(もちろん、いろいろ考えさせられますが)イラクで悲惨な体験をした若い兵士たちの、アメリカに戻ってからの心の問題、いわゆるPTSDを描いているところが興味深いです。よその国をメチャクチャにした上に、自国の若者たちまでメチャクチャにしちゃったイラク戦争は、ほんと何だったんだろうと暗澹となってしまいます。
 事件の真相と犯人には、え!マジかよ?!と呆気にとられてしまうほど、しょーもなさすぎる動機。それがPTSDの深刻さと救いのなさを物語っていて、ほんと息が苦しくなってしまう真実です。
 日本の自衛隊員もそうですが、米兵も入隊基準がかなり低い?健康で屈強なら、誰でも(前科者でも!)下っ端軍人にはなれる、みたいなところが怖いです。凶暴で残忍な異常性質者なんかも平気で入隊させてそうだし。日本など外国で凶悪事件を起こしてるのは、そんな連中なんだろうなあ。オバマさん、何とかして!
 
 日本ではハリウッドの名優、というより“BOSSの人”としてのほうがピンとくる存在となってるトミー・リー・ジョーンズが、この映画でオスカーにサプライズ・ノミネートされたのも記憶に新しい。日本の俳優なら、必死の熱演!になるところを、トミーおぢさんは終始鬼の無表情で、余計な動きも喋りもせず寡黙に主人公ハンクを演じてました。真実を求めつつも、もう何もかも知ってるような、すでに絶望しているような疲れ果てた表情が、痛ましくも秀逸でした。
 女刑事エミリー役は、シャーリーズ・セロン。男なんか豚野郎!男なんかに負けるか!な役が多い最近のシャー子さん。せっかくの美貌も、それを利用どころか恥じるように隠す傾向にもあるようで、もったいない。シャー子さん自身も美人ゆえに、エミリーみたいにヤな目にいっぱい遭ったんだろうなあ。美人もつらい?
 軍人役で、ジェームズ・フランコが。でも、トミーおぢさんを軍の寮内に案内するだけの軍人役!超チョイ役じゃん!もう終わり!?な出番の少なさにトホホあんなチョイ役、フランコくんじゃなくてもいいじゃん!でも、ミリタリー服&坊主頭が似合っててカッチョE~
コメント (2)
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