「オリエント急行殺人事件」
イスタンブール発オリエント急行の車内で、アメリカ人の実業家ラチェットが殺害される。乗客として事件に遭遇した名探偵ポアロは、国籍も身分も違う容疑者たちの中から真犯人を探り出そうとするが…
ホントに作っちゃうんだ~…と、この映画の撮影スタートニュースを聞いた時、複雑な気持ちにかられました。74年版の「オリエント急行殺人事件」は、子どもの時に初めてTVで観て以来、大好きな思い入れのある名作なので、この新版は期待よりも不安を私にもたらしました。名作のリメイクの大半は、トホホな劣化版じゃないですか。原作の持ち味を活かさず、メチャクチャにいじくり回してしまう罪深いものも多い。オリエント急行が、三谷コーキ先生にされたような目にまた遭ってしまってるのかな~…でも気になるし…と、揺れる想い~♪by ZARD いや!こうなったら、ネガティヴな目線ではなく、楽しく粗探し、ツッコミしまくってやる!と意気込みながら観に行きました。で、いざ観たら…想定外に、拍子抜けするほど、面白くて楽しめました
どうしても74年版と比較してしまうので、こんなのオリエント急行じゃない!こんなのポアロじゃない!と思ってしまうシーンが多かったのですが、それもまたこの映画の魅力になってました。こういうオリエント急行もアリじゃね?と、74年版とはまったく異なるテイストも、楽しんで味わえました。74年版がコクの深いワインなら、この2017年版は甘酸っぱいシャンパン、みたいな違いというか。どっちも高級で美味。好みが別れるところですが、私はやっぱワインのほうが好きかな。74年版は、とにかく優雅で小粋で、どちらかといえば舞台劇的で英国色が濃く、しかも洗練された喜劇みたいだったけど、このニューバージョンは、現代的でスタイリッシュな、とても映画的な演出や撮影、最先端のCG駆使が、いかにもイマドキのハリウッドっぽかったです。あと、アーバスノット大佐を黒人の医者に変えてたり、人種ネタが今のハリウッド、アメリカ社会を反映してました。
最も衝撃的だったのは、ポアロのアクションシーン!ステッキを使って襲撃者と戦ったり、列車の屋根の上を歩いたり、軽快に俊敏に動き回るポアロに唖然。ポアロって、そんなキャラだったっけ?!でっぷり太って悠然とふんぞり返ってる、ナルシーでイヤミな、ちょっとオネエっぽい爺さんってイメージのポアロが、若々しく雄々しく真面目でカッコいいヒーローキャラになってたのが、かなり斬新で革新的でした。新ポアロを熱演したケネス・ブラナは、監督も兼任。さぞや大変な撮影だっただろうな~。健闘を心から讃えたいです。
映画的な演出やポアロのキャラ変、そしてキャストもなかなか素敵なメンツでした。ユニークで知名度も高いけど、74年版に比べると格落ちしてる感じは否めません。74年版が大物ぞろいすぎなんです。ラチェット役のジョニー・デップ、ハバード夫人役のミシェル・ファイファーは、かつての美しさを知ってる者からしたら、ちょっと切なくなるほど老けてしまいました。ジョニーは極悪というよりチョイワルおやじ。もっと殺されて当然!な毒々しい瘴気を出してほしかったです。
出演者の中では最も大物で、撮影中きっと特別扱いされてたはずの大女優ジュディ・デンチは、気軽に出演した感じ。彼女らしい強烈さはあまり出してなかったです。宣教師役のペネロペ・クルスもフツーすぎ。旧版の宣教師と全く別人物にしたのは、ペネロペに出演してもらうための忖度改変?
ベテランの有名俳優たちよりも、知名度は低いけど若い男優陣のほうがフレッシュで魅力的でした。私が最も惹かれたのは、鉄道会社の重役でポアロの友人バーク役のイギリス俳優トム・ベイトマン。なかなかイケメンでした!そして、「マグニフィセント・セブン」にも出てたラテン系俳優のマヌエル・ガルシア・ルルフォも、見せ場はほとんどなかったけど、井浦新を濃ゆくした感じの顔がイケてました。車掌役のオランダ俳優マーワン・ケンザリも、男のフェロモン濃厚な色男。アンドレイニ伯爵役は、ウクライナ出身の世界的人気バレエダンサー、セルゲイ・ポルーニン。妖しい美男子ぶりが印象的でした。あと、冒頭のイスタンブールでの事件に関わる若い警官が、チョイ役ながらイケメンだった。小粒だけど国際色豊かで個性的なイケメンの起用は、かなり大成功です。近い将来、みんな大物人気スターになるかも。
おおむね楽しめたのですが、残念だったのは、個性的な俳優たちの演技も容疑者キャラも、何だか薄くてインパクトに欠けてたこと。旧作の容疑者たちは、ほんと濃ゆい連中だったよな~。あと、お涙ちょうだいなラストにしてしまい、まるで「相棒」劇場版みたいなチープさになってしまったこと。でもまあ、仕方がないとは思います。旧作のあのエレガントさ、シニカルなユーモア、洒脱さは、今の若い映画ファンには解せない楽しめないでしょうし…
映画のラストで示唆されてた通り、ケネス・ブラナ主演・監督でシリーズ化が決まったみたいですね。次は「ナイル殺人事件」!キャストが楽しみですね~。またイケメンそろえてほしいものです
イスタンブール発オリエント急行の車内で、アメリカ人の実業家ラチェットが殺害される。乗客として事件に遭遇した名探偵ポアロは、国籍も身分も違う容疑者たちの中から真犯人を探り出そうとするが…
ホントに作っちゃうんだ~…と、この映画の撮影スタートニュースを聞いた時、複雑な気持ちにかられました。74年版の「オリエント急行殺人事件」は、子どもの時に初めてTVで観て以来、大好きな思い入れのある名作なので、この新版は期待よりも不安を私にもたらしました。名作のリメイクの大半は、トホホな劣化版じゃないですか。原作の持ち味を活かさず、メチャクチャにいじくり回してしまう罪深いものも多い。オリエント急行が、三谷コーキ先生にされたような目にまた遭ってしまってるのかな~…でも気になるし…と、揺れる想い~♪by ZARD いや!こうなったら、ネガティヴな目線ではなく、楽しく粗探し、ツッコミしまくってやる!と意気込みながら観に行きました。で、いざ観たら…想定外に、拍子抜けするほど、面白くて楽しめました
どうしても74年版と比較してしまうので、こんなのオリエント急行じゃない!こんなのポアロじゃない!と思ってしまうシーンが多かったのですが、それもまたこの映画の魅力になってました。こういうオリエント急行もアリじゃね?と、74年版とはまったく異なるテイストも、楽しんで味わえました。74年版がコクの深いワインなら、この2017年版は甘酸っぱいシャンパン、みたいな違いというか。どっちも高級で美味。好みが別れるところですが、私はやっぱワインのほうが好きかな。74年版は、とにかく優雅で小粋で、どちらかといえば舞台劇的で英国色が濃く、しかも洗練された喜劇みたいだったけど、このニューバージョンは、現代的でスタイリッシュな、とても映画的な演出や撮影、最先端のCG駆使が、いかにもイマドキのハリウッドっぽかったです。あと、アーバスノット大佐を黒人の医者に変えてたり、人種ネタが今のハリウッド、アメリカ社会を反映してました。
最も衝撃的だったのは、ポアロのアクションシーン!ステッキを使って襲撃者と戦ったり、列車の屋根の上を歩いたり、軽快に俊敏に動き回るポアロに唖然。ポアロって、そんなキャラだったっけ?!でっぷり太って悠然とふんぞり返ってる、ナルシーでイヤミな、ちょっとオネエっぽい爺さんってイメージのポアロが、若々しく雄々しく真面目でカッコいいヒーローキャラになってたのが、かなり斬新で革新的でした。新ポアロを熱演したケネス・ブラナは、監督も兼任。さぞや大変な撮影だっただろうな~。健闘を心から讃えたいです。
映画的な演出やポアロのキャラ変、そしてキャストもなかなか素敵なメンツでした。ユニークで知名度も高いけど、74年版に比べると格落ちしてる感じは否めません。74年版が大物ぞろいすぎなんです。ラチェット役のジョニー・デップ、ハバード夫人役のミシェル・ファイファーは、かつての美しさを知ってる者からしたら、ちょっと切なくなるほど老けてしまいました。ジョニーは極悪というよりチョイワルおやじ。もっと殺されて当然!な毒々しい瘴気を出してほしかったです。
出演者の中では最も大物で、撮影中きっと特別扱いされてたはずの大女優ジュディ・デンチは、気軽に出演した感じ。彼女らしい強烈さはあまり出してなかったです。宣教師役のペネロペ・クルスもフツーすぎ。旧版の宣教師と全く別人物にしたのは、ペネロペに出演してもらうための忖度改変?
ベテランの有名俳優たちよりも、知名度は低いけど若い男優陣のほうがフレッシュで魅力的でした。私が最も惹かれたのは、鉄道会社の重役でポアロの友人バーク役のイギリス俳優トム・ベイトマン。なかなかイケメンでした!そして、「マグニフィセント・セブン」にも出てたラテン系俳優のマヌエル・ガルシア・ルルフォも、見せ場はほとんどなかったけど、井浦新を濃ゆくした感じの顔がイケてました。車掌役のオランダ俳優マーワン・ケンザリも、男のフェロモン濃厚な色男。アンドレイニ伯爵役は、ウクライナ出身の世界的人気バレエダンサー、セルゲイ・ポルーニン。妖しい美男子ぶりが印象的でした。あと、冒頭のイスタンブールでの事件に関わる若い警官が、チョイ役ながらイケメンだった。小粒だけど国際色豊かで個性的なイケメンの起用は、かなり大成功です。近い将来、みんな大物人気スターになるかも。
おおむね楽しめたのですが、残念だったのは、個性的な俳優たちの演技も容疑者キャラも、何だか薄くてインパクトに欠けてたこと。旧作の容疑者たちは、ほんと濃ゆい連中だったよな~。あと、お涙ちょうだいなラストにしてしまい、まるで「相棒」劇場版みたいなチープさになってしまったこと。でもまあ、仕方がないとは思います。旧作のあのエレガントさ、シニカルなユーモア、洒脱さは、今の若い映画ファンには解せない楽しめないでしょうし…
映画のラストで示唆されてた通り、ケネス・ブラナ主演・監督でシリーズ化が決まったみたいですね。次は「ナイル殺人事件」!キャストが楽しみですね~。またイケメンそろえてほしいものです