まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

せびられて

2016-02-03 | 欧米のドラマ
 フランスのTVドラマ「ゴリオ爺さん」を観ました。文豪バルザック原作の映像化です。
 王政復古直後のパリ。下宿屋で暮らす元資産家の老人ゴリオには、金を無心する時にだけ会いにくる二人の娘がいた。そんな中、没落貴族の子息ラスティニャックが新しい下宿人としてやって来るが…
 引き続き大好きなボーギャルソン、マリク・ジディ出演作♪マリくん、この作品でもカッコカワイかった~

 ラスティニャック役のマリくん。最初のほうでは、フワフワしたウェーブのかかった長髪。マリくんの出世作、オゾン監督の「焼け石に水」の彼を思い出させました。カツラだと思うけど、ベルばらみたいな少女漫画に出てくる美青年っぽくてトレビアンやっぱマリくん、ええわ~。知的で優しそうで上品で透明感があって。抱かれたい系ではなく、こんな感じの男子になってみたいかも、と思わせる系。フェロモン男子もいいけど、マリくんみたいな清涼系も好きなんですよね~。

 髪をこざっぱりしたら、いつものマリくんに。爽やかで清潔感があって、短髪がやっぱ似合うかな。このドラマの時には29歳だった彼ですが、全然そんな年には見えません。少年みたい。理知的な童顔。つっても、ガキっぽいのではない。大人の男の落ち着きがある。チャラチャラした老けた中学生みたいな嵐とかとは違うのです。フランス男にしてはスカしてないし、滅多に風呂に入ってなさげな不潔感もなくて、とにかく優しそう清潔そう。ご本人も性格よさそうだもんね。ファンレターの返事くれたし。いい人に決まってます!
 そんなマリくんの優しさが、このドラマでも活かされてました。ラスティニャックも、お人よしに近いほど優しいんです。赤の他人のゴリオ爺さんにも親切で、そんな義理などないのに、ゴリオ爺さんの娘の借金まで肩代わりするとか、ありえない!やめときなよ!関わるな!と説教したくなるほど。

 貧乏貴族の役なので、きらびやかな衣装は着ないのですが、地味ながらも上品なファッションが、これまた似合ってて。マリくんって、オサレなんですよね~。現代のパリの青年役(「Les Amitiés maléfiques」とか)だろうが、時代劇の歴史的人物役(「クララ・シューマン 愛の協奏曲」とか)だろうが、彼が着ると何でも趣味が良く見えます。このドラマでも、マフラーとかベスト、コートとか、いま着ても全然オサレな品よい着こなしぶり。特に目を見張るような演技とかはしませんが、マリくんの上品な可愛さ、知的な優しさは、なかなか他の男優では味わえない稀有な魅力ではなかろうか。

 でも、ドラマじたいはイヤ~な話なんですよ。とにかく世知辛い。脚本、橋田スガコ?かと思うほど渡鬼っぽいです。ゴリオ爺さんの娘二人にイラっ&ムカッ。キャラ的には、赤木春恵にたかる美人になった沢田雅美&東てる美です。最低最悪なバカ娘・鬼娘どもで、殺したくなります。とにかく、老父に金をせびる、たかる!吸血蛭みたいな娘ども。娘の贅沢三昧生活、結婚の持参金で老父はスッカラカン、ショボい下宿屋に放り込んで会いにも来ない。金くれ!な時にだけ、お父様~と猫なで声で現れる。生活に困って、というのではなく、自分たちの見栄を維持するための金ほしさ、というところが卑しくて醜い。もう絞りとるだけの金がないと判明したら、パパが病に倒れ瀕死になっても枕辺に駆けつけることもなく無視!ひ、非道い!

 でも、実際にも、現代でもよくある光景、親子関係ですよね。金の切れ目は縁の切れ目、は家族にもあり得る。娘どもの言いなりで、甘やかし放題だったゴリオ爺さんも、いかがなものか。甘さは毒なんだな~と、つくづく思いました。にしてもゴリオ爺さん、可哀想すぎる。愛情深さの結果が、あの仕打ち。あの親不孝な薄情娘ども、ろくな死に方しないですよ。私もまあ、人のことトヤカク言えるほど親孝行じゃないけど
 ゴリオ爺さん役は、シャンソン歌手で俳優としても活躍してるシャルル・アズナブール。怪しい下宿人役のチャッキー・カリョも好演。金持ちの男爵夫人役で、懐かしの美人女優マルーシュカ・デートメルスが。はじめ誰か判らなかったけど、美熟女になってました。
 
 ↑オサレなパリジャン、マリくん

 ↑大女優ナタリー・バイと共演の新作“La Volante”が、なかなか面白そう!誤って若い男性を車で轢いて死なせてしまったエリートのマリくん、数年後彼の前に秘書として現れる被害者の母ナタリーおばさま、という内容みたいです。日本でも公開されてほしいですね♪
コメント
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