「ブラック・スキャンダル」
1970年代後半のアメリカ、ボストン南部。犯罪組織を率いるジミーは、縄張りを荒らすマフィアを一掃するため、幼馴染のFBI捜査官ジョンの要請を受け、マフィアの情報提供を始めるが…
ジョニー・デップ主演作を映画館で観たのは、すごく久しぶり。パイレーツシリーズも、ワタシ的にはパート2で終わってますし。最近は、若い女に入れあげた私生活や、加齢と不摂生による見た目の劣化老化が祟って、往年のファンもドン引き。ジョニデバブルもすっかりはじけてしてまった昨今。独創的で魅力的なコスプレ俳優が、だんだんイロモノ、キワモノなイタいおじさんになってしまった感があるジョニーですが、この新作では久々に高い評価を得て復活の兆し。
凶暴で狂気的なギャングおやじを、不気味に大怪演してるジョニー。常軌を逸した外道役は、ほとんどモンスターで怖い。見た目もバケモノで、子どもが見たら泣く忌まわしさ、禍々しさです。裏切り者や邪魔者は容赦なく、かつ残忍に始末しまくる反面、老母や幼い息子、近所の年寄りには超いい人。残虐性も優しさも嘘偽りなく本物な、まるで二重人格なサイコっぷりも、ヤバくて面白かった。そんな危険な怪人を激演してるジョニー、なかなかの迫力で圧巻です。腐ってもジョニー・デップ、というか。俳優としての実力はもちろん、ふとした表情に見える往年の麗しかったジョニーの面影に、ああジョニー健在と、往年のファンとしては嬉しくなりました。しかしながら…
美しかった男が崩れ始めると、もうどうにも止まらない…この映画のジョニー、もちろん特殊メイクはしてるのでしょうけど、もうその必要もあまりない風貌になってしまってるのが悲しい。同じギャング映画、若い頃の「フェイク」のジョニーの美しさ、色っぽさを思い出してしまい、あらためて年齢の重ね方の難しさを痛感。素敵な熟年俳優ではなく、毒々しいキワモノ、ゲテモノ俳優路線に、今後ジョニーは活路を見出していく胸算用なのでしょうか。
それにしても。アメリカも、ほんとアナーキーな国ですよね~。これ、実話ってのが驚き桃の木ですわ。ジミーみたいなキ○ガイが、平然とのさばって野放しにされてるなんて。悪と善は紙一重、共存し合って社会が成り立っている、という現実も空恐ろしかったです。ギャング、FBI、政治家が緊密に複雑に絡み合って、三つ巴のバトルが繰り広げられるのかと思いきや、ジョニーのサイコっぷりばかりが目立ち、三者のスリリングでサスペンスな駆け引きや死闘を期待すると、かなり肩すかしです。
ジミーとズブズブな関係になるFBI捜査官ジョン役は、最近売れっ子なオーストラリア俳優のジョエル・エガートン。大柄で男らしい頼もしい風貌も魅力的で、調子ぶっこきまくった挙句に転落する男の悲哀を熱演してるのですが、「ウォーリアー」や「エクソダス」同様、美味しい役なのに印象に強く残らないのはなぜ?彼、ハーヴェイ・カイテルとクリス・クーパーに似てる?
ジミーの弟で政治家のビリー役は、今をときめくベネディクト・カンバーバッチ。
バッチがジョニー、ジョエルとトリプル主演みたいな宣伝は、JAROに通告ものな詐欺です。チョイ役じゃん!脇役のケヴィン・ベーコンより出番少ないし!別にバッチさんじゃなくてもいい役でした。似ても似つかないジョニーと兄弟役ってのも、違和感ありすぎ。アイリッシュ系の兄弟役なのに、ジョニーもバッチもアイリッシュに見えないし。でもバッチさん、政治家役は似合いますね。なんかもう貫禄というか風格があるし。彼も早々とオヤヂ化しそうな予感。それにしても。あんな恐ろしい犯罪者な兄がいるのに、堂々と政治家でいられるなんて信じがたいわ~。ちなみにビリー役は当初、ガイ・ピアースが演じる予定だったとか。ガイピーも、ビリー役にはもったいないですよ。
1970年代後半のアメリカ、ボストン南部。犯罪組織を率いるジミーは、縄張りを荒らすマフィアを一掃するため、幼馴染のFBI捜査官ジョンの要請を受け、マフィアの情報提供を始めるが…
ジョニー・デップ主演作を映画館で観たのは、すごく久しぶり。パイレーツシリーズも、ワタシ的にはパート2で終わってますし。最近は、若い女に入れあげた私生活や、加齢と不摂生による見た目の劣化老化が祟って、往年のファンもドン引き。ジョニデバブルもすっかりはじけてしてまった昨今。独創的で魅力的なコスプレ俳優が、だんだんイロモノ、キワモノなイタいおじさんになってしまった感があるジョニーですが、この新作では久々に高い評価を得て復活の兆し。
凶暴で狂気的なギャングおやじを、不気味に大怪演してるジョニー。常軌を逸した外道役は、ほとんどモンスターで怖い。見た目もバケモノで、子どもが見たら泣く忌まわしさ、禍々しさです。裏切り者や邪魔者は容赦なく、かつ残忍に始末しまくる反面、老母や幼い息子、近所の年寄りには超いい人。残虐性も優しさも嘘偽りなく本物な、まるで二重人格なサイコっぷりも、ヤバくて面白かった。そんな危険な怪人を激演してるジョニー、なかなかの迫力で圧巻です。腐ってもジョニー・デップ、というか。俳優としての実力はもちろん、ふとした表情に見える往年の麗しかったジョニーの面影に、ああジョニー健在と、往年のファンとしては嬉しくなりました。しかしながら…
美しかった男が崩れ始めると、もうどうにも止まらない…この映画のジョニー、もちろん特殊メイクはしてるのでしょうけど、もうその必要もあまりない風貌になってしまってるのが悲しい。同じギャング映画、若い頃の「フェイク」のジョニーの美しさ、色っぽさを思い出してしまい、あらためて年齢の重ね方の難しさを痛感。素敵な熟年俳優ではなく、毒々しいキワモノ、ゲテモノ俳優路線に、今後ジョニーは活路を見出していく胸算用なのでしょうか。
それにしても。アメリカも、ほんとアナーキーな国ですよね~。これ、実話ってのが驚き桃の木ですわ。ジミーみたいなキ○ガイが、平然とのさばって野放しにされてるなんて。悪と善は紙一重、共存し合って社会が成り立っている、という現実も空恐ろしかったです。ギャング、FBI、政治家が緊密に複雑に絡み合って、三つ巴のバトルが繰り広げられるのかと思いきや、ジョニーのサイコっぷりばかりが目立ち、三者のスリリングでサスペンスな駆け引きや死闘を期待すると、かなり肩すかしです。
ジミーとズブズブな関係になるFBI捜査官ジョン役は、最近売れっ子なオーストラリア俳優のジョエル・エガートン。大柄で男らしい頼もしい風貌も魅力的で、調子ぶっこきまくった挙句に転落する男の悲哀を熱演してるのですが、「ウォーリアー」や「エクソダス」同様、美味しい役なのに印象に強く残らないのはなぜ?彼、ハーヴェイ・カイテルとクリス・クーパーに似てる?
ジミーの弟で政治家のビリー役は、今をときめくベネディクト・カンバーバッチ。
バッチがジョニー、ジョエルとトリプル主演みたいな宣伝は、JAROに通告ものな詐欺です。チョイ役じゃん!脇役のケヴィン・ベーコンより出番少ないし!別にバッチさんじゃなくてもいい役でした。似ても似つかないジョニーと兄弟役ってのも、違和感ありすぎ。アイリッシュ系の兄弟役なのに、ジョニーもバッチもアイリッシュに見えないし。でもバッチさん、政治家役は似合いますね。なんかもう貫禄というか風格があるし。彼も早々とオヤヂ化しそうな予感。それにしても。あんな恐ろしい犯罪者な兄がいるのに、堂々と政治家でいられるなんて信じがたいわ~。ちなみにビリー役は当初、ガイ・ピアースが演じる予定だったとか。ガイピーも、ビリー役にはもったいないですよ。