まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

あなたを忘れても愛は

2009-07-08 | 北米映画 08~14
 ちょっと聞いてヨ!思いっきり生ネット(みのもんたに思いっきり生電話できたらいいのですが...)!
 めでたくウェディングを挙げることになったmy sister M子ですが...マリッジブルーはM子よりも、なぜかmy motherのほうが深刻みたいで...
 昨夜もM子から相談電話がかかってきて...旦那さんのご両親が、一人息子の結婚式なのに20万円しか出せないとか。遠方にいる旦那さんの友達の交通費は、なぜかこっちが出さなければならなくなったとか。挙句は、旦那さんのお母さんの着付け代も、どさくさにまぎれてこっちが支払うことになってしまっているとか。
 うう~ん。何ともはや。きっちりしなきゃいけない!とは思っても、お金のことはなかなか強く言えないですよねえ。それにしても旦那さんのご両親、スゴい人たちですよねえ。何か怖い...でも、いちばん???なのはやっぱ、ご両親に何も言わない旦那さんだよなあ。どういうつもりなんだろう?
 こーいう場合、どうするべきなのでしょうか。波風立てぬようやり過ごすべきか?先のことを考えて、言うべきことは言ったほうが良いのか?
 それにしても。こんなに世知辛くイヤらしい悩みが噴出だなんて。結婚式なんかするもんじゃないなあ、と私は痛感中です♪

 「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」
 去年のアカデミー賞でジュリー・クリスティが主演女優賞にノミネートされた、女優サラ・ポリーの監督デビュー作。
 長年連れ添った妻フィオーナがアルツハイマー病に侵され、夫のグラントは彼女を介護ホームへ。フィオーナはグラントのことを忘れ、同じ入居者のオーブリーと恋人同士のように睦まじくなる。苦悩の末、グラントは妻の幸せのために彼女とオーブリーの恋を見守ろうとするが...
 他人事ではないアルツハイマーの恐怖。身につまされます。忘れてしまうほうも忘れられてしまうほうも悲劇。うちの婆さまもすっかり恍惚の人なので、あんなにキレイで賢かった人がこんなありさまに...と、無残な人生の最終章に戦慄を禁じえません。
 この映画は、アルツハイマーを社会問題的に提議したり、ベタベタしいお涙ちょうだいに仕立てたりしておらず、とても淡々と幻想的ともいえるムードと映像で、夫婦がたどり着いてしまった悲しい愛を描いています。自分を忘れ、違う男に恋してしまった妻。まさに、あなたな~らどうする~♪です。グラントが最終的に選んだ道は、え~!?でもまあ、男ってやっぱこうなんだろうな~とワタシ的には、おいおい&同情、みたいな感じでしたが。
 フィオーナみたいに美しくて知的で優しい女性が、あんな状態になるってホント悲劇。身も心も無残悲惨になってしまうけど、天性の美点のような麗しさは損なわない彼女に安心。それだけは奪わないでいてくれる神様に感謝。美しい魂や愛は、記憶や肉体のように朽ちないと信じたいです。
 グラントのフィオーナへの深い愛と献身が痛ましい。でも、老人になっても男女の愛が枯れないって、何だか怖いと思った。苦しみから死ぬまで逃れられないようで...痴呆のフィオーナでさえ、愛だけは忘れられずに苦しんでたのも悲痛でした。あんた誰?な男になったはずのグラントに、ウザいっ嫌っと抵抗を示しながらも、混乱し悲しそうに涙を流すフィオーナが可哀相だった。頭は忘れても、心は忘れてないんだなあ。きれいさっぱり忘却できたら、悲しいけどどんなに楽だろう。
 アルツハイマーって、ついさっきのことは忘れても、昔のことは覚えてるみたいですね。フィオーナも、若い頃にグラントの女癖の悪さに苦しめられたことは忘れなかったし。うちの婆さまも、さっきゴハン食べたことは忘れても、満州にいたことは覚えてるし。
 フィオーナ役のジュリー・クリスティが、評判通り素晴らしかったです。
 
 「ドクトル・ジバゴ」のラーラも、すっかりお婆さんに...でも、すごく美しい老婦人です。映画の始めの頃は、とても痴呆症患者には見えないほど、理知的で颯爽としてて素敵だし。ボケ方もどこか可愛らしく演じて、ありがちな湿っぽさや暗さがなかったのも良かった。セーターとか帽子がオシャレでした。
 グラント役のゴードン・ヴィンセントも好演。どちらかといえば、彼が主役かも。ちょっと浅野忠信に似てる?
 ホームの優しい看護婦さんも印象的でした。彼女がグラントに言う『人生は悪くなかった、と思うのは男。女は...』という台詞が辛らつで悲しかった。
 設備も環境も完璧で、職員たちも明るく親身な介護ホームですが...ここに来たら終わりだな、という絶望感はスゴかった。
 舞台となったカナダの自然が、ほんと美しかった。白い雪が優しく重くて...
 私がフィオーナなら...まだ理性が残ってるうちに、あの寒く美しい雪の中で睡眠薬を飲んで、静かに凍死するかも...
 
 
 
コメント (4)
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