まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

熟女検視官の幽愛体験

2019-08-28 | イタリア映画
 「ナポリ 熟れた情事」
 ナポリの検視官アドレアーナは、パーティーで知り合った青年アンドレアと濃密な一夜を過ごす。しかしアンドレアは失踪し、やがて両目をくり抜かれた惨殺死体で発見される。ショックから立ち直れないアドレアーナの前に、アンドレアと瓜二つの若者が現れる。彼はアンドレアの双子の弟ルカだった。アドレアーナはルカを自宅に匿うが…
 ヒロインが男を射殺する冒頭のシーン、両目をえぐられた惨殺死体、突然現れる被害者の双子の弟、彼のサイコな嫉妬と独占欲、バスルームに残された暗号のような謎の数字、そしてヒロインが少女の時に両親が起こした事件の真相etc.古都ナポリを舞台にした官能ミステリー、のはずだったのですが、だんだん話が違う方向へと変わっていき、え?そっち?な展開に当惑。すべて夢でした、に近いオチ。思わせぶりな謎の数々はいったい何だったのと、ナポリタンを注文したのに気づけば冷麺を食べてた、みたいな映画でした。

 サイコサスペンスでもなくオカルトでもなく、女ざかりのからだを持て余す熟女ヒロインの、更年期寸前な情緒不安定さが産み出したファンタジア、と解釈すべきなのでしょうか。心の迷宮でさまようヒロインの夢かうつつかな世界を、情緒深くミステリアスなナポリに重ねて描いています。ローマとはまた雰囲気が違うナポリの異国情緒も趣深いです。ちょっと猥雑で湿り気のある空気感というか。古い教会や石畳の狭い街路、オープンカフェetc.ヨーロッパならではな歴史の匂いが。老人たちがくつろぐ塔の上の老人ホーム?が素敵でした。アンドレアの住んでた部屋がオシャレだった。海をのぞむあんな部屋で暮らしてみたい。

 濡れ場は最初に一回だけなので、邦題はちょっと誇大広告。でもその濡れ場はなかなか濃密でエロいです。でもwowwow放送なので、ボカシだらけにされて無残で興ざめ。局部ならいざ知らず、お尻までボカさんでもええやろ。せっかくの官能も台無しです。ヒロインのおっぱいはボカしてもいいので、イケメンのケツはボカさないで!
 アドレアーナ役は、ムッソリーニの愛人役を熱演した「愛の勝利を」や、この映画のフェルザン・オズペテク監督の旧作「向かいの窓」なども忘れがたいジョヴァンナ・メッゾジョルノ。すっかりおばちゃん、いや、熟女になってしまってて驚きました。まさに熟れ熟れ完熟トマトです。ぽっちゃりというか、どっしりというか、ずんぐりというか、とにかくふくよか。イタリア女性の典型的な年齢の重ね方をしてます。でも美女であることには変わりないです。不自然に細い人工的美魔女よりも、そのムチムチした肉体は生々しく魅惑的。本国では大物女優なはずなのに、脱ぎっぷりがあっぱれすぎる。堂々とさらす全裸だけでなく、アンなことコンなこと若い男にむしゃぶりつく痴態もエロいです。顔がちょっと上野樹里に似て見えたのは私だけ?のだめ(古っ!)を濃ゆくした感じ。

 アンドレア/ルカ役は、「ダリダ あまい囁き」でもいい男だったアレッサンドロ・ボルギ。ユアン・マクレガーをちょっと濃ゆく、もっとセクシーにした感じのイケメンです。彼の脱ぎっぷりもお見事だった。彼もエロいカラダしてます。そして別に見せなくていいシーンでも、前後ともにポロンと気前よく出してます。イタリア男にしては涼しげな風貌ですが、情熱的な言動と胸毛はいかにもイタリア男でした。

 ヒロインの叔母さんが、モダンな美老婦人で素敵でした。それにしてもイタリア、モブな脇役、通行人でさえ、すごい美男美女がそこかしこに。みんな年取ったら例外なく別人のように太っちゃうんですね~。ちなみにフェルザン・オズペテク監督はゲイであることをカミングアウトしてて、ラウル・ボヴァやエリオ・ジェルマーノ、ステファノ・アコルシ、そしてこの映画のアレッサンドロ・ボルギと、主演に起用する男優はみんな軒並み上質のイケメン!いかにもゲイの監督らしい、センスのいい面食いぶりです。

 ↑ アレッサンドロ・ボルギ、1986年生まれの33歳…って、嵐より年下かよ!役と演技が大人ですね~。ローマ帝国が舞台の最新作“Il primo re”では、ほぼ原始人みたいな風体だけど際立つ美男ぶりとの評判。早く観たい!
コメント (4)
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