「快楽の悪の華」
不祥事を起こし弁護士資格を剥奪されたダヴィッドは、妻子を養うため密かに男娼をしていた。そんな中、指名してきたゲイの客が女性政治家の夫であることに気づいたダヴィッドは、密会現場の盗撮写真で金を脅しとろうと企むが…
妻に隠れて男娼をしている夫…隠微で背徳な設定からは、美味しそうな匂いがプンプンしてたのですが…期待はずれでガクッ宝箱を開けたら、10円玉が3枚しか入ってなかった、みたいな映画でした。エロくもないし、ドロドロでもない。サスペンス、ミステリーとしても、すごい中途半端で出来損ない感がハンパないです。もうちょっと何とか工夫できたはずなのにな~。とにかく、脚本が雑でユルいです。売春、しかも妻子ある男が…これって、妖しい後ろ暗さとか切実な悲壮感を期待しちゃうじゃないですか。そういうのが全然なかったし。主人公が巨悪の陰謀に巻き込まれて絶体絶命、というのが一応の筋書きなのですが、悪が水戸黄門の悪代官レベルのショボさで、スケール感ゼロ。
主人公ダヴィッドの魅力の乏しさが最大の敗因。弁護士資格を剥奪されて無職、でもヘンなプライドの高さゆえに女房には言えず、てっとり早く稼げるバイト感覚で男娼。欲求不満のスケベな金持ち熟女専門だった彼が、売春のマネージャーに上客だからと初めて男を回され、そんなん無理!と拒否しようとしたら、その男客が女性政治家の夫と知って、しめた!金づるになる!と引き受けて現場を盗撮し脅迫…やることがセコくて卑劣すぎる。悪だくみに失敗し、のっぴきならぬ事態に陥るダヴィッドですが。もっと非道い目に遭えばいいのに!と思った。あの程度ですんで、返って腹立ちました。コンクリート詰めにされて海に沈められる末路が似合う小悪党、誰にとっても迷惑なゴキブリみたいな男でした。あんな夫、最低最悪。ぜったいイヤ!とことん堕落した冷血男として描いてたら、まだ悪の魅力を放ってたかもしれないけど、そういうキャラに作り上げられてもおらず、とにかく浅はかで愚かな男にとして終始してました。バカすぎて、とても元エリート弁護士とは思えなかった。だいたい、いい年して売り専しようなんて発想からして、頭おかしいです。ダヴィッドの嫁も、気づけよ!と呆れた。どう考えても不審な夫の言動に、あの鈍い反応。騙され上手もいいとこです。
まっとうに生きるよりも、悪の道のほうが性に合っている、善良になりたいのに図らずも悪いことしちゃう、みたいなダヴィッドの葛藤や苦悩、怖さとか、「SHAME」のマイケル・ファスベンダーみたいな抑えられない病的な性欲ゆえに、みたいな闇と深淵を深く掘り下げた内容だったら、面白い映画になってたかもしれません。
内容はトホホでしたが、イケメン映画としてはハイレベルでした。ダヴィッド役のドイツ人俳優、トーベン・カストゥンスがビツクリするほどイケメン、いや、美男子!
カッコいい、可愛い、という男はゴマンといますが、美しい男となると絶滅状態な現在の映画界。ハリウッドやイギリスの人気有名俳優にはない冷ややかな美貌に目を奪われます。白い肌、ブロンド、色素の薄い瞳は、善い人役よりも悪い男、非情な役に向いてます。ヴィスコンティ監督の名作、「地獄に堕ちた勇者ども」でヘルムート・グリームが演じた冷酷美男なナチス官僚役とか似合いそう。同じくヴィスコンティ監督の「ルートヴィヒ」の美しき狂王役もハマりそう。劇中、美しい裸体もさらして、熟女たちとアンなことコンなことしちゃってます。濡れ場やヌードじたいは大したことないのですが、アヘアヘな色狂い熟女たちにビンタや意地悪な言葉攻め、ロウソクプレイなど、冷たい美しさに似合うドSっぷりが素敵でした。ダヴィッドにハニートラップされる熟年紳士も、なかなかいい男でした。男二人の絡みも大したことなくて、つくづく残念すぎる映画です。
それにつけても。トーベン・カストゥンスの美男ぶりに、つくづく思った。やっぱ悪い男は美しくなきゃね~。悪という甘美な言葉は、ブサメンには似合わない。ブサイクは、悪事を働いても悪い男じゃないんです。ただの醜い男、頭のおかしい男なんです。
↑トーベン・カストゥンス、1979年ドイツのハンブルク生まれ、というプロフィール以外不詳な彼。情報求ム!
不祥事を起こし弁護士資格を剥奪されたダヴィッドは、妻子を養うため密かに男娼をしていた。そんな中、指名してきたゲイの客が女性政治家の夫であることに気づいたダヴィッドは、密会現場の盗撮写真で金を脅しとろうと企むが…
妻に隠れて男娼をしている夫…隠微で背徳な設定からは、美味しそうな匂いがプンプンしてたのですが…期待はずれでガクッ宝箱を開けたら、10円玉が3枚しか入ってなかった、みたいな映画でした。エロくもないし、ドロドロでもない。サスペンス、ミステリーとしても、すごい中途半端で出来損ない感がハンパないです。もうちょっと何とか工夫できたはずなのにな~。とにかく、脚本が雑でユルいです。売春、しかも妻子ある男が…これって、妖しい後ろ暗さとか切実な悲壮感を期待しちゃうじゃないですか。そういうのが全然なかったし。主人公が巨悪の陰謀に巻き込まれて絶体絶命、というのが一応の筋書きなのですが、悪が水戸黄門の悪代官レベルのショボさで、スケール感ゼロ。
主人公ダヴィッドの魅力の乏しさが最大の敗因。弁護士資格を剥奪されて無職、でもヘンなプライドの高さゆえに女房には言えず、てっとり早く稼げるバイト感覚で男娼。欲求不満のスケベな金持ち熟女専門だった彼が、売春のマネージャーに上客だからと初めて男を回され、そんなん無理!と拒否しようとしたら、その男客が女性政治家の夫と知って、しめた!金づるになる!と引き受けて現場を盗撮し脅迫…やることがセコくて卑劣すぎる。悪だくみに失敗し、のっぴきならぬ事態に陥るダヴィッドですが。もっと非道い目に遭えばいいのに!と思った。あの程度ですんで、返って腹立ちました。コンクリート詰めにされて海に沈められる末路が似合う小悪党、誰にとっても迷惑なゴキブリみたいな男でした。あんな夫、最低最悪。ぜったいイヤ!とことん堕落した冷血男として描いてたら、まだ悪の魅力を放ってたかもしれないけど、そういうキャラに作り上げられてもおらず、とにかく浅はかで愚かな男にとして終始してました。バカすぎて、とても元エリート弁護士とは思えなかった。だいたい、いい年して売り専しようなんて発想からして、頭おかしいです。ダヴィッドの嫁も、気づけよ!と呆れた。どう考えても不審な夫の言動に、あの鈍い反応。騙され上手もいいとこです。
まっとうに生きるよりも、悪の道のほうが性に合っている、善良になりたいのに図らずも悪いことしちゃう、みたいなダヴィッドの葛藤や苦悩、怖さとか、「SHAME」のマイケル・ファスベンダーみたいな抑えられない病的な性欲ゆえに、みたいな闇と深淵を深く掘り下げた内容だったら、面白い映画になってたかもしれません。
内容はトホホでしたが、イケメン映画としてはハイレベルでした。ダヴィッド役のドイツ人俳優、トーベン・カストゥンスがビツクリするほどイケメン、いや、美男子!
カッコいい、可愛い、という男はゴマンといますが、美しい男となると絶滅状態な現在の映画界。ハリウッドやイギリスの人気有名俳優にはない冷ややかな美貌に目を奪われます。白い肌、ブロンド、色素の薄い瞳は、善い人役よりも悪い男、非情な役に向いてます。ヴィスコンティ監督の名作、「地獄に堕ちた勇者ども」でヘルムート・グリームが演じた冷酷美男なナチス官僚役とか似合いそう。同じくヴィスコンティ監督の「ルートヴィヒ」の美しき狂王役もハマりそう。劇中、美しい裸体もさらして、熟女たちとアンなことコンなことしちゃってます。濡れ場やヌードじたいは大したことないのですが、アヘアヘな色狂い熟女たちにビンタや意地悪な言葉攻め、ロウソクプレイなど、冷たい美しさに似合うドSっぷりが素敵でした。ダヴィッドにハニートラップされる熟年紳士も、なかなかいい男でした。男二人の絡みも大したことなくて、つくづく残念すぎる映画です。
それにつけても。トーベン・カストゥンスの美男ぶりに、つくづく思った。やっぱ悪い男は美しくなきゃね~。悪という甘美な言葉は、ブサメンには似合わない。ブサイクは、悪事を働いても悪い男じゃないんです。ただの醜い男、頭のおかしい男なんです。
↑トーベン・カストゥンス、1979年ドイツのハンブルク生まれ、というプロフィール以外不詳な彼。情報求ム!